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2016年10月

ホロヴィッツの「死の舞踏」

 ホロヴィッツが1942年に編曲・録音演奏した、サン・サーンス=リスト「死の舞踏」は、恐らく楽譜として出版されていないはずで、これをピアニストが弾くには、自らレコードから音を拾って楽譜に起こし再現するしかない。
 ユーチューブにはその再現演奏の動画が、何人かの腕達者のピアニストによって鑑賞することができる。
 特に自分が見事な演奏だと感じたのは、この二人のピアニスト。
 
 
 
  ナカナカのもんであります。汗ひとつかかず、涼しい顔して弾きこなしていますな。
だけど、なにか物足りない。ファツィオリ、ベヒシュタインの音も素晴らしいけれど、音がなんかウェットなんです。
 しかし、ホロヴィッツのは録音が古くハイ・ファイでない、というのもあるけれど、ピアノの音がドライ。
 ドライとはどういうことか。 それはホロヴィッツの奏でるピアノの音に関係があるんですな。
 彼は10代のころ、ピアニストであった叔父から、指を伸ばして鍵盤を手前に引っ掻くピアノ奏法を学びました。こんな弾き方は現代ではタブーで、ホロヴィッツ自身も「私の奏法は今だったらピアノの先生に怒らるな」と語っているほどです。
 その独特のテクニックから引き出されたマルカート、素早いスビートの乾いたパリパリ・トントンという音が、「死の舞踏」で繰り広げられるガイコツどもの墓場大狂乱踊りで、骨がカラカラ・カシャカシャ・ポクポクと鳴っている様子にピッタリなんですな。彼の奏でるドライなピアノ音は「死の舞踏」を弾くために生まれたといってもいいほど。
 つまり、ホロヴィッツの「死の舞踏」のガイコツ音を再現するには、幼少からあの指を伸ばした突っ張った弾き方を練習し、会得するしかないのです。
 
↓そのホロヴィッツの演奏。私のCDよりこちらの方が音が良い。
 

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アフターバーナー付きダクテッドファン

いやー、コレ知らなかった。
ラジコンヒコーキ用のエンジンにカンピーニのエンジン・ジェットがあるとは。・・・・
 カンピーニのジェット機とはこれで↓、現在ではジェットエンジン機とは認められていないけれど、燃焼ガスによるジェット推進機としては、当時初めて世界に発表されたヒコーキ。
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   実は日本軍もこのシカケをロケット推進より航続距離を伸ばす推進力とすべく、エンジン・ジェット式「桜花」を試作しておったのです。↓
 
バカとはなんだバカとは。(`Д´)
桜の花と散った「桜花」搭乗員と、BAKAの攻撃によって亡くなった米軍駆逐艦の兵士たちに合掌。
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 この方式はガソリンエンジンで軸流コンプレッサー(ダクテッドファン)を回し、発生させた圧縮空気にアフターバーナー?で燃料を吹き込んで燃焼ガスにさせ推進力とするもの。
 本物のジェットエンジンのようにガスタービンでコンプレッサーを回すわけでは無く、推進力のほとんどはレシプロエンジンで回したダクテッドファンによるもので、早い話ナンチャッテ・ジェット。
 アフターバーナー点火による増速はせいぜい10パーセントくらいなのに、そこだけで燃料をガバガバと消費してしまう、非常に効率の悪いジェット方式といえる。
 
 ところが、このシステムがラジコンヒコーキのエンジンとして使われていた。↓の動画によると、バーナーを焚くと、電動ファンの推力からさらに50パーセント推力アップするという。ホントかねー。
 
 
 恐らく、これは電動モーターの性能がアップしたことよるもので、 もうラジコン用小型ジェットエンジンのコンプレッサーと同程度の圧縮比がモーターでも得られるためだろう。いや、最近のドローンのハイパワーぶりを拝見しても、それが伺えます。
 
 さて、この電動ダクテッドファン・アフターバーナーを使えば、高価なジェットエンジンを使わなくても、噴射口から青い素敵な炎を噴射するラジコン・ジェットヒコーキが出来てしまうではありませんか。その飛行姿とジェット音はなかなか迫力があります。モーター音がバーナー音で消されてしまうので、傍からみたら本物のジェットエンジン搭載機と思われるでしょう。
 
 これは素晴らしい。ミニチュア特撮で、ジェット戦闘機のアフターバーナー噴射離陸シーンにも使えそうではありませんか。
 

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FTDX-9000、10周年

 この八重洲無線のトランシーバーを手に入れてちょうど10年となった。
最近はアマチュア無線に0.1パーセントくらいしか関心が無くなって、もう3年も電波は発射していないが、時々、受信だけはやっています。
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 このFTDX-9000はコンテスト・タイプで、オプションにミュー同調とコンピューターユニットを追加したので、ほぼ9000Dタイプと同じ性能になっている。そのせいで、全購入費用は400ccのバイクが買えるほど。今考えると、なんか無駄なことしちゃったなと思う。結局、あんまり活躍させず、対費用効果が薄くなってしまった。
 
 14年前に1アマの免許を取得し、その自分へのご褒美としてコリンズのKWM-2Aを手に入れ、少したってから思い切ってこいつまで購入。しかし、いざ設置してみると、無線への情熱、アクティビティがグッと下がってしまった。こういう例は他でもあって、1アマ合格と、DXCCを上がった人に見られる現象ですな。「もういいや」って感情です。
 
 最近はCQ誌も本屋で立ち読みすらしなくなったけれど、この無線機をヤエスはまだ販売しているのか気になって、ホームページを覗いてみると、まだ売ってるではありませんか(コンテスト・タイプは生産終了)。こんな利益の出ない分野で努力していてメーカーには頭が下がります。
 
 FTDX-9000の素晴らしいところは、なんといってもダイヤル。大きなダイキャストメインダイヤルの回しごこちが廉価な無線機とは大違い。昔の東宝・戦争映画に出てくるゼロ戦のプロペラスピナーみたいにブヨブヨといびつに回らず、重厚感タップリに正確無比に回転します。それと、六角ネジで各所締められている操作パネルの剛性ガッチリ感。大褒めすると、無線機のメルセデス・ベンツという感じです。
 
 欠点はデジタルノッチとノイズフランカがタコで、音が歪むこと。いや、これはサブ機で使っているのFT-847のほうが、よっぽど性能がよろしい。しかし、現在はバージョンアップされて改良されているでしょう。
 
 アマチュア無線の将来を俺的にみると、20年後には静かーーになると予想しているけれど、ちょっとだけ、7メガの自作機AM交信には一筋の光を感じます。いまだに昭和30年代のハムに憧れている。
 

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幻想即興曲のことなど

 ショパンの幻想即興曲の練習を2016年8月から始めて、9月終わりごろには通しでお終いまで弾けるようになった。
 ただし、弾ける速度はポーコ・アレグロという感じて、だいたいピアニストの弾く70パーセントくらいのテンポ。速く弾こうとするとヘロヘロになります。
 
 特に弾き難いところがこの箇所。ときどき、つっかえます。右手の2-4というハードな指使いに加えて左手の赤字で記入した手の小さい人向けの指使い法が影響してしまう。しかし、ここはフレーズ的にはオシャベリが一息するところなので、ルバートして遅く弾くという手があります。
 
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 今回、この曲を練習するにあたり、ネットのユーチューブにて、いろいろな演奏、楽譜解釈の勉強ができた。スラーやペダリングも私が使ったゼンオン楽譜で確定しているものではないんですな。
 
 ↓まずはバレンチナお姉さまの演奏。なんと中間の部分を半分カットして演奏しています。私が長くて少しクドイと感じていた部分だけれど、省略するのなんてアリかよ、と思いました。
 
 でも、親父が蔵書していた音楽の友社の楽譜を引っ張り出して見ると、この部分から後半を省略することもありと書いてあるではありませんか。↓
 
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・・・・ほんで、私もカットして弾くことがあります。発表会でこれをやると、「あ、上がって頭の中が真っ白になったかな」と思われるのがオチなので、やらないほうが無難ですが。(プログラムに短縮版と書きましょう)
 それにしてもバレンチナ・イゴシナの長い指とスパンの広いアシダカクモみたいな大きな手、うらやましいですな。
 
 カットといえば、ルービンシュタインが演奏している、おそらく彼が発見した楽譜のバージョンによると、最後のコーダ部分では1小節カットされていて、これも聴衆は「オヤ!?」と思うはず。↓(楽譜はルービンシュタイン版ではありません)
 
↓、こちらはラン・ランの爆奏とユンディ・リーの端正な演奏との聴き比べ。これも解釈が二人で極端に違う。
 ラン・ランは、聴衆の間では好き嫌いが分かれ、時々演奏スタイルがキ○ガイじみて見える天才型ピアニストだが、彼の演奏では右手分散和音のパッセージにおいて、楽譜で指示されているアクセント記号を無視して弾いているのが分かる。それに中間部は響きが美しいがルバートが多く、少し歌わせ過ぎ。
 ユンディは楽譜通り弾いていて、やはりショパンコンクール優勝者だけに万人受けしたガッチリと安定した演奏。中間部もセンチメンタル過ぎず、私はこちらのほうが好みです。
 
 
 この曲を毎日練習して、指がかなり強くなり、他曲の難しい箇所も楽に弾けるようになりました。また、最初は練習後、肩がパンパンに凝りましたが、今は凝らなくなった。鍛えられたんですな。
 気合いの要る曲で、2.3回弾くだけで指と手と体がポカポカ暖かくなってくる。ほんとに練習曲としても有用です。
 この曲に憧れているピアノ愛好家のみなさん。ハノンの1番から5番をさらった後、遅いテンポでいいので、さっそく練習しましょう。レベル的には自分と同じようにチェルニー30番卒業程度でチャレンジできるはずです。決してあきらめず、指のトレーニングのつもりでもいいので弾いてみてください。
 
 
 

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