ゴリラ・ツーリングメモ、NO,5
2009年7月15日(木)
高山市丹生川町に、地元ではハイキング登山で有名な、十二ヶ岳という、標高1300メートルクラスの霊峰?(大概、目立つ山の頂上には神社があるものだ)がある。
この山を登るには、以前は丹生川町・瓜田から、トヤ峠を迂回する、完璧に舗装された2車線の大規模林道途中から右に折れ、旗鉾まで通じる八本原林道に入り、さらにまた、獣道を徒歩で登山しなければならなかった。
・・・・ 十二ヶ岳、案内サイト ・・・・
http://panoramahida.iza-yoi.net/juni.html
しかし、最近、もっと先を行った大規模林道から分岐し、十二ヶ岳頂上まで通じる林道が新たに開設された。この道は厳しいダートだが、四駆の車なら何とか登っていけそうな林道である。
先日、大規模林道をチンタラ走っていたら、偶然、この林道への案内看板を発見したので、ゴリラでチャレンジしてみた。 実は、かねてから、この山をバイクで踏破したいと願っていたのである。
-- 右の林道が入り口 --
林道ダートに入って数百メートルは、昇り道であってもそれほどハードではない。ゴリラはセコギアで、時速15キロ走行。 しかし、しばらく行くと、三叉路があり、右の道が本道であると判断して進むと、いきなり上昇率が高くなってきた。セコギアでは昇りきれない坂もある。止む終えず、ローギアに入れ、時速10キロで、なんとか昇っていく。こんな急坂でも車のタイヤ痕があるが、こぶし大の岩石がゴロゴロしていて、四駆車でなければ絶対無理な坂である。
途中、徒歩の登山者が降りてきたが、私とゴリラをあきれた顔で見て行く。その時は、坂の角度が最も急な箇所を、とうとうバイクを降りてエンジンを動かしつつ、ゴリラと共に歩いて昇っていたからである。
多少緩やかな昇りで、再びゴリラにまたがり、2キロくらい走ると、林道は密林に囲まれ、暗くジメジメした、ぬかるみに近い所を進む。相変わらず上昇率はキツイが、ここまで来て引き下がれない。
昼間なのに、薄暗く、物の怪がいそうな気配。藪から子泣き爺が「ウリャー!!!」、あるいは「オギャー!!!」と襲い掛かり、背中にかぶさり、バイクから引き倒されるのではないかという恐怖に駆られる。
実はこの十二ヶ岳には、妖怪百鬼がいるという伝説がある。
ギアをローに入れ、トライアル走行のようにステップに立ち上がって、後輪がグリップするように重心を後ろに下げつつ、エンジンの回転を最大パワーになるようにアクセルを上げたところ、いきなりギアが抜けてニュートラルに落ちてしまった。
変だ、今までこういう現象は無かった。ゴリラはサードギアから、セコギアにシフトダウンするときは、ニュートラルに落ちてしまうことが時々あり、また、セコギアで走っているときも、ニュートラルに落ちることがあったのだが、ローギアからこういうことになるのは初体験である。
何かミッションにトラブルでも起こったのであろうか。しかし、ゴリラを停止して再びローギアに入れると走り出した。多少、気がかりながらも凸凹だらけ、かつ、急坂をローギアで走ると、また、ニュートラルに落ちて、エンジンが「グオィーン」と空回りし、吼えた。
停止して、今度はギアを入れ直し、アクセルを吹かしても、ゴリラは手ごたえがない。動かない。
「嗚呼、壊れた。とうとう心配していたことが起こってしまった。こうなることがいつか起こるだろうと懸念していたが。」 ・・・ 。
このまま、押して帰ろうか。丹生川・瓜田までは下りなので、乗っかっていけるが、その先は、なんとか修理してもらえそうなガソリンスタンドまで数キロ押して行かねばならない。あるいは携帯でJAFを呼べばいいのだろうか。こんな所まで。・・・ いろいろな手段が頭をよぎる。
25パーセント、パニくった頭で、ゴリラを降りて車体の下を見ると、チェーンが外れているではないか。原因が分かった。普段から多少、緩んでいるなと感じていたが、あまりにもハードな昇りと振動により、外れたのだろう。あるいは道に落ちていた小枝がスプロケットに絡まって外れたのかもしれない。
チェーンが外れた場合は、自転車のチェーンをはめる要領と同様に、ギアに引っ掛け、車輪を少し動かせば、簡単に直る。その通りやったのだが、チェーンを引っ掛ける途中、右手の人差し指をチェーンとギアの間に挟んでしまった。軍手(イボのついたやつ)をしていたが、目から火が出るほどの激痛。
軍手を外すと、幸い、爪がつぶれるほどのダメージでもない。紫色にもなっていない。多少ホッとした。指に関しては、ピアノを30年近く弾いてきて、練習がしばらくご無沙汰ではあっても、怪我だけには注意してきたが、この様子なら医者にかからなくても自然治癒するだろう。下手くそでも弾いていきたい。神に感謝。
ふと、目の前の林道を見ると、10メートルほど先に木製の粗末な鳥居があった。つまり、ほぼ頂上に来ていたのだ。見上げると、林道はその部分で終わり、キツイ階段の歩道が上に向って伸びていた。
ジンジンと痛い人差し指を唾で濡らし、気化熱を利用して冷やしつつ、階段を100メートルほど汗だくで昇ると展望台のある十二ヶ岳頂上に着いた。
望遠鏡も設置してある立派な展望台からは大パノラマが展開。ただし、あいにくの曇り日だったので、北アルプスは見えず、ガッカリ。望遠鏡にもカバーがしてあり使えない。
展望台の横には屋根付きの祠がある。中は相変わらずの記念のイタズラ書きがある。100円の賽銭を入れ拝む。「ここに来れたのも、指の怪我がたいしたこと無かったのも、ゴリラの故障が直ったのも神様のおかげです」。
ゴリラに戻り、帰ろうと軍手をはめると、今度は右手親指付け根当たりに針で刺したような激痛が起こる。慌てて軍手を脱ぎ捨てると、黒い、蟻ほどの虫が落ちた。蜂の仲間の小さな虫が、脱いで置いていた軍手の中に隠れていたのだ。
神さまは、やっぱり、ゴリラで騒がしいエンジン音をたて、ズカズカと神聖な領域に昇って来た私に、まだ怒っているようである。しかし、この痛みは、腫れることもなく、1時間ほどで無くなった。これは100円の賽銭の効果かもしれない。
ゴリラのエンジンをスタートさせ、ギアをつなぐと普段どおり走り出した。今度は下りなので、シートに乗ったまま、ソロリ・ソロリと降りていく。またチェーンが外れないように。
2キロほど林道を下り、本道の大規模林道に下りて、瓜田までご機嫌のコーナリング。右手の人差し指と親指の痛みをともないつつ、自宅まで無事帰還できた。
・・・・ 十二ヶ岳展望、ユーチューブ映像 ・・・・
http://www.youtube.com/watch?v=Lt0dOE9NMBQ
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