カテゴリー「楽しい映画のミス探し」の記事

未知との遭遇

未知との遭遇[ファイナルカット版] デラックス・コレクターズ・エディション [DVD] DVD 未知との遭遇[ファイナルカット版] デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]

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- 楽しい映画のミス探し -

 「未知との遭遇」は「スターウォーズ」より半年ほど早く日本で公開されたはずで、当時、名古屋で私が大学受験した帰りに観たのが最初だった。

土肥中の映画館と違って、大スクリーンのうえにドルビーシステムの音響は素晴らしいものだったが、高音が効き過ぎて耳が痛かったので、ファーストインプレは良くなかった。

 以後、東京の劇場でも何度か観たが、あの光のマジックと音響、ジョン・ウィリアムズの音楽を再び楽しむ為と、お客さんの反応を見る楽しみがあった。 

ロイの車の後ろに停止したUFOのシーンで、「さあ、ここで停車した車だと思っている観客は、次ぎの動きでビックリするだろうな」というぐあいで、スピルバーグ気取りだった。

 今回、BSで再見したのは、ファイナル・カット版で、私はこの編集が一番好きだ。ロイがマザーシップの内部に侵入したシーンを後撮りした特別版は、「星に願いを」のメロディーがラストで露骨に入れてあり、少しやりすぎではないかと思った。(スピルバーグは最初からそうしたかったらしい) 私はジョン・ウィリアムズのオリジナルスコアだけのほうがよっぽど素晴らしいと思う。

 スピルバーグの映画の中では、この作品は最も説明不足が満載の映画で、特にコダーイの指を使った音符合のシステムと、それに伴い音階によって異星人と意志を疎通する理論、それらの結果については、話にならないほど省略してしまっている。なんとなく判ってチョーダイということにしているのだが、左の脳よりも右の脳を働かせてしまい、結局、スピルバーグにまんまと騙されて映画館を後にすることになる。彼はそういうことも計算済みのようだ。

 ダグラス・トランブルの特撮が何度観ても素晴らしい。カメラに特殊なフィルターを使ったのだったかどうか忘れたが、あのUFOが発する光のニジミにはちょっと恍惚とさえしてしまう。

それにマザーシップの撮影ではスモークによるカスミを入れ、巨大感を演出している。

 大小サマザマな飛行体が動く映像は、本体の模型ではなく、カメラを動かし撮影しているのだが、これは「2001年宇宙の旅」で培われた技術で、重力を無視したようなUFOの滑らかな動作の演出には必要不可欠のものだ。トランブルは「2001」の制作にも参加していて、こういう他の特撮マンには無いセンスが彼にはある。(「スターウォーズ」も同じ技術を使っている)

 合成映像は現在のコンピューターを使った映像にはかなわないが、第三種接近遭遇のステージで、カメラが横にパンしながら現れるUFOの映像は何度観ても素晴らしく、今の特撮合成とそん色ない。 あれは、ライブ撮影のカメラと模型撮影用のカメラの動きを同期させ、同時撮影して行ったものだ。それまでは精密な合成は静止画像でしか出来なかったのだが、この映画から可能になった。

 さて、この映画のミス。

 ロイがデビルスタワーの模型を自宅の中に造ろうとしているシーン。家の前の通りでゴミ箱のポリ容器をゴミ収集員からヒッタクリ、中身をカラッポにしたはずだが、窓から押し込むシーンではゴミが中から飛び出している。

 あれはゴミではなく、途中で材料を拾って入れたものだと言われればそれまでですが。

 もう一つ。 マザーシップから最初に現れるET、一番大きく細いヤツ。彼は現れた次のカットではもういないんですね。動きがノロいようですが、いつ、どこに消えたのでしょうか。

 マザーシップ本体にはR2-D2がジョークで取り付けられているそうだが、それはジリアンがデビルスタワーに潜んでいる背後から現れるシーンで見えたような気がした。彼は天井に逆立ちしてくっついていたはず。(このシーンでのマザーシップの現れる位置では、完全にデビルスタワーと激突してしまう)

追記: このR2-D2のことはウィキペディアにこの通りのことが記載してありました。

 

 

 

  

 

 

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「ターミネーター2」のどうでもいいミス

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2009年、6月13日にテレビ放映された「ターミネーター2」は時間枠を拡大して放送されたにもかかわらず、大分、オリジナルよりカットされている部分があった。

まあ、民放テレビによる映画劇場など、とっくの昔にその役割を終えていて、むしろズタズタにカットされていることの弊害の方が大きく、そんなもの観ないほうがベターである。それでもあえて観るということは、時間を浪費してしまうことであるが、ベットに寝っころがって、うたた寝しつつ観るくらいなら丁度良い。

さて、その寝っころがって観た「ターミネーター2」であるが、劇場で観たときから気が付いていたミスがある。

ビジュアル的なミスについては、T-1000が運転するトラックのフロントガラスが衝撃で割れたのに、次ぎのシーンでは元に戻っているというものがあるが、私の発見したミスというのは効果音にある。

それは、ジョン・コナーの運転するバイクの音である。

彼が運転するバイクはホンダ製である。ただし、ホンダのロゴは故意に消してあるが、バイク好きならホンダであることは直ぐ分かる。

私はあのオフロードバイクが、なんという型番なのか分からないが、エンジンはCB50系の縦型4ストロークエンジンであることは分かる。おそらく排気容量は80CCから100CCくらいであろう。(ホンダXR100Rと判明)

さて、この4ストロークエンジンのバイクの音が、どういう訳か、2ストロークエンジンの音に変えられているのだ。

オリジナルの音ならば、「トトトトトト」と聴こえるはずが、映画では「ウィーン」という2ストエンジン特有の、蜂の飛行音のようになっていた。恐らくアフレコの際、担当者はバイクの知識が無かったのだろう。これにはホンダの社員もニガ笑いしたと思う。

ところで、私は小学生のときから2ストロークエンジンが嫌いで、あの不規則で、ポップコーンが鍋の中で跳ねているような情けないアイドリング音と、臭く、青く、ケムイ排気ガスには辟易していた。

それに構造的には、排気ガスに、次のサイクルでシリンダーに流入した混合気の一部が混じってしまうという、まるでカエルの2心房1心室の心臓みたいなプアーな仕掛けにも疑問を感じていた。

子供のときには、この2ストエンジンはバイクのみならず、軽自動車にも搭載されていたものだが、私は、いずれこのエンジンは消滅するだろうと予測していた。 そして現在ではその通りになって、自動車どころか、バイクでも一切採用されていない。(ただし、大型ディーゼルエンジンではガソリンエンジンとは違う構造で2ストエンジンが採用されている。)

それに比べ、4ストエンジンというのは、確実に燃焼と排気が行われ、アイドリングリズムも安定していて、排気ガスも無色透明であり、排気音も頼もしい。

現在では私の嫌いな2スト・ガソリンエンジンが絶滅し(草刈機などに一部あるが)、私の思い通りになって、たいへん気分がよい。

で、結局、ジョン・コナーの運転するホンダの4ストエンジンのバイクの音が、私の嫌いな2ストエンジンの音に変えられているという話です。

どうでもいい話。

追記 ・・・・・  「アスタラビスタ ベイビー」は、日本語セリフでは「さっさとウセロ、ベイビー」になっていたと思うが、スペイン語の原語では「また、お会いしましょう」という意味なんだそうな。

<翻訳家 ・・・・・ 「ガタガタ言うな、クソヤロー」 >

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「生きる」のナゾのシーン

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黒澤監督の「生きる」については私などがトヤカク言えるものではない。あまりにも偉大な映画で、世界の映画作家にも多大な影響を与えた映画だ。

私はこの映画を少なくとも5回以上観ているはずだ。一つ一つのシーンやカットが目に浮かぶ。夕焼け空を見るといつもこの映画を想い浮かべる。

さて、この映画で永年気になっていたことがあるのでメモしておきたい。

それは渡辺さんが死んで御通夜を行うシーンである。そう、あの有名な、いきなり主人公を死なせ、フラッシュバックで本人の過去を語るという、世界の映画監督や映画ファンにあっといわせたシーンである。

このシーンは現在のDVDではオリジナルのまま編集されているであろうが、海外版では長すぎるという理由で一部カットされていたようだ。 実は私も助役の中村伸郎さんのところなど間の取りかたが少し冗長だと感じている。

まあ、これには個人によって感じ取る違いというものがあるだろう。それに、ひょっとして、黒澤監督も実際の通夜の、静かにゆっくり流れていく時間を表現したかったのかもしれない。

さて、その気になっていることであるが、

● どうして御通夜に職場の同僚が16人近くも列席しているのか。

である。 御通夜というのは地方によって習慣の違いもあろうが、私の地方では御通夜は簡単なお経を唱えてもらって、その後近親者で乾き物を肴に茶碗酒など酌み交わしながら一晩過ごすだけのものだ。

だから、職場の同僚に対して、料理のし出しまで準備して付き合ってもらうことなどありえない。

一歩譲っても、渡辺さんのあの席では、よほど親しかった友人(市民課の6人)くらいが列席しているのが普通ではないだろうか。

● どうしてあの席に渡辺さんの亡き妻側の親戚と、息子の妻側の親戚がいないのか。

これは私が指摘するまでもなく、完全に変である。この映画では会場が自宅であり、本来なら親戚筋であの場はいっぱいのはずだ。そうすれば、そもそも同僚など列席する余地もないのではないか。

● 助役にインタビューに来た新聞記者三人はどうして渡辺さんの死因を知らなかったのだろうか。 彼らは、渡辺さんの死因は、市役所にたいする無言の抗議による覚悟の凍死だと想像していたようだが、助役から渡辺さんが胃がんで死んだと知らさせて驚く。  新聞記者ならあらかじめ死因など取材で知っているのが常識ではないだろうか。

● 小田切みき(役名を知らない)はどうして通夜に来なかったのか。

もと同僚ならば顔を出してもいいはずだと、最初この映画を観たときに思ったが、そうすると脚本が別の方向に行ってしまうので割愛したのだろう。しかし、それはそれで面白いアプローチが出来たと思う。

この映画の脚本は黒澤・小国・橋本氏によるが、在命なのは橋本氏だけである。 ちょっとお会いしてこれらの件を聞いてみたいものだ。

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「ルパンⅢ世・カリオストロの城」のミス

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大塚康夫・作画、宮崎駿・監督のもう、超有名なアニメ。

何度観ても面白い。

この二人のコンビは「未来少年コナン」で手腕を発揮してくれた。

その乗りで観ることができる。 

ファンにはお馴染みの「コナン走り」や落ちるより速い「壁落下」で笑わせてくれる。

ウィキペディアで知ったが、あるシーンでコナンがカメオ出演している。

この映画の名シーンについては、散々ほうぼうで書かれているし、逸話などもウィキペディアで分かるので省略。

さて、この映画のミスについて私の発見したこと。 しかも、これはまだメディアに指摘されていないと思う。 あるいは既に承知されていることならどなたか教えていただきたい。

それは、

時計台の中で、ルパンが追っ手の悪漢を防ぐため、大時計の部品の一部である巨大な歯車を外して落下させようと、ボルトを外しているときにある。

大きなスパナでルパンはボルトをはずそうとしているが、彼はボルトを締める右方向に廻してしまっている。

「右ネジの法則」という言葉があるように、ボルト・ネジは右に廻せば締る。だからはずすには左に廻さなければならない。

   ・・・・・・・ しかし、これはミスであろうか。 大塚氏も宮崎氏もたいへんなメカマニアである。これを間違えるとは思われない。

そこで、以前、逆ネジというものがあることをチラリと頭をよぎったので、検索してみたらアッタアッタ。

右に廻すと緩み、左に廻すと締まる「逆ネジ」というものがあるのだ。それは自転車などに利用されているが、カメラなど精密部品にも使われているという。

だからデカイとはいえ、精密機械であるこの映画の時計にも逆ネジがあってもいいわけである。

ちょっと驚きだ。 こんなメカにも二人はこだわっている。 多分、ミスだと指摘されることを予想して、楽しんで演出したのではないだろうか。

 

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座頭市

座頭市あばれ凧 DVD 座頭市あばれ凧

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「おめーさんたちゃ あっしを斬ろーてのかい。 ハハハ いのちゃ大切にした方がいいすょ」

「ど〇〇〇って三度言ってみな いのちゃねーよ」

勝新の座頭市は文句なしに面白い。

この映画で、社会性だの芸術だの論ずるのはナンセンスである。

この映画は何を訴えているのか、などという青臭い議論は勝新の居合い切りで真っ二つにされてしまう。

ただ、料金払った分だけの面白さは絶対ある。

観ていてワラッテしまうサービス満点の爽快感もある。

居合い切りでは、トックリや、厚い碁盤、はたまた石灯篭までレーザーカッターのように半分コになってしまう。 ルパンⅢ世のゴエモンの原型といってもいい。

座頭市は兇状持ちであり、かたぎの通る道は避け、裏街道を歩く。

そのロケがすばらしい。昭和40年ころの里山の風景や、朽ちかけた橋などの撮影は絶品で、それを観るだけでも価値がある。私の子供のころ走り回った野山や田圃がそこにある。

あのころは、まだ携帯の中継アンテナなど無く、撮影ロケも今より楽だったのではないか。

もっとも、鮮明なDVDにかかると、高圧線や電柱が見えてしまっているシーンがいくつかある。

座頭市も子供には苦手で、ついつい預かったり、面倒をみてしまう。

オムスビとお天道様が大好きで、茶店では顔中、黄な粉だらけにして餅菓子を食べていて健気だ。

そういうシーンには多分に勝新太郎のアドリブがきいている。

特に旅籠でご飯を食べるときが傑作で、オヒツから飯茶碗に盛るときはいつも笑ってしまう。 

テンコ盛にご飯をもり、こぼれたご飯つぶもちゃんと拾って、口がはちきれんばかりにご飯をほおばる。

目を白黒させて食べる。(もともと白目だが)その子供みたいなしぐさが可笑しい。

さて、「座頭市あばれ凧」は、市が鉄砲で危うく撃たれるところを河に飛び込んで難をのがれ、助けてもらった相手を訪ねていく話である。

やっと見つかったその恩人である女性は、河渡しの人足をまとめる親分の娘であるが、市に空腹であろうと食事をすすめる。

市は「いえ、もう食べてきましたから」と遠慮するが、出された膳を見る?、やいなやオヒツに飛びつき、飯をテンコ盛にしてガッツいて口に押し込む。

このシーンは勝新太郎の食事シーンの最高傑作といっていい。

娘の「よっぽどお腹がすいてたのね」という台詞の後、勝新のバストショットとなるが、口の中は150パーセントのご飯で返事の言葉も言えず、ただただ

「WUO? HOOHO」とうめくだけ。 

勝新はNG覚悟で、ほおばったまま笑っているのだ。

ここで、撮影スタッフの笑い声までマイクは拾ってしまっている。

ちょっとしたファンへのサービスシーンといってもいい。

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ヒコーキ映画のミス

「東京上空30秒」の映画で気になる描写があった。

航空母艦からB-25が発艦するのだが、無事上昇しきってしまったところで、副操縦士がフラップを下げていなかったことに気が付くのだ。

そんなことがありうるだろうか。

私はB-25の飛行性能を知らないが、あのクラスのプロペラ飛行機のローテーション速度(飛び上がるために操縦桿を引き起こす速度)はフラップを定位置に下げている状態で、ギリギリ最低時速100キロ前後だと思う。

もし、フラップを下げていなければ、離陸には時速180キロほど必要ではないか。

それでは、とても訓練で行った、500フィート(約150メートル)以内の距離では加速し、離陸できない。

ただし、かなりの強風が空母前方から吹いていれば、ひょっとして可能かもしれない。

空母は、発艦時は全速力で風上に向かって走っている。その速度は時速50キロくらいだ。

それに、仮に時速30キロの迎え風があるとすると、飛行機は甲板に停止している状態で既に80キロの速度を得ていることになり、そこからフラップを下げなくとも、100キロの速度を出せば離陸できることになる。

実際に、この東京初空襲の記録映像をみると、海は大荒れであり、強風が吹いている。離陸の実写では、B-25は見かけ上、時速30キロくらいの速度で、まるで飛行船のようにフワフワ浮いて発進しているものがあった。

だから、ひょっとしてフラップなしでも離陸できた幸運な飛行機があったのかもしれない。

キャプテンも副操縦士も興奮状態で、離陸手順を二人とも忘れてしまったのだろうか。 ただ、これが旅客機であれば、滑走路でオーバーランしてしまい、とんでもない事であるが。

ところで、この映画の日本語字幕に「水圧は異常ない」というのがあったと思う。

これがヒコーキファンには笑わせてくれることなのだ。

原語セリフの HYDRO PRESSURE は 航空工学では油圧のことである。

飛行機のメカは、水の圧力など利用していない。

この間違いは以前の航空パニック映画、たとえば「エアポート~」などにも何度かあった。

翻訳の方々。もうすこし理科になじんでいただきたい。

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ペンシ゜ー のミス

ベンジー DVD ベンジー

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発売日:2007/04/27
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犬が大活躍する映画というのは結構ある。

犬が主役であるから、思うように撮影がはかどらず、監督さん泣かせとなる。

大監督でも動物と子供には勝てないという。

その私の子供のころはテレビで「名犬ラッシー」や「名犬リンチンチン」を放送していたが、日本のその時分の犬といえば、エエトコの家でもせいぜいスピッツであったので、ラッシーのコリー犬を見かけることなど、まずありえなかった。

まして、ディズニーの「101」のダルメシアンなど、まるで想像上の犬であった。

だから、1年に1回コリー犬なんか見つければ「 あ ラッシーだ」と少年たちは叫んだものである。

その「ラッシー」の映画版をBSで放送されたので、懐かしく拝見できた。ほんとにカシコイ犬ですね。 

たぶん撮影用に似たようなのが2.3匹くらい控えてあると思います。

そのラッシー一家のお母さんは、ジューン・ロックハートで、後に「LOST IN SPACE」宇宙家族ロビンソンのモーリン役をやった女優さんである。

まあこの人、アメリカのいいお母さん、良妻賢母の見本である。 ラッシーの頃はちょっと太めですが。

「ベンジー」というのがありませんでしたか。 かなり前です。 あの犬はなんというのかな。 テリアかな。 

ストーリーは全然覚えていないのですが、その中の数シーンに録音用の吊マイクが完全にスクリーンの上部スレスレに写ってしまっていたのです。 

私は、アレどうしたものかと思いましたが、制作側も、公開が迫り、撮り直しができず、涙を飲んでフィルムを使ったのでしょう。 今、DVDで観れば、たぶん上手にトリミングかデジタル処理で消してあるかもしれません。

この映画に使われた撮影カメラはパナビジョンシステムのものだと思いますが、これで使われるカメラのファインダーはいったいどうなっているのだろうか。 

1眼レフカメラのように、見たまんまがフィルムに写るのだったら、こういうミスはありえないので、レンジファインダーカメラのようにズレが生じたのかもしれない。

(たしかこのカメラのレンズとファインダーとのズレを   パララックスといったはず。私、写真部でした。)

私は映画撮影のカメラに大変興味があり、ぜひ現場でファィンダーを覗いてみたいものだ。 

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ヒコーキ映画のミス

ダイ・ハード2 DVD ダイ・ハード2

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発売日:2007/06/16
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 先日、チャイナエア機が炎上した。 間一髪で全員脱出できたのは幸運であるが、最新型737機は最大180人搭乗でき、もう少し人が乗っていれば、最後の方の乗客はヤバイところであった。

 タキシング中に整備員が燃料が大量に漏れていることを発見したというならば、直ちに消防本部に連絡したであろうか、なにか消火隊の到着が遅く感じる。

 またマニアックな話になるが、旅客機の燃料というのは、到着時カラッポというとそうではなく、今回の737型機も約ドラムカン30本残っていた。 これは妥当な数字で、目的の空港が閉鎖されたり、気象条件で着陸不能となった場合、代替空港まで飛行するためのおよそ二時間分の燃料、プラス、その空港上空で30分着陸を待たされた分の燃料、プラス、地上でポットまでモタモタ移動する分が計算され搭載されている。

 747の最新型だと、燃料消費量は平均、1分間にドラムカン約1本で、ポットに到着しても、まだ200本近く残っているというわけだ。 ちなみに全搭載量は約1077本である。飛行中は900本消費すると、15時間の飛行。 だからニューヨークまで飛べるんですな。

 ところで、世界の50パーセントの人はジェット旅客機はガソリンで動いていると勘違いしているのではないか。 ジェットエンジンは雑食性で、たしかにそれでも動かないことはないが、 実際は家庭の灯油に近い。 ただし、霧状になりにくく、灯油よりも爆発的燃焼になりにくい。 だから漏れた燃料にマッチの火を当てても即点火しないし、ましてボン!と燃え広がることはありえないのだ。 

 そこで、映画の「ダイハード2」である。 この映画は空港が舞台で、テロリストたちは、数々の手段で、旅客機の着陸を阻止し、それをユスリの種にする。しかし、その内容はパイロット、空港関係者、航空ファンには笑止千万のものであり、あえて、そのおかしな部分をここですべてとりあげないが、ひとつだけどうしても言いたいのは、終わりのシーンだ。

 燃料漏れをおこした離陸中の747型機に、ウイリスは雪の積もった滑走路上から、漏れた燃料にライターで点火させ、導火線のように火炎を伝わせ旅客機を爆発させるのだ。 こんなバカなことは、天地が逆さになってもありえない

 航空関係者の100パーセントの人と観客の50パーセントの人は吹き出したであろう。 私もそうであったが。  

 ビジュアル的には大変おもしろいが、よしんば燃料がガソリンだとしても、離陸中のジャンボは時速300キロを超えており、あんな真冬の中、火炎が追いつくわけがない。 脚本を書いたやつは、観客をタワケ者扱いにしているとしか思えない。 映画のウソにもこのような大衆の不安を煽る捨て置けないものもある。

 ただし、ジャンボの爆発カットの特撮は、パイロテクニックがすばらしく、しかも旅客機のもろい、ヤワな構造をよく描写してあり、屈指のものである。

 今回は楽しい映画のウソというよりも、ニガニガしい映画のウソでした。

 

 

 

 

 

  

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「ウルトラQ」でのミス

DVD ウルトラQ VOL.1 DVD DVD ウルトラQ VOL.1

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 ウルトラQというのは、私の小学校1年生のときの放映であり、もう40年以上も前ということであるが、当時私は親にみせてもらえなかった。 午後7時の放映であり、ニュースを見る時間という訳だ。 オヤジよニュースは9時に観ろっツーノ。

 おかげで学校のクラスでは、昨日のこの番組の話題に入ることができず、随分寂しい思いをした。 というわけでウルトラQは永年の憧れの対象であり、近年DVDで鑑賞できるのは、感無量である。

 私、ウルトラQ好きです。 私は幼少のころから円谷特撮には辛口なのですが、これは気に入っているものの一つです。 白黒画面ですので、ちょっとした不自然な特撮も目立たないというのも理由ですが、後のカイジュウ物のように通常のカメラスピードでのヒーローと怪獣とのプロレスごっこをする撮影部分が無いというのも理由です。 またミニチュアも比較的丁寧に作りこまれていたように思います。 

 それに怪獣が出ないファンタジーもありSF調、トワイライトゾーン調なのがよかったです。 特に「悪魔っこ」なんかゾクゾクしましたね。  それに35ミリフィルムで撮影されたということで、DVDでは、デジタル修正のせいもあり、すごくシャープな映像で観ることができます。

 さて、そのデッカイ怪獣が出ないエピソードに「クモ男爵」があります。 ボンドガールの若林英子さんがゲスト出演しています。 怪獣ほどデッカクないけれど、人間なみにデッカイ蜘蛛がでてきますが、ワイヤーの操演によるそれは、今からみると稚拙な代物ですが、当時では標準的なものといえるでしょう。 あれだけでも当時100万円以上の制作費がかかったのではないか。

 終盤、マンジョウメ君やイッペイ君が不気味な洋館で、素手やナイフで蜘蛛を退治します。

 さてそのカタストロフ場面で、この蜘蛛のいた洋館は、燃えるローソクの蜀台が倒れたことで火災になり、さらになぜか、建物が崩れていきます。 そこでさらに大変なことが起きます。

 その壁や窓が崩壊している画面のなか、恐ろしいことに大きな人の手が心霊写真のように写っているのです。 

 つまりミニチュアセットがタイミングよく壊れるよう、スタッフが素手で壁を押したのが映ってしまったのですね。 

 ウルトラシリーズでは他に、ウルトラマンの背中のチャックからシャツがはみ出ていた。というのがあります。これは私のクラスメートが発見したことで、まだ未確認です。

 

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七人の侍 のミス

 世界の映画ファンには、ちょっとした映画の中のミスを指摘して楽しんでいる人々がいます。 特にメリケンの連中なんか大好きですね。 そもそもアチラの方々は国民性か、老若男女、巨匠監督から、大物俳優まで、OUT.TAKE(NG)を観たり、ミスを発見するのが大好き。 そういう私も大好き。

 ということで、これからちょくちょく映画の中のミスを書いていきます。 まじめな日本人の一部の方はマユをひそめることでしょうが。 ユルシテネ 。

 世界の黒澤、世界の「七人の侍」でのシーンです。

 木賃宿で、侍たちに食わせる米を炊こうとして、利吉が火をおこしています。

与平が、使い込まれた黒い板床で、白く輝く米粒を一粒一粒拾う、名カットがあるシーンです。

 与平の様子がおかしい。 与平 「米、ぬすまれた」  ・・・私、この左ト全のモノマネうまいです。・・・ 利吉 「あれほど言ったのに」 、 与平 「おら、甕抱いて寝ただよ」 、 利吉 「米はどうした」 、 与平 「もう一握りしか残ってねえ」

 さてここです。 利吉は甕の中をのぞいているだけで、中に手をっ込んでいません。 ところが、次のカットで与平に米を投げつけているのです。(与平の顔に米粒が降ってくるカットのみ) 

 時間経過の描写が無く、つまりカットが(つながっていない)のです。 たぶんリズムを良くする為、甕の中の米をつかんで投げるカットは編集で切ったかもしれません。 黒澤監督もたぶん観客は気づかないだろうと思ったのでしょう。 私もこの映画の十数回目の鑑賞で、ようやく発見したことです。

 

 

 

 

 

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