« 2016年6月 | トップページ | 2016年8月 »

2016年7月

H3ロケットが楽しみ

 ポストH2-Aロケット、H3の基本設計が決まり、2020年度打ち上げを目指して開発が始まった。
 第一段のメインエンジンは新しくLE-9という液酸・液水型のものを製造し、今年中には燃焼試験を行うという。ロケットの開発はエンジンが要で、なにかトラブッて延期は十分考えられるけれど、順調に進んでほしいものだ。
 LE-9のメカはH2-AのLE-7型のシビアな2段燃焼方式を採用せず、製造コストの低いエキスパンダーブリード方式で、これはこれで推力150トンの大型エンジンとするには技術的に難しいそうだ。うまくいくことをお祈りする。
 
H3
 
 自分がH3の打ち上げで楽しみにしているのは、イラスト中央の30S型で、シングルスティックと呼ばれるSRBが全く付かないタイプの発射上昇を見ること。
 
 これがなんと、日本で初めての液体燃料ロケットエンジン使用だけでの打ち上げになる。
 
 つまり、今までの日本が打ち上げ続けてきたロケットは、東大の固体燃料ロケット時代から、現在のJAXAのロケットに至るまで、どのロケットも本体や付属した固体燃料ロケットエンジンによる、発射台周辺に白い煙を大量にまき散らすケムリ・モクモクの発射・上昇であったが、H3・30Sより、日本ロケット史上初めて、煙に遮られない、液酸・液水燃料による純粋で透明な美しい炎だけを噴射しながら、ゆっくりと堂々と昇っていくロケットが見られるようになるのだ。
 
 ケムリというのは、発射台ガス抜き口から噴き出るウォーターカーテンによる水が蒸発した水蒸気だけで、これもまた今までどおり、見ものだろう。
 
 また、三つのLE-9から噴射される燃焼ガスの炎にはスペースシャトルのように美しいショックコーン(ダイアモンドコーン)が見られるはずだ。これがH2タイプの打ち上げでは、これらがすべて本体両脇のSRBからの煙とまぶしい炎のせいで見られなくて、はがゆかったものだが。
 
 H3の打ち上げは、私のようなロケット少年やロケットファンには、こういう楽しみが待っているのです。
 
 ところで、JAXA広報部さん。以前にも指摘したけれど、ロケットの発射中継映像は、もっといいカメラアングルで撮ってください。もっとたくさんのカメラを設置してください。今の撮り方だけではロケットがちっとも巨大に見えないの・・・。
 ↓ミニチュア特撮でもこの迫力が出せるです。これを見習ってね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

座頭市血煙り街道

邦画メモ、NO,100、BS民法
1967年、大映、シネスコ、カラー、87分
監督: 三隅研次、 撮影: 牧浦地志、 音楽: 伊福部昭
出演: 勝新太郎、近衛十四郎、高田美和、朝丘雪路、坪内ミキ子、伊藤孝雄、中尾ミエ、小池朝雄、小沢栄太郎、なべおさみ
 
↑顔にあたる照明がすばらしい。
-------------------------------------
 タイトルにある「血煙り」という表現がスゴイ。こういう言い方は過去にあったのだろうか。
当時の大映の時代劇には、おそらく東宝「用心棒」「椿三十郎」から始まった血糊ブシューのシーンは無く、殺陣では切っても血は吹き出ないので血煙りは見えないのだが。
 
 その血煙が見えたようなこの映画の名シーンが最近の海外のネットで話題になっていた。観れば外国人も納得の迫力シーンですな。編者後付けの音楽は余計だけれど。
 
 近衛十四郎の殺陣は、まったくもって素晴らしい。ネットで評判だった座頭市との雪の決闘もすごいが、映画の前半で見せる湖畔での峰打ち五人斬りも一瞬の刀さばきが光っていた。時代劇名殺陣シーンの一つとして数えられると思う。
 三船敏郎の殺陣は、叩きつけるような迫力とスピード感を持ったものだが、近衛十四郎はスピード感に華麗さを伴ったもので、この二人はまさに双璧だと思う。
 
P7170002_convert_20160718083530
 
↑そのシーンでは一コマだけ本当に刀がライトセーバーのように光っていた。
 
 近衛十四郎は当時、テレビの時代劇でアル中の素浪人を演じていて、そこでは普段はあまり強そうに見えないコミカルな一面のある武士だったが、この映画ではテレビのキャラなど吹っ飛ばしてしまう、クールで強い武士を見せつけてくれる。「これが本当のオレだ」と言わんばかり。
 
 
 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

野いちご

洋画メモ、NO,124、NHKBS
1957年、スウェーデン、91分
監督: イングマール・ベルイマン、 撮影: グンナール・フィッツジェル、 音楽: エリク・ルドグレン
出演: ヴィクトル・シェストレム、ビビ・アンデショーン、イングリット・チューリン
 
------------------------------------
 久しぶりに良い映画、名画を観させてもらった。ベルイマンの映画としては大変分かりやすいものだと思う。
 
 スウェーデン語は分からないが、エンドクレジットで2011年にデジタルリマスターされたものだと推測で分かった。
 
 素晴らしい画質の良さ。モノクロ画像の美しさを堪能した。特にラストのイサクの夢のシーンは色なしでも色彩を感じて、著名画家による風景画のようだ。
 
 イサクの夢のシーンでは、自分の遺体が入った棺桶を見たり、森の中での妻の不貞を覗くカットなどに黒澤映画の影響があると思う。
 
 音楽は流れていたのだろうか。ただ一つ、ピアノとチェロによるバッハのWTCの中の一曲だけ記憶にある。それもほんのサワリだけだったが。
 
 イサク役といい、ホームヘルパーの婆ちゃんといい、みんな芝居がうまい。
 
 撮影はロケから、そのままの立ち位置でスタジオ撮影に移るシーンが多く、不思議だったが、どうやらイサク役のシェストレムの体調を慮ってのことだったらしい。高齢の役者に長時間、現場でセリフを喋らせるのは酷というわけか。そういえばセリフの多い映画だ。そのカットのつながりは自然で違和感はない。
 
 後味のいいラスト。自分も歳をとってから、あのような夢を見つつ眠りたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2016年6月 | トップページ | 2016年8月 »