宮本武蔵、キャスティング-5
宮本武蔵(二) 配信元:電子書店パピレス 提供:@niftyコンテンツ |
- 水の巻 - 「四高弟」 から 「女の道」 まで
武蔵(三船敏郎)と城太郎(マグマ大使のガム)は小茶ちゃん(二木てるみ)のいる宿を後にし、柳生の城に入る、石舟斉と試合をするためだ。 その前に武蔵は城太郎をメッセンジャーとして柳生家に手紙を送っている。「芍薬の枝を切ったのは何者であるか、非凡なお方が切ったものであろう」という内容のものである。
このあたりの、描写は、宿にて小茶ちゃん相手に武蔵が芍薬の切り口を説明するシーンから内田吐夢監督の映画にて印象がある。
柳生の城では武蔵は四高弟から酒席に招かれるが、ここの円座のシーンは武蔵の試合への想いが蝋燭の炎のゆらぎでジリジリと煽られ、映画のシーンとしてはもっとも面白いところである。ただし、内田監督の映画にこのシーンがあったかどうかは記憶にない。 光と影の撮影、4人へのアップ・ロングの演出がさえるだろう。
城太郎が柳生で飼われていた黒犬を打ち殺したところで、急転直下、武蔵と四高弟とのにらみ合いが発生する。そのとき、武蔵は城太郎を高く持ち上げ投げ飛ばすというデモンストレーションをやっている。まるで大魔神だ。
が、ここでお通(八千草薫)の笛の音を耳にし、アドレナリン全開の戦闘体勢が萎えてしまう。 城のお堀に逃げ込んだ後、石舟斉の草庵の前で一晩明かし、翌朝お通の姿を草陰から発見しても声もかけられない。 ここが童貞男のやるせなさ。 お通、城太郎と、まったく御都合主義で現れた沢庵(西田敏行)が呼び止めるのを後にして遁走してしまう。
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石舟斉(森繁久弥)の四高弟、いずれも剣の腕はトップクラス。
・庄田喜左衛門 ・・・・・ 長門 勇、 「武蔵殿、まあ、くつろいでツカァーサイ」、城太郎とお通とは既に顔見知り。
・木村助九郎 ・・・・・ 河野 秋武、 柳生の馬廻り。
・村田与三 ・・・・・ 三橋 達也、 納戸役 。
・出淵孫兵衛 ・・・・・ 高松 英郎、 柳生の一役人。
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・小茶と城太郎が納屋でいちゃついているのを諌める宿の爺さん。
・・・・・ 吉田義男。
このシーンは子供の火遊びにすぎないが、「宮本武蔵」唯一のラブシーンといってもよい。小茶さゃんの「アア、もっと噛んで、もっと強く噛んで・・・・」というセリフの登場は、この小説が連載されていた昭和初期のキナくさい時代でよく新聞に記載許可されたものと思う。
まして映画化されようものなら、試写室で軍の威張ったバカな検閲官が、「ここ、ダメーー!!!」と叫んだだろう。
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