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Gravity

洋画メモ、NO,115、BD

2013年、米、英、WB、91分

監督: ルフォンソ・キュアロン、 撮影: エマニュエル・ルベッチ、 音楽: スティーブン・プライス、 出演: サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニー

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 邦題のタイトルが映画の趣旨に反していると感じたので原題どおりにした。

 ラスト、地上に帰還したライアンは地球の重力を感じ全身の力を振りしぼって立ち上がり歓喜する。だから「グラビィティ」のタイトルはそっちの意味なのだ。「ゼロ・グラビティ」としてはイカンね。

 だいたい、宇宙船にも地球の重力がかかっているから無重力という日本語表現はオカシイのです。

 宇宙空間での無重量表現の映画手法はこの映画で完成されてしまった。過去の「2001年宇宙の旅」での撮影テクニック、「アポロ13」での航空機を飛ばして撮影したテクニックは製作費しだいでは今後もう不要となるだろう。

 その製作費は1億ドルですか。CG、VFXというのは金もさることながら、物理・工学のエキスパートも多数参加してエライ手間の掛かるものでしょうな。頭が下がります。デブリでISSが破壊されるところなどもう脱帽である。

 映画の冒頭、MMUを背負ったマットがシャトルの周りを飛び回っているけれど、あれは映画のウソ。映画的には面白いけれど、MMUにあんなスラストパワーと燃料は無い。実際の移動速度は秒速数センチというもの。あれが出来たとしても危険すぎる。予告編を見た時から感じていたけれど、なにか全体的に宇宙空間の人も物も物理運動が速すぎる感じがする。映画だからダイナミックにするしかないのかな。

 ライアンとマットがロープにからまり静止しているシーン。二人はISSごと回転して遠心力で下に引っ張られている訳ではないので、ライアンのロープがからまった足とマットを掴んでいる手にはテンションがかかっていない。したがってライアンはゆっくりマットの手を繰って救助すればよろしい。マットは自己犠牲でオサラバすることないのである。

 中国のステーションは大気圏突入寸前の状態で、恐らく高度100キロ未満となっている。ライアンの乗船したソユーズの位置はISSの高度400キロなので、カプセルの着陸緩衝用逆推進ロケット・・・噴射時間は0.2秒ほどの僅かなレトロ噴射・・・を使っての周回軌道減速と、ステーションまで高度300キロ差に合わせるまでの接近は、短時間ではとても不可能だと思う。

 というのも、航空宇宙ファンだけのマニアックなマチガイ探し。かつてないほど素晴らしい、真空と無重量の宇宙空間・船内を見事に再現した映画です。

 ソユーズ宇宙船でシュッ・シュッと噴き出るスラスター描写のCGが、実際とほぼ同じ表現で良かった。あれが過去の映画のようにミニチュアで燃焼ガスの炎を使ったり、CO2の煙なんかを吹かしたのをわざわざCGで再現したのでは興ザメである。

↓ソユーズのスラスター噴射映像

 この映画を観る前は、2時間半くらいの大作だとの思い違いをしていた。レコーダーが1時間20分台を示したところでエンドロールが現れたので意外だった。けっこう長く感じる映画でした。

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