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火垂るの墓

邦画メモ、NO,96、地上波NTV

1988年、スタジオジブリ、東宝配給、88分

監督: 高畑勲、 音楽: 間宮芳生、 美術: 山本二三

声: 辰田勉、白石綾乃、志乃原良子、山口朱美

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 この映画も世界では「二度と観たくない映画」として10位以内にランクされる。

ただし、それには必ず一回は観ておくべき作品という条件がついてくる。

 自分としても、発表された当時から観る気の進まない映画で、わざと避けてきたけれど、やはり一度は観ておくべき作品と思いたち、一昨年放送されて円盤に録画していたものを、ようやく昨夜通しで最後まで鑑賞した。・・・・これを記述している本日、再放送される。

 観た後、寝床に就いたが、頭の中で各シーンが再生され、なかなか寝つかれなかった。「寝る前に観ない方がいい映画」としてもランクインされる作品でもあると思う。

 映画館で最初にすすり泣きの音が聴こえるシーンは節子の火垂るの墓作りのところかな。まさに映画のタイトルのシーン。

 兄は母の死をずっと節子に隠し通していたはずなのに、とうに節子は叔母からその事実を聞かされ、幼いながらもそれがどういう意味なのか悟りきっていた。淡々と泣きもせず火垂るの死骸と一緒に母の霊も弔っている節子の健気な様子を見て嗚咽する兄の姿は、今の自分の姿でもある。

 節子の声を担当している白石綾乃ちゃんが上手い。関西弁が可愛い。この子の幼いしぐさが可愛い。ほんま、兄と一緒にベンチに座るアクションの可愛さといったら、たまりまへんな。よくもまあ、幼子の動作を取材したものです。

 焼夷弾の燃焼はもうちょっとリアリズムでやってほしかった。当時の記録フィルムを見るとマグネシウムが燃えるような輝く白い閃光と四方に飛び散る火花の、水をかけてもとうてい消火できそうもない激しい燃え方で、あのような松明みたいな燃え方では決してない。

 死んだ兄が霊として過去のシーンに時々チラリと登場するけれど、なにか演出として物足りない感じがする。

 母の残した預金で節子の栄養失調を治せなかったのが無念。映画は妹を死なせてしまった兄のこの迂闊さも訴えているように感じる。

 もう一回は観たい。

追記: 近隣国で第二次大戦中、日本と戦ったことがないのに戦勝国を名乗っている国と、今だ日本人は残虐非道の鬼で、70数年前と変わらない軍国主義だと信じ込まれている国のネット住民たちの「便所の落書き」によると、この映画は戦争で敗戦国になった日本が、加害者であったことを忘れ、被害者ヅラして戦争の悲劇を訴えている内容なんだそうである。

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