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ショパン、エチュードOP10-1中高年のための攻略法

 私のように、中高年となられてピアノを再開されたアマ・ピアニストで、ショパンのこのエチュードをどうしても弾いてみたいとお考えの方々。スローテンポでもいいからお終いまで弾けたらなと練習を始めたところ、演奏困難箇所にぶち当たり挫折してしまった方々。
 そんなピアノを嗜む紳士・淑女に、オクターブしか指が届かない自分が、不肖ながら鼻毛ぬきつつノホホンと考えた、姑息??な攻略法をお伝えします。
 まず第一に、私たちは体の成長はストップして、手首は固まっているので、若い人がやっているようなクラムマーなんとか・・・チェルニー何十番・・・などの難易度の高い練習曲によるハードな予備練習はお止めになったほうがよろしい。残された人生は短いのでこの際近道でいくべきで、音大を受験するような努力は、かえって指を痛め徒労に終わるだけです。        
 自分はこの曲を弾く前はハノンを数曲弾いて指をウォーミングアップする程度ですませています。
 その次の予備練習としてはユーチューブで知った、右手を三連符にして弾く方法。指が広がる真ん中部分は和音にする練習が身になります。
 この練習は本当によく効きます。ぜひやってみてください。なんなら弾きにくいところはしばらく三連符式で弾いておけばいい。しだいに指のポジションが掴め、さらに右手が柔軟になっていくのが分かります。
 そして、この曲を弾いていて最も悩ましい、いやショパンが我々に与えた苦行とも言える30小節からの運指法について。
 ここは楽譜の指示通りで弾くのが本道だけれども、音楽的にはしっかりしたフォルテ音で弾くべきところを、自分の場合、無理をして突っ張った指の弱い音でヘナヘナ弾くと、盛り上りに欠ける演奏になってしまいます。
 
 そこでこの運指法(赤字)を実践してみました。
まず30小節目の最初に出くわす、薬指を痛めそうなあのいまいましいやつは・・・
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↑(コルトー版)。原典版、ゼンオン版では5・4・2・1
これで解決できます。
32小節もこの要領で5・2・1・2とやります。
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どちらも最後の2指は黒鍵と黒鍵の間の白鍵ではなく、手前の白鍵に指を当てます。

↓ここもいまいましい35小節目昇り。4と5の広がりが難しい方は、こうしましょう。これはショパン的運指で、これを見た彼もニガ笑いするのでは。それとも怒り出すか。
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↓そして、その下り36小節も1と2の捻りを利用。
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48小節、上りより指が届かず弾きにくい再現部直前の大アーチ下り部分も、1と2の捻りで弾く。
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 以上の運指で♩=100から130くらいのスローテンポで弾くと、強いフォルテ音で確実に演奏することが出来ます。ただし、これはこれでハイテンポで弾くのは難しいのですが、少なくとも指を痛めることはないでしょう。
 
 また、左手の指を使う方法は、この小節でおなじみ?ですね。
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これはエンディング大アーチでもやれますな。
ここは手の小さい人でも楽譜の運指通りで案外弾けるものですが、一通り弾いてきて手指も疲れているのでこの運指も推奨します。
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 以上。ピアノの先生が見たら卒倒するかもしれない内容ですが、一応最後まで曲を弾き通す手段の一つとして試してはいかがでしょう。同時並行で楽譜通りの運指も気長に練習していきます。

尚、練習後、終日右手に鈍い痛みを感じるようでしたら、翌日の練習はフォルテではなく、ピアノ(P)で力を抜いて練習すると、リハビリ効果でしだいに痛みが取れてきます。毒を以て毒を制すです。この曲を諦める必要はありません。

追記: 入浴後など、指が温まった状態で、1-2、2-4、3-5の指をテーブルや太ももに押し付けて広げる運動もお勧めします。
 
 以上、これは、あくまで私的な攻略法なので、みなさんに適合するかどうか不明ですが、たかがピアノ音楽だと思って楽譜の運指に拘らず、あきらめず、悩まず、気楽にやってみて下さい
 

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ショパン、エチュードOP10-1再び練習する

 3年ほど前だったか、ショパンのエチュードOP10-1にチャレンジし、一通りお終いまでスローテンポでミスりながらもダマシ・ダマシ弾くことは出来たのだけれど、その後はさらに鍛錬することもなく、ほうっておいた。というのもこれを弾くと右手の人差し指がちょっとビリビリし、さらに右手全体が一日じゅうオーバーヒート状態になったからだ。当時は、これは練習を止めるべきだと判断した。
 ところが、最近またこの曲を練習し始めた。というのもネットのYTで、あるピアニストの演奏を拝見して発奮したからである。その演奏がコレ。
奏者は1999年生まれのナタリエ・シェヴァモバ。

追記: この曲をもうかれこれ40年以上、数々の名ピアニストの演奏で鑑賞したきたが、聴きくべてみて、彼女のこの演奏がベストと断定したい。

 なにかクララ・シューマンの姿と重なってしまうような華奢な体格の少女の弾く演奏スタイルが、ショパン自身が理想だと考えるこの曲の本来の弾き方ではないかと思ってしまった。
 上半身は背筋をピシッと伸ばした安定した姿勢。そして、ショパンの演奏を見た人が語った比喩、「右手は大蛇が大口を開けて逃げまとう獲物を追いかけているように見えた」、と思わせるようなダイナミックで、かつ柔軟な動き。たいして手も大きいわけではないのに。
↓ショパン・コンクール審査での演奏
 そして左手は決して鍵盤を叩きつけるような大音響とさせず、右手の演奏を殺さない澄み切ったフォルテ音を奏でている。ショパンは楽譜に強弱記号はF(フォルテ)とだけ指示していて、左手も決してドデカイ音を立てることは望んでいないのである。
 このピアニストと対極な弾き方をしているのがアシュナージで、彼も小男で、手も大きい方ではないが、同じこの曲の演奏では、左手の叩き付けるようなフォルテシモの弾き方が少し力み過ぎているように感じ、演奏姿もアンコール演奏のためか、少し疲れているようで、汗をかきつつ?頭を揺らしながらで、弾くのがツラそうに見えてしまうのだ。対し、シェヴァモバは、彼より安定感が抜群で、凛々しく涼しそうに弾きこなして見える。
 また、アシュケナージやその他のピアニストで時々みられるのは、ショバンが楽譜では指示していない、ノンペタル奏法を部分部分でやっていることで、それはそれで迫力ある演奏ではあるが、一方、奇をてらっているようにも感じないこともないのだ。しかし、シェヴァモバは、当然そういう弾き方も知っているではあろうが、あえてそうせず、楽譜に忠実である。(アシュケナージの演奏が良くないと言っているのではありません)
 自分も練習してシェヴァモバのように弾けるようになるだろうか。それはこの歳では絶対不可能だと思うが、もう少し3年前よりアップテンポで弾けるよう柔軟な手首にさせたい。
 この曲の要は右手指、1と2の拡張、2と4の拡張、3と5の拡張(時に4と5の拡張2と3の拡張)と柔軟さで、その予備練習としては、アルフレッド・コルトーのアドバイスとポール・バートン先生のチュートリアルが効果的だと思う。
 

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ショパン、マズルカOP24-2

2018年4月。ショパン、マズルカOP24-2を弾き憶えた。
 この風変りなマズルカもピアニストによく演奏される。この曲は40年前のピアノを始めたころ、ハ長調で始まるのでなんとなく弾き易そうに見え、序奏の両手をパクパク動かすのも単純な練習曲のようで面白そうなのでやってみたところ、すぐここで挫折した。
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 弱い薬指と小指でトリラーを素早く弾かねばならないのである。ここは相当基礎練習をこなして指を強化していないとビギナーには無理。ショパンの曲には一見易しそうに見える曲でも、このように必ずどこかに弾きにくい所が1か所以上あるものだ。
 特に好きなマズルカでもないので、何十年も弾く気もなく捨て置いていたのだが、作品24のマズルカ全4曲のうち3曲弾いてきて、これだけ残しておくのもシャクなので、現在でも相変わらず弾きにくいここを、ヤケクソで1と3の指・・・親指と中指・・・でやってみると・・・上手く弾けるではありませんか。では他のピアニストはここをどうしているか試しにユーチューブでショパン・コンクールの選考演奏を観てみると、同じ弾き方をしているコンテスタントがいた。
↓このお姉さま、ちょっと好きheart02
 1と3の指は強いので、この弾き方は理にかなっているといえるが、ショパン先生のレッスンではこれをやると怒られるかもしれない。ただし、彼のレッスンは貴族子女相手に1回あたり日本円で20万ほどの受講料を取っていたらしく、自分は受けられる身分ではないが。
 
追記: どうしても素早いトリラーが弾けない人は、若かりし頃のアルゲリッチの演奏のように一発打ちのトリルで済ます方法もあります。ただし、晩年のアルゲリッチは3発打ちのトリラーで弾いています。
 
 このフレーズの3と2のせわしない指替え指示も無視して自分はこのように弾いている。この方がはるかに弾き易い。
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 この曲が風変りな感じに聴こえるのは、教会で使われるリディア旋律を使っているからだという。これがどういうものかググッてみると、長い学問的な文章が長々とあって、読むのも七めんどくさいし、自分には分かりにくい。NHK「ららら・クラシック」の野本先生なら5分で分かりやすく解説してくれるんだがな。
 曲のエンディングも序奏の繰り返しでなく、ホタテ貝が休み休みパクパク泳いでいるようでユニークだ。こうやって終わらせるのがショバンという天才の成せる技。
 

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ショパン、マズルカOP24-1

2018年、4月。ショパン、マズルカOP24-1を弾き憶えた。

 技術的にはたいしたテクニックは必要とせず、プロのピアニストなら初見で弾いてしまいそうな曲ではあるが、芸術性あふれる名曲だと思う。私的にはこういう作品が一番お好み。
 ショパンの作品の中には、例えば「アンダンテ・スピアナートと・・・」のように若かりしショバンが、自分の持つありったけの高度なピアノテクニックと長い演奏時間を費やして大見得を切ってはいるが、内容は浅く、たいして認められていない作品がある一方、このマズルカのように、易しい技術で、演奏時間も短いながら、それらを超える芸術性を秘めた作品も多くある。
 ショパンは「ピアノの詩人」と言われるけれど、ほんとうに詩情溢れるマズルカ。特に自分はここに詩を感じる。
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↑これはもうノクターン調の調べ。次の小節まで音を保持するBフラット音が儚い。
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↑やさしい眼差しを感じるフレーズ。
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↑ちょっとバラード的変奏。
 
 また各所、場面がフッと変わる潔い転調もいい。
 

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ショパン、マズルカOP24-4

2018年、4月。ショパン、マズルカOP24-4を弾き憶えた。
 この曲は40年ほど前にNHKFMのクラッシック番組のオープニングに使われていて、当時はショバン曲と知らず、暗闇を手探りで進んでいくような不思議なイントロと、それから始まる三拍目にアクントがある魅力的な三拍子に好印象をもったものだ。
 ただし、後にレコードを手に入れ曲全体を鑑賞してみると、後半の同じリズムの繰り返しは、ちょっとシツコク聴こえ、また再現部から後の終わらせ方にちょっと冗長な感じをもった。この冗長感は、音楽評論家の誰かも書いていたように記憶している。
 ともあれ、マズルカの中でも傑作に入り、演奏会でも録音でも必ず選ばれる曲。
 
 暗譜してしまったけれど、自分にはちょっとムズイ大曲で、一通り弾いてもコチラが上手く弾けてもアチラがトチルという状況に陥っている。特にアマチュアでも老若男女、手こずるのはここではないだろうか。
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 ルービンシュタインは遅めのテンポで確実なタッチで弾きこなしているが、「アジタート、ストレット」の指示では大概のピアニストは速めのテンポでいっきにやっているので、自分もそうするとリズムが乱れ右手の2声部分がガチャガチャした演奏になってしまう。・・・(cresc記号上の小節が右手の小指と人差し指の間を拡張させてツライ)・・・、といってルービンのように遅く弾いてもかえって考えてしまい、ミスる。聴かせどころなのにヤッカイな部分だ。
 
最終の長いモゴモゴ語って入るページ。
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何か意味深なエンディング。
 ポーランドを捨てて故郷を離れようとするショパンに、家族や友人が別れの言葉をかけているようなフレーズと・・・・
 そして、いよいよ去り行くとき、「これで永遠の別れとなるかもしれない」と遠ざかる故郷や人々を何度も振り返って逡巡しているようなフレーズ。しだいに小さくなってく故郷の景色。ちょっと考え過ぎかもしれないが。
 

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ショパン、マズルカOP24-3

2018年、3月。ショパンのマズルカOP24-3を弾き憶えた。
 ショパンのマズルカの中でも愛すべき小品の一つで、技術的にも易しいのでピアノ発表会に向いているし、演奏時間が短かいからピアニストのアンコールピースとしてもよろしいのではないか。
 暗譜して終生愛奏すれば、自分や周りの人を和ませてくれるピアノ曲の一つと断言できる。
 マズルカの中でもワルツに分類してもいい作品で、フェルマータで演奏が停止するところは、ワルツを踊っている男女が、お互いの手を握ったまま踊りを一瞬止めて見つめ合っている様を想像する。
 特筆すべきは、ここで曲を終了してもいいところを、
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これまた、完全にワルツ形式の可愛らしいコーダを追加して終わらせていること。
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ここを弾きたくて選んでしまった。
「猫のワルツ」や24の前奏曲、23番を思い浮かべるようなフレーズ。

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ショパン、マズルカOP30-3

2018年、2月、ショパンのマズルカOP30-3を弾き憶えた。
 短い曲なのに、かなり弾きごたえのある曲で、ショパンのマズルカの中でも名曲に数えられると思う。ピアニストもリサイタル、録音でマズルカを弾くとなると、たいていプログラムに入れる1曲。
 聴いても、弾いても何が魅力があるのかというと、まず、ff(フォルテッシモ)とpp(ピアニッシモ)の極端な弾き替えが面白いというのがある。まさに現代のグランドピアノの魅力を引き出せる曲なのだ。ピアニストがこの曲を好んで演奏するのもそういう魅力があるからだ。
 ショパンの時代のピアノはダイナミックレンジも狭く、残響時間も短いので、ショパンがタイムスリップして今のこの曲のコンサートグランドピアノによる演奏を耳にしたら、ホール全体に轟くff音と、ホールの隅にも届く繊細なpp音の表現力に驚愕するのではないか。そんなことを想像するのもまた面白い。ショパンは強弱記号にpppやfffを使うことは極めてまれだが、もし現代のグランドピアノで作曲したら、ロシア後期ロマン派のようにffff、ppppなんて記号を楽譜に表記するかもしれない。(ただし、鍵盤の重さに閉口するだろうな)
 中間部の微妙に転調して変化するフレーズもマズルカらしく楽しい。自分はこのフレーズの左手の和声変化も好きだ。
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再現部手前の共鳴効果をねらった押さえっぱなしのF音・・・・この部分はホロヴィッツの演奏が記憶に残る・・・・は手の小さい人泣かせのところで、自分は小指で弾くバス音の届かないところは右手を交差させ人差し指を使う。(ただし、右手の最後の6度の和音が途切れるので一瞬だけペダルで音を保持させる)↓
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↑バスの♭Eと10度音程のB音に指が届かない。
 ここは残念ながらソステヌートペダルは使えないが、ユーチューブを見ると、右手の指と交代して弾いている人もいた。
 何度弾いても楽しい曲で、また三度や六度の練習曲としても、チェルニーのつまらない練習曲を嫌々繰り返すよりよっぽと身になる。
 
ホロヴィッツの名演奏
 

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ショパン、マズルカOP33-2の歌

 ピアノ独奏用であるこの曲はフランスのソプラノ歌手によって唄に編曲されているようで、それがどんな歌詞なのかは知らないけれど、まあ、想像するとこんなようなものではないか。
 
・「あの人は私に気があるのかしら」、「そうみたいよ、いつもあなたを見つめているわ」・・・
・「またあんた浮気したやろ・クドクド・ネチネチ」、「カカかんにんな、ゆるしてーな」・・・
・「このパン、昨日のやつでネェアーカ?」、「何言っとリャアースカ、焼き立てのホヤホヤだがや」・・・
 
 とまあ、だいたい二人の人物がまきおこす庭先や市場での喧騒にイメージが湧く。シュトラウスの「トリッチ・トラッチ・ポルカ」のショパン版というところか。
 
(追記) ↓ユーチューブで発見。これがソプラノの歌でした。内容分からず。
↑追記: 題名「私を愛して」
 
 そこで自分もショーモナイ唄を作ってみた。
「たこ焼きの歌」
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 ピアニッシモからのフレーズは同じ歌詞で、イ長調に替わったら「粉きれたで」と変わる。またタコヤキをイカヤキ、ブタマンに変えてしつこく繰り返してもいい。
 中間部は省略してフィニッシュが・・・
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自分の才能なんてこんなものであります。ホナさいなら。
(著作権は自分にあります。転載使用には承諾を受けてください)
 
 
 
 

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ショパン、マズルカOP33-2

2017年10月、この曲を弾き憶えた。
 
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 ショパンの音楽の中でも底抜けに明るい曲で、マルクジンスキーの円盤にて覚えた19歳ごろ、さして難しい技術は要らないように聴こえるので、よし弾いてやろうではないかと楽譜を開いて指を鍵盤に当てていくと、どしょっぱなから意外と難曲であることが分かった。
 
 右手が奏でるメロディーには親指を使った四分音符の同時打ちが仕込んであり、つまり右手の演奏は2声だったのだ。これはどういう難しさがあるかというと、親指は2拍、3拍のタン・タンというリズムを打つために控えていなければならず、メロディーは残りの指で弾かざるをえないということである。結局、ショパン特有のフィンガーテクニックである、4指が5指を跨いで黒鍵を弾くというアクションが必要になり、しかもその時、1指と4指でオクターブを弾かなければならないという肉体的困難さも発生する。ピアノビギナーには結構シビアな要素を含んでいた。
 
 若いころはここで挫折してしまい、一生弾くこともないだろうと捨て置いていたが、最近チャレンジしてみると、弾けてしまった。毎日、「幻想即興曲」を指ならしの練習曲代わりに弾いていて、右手が鍛えられたおかげかもしれない。ただし、親指を意識して弾かないとここを外すことがあり、今でも難しい曲であることには変わりない。
 この終盤の右手もやっかいで難しい。
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 また、マズルカのリズムやペダリングも難しい。自分は教師に就いていないので、ここはピアニストの模範演奏で学習するしかない。鑑賞にあたって、マズルカの演奏者は本場ポーランドと、その周辺の東ヨーロッパやスラブ地方出身者のものが参考になる。イタリア出身のポリーニの演奏など、相変わらず心に響かない。自分が好きな演奏はルービンシュタインとホロヴィッツのもので、この二人の演奏はよく比較される。
 本場ポーランドのマルクジンスキーの演奏は少しアクが強く感じるが、あれが土着マズルカに最も近いものなのかもしれない。彼の演奏は大変勉強になる。フランソワの演奏も魅力的だが、彼独特の天才が成せるもので、マネしないほうがよいようですな・・・。
 
 
 
 
↓ゼンオンの楽譜にミスプリがあった。それともこれが原典版なの?。
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WTC Book2 14番、プレリュード

このプレリュードは先月、2017年6月に弾き憶えた。
 
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 この曲も琴線に触れるプレリュードで、なにが自分の琴線に触れるのかというと、技術的には易しいのに、音楽表現としては難曲であるということがその理由の一つで、今までもそういうタイプの音楽を学習し苦労し楽しんできた。技術的には高度なテクニックが要るのに、音楽芸術的には評価されていないような曲は苦労してまで練習する気が起こらない。そういう音楽というとリストの作品に見られる。
 
 さて、この嬰ヘ短調というめったに見られない調性の音楽は、ゼンオンの楽譜の解説や巷の話によると、バッハのWTCの中でも最高傑作であるという。自分は音楽芸術的才能などチョットしか持ち併せていないし、WTC全曲ジックリ聴き比べていないので、この曲が最高傑作かどうかはわからないが、この曲のシンコペーションと半音のメロディーの調べには「これはほんとにバッハの曲かいな、ロマン派の音楽ではないか」と感じたほど。・・・・それは12番プレリュードでも同じ感じをもった。
 それはなにか、切ない片思いの恋文の綴りか、今から駆け落ちか心中でもしそうな男女の悲哀を唄った曲に思えてしまう。
 その切なさを表現するのが難しい。センチメンタル過ぎてもいけないが、ペダルは使うべき曲だと思う。そのペダリングもどこで踏むのかが難しい。最後の和声をマイナー版で弾くかメイジャー版にするかで曲の雰囲気が違ってしまうが、これがまた面白いというか難しい。
 ピアニストの演奏では、やはりリヒテルのものが自分の好み。そもそも彼のWTCの録音は大聖堂で行われたため、ペダルを踏んでいなくとも音に美しい残響があり、その効果ゆえ、たいそうロマンチックに聴こえる。
 
自分はアシュケナージと同じテンポで弾いている。この淡々とした演奏もいい。
 

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