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2015年8月

ガタカ

洋画メモ、NO,118、NHKBS

原題: Gattaca.

1997年、アメリカ、コロンビア映画、106分

監督: アンドリュー・ニコル、 撮影: スワヴォミール・イジャク、 音楽: マイケル・ナイマン

出演: イーサン・ホーク、ジュード・ロウ、ユマ・サーマン、ローリン・ディーン、ゴア・ヴィダル、アーネスト・ボーグナイン

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 たまたまテレビをつけたらやっていたもので、映画のタイトル名がどういう意味なのか知りたくて、そのままお終いまで観た。独特の雰囲気の映画だった。突っ込みどころも結構あるけど、つまんないわけでも無い。

 宇宙飛行士候補とDNA提供者の二人の男性が何か友人以上の関係なのか、そうでないのか、これも思わせぶりの見せ方で終わる。それともそれは自分の考え過ぎか。

 独特の雰囲気というのは、例えば、ホールで数十人の候補者が同じ姿勢でディスブレイに向かってキーボードをタイピングしているシーン、・・・近未来のはずが1990年代の古臭いパソコンみたいなものが揃えてある部屋で・・・・ ただ彼らは不動の姿勢で背筋を伸ばしてタイピングしていて、その作業をしているデスクには書類も何も無いのである。いったい彼らは何をしているのか不明。こういうところが奇妙で面白い。

 また、ガタカの建物内部の無機質なデザインや、周りを移動している人物が同じスーツを着て無表情で歩いているのも異様な雰囲気で、こちらに何か不条理な不安感を与える独特のもの。

 宇宙局長の殺人動機もちょっと弱く、これも奇妙である。殺人を犯してまで計画を推し進めて、本人にどういう利益があるのだろうか。

 もっと劇的展開を期待していたので、観終わって少しガッカリしたが、結構評価の高い作品のようで、音楽も賞をもらっている。自分はどんな音楽だったのか記憶にない。自分に才能が無いんですな。

 イーサン・ホークが若いころのグレン・グールドにソックリ。彼ならグールドの伝記映画に適役。

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JAXAさん、撮り方下手です。

 もうH2ロケットが打ち上がった20数年前から感じていたのだけれど、どうして日本のロケットの打ち上げ映像って、ああ地味なんでしょうか。

 海外のロケット、例えばロシアのソユーズにしても、毎回打ち上げの迫力映像に圧倒されてしまう。ソユーズなんて、H-2Aロケットより身長も胴回りもちょっと小さいサイズなんですけどね。それがすごい巨大に見えてしまう。

Photo
 

 ところが、日本のロケットの打ち上げ映像ときたら、とても50メートルもある物体が上昇しているように見えない。

↓H2Bのこのアングルでの撮り方はないでしょう。

 思うにこれは映像の撮り方、カメラのポジションが悪いからなんですな。

 これは、ちょうどアレです。昔の日本の怪獣映画で特撮ファンから揶揄された撮影アングル、「神様目線」というもので「怪獣がちっとも巨大に見えない」のと同じ理屈。

 JAXAの発射台撮影ポジションはロケットのはるか手前の組立塔てっぺんで、ロケットより高い位置にあるんですな。あんな位置から望遠で撮ったのではダメです。もっと低いところ、「人間目線」になる組立塔の一階出入り口のへんにもカメラを設置して撮ってください。

 それから、GOPROでもいいから、同じ低い地上アングルからカメラを複数設置して、その映像をユーチューブにアップして見せてほしい。GOPROの2.3台衝撃でぶっ壊れてもかまいませんがな。

 NASAはチャレンジャー事故いらい、発射では各ロケット周辺のマルチカメラで、しかもハイスピード撮影してます。万一の発射事故の際の事故原因解析に使うためです。

 発射台近辺のカメラは組立塔からだけではなく、ロケット発射台裏側のガス抜き口からも撮影してほしい。

 たとえば、こういう撮影シーンケンスはいかがですか。

 ① ウォーターカーテン散水、メインエンジンの点火までを正面から組立塔屋上カメラ望遠でアップ。

 ② SRB点火前まで、発射台裏のガス抜き口側から推力全開燃焼ガスで水蒸気となって高速に噴き出る白煙のカットを裏山からアップとロングで。

 ③ 正面に切り替え組立塔屋上からSRB点火の望遠カット。これは今まで通り。

 ④ 組立塔1階入り口カメラからのロングショットでロケットのボルトが外れ持ち上がるまでのカット。これは点火とリフトオフはほぼ同時なので、時間遅れで見せる。

 ⑤ 組立塔屋上からロケットの上昇を自動追尾。これも今まで通り。

 JAXAの広報さん。これくらいやってくんなまし。あんな映像だけでは世界の人にも日本のロケットはソユーズより小さく低性能と勘違いされまっせ。

 なんせ一般市民は長く大きいロケットほど高性能と思い込んでいますさかい。

 日本人は「能ある鷹は・・・」とかのせいで、こういうことが下手なんですな。

↓JAXAさん。コレ、参考にして。

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火垂るの墓

邦画メモ、NO,97、NHKBS

2008年、パル企画、100分

監督: 日向寺太郎、 撮影: 川上皓市、 音楽: Castle In The Air.

出演: 吉武怜朗、畠山彩奈、松田聖子、江藤潤、高橋克明、松坂慶子、長門裕之、原田芳雄

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 この実写版が野坂の原作とどう違うかは分からないけれど、高畑アニメ版とはかなり違う。

 やはり、アニメ版を意識して、脚本と構図は徹底して換えられている、これは監督の人情として致し方ないこと。私も監督だったら高畑作品のマネはできない。

 アニメ版との比較を楽しむのではなく、ひとつの映画作品として退屈せずお終いまで観られた。ただし、泣かせ所はアニメ版に軍配が上がり、描写は淡々としている。

 松坂慶子が意地悪オバ(遠縁?)さんを演じているが、アニメ版よりもっと徹底してワルである。アニメ版では彼女の言うことに一部理があったが、松坂のは大人が見ても嫌なヤツ。

 松坂慶子さんて、「蒲田行進曲」のころより芝居が上手くなったような気がする。ま、年の功ってやつですか。彼女の滑舌はNHKの渡邊あゆみアナのように滑らかではっきりして耳に残るもの。

 清太役の吉武怜朗という俳優を覚えた。やすき節上手いすね。

 亡くなった母を兄妹が偲ぶフラッシュバックのシーンの後には火垂るが舞っているカットが入る。

 音楽は前半、ホラー映画調のピアノの冷たい音色を用いた曲で、兄妹が意地悪オバの家から脱出して防空壕で生活するところから暖かいギターの音色を使ったものになる。

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火垂るの墓

邦画メモ、NO,96、地上波NTV

1988年、スタジオジブリ、東宝配給、88分

監督: 高畑勲、 音楽: 間宮芳生、 美術: 山本二三

声: 辰田勉、白石綾乃、志乃原良子、山口朱美

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 この映画も世界では「二度と観たくない映画」として10位以内にランクされる。

ただし、それには必ず一回は観ておくべき作品という条件がついてくる。

 自分としても、発表された当時から観る気の進まない映画で、わざと避けてきたけれど、やはり一度は観ておくべき作品と思いたち、一昨年放送されて円盤に録画していたものを、ようやく昨夜通しで最後まで鑑賞した。・・・・これを記述している本日、再放送される。

 観た後、寝床に就いたが、頭の中で各シーンが再生され、なかなか寝つかれなかった。「寝る前に観ない方がいい映画」としてもランクインされる作品でもあると思う。

 映画館で最初にすすり泣きの音が聴こえるシーンは節子の火垂るの墓作りのところかな。まさに映画のタイトルのシーン。

 兄は母の死をずっと節子に隠し通していたはずなのに、とうに節子は叔母からその事実を聞かされ、幼いながらもそれがどういう意味なのか悟りきっていた。淡々と泣きもせず火垂るの死骸と一緒に母の霊も弔っている節子の健気な様子を見て嗚咽する兄の姿は、今の自分の姿でもある。

 節子の声を担当している白石綾乃ちゃんが上手い。関西弁が可愛い。この子の幼いしぐさが可愛い。ほんま、兄と一緒にベンチに座るアクションの可愛さといったら、たまりまへんな。よくもまあ、幼子の動作を取材したものです。

 焼夷弾の燃焼はもうちょっとリアリズムでやってほしかった。当時の記録フィルムを見るとマグネシウムが燃えるような輝く白い閃光と四方に飛び散る火花の、水をかけてもとうてい消火できそうもない激しい燃え方で、あのような松明みたいな燃え方では決してない。

 死んだ兄が霊として過去のシーンに時々チラリと登場するけれど、なにか演出として物足りない感じがする。

 母の残した預金で節子の栄養失調を治せなかったのが無念。映画は妹を死なせてしまった兄のこの迂闊さも訴えているように感じる。

 もう一回は観たい。

追記: 近隣国で第二次大戦中、日本と戦ったことがないのに戦勝国を名乗っている国と、今だ日本人は残虐非道の鬼で、70数年前と変わらない軍国主義だと信じ込まれている国のネット住民たちの「便所の落書き」によると、この映画は戦争で敗戦国になった日本が、加害者であったことを忘れ、被害者ヅラして戦争の悲劇を訴えている内容なんだそうである。

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