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幸福の黄色いハンカチ

邦画メモ、NO、95、NHKBS

1977年、松竹、シネスコ、108分、デジタルリマスター版

監督: 山田洋次、 撮影: 高羽哲夫、 音楽: 佐藤勝

出演: 高倉健、武田鉄矢、桃井かおり、倍賞千恵子、渥美清

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 二度観になる。初見はBSで放送された2012年だったけな。その時は、たしかに70パーセント傑作の映画だと感じた。今回は90パーセント傑作だと感じた。

 再見したきっかけは、BSの番組で前田吟と池上季美子がこの映画のロケ地を探訪するというのを観たためで、映画の再確認であった。

 ・・・・この番組、どうせなら武田鉄矢と桃井かおりが訪れるという企画にすればよかったのだが、二人ともオファーできなかったのだろう。もっとも武田がいると余計なことまでベラベラ喋りすぎて番組が混乱するかもしれないが。

 この映画が公開された当時は自分は二十歳前後の生意気盛りで、黄色いハンカチを何十枚も掲げて妻が夫を待つなどという、いかにもお涙頂戴の感がして「こんなの観るもんか」と反発したものだ。

 それに、武田鉄矢と桃井かおりも自分の好みのキャラでは無かったし、マツダ・ファミリアもデサインの嫌いな車であった。・・・・この次の世代のFFファミリアは良かった。

 二度観して傑作率がアップした理由は、やはりフラッシュバックで現れる高倉と倍賞の生活風景の描写が優れていること。特に倍賞の演技が素晴らしかった。彼女は高倉言うところの「弱い女」、「男が守ってやるべきもの」をうまく表現していた。

 これを逆の意味で際立たせたのが武田と桃井で、二人とも性に関係なく、誰が見てもどうしょうもない嫌な人間を上手く演じている。常識ある男性から見て、失恋したばかりの武田がナンパした女性にすぐ体を求めるのも嫌だし、桃井がビービー大きな声で泣き叫ぶ幼児性にも、2.3発張り倒してやりたい気分になってしまう。高倉・倍賞といい対称になっている。

 ただし、武田の嫌な人間性も、高倉健の彼へのいつかのスルドイ説教で、観ている観客の気分が中和されバランスが取れていく。彼も成長していく。うまい脚本ですな。

 その脚本については、高倉が傷害致死で刑務所に入所する過程のシーンがスパッと省略されていて潔い。私だったら「ショーシャンク・・・」のように裁判での判決シーンを入れるかもしれない。

 ラストの武田と桃井の車内キスシーンは、ちょっと長くて嫌だな。これも自分が監督なら武田が助手席の桃井の手を握ったシーンだけにするかもしれない。

 その前の高倉と倍賞の出会うシーン、セリフを排したロングショットが素晴らしい。そこで倍賞のアップの1カットは必要ではないかと後で継ぎ足して撮影されたそうだか、これはやっぱあった方が良かったと思う。

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