カテゴリー「ヒコーキ」の記事

H-ⅡBロケット打ち上げ成功を祝う

ロケットエンジン Book ロケットエンジン

著者:中村 佳朗,鈴木 弘一
販売元:森北出版
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H-ⅡBロケットより分離された、国際宇宙ステーション・補給船、HTV(H-Ⅱ.Transfer.Vehicle)が無事、ISSにドッキングして、ミッションが成功した。

おめでとうございます。

ロケットの打ち上げは、目的の衛星が機能を果たしてこそ成功といえる。

よく、打ち上げをモニターで見守っているJAXA以外の方々を見ていると、カウントダウンがゼロとなり、エンジンに点火、リフトオフして数秒後に「ヤッタ・ヤッタ・バンザーイ」と大喜びをしているが、私はとてもそんな気持ちになれない。

それに私ばかりか、JAXAや三菱重工の携わった人も、そんな彼らにはシラケタ目を送っているのではないだろうか。

ロケットの打ち上げは、始まったばかりであり、これからが勝負。メインエンジンは、例えば450秒間燃焼するとすれば、449秒でターボポンプに不具合が生じ、爆発するかもしれない。燃焼終了の一秒前まで喜んでいられないのだ。

燃焼が終了しても、第二段エンジンに点火するか、いやそれ以前にSRBがうまく分離するか、一段目と二段目がうまく分離するか、衛星のフェアリングがうまく開くか・・・等々、心配ごとが沢山なのである。「バンザイ」などしていられない。

ということで、私は、打ち上げが終了しても、HTVがドッキングするまでは、喜ぶのを控えていた。

ところで、今回のH-ⅡBロケットはメインエンジンを2個くっつけ、日本初のクラスター型とし、さらにSRBを4本として、総推力、約1000トン以上の、ほんとうに大型のロケットとなった。

推力、約1000トン以上とアイマイにしたのは、現在の推力表示がトンからキロ・ニュートンとなって、極めて生活観から離れた、分かりにくい単位になったためだ。

キロ・ニュートンの数字から、トンにするには、1割引けばいいようだが、ピンとこない。それに比較してトンは1キロの1000倍であり、65キロの体重がある私は、0.065トンである。極めて分かりやすい。私を空中に持ち上げるには、約0.07トンの推力のロケットエンジンを背中にしょえばいいわけだ。

話は変わるが、私はガキのころからロケットの打ち上げや、噴射する燃焼ガスを見るのが大好きで、毎回、打ち上げ映像はロケットの下ばかり注視しているが、H-ⅡBロケットでは、SRBが4本あるせいで、その固体燃料の大量の煙りが発射台に充満し、肝心のメインエンジンの美しい、昼間だと、ほぼ透明の燃焼ガスが見えず、残念だった。

これはSRBの本体への配置が、丁度撮影するカメラの方向に向いていて、メインエンジンを隠してしまっているのにも原因がある。また、SRBの炎が明るすぎるも一因だ。

スペース・シャトルもそうだが、この固体燃料ロケットの燃焼というのは、ケムリ・モクモクで、炎も大きく広がってしまい、ロケットファン(少なくとも私)にはあまり評判のいいものではない。

燃焼ガスの見事な眺めは、固体燃料を使わないロケットで見られ、なんといってもアポロを月へ送った、サターン5型・第一段がナンバーワンである。

そのエンジン、F-1は燃料にケロシン(灯油)を使い、総推力は約3500トン。燃焼ガスの噴射速度は秒速3000メートルで、水素を燃料にしたスペース・シャトルのメーンエンジンの秒速4000メートルよりは遅いが、それでもファンジェット・エンジンの噴射エア速度より10倍という速さでガスを発射台に叩きつける。

--- アポロ11号、サターン5型の打ち上げ、超ハイスピード撮影・発射台映像。3分30秒過ぎからの映像が圧巻。

http://www.youtube.com/watch?v=wSv5383Dpvs&feature=related

--- アポロ8号打ち上げ、通常撮影の映像。もっとも状況が分かりやすい。

http://www.youtube.com/watch?v=XKtH0uzg8wU&feature=related

音速の約8倍の速度の燃焼ガスが、発射台のガス抜き穴などにブチ当たると、衝撃波が発生し、ソニックウェーブのベイパー(霧)が飛び散るのが時々見られ、これまたロケットファンを喜ばせる。

衝撃波は上昇中にも発生し、地上に達すると「タン・タン・タン・・・・」という太鼓を叩くような音として耳に聞こえる。この音もロケット打ち上げの醍醐味である。ロケット・エンジニアもこの音が大好きらしい。

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「こんにちは」旅客機

ボーイング747が就航されたのは1970年ごろだったが、アフリカの言葉、たしかスワヒリ語で「こんにちは」を意味する「ジャンボ」というニックネームは、ほんとうかどうか、日本人の新聞記者がつけたという伝説がある。

ネーミングの元となったディズニーの「ダンボ」は観ていないが、その耳をはばたいて空を飛ぶ小象ダンボの母の名が「ジャンボ」で、単純に小象より大きく、でかいジャンボのような飛行機だという意味でつけられたのだろう。

・・・・ と 現在まで思っていたのだが、ウィキで調べるとロンドンのサーカスにJUMBOという名の巨象がいたそうで、その名を「大きい」という意味に使ったのはサーカスの団員だということだ。もう100年ほど前のことある。愛称のルーツが以前にあったわけだ。それにスワヒリ語では「JAMBO」となるようでスペルが違う。これも知らなかった。

ボーイング社ではこのニックネームは気に入らなかったとみえて、ずっと「ジャンボ」名を広報部では使わなかったが、最近は根負けして使うこともあるらしい。

ユーチューブを散歩していたら、IFAW・国際動物福祉基金という、聞いたことがあるような団体の面白いCMを見つけた。

http://www.youtube.com/watch?v=Fm8FJ8la2VU&NR=1

爆笑してしまったが、日本で未放映だとしたら、恐らく、所ジョージとタケシと厚化粧の年増女が司会の番組で、面白CMとして紹介されるだろう。

着陸姿ではなく、耳をはばたいて滑走・離陸する映像のほうがいいと思うが、そうするとディズニーの著作権を侵害するだろうか。あの会社はそういうことに神経質だ。

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ゼロ戦の20ミリ機関砲について

大空のサムライ〈上〉死闘の果てに悔いなし (講談社プラスアルファ文庫) Book 大空のサムライ〈上〉死闘の果てに悔いなし (講談社プラスアルファ文庫)

著者:坂井 三郎
販売元:講談社
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太平洋戦争初期では、圧倒的強さを誇った日本海軍の零式艦上戦闘機に関する、巷で発売されている解説書のページをめくってみると、搭載された20ミリ機関砲の活躍が記載されている。

曰く、1,2発、敵機に当たるだけで、翼がもげて、空中分解する。緒戦におけるゼロ戦の勝利は、太平洋戦争当時、唯一この戦闘機に搭載された、画期的な20ミリ機関砲のおかげであり、空中戦では絶大な威力を発揮した。

しかし、これは事実だったのだろうか。

20ミリ機関砲の弾はどういうものかというと、直径は2センチ、長さは、後期の99式2号では発射薬の部分も含めると17センチ、飛んでいく砲弾は8センチ近くあり、昔の小説家が使うようなブットイ万年筆みたいな形である。弾の中には炸薬が入っていて、これは小さな大砲の弾と言ってよい。 つまり、当たると爆発する弾なのである。(弾の種類には焼夷弾や徹甲弾などもある)

その破壊力を知るエピソードとして、地上で整備中に誤射してしまい、コンクリートの壁に直径20センチの穴が開いたというのがある。 これはもう、飛行機の軽いジュラルミンで造られた機体では致命的な大穴が開くか、翼なら分解してしまうものだろう。

ところが、この重量が200グラムもある砲弾は、発射速度が遅かった。毎秒8発という間隔である。発射リズムは

  ♪  ♪  ♪  ♪  ♪  ♪  ♪  ♪  、毎秒

という感じであろうか。 映画「太平洋の嵐」などの東宝映画特撮シーンでの機関砲発射音は「カン・カン・カン・・・・」という効果音であるが、 これは少し遅すぎる。しかし、実際にこの速度では、両翼2丁あるとしても、一瞬で捕らえた敵機には、なかなか当たりそうにない。

それに、弾数が両翼銃合わせ、初期型では約100発、後期型でも250発しかなかった。 もたもたしていると、あっと言う間に撃ちつくしてしまう。

さらに、弾の重量が多いため、旋回時ではGの影響で弾道が曲線を描き、命中精度が落ちたという。

ところが、胴体に装備されている、7.7ミリ機銃の弾(鉛筆に取り付けるキャップくらいの大きさ)は2丁合わせて1400発もあった。そして一丁で、毎秒15発の発射速度である。

   ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 、 毎秒

という間隔になる。

この7.7ミリは、威力は、なるほど20ミリ砲弾よりはるか小さいが、弾道性能が良く、命中率がよかった。因みに、陸軍の「隼」戦闘機の初期型はこの7.7ミリ機銃2丁のみで、大活躍したのである。

ここで、エース、坂井三郎氏の著、「続・大空のサムライ」から、抜粋してみよう。

氏はこう記述している。

----------------------------------------

「零戦が世界に先駆けて採用した20ミリ機関砲については、・・・・ 私ははじめから、終わりまで大きな疑問を持ち続けていた。・・・・ 命中すれば、素晴らしい効果をあげたが、機銃弾はあっという間になくなってしまうのである。弾丸の無くなった機銃は、単なる重量物であって、・・・・ さぴしさと不安を覚える。」

「20ミリの命中率は7.7ミリに比べると格段に落ちたのである。・・・ 弾道が放物線を描いて墜落してしまう。私たちはこれを小便弾といったが、なかなか命中してくれない」

「私が撃墜した戦闘機の70パーセントは7.7ミリの集中射撃によるものである。・・・ どんな敵機でも7.7ミリの弾丸で蜂の巣のようにすれば必ず落ちる」

「航空隊の意見の中に、・・・・初速の遅い20ミリ機銃は「百害あって一利なし」という思い切った要望が出されていた・・・ その後の実戦の戦果により、この意見が間違っているように考えている人が多いようである。これは零戦のあげた撃墜戦果の大半が、20ミリによるものであると考えた上での判断であろうと思われるが、事実はそうではない。」

----------------------------------------

と、結んでいる。 それに、別の著書では、20ミリの弾倉に敵の弾が当たると、弾倉が誘爆し、翼が吹き飛ぶ恐れがあるので、当たろうが外れようが、早めに20ミリ弾を全弾撃ちつくして、7.7ミリ機銃で闘ったと述べている。また、7.7ミリ機銃は、まるで名刀・正宗のようにするどいものであり、絶大な信頼をしていた。とも述べてあった。

さらに氏は、アメリカ軍戦闘機の6連装13ミリ弾(ブローニングライフル)がうらやましかった。とも述べている。

繰り返すが、ほとんどのゼロ戦の解説書は、この20ミリ機関砲の活躍を記述してあるが、私はどちらかというと坂井氏の言葉を信じる。 

私が思うに、20ミリ機関砲は、格闘戦には不向きで、インターセプターとしての用法に向いていたのではないだろうか。つまり、敵機の後ろから、知られないようにゆっくり接近し、一撃を与えるという戦法である。あるいは地上攻撃用にである。

もし、ゼロ戦が20ミリ機関砲の代わりに、恐らく翼内に400発は搭載できるであろう7.7ミリ機銃、あるいは250発入りの弾道性の良く、7.7ミリより破壊力のある13ミリ機銃を両翼に搭載し、胴体の7.7ミリ機銃2丁と組み合わせて格闘戦を展開していたら、坂井氏の撃墜数は、もっと増えたかもしれない。

なお、ゼロ戦後期の52型ではこの13ミリ機銃を、20ミリ機関砲とともに搭載しているが、機体の重量が増し、格闘性能が落ちてしまっている。この頃になると、もうアメリカ軍のP-51ムスタングや、F6Fの対ゼロ戦法などには、太刀打ちできなくなっていた。

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ようやく出来た「空飛ぶ自動車」、テラフュギィア

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アメリカのベンチャー企業が「空飛ぶ自動車」を作って公開した。名をテラフュギィアという。

「テラフュギィア」の映像 ・・・ 

http://www.youtube.com/watch?v=EHXnLCIgNug&feature=related

エンジンのパワーは100馬力だが、飛行機と自動車走行ではドライブシャフトを切り替えて同一のエンジンを使用する。主翼は折りたためることが出来、道路を走っても他の交通の邪魔にならない。

ようやく「空飛ぶ自動車」らしきものが出現した。

今まで、この手のものは数多出てきたものだか、みんな失望するものばかりだった。日本でもこのプロジェクトは進行しているようだが、構想のモデルを拝見した限り、「道路を走れる飛行機」という程度ものだった。 そう、道路事情を鑑みると、とても容認できるものではない。パトカーに先導してもらって走るようなシロモノで道路では邪魔なのだ。あんなものがチンタラ走っては困る。

だがテラフュギィアは車としてはスリムだし4輪の構造もしっかりしている。道路でも問題なく実用できるだろう。ただし折り畳む主翼の剛性が飛行中ちょっと心配ではあるが。

この空飛ぶインディビデュアル・ビーグルでは4つのダクトファンにより垂直上昇、飛行するタイプの「スカイカー」が同じくベンチャー企業により開発中である。ただし、これは道路をスイスイ走る機能は付いていないので厳密には「空飛ぶ自動車」ではない。

私はこのタイプには疑問を持っている。VTOLというのは大変魅力的だが、技術的に安全面で不安がある。4つのダクトのパワーを制御するのは難しく、また、一つでも故障すれば即、墜落にいたる。これには乗りたくない。それに燃費も良くないだろう。

「スカイカー」の映像 ・・・

http://www.youtube.com/watch?v=ElS9BKSsezw

夢の中では「スーパージェッター」の流星号がよく出てくる。これは空飛ぶどころか、宇宙、水中を行き、冗談じゃないが地中まで進み、知能まで有する凄い乗り物。30世紀には出来ているのだろうか。

因みに流星号のように、大気圏内をマッハ15で飛ぶ事など不可能であり、出来たとしてもエネルギーが無駄である。 ギリギリ宇宙の高度100キロあたりまで上昇してマッハ15で飛ぶほうが実現的で効率が良い。

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ヒコーキ映画の間違い

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ヒコーキ映画というよりは、戦争映画では戦闘機が地上を機銃掃射するシーンをよく見かける。

すると地上のシーンではたいがい、画面の向こう側からこちらに向って、順番に弾着の火花と土ぼこりがやってくる。それも実に正確に2本の平行線を保ってやってくる。 

あんなに正確にまっすぐ撃ってくるならば、地上の兵士も横に逃げればいいものを同じ方向に逃げるのでやられてしまう。 

こういうシーンを観るといつも思わず「バカ」と言ってしまうが、言った相手はこういうワンパターンの安直なバイロテクニックを仕掛けてしまう特殊効果マンとそれを容認する監督に対してである。

あんなことはほとんどありえないのだ。 

戦闘機の機銃掃射は一箇所を狙い撃ちする。すると弾着は一定の狭い範囲内でバラバラと弾けるのである。あるいは反対に機首を上下左右に動かし、広範囲をめくら撃ちをする。

だから弾着が映画のように移動して来るとすれば、戦闘機が退避するため、操縦桿を引き起こして機首が上がる時に、たまたま発射桿も押しているその僅かな瞬間だけだ。つまり、ああなるのはせいぜい弾数にして10発くらいのものだろう。

それに弾丸というのは発射時の振動や空力の影響で正確に飛んでいかない。したがって映画のようにきれいな直線の弾着痕などありえない。

ドイツの戦車を機銃掃射しているガンカメラ実写映像があるのでメモしておく。

http://www.youtube.com/watch?v=6f9cqhuARrM&feature=related

このように一箇所を集中して狙い撃ちする。

尚、映像で見える弾は曳航弾であり、その間に見えない弾、つまり徹甲弾、炸裂弾、焼夷弾も一緒に飛んでいる。ガンベルトにはその4種類の弾が交互に並んでいる。

アメリカ軍の飛行機の機銃はほとんどブローニングM2だが、その50口径の12.7ミリ弾では、映像のようにドイツのタイガータンクを撃ってもビクともしない。

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H2B ロケットの成功を祈る

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2009年2月12日、三菱重工業で次期打ち上げの、H2B型ロケットブースターが公開された。第一段目の、LE-7Aエンジンが、今まで一個だったのが2つになっている。その分、直径が大きくなった。

感無量のことだ。 日本で初めてクラスター型のロケットブースターが出来上がった。 クラスター型とは、補助ロケットブースターを除く、メインエンジンを2つ以上束ねるタイプのことを言う。 

----- LE-7A、クラスター燃焼実験の映像。 

http://www.youtube.com/watch?v=Sj5E47luYgQ&feature=related

(タイトルのLE-5Bというのは間違い。)

今までは、日本の第一段・液体ロケットエンジンはすべて1個で使用していたので、ようやく大型ロケットらしくなった。

この2つ束ねるタイプのロケットでは、1960年代中期のNASAのタイタンロケットが該当する。  3つ束ねるものでは同じNASAのアトラスロケットがあるし、スペースシャトルのメーンエンジンも3つだ。

アポロを打ち上げたサターンⅤ型は5つ束ねているが、あの大型エンジンではそれが限界だろう。

ロシアも古くからクラスター型を採用している。人間を乗っけて打ち上げるものは、中心のコア部分の周りにパンタロンを4つ付けたような形態をしているが、その第一段ブースター全体には、姿勢制御ロケットを含め、なんと32個もロケットエンジンが付いて点火している。 ロシアはこのタイプのロケットを50年も前から採用しているが、すべてのエンジンをコントロールする技術が完全に確立されている。

日本もようやくその方法の仲間入りができる。

ところで最も効率の良いロケットエンジンというのは、一定の重量の燃料と酸化剤で如何に長時間燃焼できるかということにつきる。 

その効率が最も良い燃料が酸素と水素である。この組み合わせを提唱した人物は、なんと100年も前のロシアの田舎にいた。 学校教師、ツォルコフスキーである。宇宙旅行の父と呼ばれるアマチュア数学者でもある。

この水素と酸素を燃料に使ったロケットエンジンの開発は大変難渋であるが、開発に成功し、第一段メインエンジンとして運用できているのは、世界でもアメリカとロシアと日本とヨーロッパ共同体のアリアンスペース社だけである。

ただし、ターボポンプを廻した後の生焼ガスを、燃焼室で再燃焼させるという、最も効率の良い2段燃焼サイクルを採用しているのは、アメリカと日本とロシアだけであり、アリアンスペースのアリアンⅤは、この方法ではなく、タービンを廻したガスは再使用されず捨てられている。つまりその分、少し効率が落ちる。

宇宙大国となった某大陸の国は、酸素・水素を第一段に使用する方法を採用できていない。したがってあの国のロケットを見ると、衛星部分の大きさに比較して、第一段の燃料タンクが異様に長い。  大きいロケットは見栄えが良く、ゆっくり上昇する姿は堂々としているが、それは大きいものは性能が良いと思う、単細胞的思考である。

ロケットの性能は、重く大きな衛星を、効率よくフェアリングして弾頭に収め、いかにコンパクトなブースターを使い、少ない段数で打ち上げるかにかかっている。つまり、外見的には、頭デッカチで足の部分がスリムで短いスタイルほど性能がいいのだ。 日本のH2型のロケットはこのタイプだ。

因みに、あの国は有人ロケットの第一段目にヒドラジン系の、極めて取り扱いの危険な燃料を使うエンジンを使用している。 これは45年前にNASAがタイタンロケットで有人宇宙船ジェミニを打ち上げていたのと同じ方法である。

現在はNASAも、さらにロシアも当初から有人ロケットの第一段目に、この燃料は採用していない。 いつか、発射時や燃料注入時に大事故が起きなければ良いが。

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ハドソン川の奇跡と不運

機長からアナウンス (新潮文庫) Book 機長からアナウンス (新潮文庫)

著者:内田 幹樹
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ラガーディア空港を離陸した直後のUSエアウェイズのA320が、バードストライクによってエンジン2機停止となったのは全くの不運であり、恐らく離陸上昇中としては航空機史上初めての事故ではないだろうか。

エンジンが二つともダメになるという確率は天文学的なものだろう。それがとうとう起きてしまった。

バードストライクの実写映像。http://jp.youtube.com/watch?v=uYNpB-8_BSo&feature=related

航行中のジャンボ旅客機の4発のエンジンすべてが火山灰の影響で停止し、グライダー状態となって降下するという事故もあったが、幸い高高度であったため、懸命なエンジンの再起動を試みて、なんとか空港に着陸している。

旅客機はエンジンが二つ以上なければならないが、機体が地上から離れてしまえば、双発機ならば一つのエンジンでも上昇と飛行は可能な設計になっている。

それがもし、離陸直後に2発エンジントラブルとなるともうお手上げだろう。その場合、民家への激突を最小限に食い止めるため、空いている土地へ落とさなければならないが、まだ速度のエネルギーが低いため、急旋回でもしようものなら失速してストンとそのまま落ちてしまう。 そのストンと落ちてしまった事故が「衝撃映像特集」でさんざん流される有名なB52の墜落事故。

・B-52の失速事故映像。http://jp.youtube.com/watch?v=E_L5MEHVnQ0&feature=related

ただし、この事故はパイロットがエアショーで自分の腕をみせびらかそうと、無理な急旋回をしてやってしまったことだ。 民家や観客の場所でなくて幸いだった。

今回のハドソン川の事故ではパイロットの冷静な判断で不時着水できたが、まず川の幅が1キロもあったこと、フェリーに激突しなかったことが幸いというか奇跡だった。もし海に着水するとすれば、着水するときでも旅客機の速度は時速250キロ程度出ているので、三角波でもあろうものなら、翼や胴体は波に当たった衝撃でコナゴナになってしまう。 飛行機の機体なんてモロイものである。

・ボーイング767が海に不時着水した映像。http://jp.youtube.com/watch?v=wRgHp-Q7SY4

たぶんUSエアウェイズの機長はフラップを最大に出し、失速ギリキリまで迎角をつけて速度を最大限に落とし、尾翼からじょじょに着水させ運動エネルギーを減衰させつつ、両エンジンとも同時に着水、エンジンの抵抗で減速させたのだと思う。

もし機体が傾いた姿勢で、どちらかの翼が水面に接触したならば、翼がもげてしまい、上記の映像のB767の不時着水に近い状態になったかもしれない。

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離陸中止

CA STORY in ハッピーフライト (キネ旬ムック) Book CA STORY in ハッピーフライト (キネ旬ムック)

販売元:キネマ旬報社
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ユーチュブで、まるで映画のシーンのような素晴らしい映像があったのでメモします。

http://jp.youtube.com/watch?v=Ogb69OBceRI&feature=related

イリューシンの4発ターボプロップライナーが離陸決定速度・V1直前で、パイロットが何らかの異常を感知し、フル制動をかけてなんとか停止する実写映像。

プロペラ機の場合、制動はプロペラの角度を逆にしてジェット旅客機の逆噴射と同じ効果で減速をかけられるが、減速の主役はあくまでもメインギアのブレーキである。

どんな異常があったかは記録されていないが、かなりオーバーランしてしまった危機一髪の停止だ。

ギアは折れなかったので大事に至らなかった。

メインギアのブレーキが加熱してタイヤに燃え移っているが、旅客機のギアのフル制動試験でもディスクブレーキが過熱して光輝いている映像が観られる。下記がその映像。

http://jp.youtube.com/watch?v=m1dv_y_3EK0&feature=related

こうなると停止しても安心していられない。タイヤが燃え出し、機体に燃え移る危険があるからだ。いち早く脱出シュートで機体から離れる必要がある。

もう一つとんでもない映像。

アメリカの輸送機に逆向きのロケットエンジンを取り付け、その逆噴射で無理やり機体を停止させようとして失敗してしまう映像。

http://jp.youtube.com/watch?v=2VnSfPh3yt8&feature=related

これは、かつて、どこかの国に人質にされたアメリカ人を救出するため、無理やり輸送機をスタジアムに短距離着陸されるための作戦で考えだされた手法のテスト映像らしい。

逆噴射ロケットの威力が強すぎて翼がブッコワレテしまっている。エライことを考えるものだ。

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ユーチューブ中毒

ジェットエンジン Book ジェットエンジン

著者:中村 佳朗,鈴木 弘一
販売元:森北出版
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最近は映画を観る機会が少なくなってしまった。ユーチューブの映像ばかり漁って観ているからだ。これが止められなくて気が付くと深夜まで観続けていることもある。

特に好きな映像は旅客機の離陸シーンで、客席から撮影されたものではエンジンが写っている映像がいい。

離陸中というのは、アナウンスにあるとおり電磁波を発生しているビデオ機器の使用はひかえなければならないが、最近の新型機はコックピットにもコンピューターが多用されており、当然、電波障害を防ぐ対策がなされているから、それほど神経質にならなくてもいいと思う。

第一、パイロット自身がそのコックピットにビデオカメラを設置して、離着陸の模様を撮影した映像すらある。

ジェットエンジン馬鹿の私としては、クリアティクオフの瞬間からエンジンの推力を少し上げ、スタビライズ(複数のエンジンの回転がすべて安定すること)まで一呼吸待ち、さらにパワーアップ、最大推力となる瞬間がたまらない。

あのエンジンのスプール音がいい。エンジンナセルの共鳴音がたまらない。

最大パワーのエンジンはブルブルと振るえ、顔を真っ赤にしてエアを後方に吹き突けている。 ガンバレ!、GO,GO。 

V2速度・・・(安定して上昇する速度)までは壊れてはアカンゼヨ。

ちなみに、ここで一つのエンジンが壊れても残りのエンジンで上昇することになるが、この状況は、バイロットは訓練で散々経験済みであり、客の我々がパニクル必要はない。

ジェットエンジンの中でも素敵なのはボーイング777に搭載されているGE90で、この世界最大のファンジェットエンジンは機種によっては50トンの推力を発生するものもあり、これはDC-8や727についていたエンジンのほぼ6発分に相当するものすごい馬鹿力のヤツだ。

こいつの音がまたいいんですな。スタビライズ時のヒューンという巨竜が目を覚ますような魅惑的な声、そして最大パワー時の、がなっているようなワイルドな音。 たまりません。

エンジンの吸い込み口を見ていると、大気の湿度によっては吸引の猛烈な気圧低下でベイパー(霧)が発生したり、地上から小さな竜巻が見えたりしてなかなか面白い。

***** ナイスサウンドとベイパーの映像

http://jp.youtube.com/watch?v=P7vxj327Eg4&feature=related

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チャレンジャーの空中爆発

ディスカバリーチャンネル スペース・シャトル 発射までの舞台裏 DVD ディスカバリーチャンネル スペース・シャトル 発射までの舞台裏

販売元:角川書店
発売日:2004/10/22
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7月23日に日本テレビで放送された「ザ!世界仰天ニュース」で、スペースシャトル・チャレンジャーの事故を、アメリカの再現ドラマを元に分析していたが、なにを今更と感じた。

あんなことはトックの昔に検証され済みであり、原因は周知されていることだ。しかも、過去にドキュメンタリーや再現ドラマで、技術者とNASAの軋轢の話も繰り返し放送されている。

番組の中では固体ロケットブースター(Solid.Rocket.Booster)のことを「打ち上げロケット」と呼んでいて、これには笑ってしまったが少し腹もたった。

ちょっと視聴者をバカにしているのではないだろうか。スペースシャトルが初飛行してから四半世紀以上たっているが、世界的にも日本でも、あの2本のロケットブースターは「固体ロケットブースター」、あるいは略して「SRB」と呼ばれて広く知られているはずだ。

それを分かりやすく説明しようと思ったのか、視聴者のほとんどは知らないと思ったのか「打ち上げロケット」とまるで幼児にでも教えるような言い方をしている。

番組の台本作家のオニイサン。あなただけが知らなかったんじゃないの。

そのうえ番組では、事故原因はブースターのOリングからの「燃料モレ」という解説をしていて、これは間違っている。

固体の燃料(砂けしゴムのような形態)が直接もれる訳がなく、実際は「燃焼ガス」が漏れたのである。もう少し科学的に、できれば理系の先生などに台本をチェックしてもらいたい。

ところで、この固体燃料ブースターとしては世界最大のSRBの推力は、1本で1120トンあり、ジャンボジェット11機ぶんのパワーをもつ馬鹿力のもので、計算上は2本だけの燃焼でシャトル全体を持ち上げることができるしろものだ。

液体水素と液体酸素を燃焼させるオービターの三つの液体ロケット・メーンエンジンは全推力510トンで、SRBと同時燃焼でシャトルのバランスを保ち、全体の上昇加速を受け持つ。

そのときのシャトルの姿勢を人間が立っている姿に例えれば、、前かがみになったオジイチャンが杖をついている様に似ていて、2本の足がSRBであり、杖がメーンエンジンだと思えばよい。

なお、日本のH2シリーズのロケットも二本のSRBだけで充分上昇できるパワーを持っている。 ただし、上昇中に液体メーンロケットが停止すればミッションアボート。打ち上げ失敗。 SRBの燃焼だけで海上に移動させ墜落させることになる。

これはたぶんスペースシャトルも同じ状況となるだろうが、高高度であれば、オービターを切り離し飛行場に着陸できるかもしれない。

その場合、オービター軌道操作エンジンは宇宙の真空中で作動するように作られているので、大気中の飛行には使えない。やっぱりグライダーとして降りてくるしかない。

追記: 高高度でミッション・アボートの場合、シャトルをブースターから切り離しても、ペイロードが重く、滑走路に着陸できないかもしれない。

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