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大巨獣ガッパ

邦画メモ、NO,103、NHKBS
1967年、日活、シネスコ、カラー、84分
監督: 野口晴康、 撮影: 上田宗男、 音楽: 大森盛太郎 
特撮協力: (株)日本特撮映画
出演: 川地民夫、山本陽子、和田浩治、藤竜也
 
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 対象は小学校低学年までの怪獣映画。
 そして日活最初で最後?の特撮怪獣映画。
 
 特撮シーンはどこかで見た記憶、東宝特撮シーンからのデジャブ現象が起こる。東宝怪獣映画をギュットと圧縮している感じ。
 
 その東宝特撮の欠点も踏襲してしまっている。それはミニチュア撮影シーンにおいて、ハイスピード撮影を省いたり、2、3倍程度の低回転でカメラを回していること。特に火山の噴火と船舶、潜水艦シーンのプール撮影や、工場群の破壊場面ではそれが顕著で、まるでオモチャのCM撮影のようだ。全然実写感が無い。炎と水の現象を本物らしく見せるのが特撮技術の一つなのだが、あれではヒドイ。第一、せっかく時間をかけてスタッフが精魂こめて制作した工場群などのミニチュアセットをアッサリと撮ってしまうのもモッタイナイ話ではないか。
 
 一方、唯一のフル・ハイスピード撮影で目立ったのは、孤島の巨大石造が地震で倒壊するシーンで、石造本体や岩山の岩石か落下する崩壊は実写感があり、迫力があった。たぶんカメラを5倍で回していると思う。
 
 ハイスピード撮影は高価なフィルムを大量使用するので、当時は予算の問題で泣く泣くノン・ハイスピード撮影としている事情もあったかと思うが、制作側は「子供が観るんだから、あれでいいだろう」とナメていなかったか。もし観客を小学校3年生以上も対象としていたならば、これは間違っている。
 
 そのノン・ハイスピード撮影は、日本の子供向け特撮テレビ番組の定番方法で、1960年代から70年にかけての当時の自分も、テレビ「高速エスパー」、「仮面の忍者赤影」、「空中都市008」などの特撮のオモチャ然としたシーンに腹を立てたり、学校で友達とそのひどさを語って笑いあったものだ。
 高価なフィルムを使わずに済むデジタル撮影となり、CG合成、VFXとなった現在でも、特撮番組のミニチュア撮影は、昔の旧態依然としたノン・ハイスピード映像のようなチョコマカした動きの物理現象を無視した映像で済ますという方針だったら、何度も言うが子供をナメないでもらいたい。
 
 「子供というものは、大人向けの特撮映像を見たがるものだ」、「だから、子供向け作品だからといって手を抜いてはいけない」・・・・シルヴィア・アンダーソン。
 
 これは映画「サンダーバード6号」DVDでの彼女のオーディオ・コメンタリーの言葉だが、現在活躍中の特撮マンにも、この言葉を知ってもらいたいものだ。
 
 本編の方では、いつも思うのだが、日活のシネスコレンズのシャープさに感心する。画面の端っこ、隅々までボケ、ニジミが一切無い。日活だけ他社と違うレンズなのだろうか。
 
 川地民夫、山本陽子、藤竜也さんたちがピチピチとして若いこと。
 
 映画の冒頭、船の中でモールス符号が鳴っているが、その内容は「VVV JAKMNEJJSH5T」だった。VVVは試験信号発射の意味だが、残りは心得のあるスタッフが適当に打ったものだろう。

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