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コンピューターのチカチカ

 子供のころ、テレビや映画のSFモノの画面で登場するコンピューターの操作卓などが、ランプの点灯でチカチカと発光ディスプレイされているのを見るのが大好きだった。

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↑特に20世紀フォックス系の映画、テレビ番組・・・・「宇宙家族ロビンソン」「原潜シーヴュー号」「巨人の惑星」「タイムトンネル」「バットマン」・・・などでは、この操作卓が画面の隅っこ鎮座されていて、これを見るだけでもワクワクしたものだった。

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↑、ジュピター2号、ロアーデッキの操作卓。下層部にもサブ・コックピットがあったことをご存知ですか?。

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↑映画「The Fantastic Voyage」・・・あのムチャクチャな邦題が前から気に食わないので原題で書きました・・・でもチラッと登場。

また、この操作卓もお好みでした。

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↑ジュピター2号、アルファコントロール発射準備中。

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↑もちろん、「The Fantastic Voyage」にも・・・

 さて、これらの撮影小道具品。たいていは美術スタッフが適当にコンピューターの廃品などを仕入れてきて、後は技術部がランプがチカチカするようにマルチバイブレーター回路などの電気仕掛けを取り付けたものであるが、少なくとも一番上の物体はバローズという会社のコンピューター操作卓をそのまま使っている。

 これが分かったのは、以前、NHKの番組「地球コンピューター」の中で古い映像としてこれが映り、バローズ製となっていたからだ。そう、これはホンモノのコンピューター操作卓なのである。・・・・

 追記: ウィキペディアでこの操作卓はバローズB205型のものと判明。ついでにB205の操作卓と磁気テープデバイスが登場する映像を紹介したHPも発見した。

 http://www.angelfire.com/scifi/B205/onscreen.html

・・・・ただし、ランプの点灯回路は技術スタッフが取り付けたものだろう。実際のコンピューターの操作卓ではレジスタ、アキュームレーター、プログラムカウンターなどのビットを示すランプ表示は高速に点滅し、映画やテレビの中のようにのんびりと点滅しないからだ。

 あ、忘れていました。コンピューターといっても50年前のモノですぞ。当時は6ビットマシンなどもあって、タンスくらいの大きさのコアメモリーで記憶容量8キロバイトなんてのがザラにありました。

↓さすがメリケンのファン。このB205コンソールを造ってしまった人がいた。

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宇宙家族ロビンソンが地球に帰れなかった訳

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 1966年からテレビ放映された「宇宙家族ロビンソン」は私にとって特に思い入れの強い番組で、繰り返し再放送されたものは・・・と言っても30年以上前のこと・・・ 必ず観ていたものだが、なぜか、第一シーズンの白黒作品だけは、テレビ局はかたくなに再放送することが無かった。

 それで、どうしても特に優れた特撮や第一話の宇宙への出発のエピソードを再見したく、とうとう、ソフト化されたレーザーディスクを第一シーズンだけでなく、日本では未放映の第3シーズンまでの全エピソードを購入してしまった。

 ということも、もう15年以上も前のこと。現在はDVDで発売されているが、第3シーズンまで発売されているかどうかは定かでない。(発売中です)

 さて、結論から言うと、「宇宙家族ロビンソン」で、私がSF作品として優れていると感じているエピソードは第一シーズン第1話から第5話までである。

 それは、地球のアルファコントロールから発進したソロバン玉型宇宙船ジュピター2号が、ナゾの惑星に不時着し、一つ目ジャイアントの怪獣に遭遇したり、惑星の極端な寒暖の差を退避すべく、探検車で放浪し、再び宇宙船に戻って来るまでの話。

 この5話には、プロデューサー、アーウィン・アレンが、番組化にあたって先行制作したパイロットフィルムのために莫大な予算で撮影された、豪華なセットとロケ撮影、それに特撮による名シーンが盛りだくさんに採用されている。

 それは、L.B・アボットとハワード・ライデッカーによる特撮、・・・ ジュピター2号の不時着シーンや探検車の海上のシーン、一つ目ジャイアントのシーン。 ベル社のロケットベルトを使った実写飛行シーン。雪上車を改造した探検車の砂漠での実走シーン。等々に当時の特撮少年がどれだけワクワクしたことか。また、現在観ても、十分大人の鑑賞に堪えうるものだ。

 ところが第6話から第二シーズンの59話までは、もう贅沢な特撮シーンも使い果たし、スタジオセットにおいて、おおよそケッタイな宇宙人が訪問してきて、それに乗じて地球に帰りたい一心のドクター・スミスが一騒動起こしてお茶を濁すという、センス・オブ・ワンダーに乏しい退屈な話の脚本で進められてしまう。

追記:第6話以降でも良いエピソードはちょくちょくあります。 

そのケッタイな宇宙人というのが、地球の過去に存在した歴史上のコスチュームを着ていて英語を駆使し、アルファベットの文字盤がある機械や宇宙船を操っていたり、ロビンソン一家より以前に宇宙旅行しているアメリカ人だったり、というイイカゲンさ。

 また、当時、他局で放送が開始された「スタートレック」と比較して、科学的説明が話の前後関係でもデタラメに見えるのにも難があった。

 その例として、宇宙船ジュピター2号の燃料の説明。 ある時はデトロニウムという燃料で飛行するといい、ある時は重水素が必要だと言っている。また当初、反重力エンジンとハイパースペースドライブで光速を超えて飛行すると説明しているのだが、 離陸時や宇宙空間ではロケットを噴射しているというイイカゲンさ。宇宙船にはロケットエンジンのノズルなど見当たらないというのにである。このように科学的・技術的説明を逃げてしまっているし、複数の脚本家同士が辻褄を合わせるような連携もみられないのだ。

 第2シーズンでは次ぎの惑星に着陸するも、到着した早々、大気の成分も調べず、いきなりエアロックのドアを開けてしまうという迂闊さ。

 そんなことで、せっかくカラー化された第2シーズンも、日本ではしだいに飽きられ、視聴率も低下し、結局第3シーズンも放送されず、今だ日本人には、このロビンソン一家は目的の星アルファーセントーリに到着せず、ドクター・スミスの恋する地球にも帰還せず宇宙をさまよっているという、うやむやの記憶で終わってしまっている。

 さらに、本国アメリカでは第3シーズンの脚本が出演者もあきれるほどのトンデモ話になり、視聴率がさらに低迷、アメリカの放送界では良くある番組制作打ち切りとなってしまったのである。

 「宇宙家族ロビンソン」が地球に帰れなかったのはひどい脚本に原因があった。

とはいえ、私には捨てれない魅力があり、これから一つ一つメモしていきたい。

本国アメリカでも、今だファンが大勢いて、映画化された1998年当時にはこのような愉快な復刻版も制作された。

また永遠に宇宙の迷子になってしまった。痛ましや・痛ましや・・・

 

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