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WTC Book2 16番、プレリュード

 
 ほのかに暗く、すこし悲劇的な調のこのバッハのプレリュードを弾き憶えた。
 
 ずーっとリヒテル演奏の円盤を愛聴していて、この曲も自分の琴線に触れたプレリュードであったので、いつか弾きこなしたいと考えていた。
 
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 さて、この曲の楽譜を開いてピアノで指をたどっていくと、リヒテルの演奏は楽譜と少し違うことに気づく。 そう、彼は付点8分音符からつながる後の16分音符を32音符のように弾いていているのだ。そのため右手の32分音符と2声になるようなところは、本来16分音符を32分早く弾かねばならないところを、完全に一致させて同時に鍵盤を叩いている。
 
リヒテルの演奏
 
 これはどうしたものだろうか。ゼンオンの楽譜を見ても原典版の赤本を見ても、丁寧に音符はちゃんと少しズラして記載印刷してあるというのに。それにゼンオンの楽譜の解説にはこのことが全く触れられていない。(追記: ウィーン原典版にはページ下注釈にちっさい字でこの部分の弾き方が記入されていました。)
 そこで、この問題をネットで調べてみると、これはバッハ時代の弾き方だというのである。なるほど、ユーチューブでのチェンバロ奏者の弾き方は、リヒテル式演奏であった。ところが同じくユーチューブでのピアニストやピアノ学習者の演奏を数々試聴してみると、楽譜通りの弾き方をしている例もあるのだ。例えばアシュケナージがそう。
 
 彼の端正な演奏が自分の好み。
 
 いろいろ聴いたところ、リヒテル式の古典調の弾き方と、楽譜通りの弾き方の割合はピアニストによって半分半分というところだろうか。
 自分は古典調の32分音符で統一した、なにか鋭利な刃物でスッパ斬っていくような演奏も嫌いではないが、楽譜通り、アシュケナージ式の「16分音符引きずらし型」の弾き方で練習・暗譜した。こちらのほうが弾いていて面白いのである。
 
 終生、バッハのWTCの楽譜を傍らに携えていたショパンも、この曲は特にお気に入りの1曲ではなかっただろうか。彼の二つのピアノ協奏曲のピアノパートのテーマ出だしは、このプレリュードのモチーフを少し変えたものある。
 
 このお姉さまの骨太な演奏も好きheart01
 
 

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