カテゴリー「ピアノ」の記事

アラウのショパン・エチュードOP10-1

 ユーチューブで偶然発見したクラウディオ・アラウの演奏に驚いた。

 この曲はダンパーペダルをタップリ使うのだが、アラウは楽譜の指定に反して、ほとんどノンペダルで弾いているのだ。それが、少し粗削りではあるが、音のツブがはっきり聴こえる演奏効果が、かえってスゴイ迫力を生んでいる。しかも演奏が2分以内で終わる、かなりハイスピードなテンポなのだ。

 アラウの演奏は自分はあまり知らなくて、円盤ではリストのエチュードしか知らないが、老いた巨匠スタイルの、ゆったりした演奏で、聴いていて退屈だった記憶がある。最近ではショパンの三度のエチュードの演奏を、同じくユーチューブで知っていたが、これもスローテンポであった。だから、この作品10-1の彼のダイナミックな演奏と解釈には意表を突かされた。

 唯一、ペダルを使っているとはっきり分かるのはフィナーレの2小節で、これがまた粋な演奏。「さあ、曲の終わりですよ。ここでやっとペダルを使いますよ」と訴えているようで微笑ましい。打ち上げ花火のスターマインで最後の一発、ちょっと違う花を咲かせて終わりにしたみたいだ。

追記: サンソン・フランソワもこの曲は、ほとんどダンパーペダルを踏まずに演奏していた。

このエチュードを最近は毎日練習しているが、そのきっかけはナタリエ・シェバモヴァの演奏をユーチューブで知ったおかげ。

決してNHKのアニメの影響ではありません。

この華奢な少女の演奏スタイルに魅了されてしまった。あの小さな手が、なんと柔軟に捻られ跳躍し動いていることか。人指し指のモノスゴイ伸張。

 実は自分も彼女のこの演奏を参考に手首の動きを試してみたら、ピアノ学習者を悩ませる30、32小節・・・(5指・4指と5指・3指の困難な拡張)・・・が楽譜通りの運指で少しずつ弾けるようになってきた。以前は指を痛めそうなので、30小節を5・3・1・2と弾いていたのである。

 

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ショパン、ワルツ、イ短調・遺作

2019年、1月6日
 ショパンの遺作のイ短調ワルツを弾き憶えた。
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 演奏しやすく可愛らしい曲で、私は10代ころの作品だと思っていたが、亡くなる1、2年前のものだという。
ワルツというよりはマズルカといってもいいのではないだろうか。
 ショパンのワルツ入門曲としては、同じく遺作のロ短調ワルツが有名であるが、この曲のほうがよりやさしく、オススメである。
↑アシュケナージの演奏が素晴らしい。バートン先生のは情感を込めすぎ。
 
 ホロヴィッツの伝記によると、彼の弟子がショパンの新しいワルツが発見されたことをホロヴィッツに知らせると、彼は不機嫌に「ルービンシュタインのところに持って行けよ」と、けんもほろろだったという。このワルツのことだろう。しかし、ルービンシュタインがイタリアで録音した最終版にはこのワルツの演奏は無い。
 1955年に発見されたということだが、1960年代の全音のワルツ集にはこの曲は入っていない。版権の問題があったかもしれない。自分が使った楽譜は1978年に編纂されたドイツの原典版集である。
 

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ショパン、ワルツOP69-1遺作

2018年10月18日、ショパンのワルツOP69-1(原典版)を弾き憶えた。
 この曲もイ短調のワルツとともに、しみじみと歌う名曲で、ピアニストのアンコールピースとしてもよく演奏される。
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 この曲のフォンタナ版は20歳のころ弾いていたが、原典版の存在を知ったのは、ルービンシュタインのレコードのおかげで、まだその楽譜が手元に無かったころ、彼の演奏の聞き真似でフォンタナ版との違いを楽しんでいた。
 ただし、楽譜を見て弾くまでは、このパート(楽譜中2段)の2拍目・八部音符二つがフォンタナ版と違い、すべて半音上がりだとは今まで気が付かなかった。ピアノを弾けなくても、聴き比べてこの違いがすぐ分かる人は、私と違って音感のするどい人である。
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 ここがまた、ショパンの人生で二人目の愛しの人、マリア・ウォジンスカとは恐らく一緒になれないだろうという、ショパンの不安な予感を表しているようで面白い。
 自分はフォンタナ版より原典版のほうが好きで、OP69-2も原典版で弾いていた。
なお、ルービンシュタインは、ほんの一部、装飾音などでフォンタナ版を採用している。
 ルービンシュタインの原典版演奏
 リパッティのフォンタナ版演奏。

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ショパン、ワルツOP34-2

2018年9月18日、ショパンのワルツ、OP34-2を弾き憶えた。
 イ短調で暗く、スローテンポのこのワルツになぜ「華麗な」という枕詞が付けられたのか不明であるが、何故か全音の楽譜のページには、そのブリランテ(華麗)というタイトルは無く、フランス語でただのVALSEとなっていて不思議である。尚、楽譜の表紙はWALZARとドイツ語表記(WALZERのミスプリ?)。どーなってんだろう。
追記: 作品34の全3曲を「華麗なるワルツ」としてまとめて出版したため、3曲中の2番イ短調も成り行きで華麗が付いてしまったようだ。
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 全音の楽譜は原典版でもないのだが、いつも思うが全音の楽譜というのは、どの版を元にしているのか説明がなく、不親切で気の利かない楽譜である。ただし、自分の使っているのは親父が昭和40年代に手に入れた全音の楽譜なのであるが。
 
 このワルツはピアノを弾き始めた若かりし頃、出だしがシャープやフラットの付いていない弾き易そうな曲に見えたので始めたところ、案外イントロからして難しかったので(左手のトリラーなど)捨て置いていたワルツである。今はイントロの左手は赤字の運指で弾いている。この弾き方はピアノの先生に怒られるかもしれないが、ショパンは弟子に対しては本人の弾き易い運指にまかせていたというので、彼には許されよう。
 いかにも発表会などで、聴衆が湧くような「華麗な」や「大」が付く煌びやかなショパンのワルツは他にもあるが、それらはテクニックは要るのに内容が薄く感じ、自分は全く弾く気が起こらない。しかし、ショパン自身、もっとも好きだったというイ短調のワルツは特に難しい技術を必要としないのに、しみじみと歌う抒情的な音楽的内容の濃い作品で、ピアノの大家も好んでリサイタルなどに用いる芸術性の高い作品でもある。こういう曲が自分は好きだ。
 ところで、「華麗な・・・」は、もともとショパンがそう名付けた訳では無いと思うのだが、ショパンの生前にそのタイトルで出版されていたのならば、彼は出版社が付けたであろう「ブリランテ」や「グランド」という」枕詞を黙認していたのだろうか。彼の作曲理念上、そういうことは嫌ったはずだが、これはイ短調のワルツに「華麗」が付いている事とともにナゾである。
 
 ユーチューブに不思議な演奏をしているピアニストを見つけた。彼は一部を除き、最初の1拍からペダルを踏んだまま、1小節丸ごと響かせて弾いているのである。このほうが演奏は楽ではあるが、これはアリなのだろうか。普通、ショパンのワルツ、マズルカのペダリングは1拍目で踏んだあと、2拍か3拍目で離すのが常道で、この弾き方こそピアノ教師に怒られることではないか。実際に聴いていても響きすぎた濁った音が心地よくない。そしてなぜ彼は1か所、左手の演奏を省略しているのだろうか。
 ペダリングの上手い模範演奏は、やはりルービンシュタインのものだろう。彼はどこでペダルを踏んで、どこで離しているのかよく分からないのに、ショパン独特のレガート奏法による素晴らしい演奏を披露してくれる。自分も彼のように弾ければね。

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ショパン、エチュードOP10-1中高年のための攻略法

 私のように、中高年となられてピアノを再開されたアマ・ピアニストで、ショパンのこのエチュードをどうしても弾いてみたいとお考えの方々。スローテンポでもいいからお終いまで弾けたらなと練習を始めたところ、演奏困難箇所にぶち当たり挫折してしまった方々。
 そんなピアノを嗜む紳士・淑女に、オクターブしか指が届かない自分が、不肖ながら鼻毛ぬきつつノホホンと考えた、姑息??な攻略法をお伝えします。
 まず第一に、私たちは体の成長はストップして、手首は固まっているので、若い人がやっているようなクラムマーなんとか・・・チェルニー何十番・・・などの難易度の高い練習曲によるハードな予備練習はお止めになったほうがよろしい。残された人生は短いのでこの際近道でいくべきで、音大を受験するような努力は、かえって指を痛め徒労に終わるだけです。        
 自分はこの曲を弾く前はハノンを数曲弾いて指をウォーミングアップする程度ですませています。
 その次の予備練習としてはユーチューブで知った、右手を三連符にして弾く方法。指が広がる真ん中部分は和音にする練習が身になります。
 この練習は本当によく効きます。ぜひやってみてください。なんなら弾きにくいところはしばらく三連符式で弾いておけばいい。しだいに指のポジションが掴め、さらに右手が柔軟になっていくのが分かります。
 そして、この曲を弾いていて最も悩ましい、いやショパンが我々に与えた苦行とも言える30小節からの運指法について。
 ここは楽譜の指示通りで弾くのが本道だけれども、音楽的にはしっかりしたフォルテ音で弾くべきところを、自分の場合、無理をして突っ張った指の弱い音でヘナヘナ弾くと、盛り上りに欠ける演奏になってしまいます。
 
 そこでこの運指法(赤字)を実践してみました。
まず30小節目の最初に出くわす、薬指を痛めそうなあのいまいましいやつは・・・
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↑(コルトー版)。原典版、ゼンオン版では5・4・2・1
これで解決できます。
32小節もこの要領で5・2・1・2とやります。
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どちらも最後の2指は黒鍵と黒鍵の間の白鍵ではなく、手前の白鍵に指を当てます。

↓ここもいまいましい35小節目昇り。4と5の広がりが難しい方は、こうしましょう。これはショパン的運指で、これを見た彼もニガ笑いするのでは。それとも怒り出すか。
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↓そして、その下り36小節も1と2の捻りを利用。
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48小節、上りより指が届かず弾きにくい再現部直前の大アーチ下り部分も、1と2の捻りで弾く。
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 以上の運指で♩=100から130くらいのスローテンポで弾くと、強いフォルテ音で確実に演奏することが出来ます。ただし、これはこれでハイテンポで弾くのは難しいのですが、少なくとも指を痛めることはないでしょう。
 
 また、左手の指を使う方法は、この小節でおなじみ?ですね。
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これはエンディング大アーチでもやれますな。
ここは手の小さい人でも楽譜の運指通りで案外弾けるものですが、一通り弾いてきて手指も疲れているのでこの運指も推奨します。
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 以上。ピアノの先生が見たら卒倒するかもしれない内容ですが、一応最後まで曲を弾き通す手段の一つとして試してはいかがでしょう。同時並行で楽譜通りの運指も気長に練習していきます。

尚、練習後、終日右手に鈍い痛みを感じるようでしたら、翌日の練習はフォルテではなく、ピアノ(P)で力を抜いて練習すると、リハビリ効果でしだいに痛みが取れてきます。毒を以て毒を制すです。この曲を諦める必要はありません。

追記: 入浴後など、指が温まった状態で、1-2、2-4、3-5の指をテーブルや太ももに押し付けて広げる運動もお勧めします。
 
 以上、これは、あくまで私的な攻略法なので、みなさんに適合するかどうか不明ですが、たかがピアノ音楽だと思って楽譜の運指に拘らず、あきらめず、悩まず、気楽にやってみて下さい
 

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ショパン、エチュードOP10-1再び練習する

 3年ほど前だったか、ショパンのエチュードOP10-1にチャレンジし、一通りお終いまでスローテンポでミスりながらもダマシ・ダマシ弾くことは出来たのだけれど、その後はさらに鍛錬することもなく、ほうっておいた。というのもこれを弾くと右手の人差し指がちょっとビリビリし、さらに右手全体が一日じゅうオーバーヒート状態になったからだ。当時は、これは練習を止めるべきだと判断した。
 ところが、最近またこの曲を練習し始めた。というのもネットのYTで、あるピアニストの演奏を拝見して発奮したからである。その演奏がコレ。
奏者は1999年生まれのナタリエ・シェヴァモバ。

追記: この曲をもうかれこれ40年以上、数々の名ピアニストの演奏で鑑賞したきたが、聴きくべてみて、彼女のこの演奏がベストと断定したい。

 なにかクララ・シューマンの姿と重なってしまうような華奢な体格の少女の弾く演奏スタイルが、ショパン自身が理想だと考えるこの曲の本来の弾き方ではないかと思ってしまった。
 上半身は背筋をピシッと伸ばした安定した姿勢。そして、ショパンの演奏を見た人が語った比喩、「右手は大蛇が大口を開けて逃げまとう獲物を追いかけているように見えた」、と思わせるようなダイナミックで、かつ柔軟な動き。たいして手も大きいわけではないのに。
↓ショパン・コンクール審査での演奏
 そして左手は決して鍵盤を叩きつけるような大音響とさせず、右手の演奏を殺さない澄み切ったフォルテ音を奏でている。ショパンは楽譜に強弱記号はF(フォルテ)とだけ指示していて、左手も決してドデカイ音を立てることは望んでいないのである。
 このピアニストと対極な弾き方をしているのがアシュナージで、彼も小男で、手も大きい方ではないが、同じこの曲の演奏では、左手の叩き付けるようなフォルテシモの弾き方が少し力み過ぎているように感じ、演奏姿もアンコール演奏のためか、少し疲れているようで、汗をかきつつ?頭を揺らしながらで、弾くのがツラそうに見えてしまうのだ。対し、シェヴァモバは、彼より安定感が抜群で、凛々しく涼しそうに弾きこなして見える。
 また、アシュケナージやその他のピアニストで時々みられるのは、ショバンが楽譜では指示していない、ノンペタル奏法を部分部分でやっていることで、それはそれで迫力ある演奏ではあるが、一方、奇をてらっているようにも感じないこともないのだ。しかし、シェヴァモバは、当然そういう弾き方も知っているではあろうが、あえてそうせず、楽譜に忠実である。(アシュケナージの演奏が良くないと言っているのではありません)
 自分も練習してシェヴァモバのように弾けるようになるだろうか。それはこの歳では絶対不可能だと思うが、もう少し3年前よりアップテンポで弾けるよう柔軟な手首にさせたい。
 この曲の要は右手指、1と2の拡張、2と4の拡張、3と5の拡張(時に4と5の拡張2と3の拡張)と柔軟さで、その予備練習としては、アルフレッド・コルトーのアドバイスとポール・バートン先生のチュートリアルが効果的だと思う。
 

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ショパン、マズルカOP24-2

2018年4月。ショパン、マズルカOP24-2を弾き憶えた。
 この風変りなマズルカもピアニストによく演奏される。この曲は40年前のピアノを始めたころ、ハ長調で始まるのでなんとなく弾き易そうに見え、序奏の両手をパクパク動かすのも単純な練習曲のようで面白そうなのでやってみたところ、すぐここで挫折した。
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 弱い薬指と小指でトリラーを素早く弾かねばならないのである。ここは相当基礎練習をこなして指を強化していないとビギナーには無理。ショパンの曲には一見易しそうに見える曲でも、このように必ずどこかに弾きにくい所が1か所以上あるものだ。
 特に好きなマズルカでもないので、何十年も弾く気もなく捨て置いていたのだが、作品24のマズルカ全4曲のうち3曲弾いてきて、これだけ残しておくのもシャクなので、現在でも相変わらず弾きにくいここを、ヤケクソで1と3の指・・・親指と中指・・・でやってみると・・・上手く弾けるではありませんか。では他のピアニストはここをどうしているか試しにユーチューブでショパン・コンクールの選考演奏を観てみると、同じ弾き方をしているコンテスタントがいた。
↓このお姉さま、ちょっと好き
 1と3の指は強いので、この弾き方は理にかなっているといえるが、ショパン先生のレッスンではこれをやると怒られるかもしれない。ただし、彼のレッスンは貴族子女相手に1回あたり日本円で20万ほどの受講料を取っていたらしく、自分は受けられる身分ではないが。
 
追記: どうしても素早いトリラーが弾けない人は、若かりし頃のアルゲリッチの演奏のように一発打ちのトリルで済ます方法もあります。ただし、晩年のアルゲリッチは3発打ちのトリラーで弾いています。
 
 このフレーズの3と2のせわしない指替え指示も無視して自分はこのように弾いている。この方がはるかに弾き易い。
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 この曲が風変りな感じに聴こえるのは、教会で使われるリディア旋律を使っているからだという。これがどういうものかググッてみると、長い学問的な文章が長々とあって、読むのも七めんどくさいし、自分には分かりにくい。NHK「ららら・クラシック」の野本先生なら5分で分かりやすく解説してくれるんだがな。
 曲のエンディングも序奏の繰り返しでなく、ホタテ貝が休み休みパクパク泳いでいるようでユニークだ。こうやって終わらせるのがショバンという天才の成せる技。
 

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ショパン、マズルカOP24-1

2018年、4月。ショパン、マズルカOP24-1を弾き憶えた。

 技術的にはたいしたテクニックは必要とせず、プロのピアニストなら初見で弾いてしまいそうな曲ではあるが、芸術性あふれる名曲だと思う。私的にはこういう作品が一番お好み。
 ショパンの作品の中には、例えば「アンダンテ・スピアナートと・・・」のように若かりしショバンが、自分の持つありったけの高度なピアノテクニックと長い演奏時間を費やして大見得を切ってはいるが、内容は浅く、たいして認められていない作品がある一方、このマズルカのように、易しい技術で、演奏時間も短いながら、それらを超える芸術性を秘めた作品も多くある。
 ショパンは「ピアノの詩人」と言われるけれど、ほんとうに詩情溢れるマズルカ。特に自分はここに詩を感じる。
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↑これはもうノクターン調の調べ。次の小節まで音を保持するBフラット音が儚い。
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↑やさしい眼差しを感じるフレーズ。
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↑ちょっとバラード的変奏。
 
 また各所、場面がフッと変わる潔い転調もいい。
 

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ショパン、マズルカOP24-4

2018年、4月。ショパン、マズルカOP24-4を弾き憶えた。
 この曲は40年ほど前にNHKFMのクラッシック番組のオープニングに使われていて、当時はショバン曲と知らず、暗闇を手探りで進んでいくような不思議なイントロと、それから始まる三拍目にアクントがある魅力的な三拍子に好印象をもったものだ。
 ただし、後にレコードを手に入れ曲全体を鑑賞してみると、後半の同じリズムの繰り返しは、ちょっとシツコク聴こえ、また再現部から後の終わらせ方にちょっと冗長な感じをもった。この冗長感は、音楽評論家の誰かも書いていたように記憶している。
 ともあれ、マズルカの中でも傑作に入り、演奏会でも録音でも必ず選ばれる曲。
 
 暗譜してしまったけれど、自分にはちょっとムズイ大曲で、一通り弾いてもコチラが上手く弾けてもアチラがトチルという状況に陥っている。特にアマチュアでも老若男女、手こずるのはここではないだろうか。
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 ルービンシュタインは遅めのテンポで確実なタッチで弾きこなしているが、「アジタート、ストレット」の指示では大概のピアニストは速めのテンポでいっきにやっているので、自分もそうするとリズムが乱れ右手の2声部分がガチャガチャした演奏になってしまう。・・・(cresc記号上の小節が右手の小指と人差し指の間を拡張させてツライ)・・・、といってルービンのように遅く弾いてもかえって考えてしまい、ミスる。聴かせどころなのにヤッカイな部分だ。
 
最終の長いモゴモゴ語って入るページ。
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何か意味深なエンディング。
 ポーランドを捨てて故郷を離れようとするショパンに、家族や友人が別れの言葉をかけているようなフレーズと・・・・
 そして、いよいよ去り行くとき、「これで永遠の別れとなるかもしれない」と遠ざかる故郷や人々を何度も振り返って逡巡しているようなフレーズ。しだいに小さくなってく故郷の景色。ちょっと考え過ぎかもしれないが。
 

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ショパン、マズルカOP24-3

2018年、3月。ショパンのマズルカOP24-3を弾き憶えた。
 ショパンのマズルカの中でも愛すべき小品の一つで、技術的にも易しいのでピアノ発表会に向いているし、演奏時間が短かいからピアニストのアンコールピースとしてもよろしいのではないか。
 暗譜して終生愛奏すれば、自分や周りの人を和ませてくれるピアノ曲の一つと断言できる。
 マズルカの中でもワルツに分類してもいい作品で、フェルマータで演奏が停止するところは、ワルツを踊っている男女が、お互いの手を握ったまま踊りを一瞬止めて見つめ合っている様を想像する。
 特筆すべきは、ここで曲を終了してもいいところを、
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これまた、完全にワルツ形式の可愛らしいコーダを追加して終わらせていること。
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ここを弾きたくて選んでしまった。
「猫のワルツ」や24の前奏曲、23番を思い浮かべるようなフレーズ。

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