君の名は。
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邦画メモ、NO,105、NHKBS
1964年、東宝配給、183分、シネスコ、カラー
監督: 小林正樹、 撮影: 宮島義勇、 音楽: 武満徹
出演: 三國連太郎、新珠三千代、仲代達矢、岸恵子、中村嘉津雄、滝沢修、他著名俳優・名優
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↓画質がBS放送より良い。
この映画は十数年前、NHKBS2で放送されたものをVHSで録画していたが、なにせ3時間の長編を画質の劣る3倍モードで鑑賞する気も起らず、ほったらかしにしていた。しかし、今回、高画質で観られて良かった。NHKBSの映画の半分以上は再放送をひたすら繰り返してるという感じでウンザリするが、たまにはこういう有難いことも発生する。
映画のオープニングクレジットは水中に色インクを垂らすという映像。なにか70年大阪万博などで写されていたような懐かしさを感じる。
第一話、「黒髪」。
朽ち果てた廃屋の門が不気味に開いて観客は映画の中に導かれる。カメラは廃屋のセット内を進んでいくが、現在だったらカット割りされず、ステディカムで長回しの撮影となるところ。自分は門が開くところから、オーソン・ウェルズの「市民ケーン」やヒッチコックの映画テクニックのように長回しのまま1カットで門をくぐって廃屋の中に入るのを期待した。
廃屋のセットが素晴らしい。カビ臭さが漂い、腐った床板が抜けそうで、観ているこちらまでヒヤヒヤ歩いている気分。時々、心に突き刺すような木片が裂けたような音が鳴る。これは音響監督・武満徹の演出で、ヒッチコック「サイコ」でバーナード・ハーマンがバイオリンを効果音として使った「キュン・キュン」音響の日本版ともいえる。後のエピソードでも琵琶がいきなり「ギャン!」と鳴る効果音があり、こういう音に日本人はショックに近い心理効果をもたらす。
ハーンの原作は「和解」という意味深なタイトルの物語で、この映画とはラストが違い、妻への慈しみを覚えさせる終わり方のようだ。映画のエピソードは脚本・水木洋子と小林正樹のイメージによるもので、それはタイトルに従って女性の長い黒髪を恐怖の対象としたホラー調で終わる。変わり果てた妻の遺骸を見て、三國が当時の特殊メークでしだいに狂った恐ろしい形相に替わっていくのは見もの。尚、女性の長い黒髪は次の作品「雪女」へと引き継がれる。
第二話、「雪女」。
雪女を演じるのは当時32歳の岸恵子。夫となる仲代も同い年だが、ストーリーで彼は18歳という設定なのにはちょっと無理がある。熟年・熟女の「雪女」。しかし艶っぽい雪女もまたよろし。前作の「黒髪」から観客はホリゾントのカキワリのシュールさに気が付いてしまうが、特にこの作品は空に目玉が描いてあって、異様な感じを受ける。ここで、映画と舞台演劇の中間のような作品と理解する。木下恵介「楢山節考」スタイルに近い。降りしきる雪もまた発砲スチロールを細かくしたものでウソくさくリアルさはないので、美しい舞台芸術を見ているようだ。セットがいかに巨大か、いかに制作費をかけたかがこのエピソードから分かる。ぜいたくな気分で見られる「雪女」映画。
第三話、「耳無芳一の話」。
この映画の中で一番尺が長い作品。壇ノ浦の戦いシーンが少し長く感じるが、これもまた巨大なセットのプールを使っているのが分かる。海の合戦シーンの撮影というのは陸戦シーンより困難なのではないか。スタッフ、役者の努力に頭が下がる。芳一が琵琶で謡う幽霊の館もこれまた広いステージ調。広すぎて幽霊を演じている役者が芳一を館に案内する丹波哲郎を除いて誰だかよく分からない。飛び交うヒトダマが吊るワイヤーも見えず、いい雰囲気の操演をしている。映画で唯一、お笑いシーンがあり、田中邦衛と花沢徳衛さんが熊さん八さん調コメディーリリーフを演じている。なお、芳一を演じている中村嘉津雄は後年、テレビドラマ「それからの武蔵」でも盲目の琵琶法師を演じている。自分が聴いた記憶では映画もドラマも謡っているのは中村嘉津雄本人自身だと思う。「壇ノ浦」の謡いがどちらも同じ声なのである。それとも琵琶演奏担当者の謡いなのだろうか。
第四話、「茶碗の中」。
一番尺の短い作品。小松左京の短編のようなちょっと軽い作品。明治時代初期と江戸時代を挟む面白い脚本で、今までの舞台調ではなく、四本の中でも最も映画っぽい。現代劇でも不気味な微笑みをたたえる俳優・仲谷昇さんが、茶碗の中でも無音で微笑むカットは、いっそう不気味に見える。それに応じる歌舞伎役者の中村かん右衛門が、ブスっした表情でこれまた無音でアクションするのも面白い。中村雁次郎と杉村春子というドエライ役者さんがチョイ役で出ているという、贅沢な作品。
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邦画メモ、NO、99、BS民放
1965年、大映、87分、シネスコ、カラー
監督: 三隅研次、 撮影: 牧浦地志、 音楽: 伊福部昭
出演: 勝新太郎、成田三樹夫、岩崎加根子、山本学・・
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まさか、勝新の大映作品「座頭市」が再びテレビジョンで観られるとは思ってもみなかった。自分がテレビで観たのは、かれこれ40年も前の高校時代で、それも深夜放送であったが。
この放送禁止用語満載の映画が今日テレビで放送出来るわけがない。この固定観念が崩れた。
現在の公共放送の規制では、例えば農業従事者を「百○」・・・これを差別用語だとは自分は思わないのだけれど・・・ というのも過去の作品のセリフにあると音声を消してしまうものだが、「座頭市」の映画に頻繁に登場するセリフ「メク○」・「カタ○」問題も、こういうテロップを入れればなんとか放送できてしまうのがNHKも含めて現在の放送界の流れになっている。
これは昔の映画・テレビドラマファンにとっては有難いこと。こうしないと「座頭市」シリーズは全滅である。
「どメク○と三度言ってみな、命ゃねーよ」が「ど(無音)と三度言ってみな」では勝新の迫力もあったものではない。
規制をはずした完全版「座頭市」を提供する放送企画者の英断に座頭市ファンとして感謝するしかない。
BSの番組や映画放送というのは再放送を5回も6回も流して放送業務はサボリのイメージしかないが、今回の放送は「BSもなかなかヤルな」と感じた。
BS映画放送で有難いのは、画質が青円盤なみに良く、DVDソフトよりずっと良い映像で観られるということだ。
ただし、BS放送サンよ、残りの座頭市シリーズも順次放送してよ。この映画だけを5回も6回も放送するんじゃないよ。そんなことしたらオメーさんたちの命ゃねーよ。
映画の冒頭、市が乗り込む渡廻船の船頭に「身体障碍者には船賃の割引は無いのかい」というようなセリフを発する。アレ?、座頭市シリーズもとうとうこの映画から三文字言葉を自主規制したのか、身体障碍者という呼び方が江戸時代にあったのかと、まずここで笑わしてくれる。
勝新の相手、浪人の成田三樹夫さんがカッコいい。劇の中で将棋を指すが、実際に彼の将棋の腕はプロ級。かつて、彼がNHK教育「将棋の時間」にマジメな顔してゲスト出演していたのを憶えている。
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邦画メモ、NO、98、民放BS
1977年、松竹、151分
監督: 野村芳太郎、 撮影: 川又昴、 音楽: 芥川也寸志
出演: 渥美清、萩原健一、小川眞由美、山崎勉、山本陽子、中野良子、加藤嘉、市原悦子、花沢徳衛、下條親子・・・その他私の好きな俳優さんばかり
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冒頭、落武者たちが村に逃げ落ちるシーンから旅客機の着陸カットと空港のシーンへと飛ぶ。ここで、原作の昭和20年代初期の話を捨て、現代劇に換えたと分かり、ちょっとガッカリした。
金田一さんが事件を推理する環境は、百合の花を逆さにした三つ笠の裸電球で照らされ、手回し式の電話が壁に掛かっている薄暗い廊下のある家の時代でなければならない。(映画に使われた屋敷にはこれに近い間取りもある)
と、自分のように思われた方々もおられようが、映画的に面白いシーンが一杯あるので、これはこれで許してしまう。寅さんの下駄顔・金田一に違和感を感じるが、元々原作には金田一さんの出番が少ないと作者自らぼやいていて、この映画でも金田一が主役とは言い難いので、これでいいかと許してしまう。
が、農村とはいえ、ニッサン・スカイラインも走っているこの現代の道路の往来に、「祟りじゃー」の日本昔話に出るようなあんな格好した山姥オババが飛び出してきたのにはズッコケた。
自分は1970年代に流行った横溝小説の独特の文体・・・「おお、恐ろしい、なんと恐ろしいことが起こったのでしょう」・・・という雰囲気には当時ついていけず、推理物は松本清張にハマッタ。しかし最近、推理小説と探偵小説はジャンルが違うのではないかと思うようになったので、今、横溝小説を再読したら、どういう印象を持つか試してみたい。
それでも、まあ、あれですわ。自分は実際には存在しそうもない私立探偵・金田一さんの話・・・・ 私立探偵と警察が合同に事件を捜査するということが実際にあるのだろうか ・・・・より、うちに帰ったらチャブ台で御茶漬け喰ってる安月給の県警・鳥飼刑事のほうが好きだな。
例えば、ショーケンが小川眞由美の指の傷を発見するシーン。ここで、ショーケンが「お前が犯人だったのか」というアクションで興奮状態となるので、小川眞由美もバレてしまったと気付きお互い大乱闘・大追跡となる。これが、鳥飼刑事の登場する清張の小説・映画だとすると、傷に気が付いても黙っていて犯人を泳がし、後の証拠固めとし犯人追求シーンにつなげるだろう。
こういう現実的展開のほうが後々面白くなるんじゃないのと観ていて考えてしまう。
洞窟で男女が営むのも、鍾乳石や岩石をベット替わりにして、背中は傷だらけになるんじゃないの。と、観ていて考えてしまう。
全国の横溝ファンの方々。リアリズム好きで、間違い探し好きヒネクレ者の戯言と思って許してください。
落武者の八人の俳優は大物役者ぞろいだが、その中には私の好きな俳優・丹古母鬼馬二もいて、・・・最初、太った佐藤蛾次郎さんかと思った・・・・ 結構セリフもあるのだけれど、エンドクレジットではその他出演者扱いであった。ケシカラン。
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邦画メモ、NO,97、NHKBS
2008年、パル企画、100分
監督: 日向寺太郎、 撮影: 川上皓市、 音楽: Castle In The Air.
出演: 吉武怜朗、畠山彩奈、松田聖子、江藤潤、高橋克明、松坂慶子、長門裕之、原田芳雄
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この実写版が野坂の原作とどう違うかは分からないけれど、高畑アニメ版とはかなり違う。
やはり、アニメ版を意識して、脚本と構図は徹底して換えられている、これは監督の人情として致し方ないこと。私も監督だったら高畑作品のマネはできない。
アニメ版との比較を楽しむのではなく、ひとつの映画作品として退屈せずお終いまで観られた。ただし、泣かせ所はアニメ版に軍配が上がり、描写は淡々としている。
松坂慶子が意地悪オバ(遠縁?)さんを演じているが、アニメ版よりもっと徹底してワルである。アニメ版では彼女の言うことに一部理があったが、松坂のは大人が見ても嫌なヤツ。
松坂慶子さんて、「蒲田行進曲」のころより芝居が上手くなったような気がする。ま、年の功ってやつですか。彼女の滑舌はNHKの渡邊あゆみアナのように滑らかではっきりして耳に残るもの。
清太役の吉武怜朗という俳優を覚えた。やすき節上手いすね。
亡くなった母を兄妹が偲ぶフラッシュバックのシーンの後には火垂るが舞っているカットが入る。
音楽は前半、ホラー映画調のピアノの冷たい音色を用いた曲で、兄妹が意地悪オバの家から脱出して防空壕で生活するところから暖かいギターの音色を使ったものになる。
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