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原子怪獣現る

洋画メモ、NO、114

1953年、WB、白黒、スタンダード、80分

原題: The Beast from 20,000 Fathoms.

監督: ユージン・ルーリー、 撮影: ジャック・ラッセル、 音楽: デビット・バトルフ

テクニカル・イフェクト: レイ・ハリーハウゼン

出演: ポール・クリスチャン、ポーラ、レイモンド、リー・ヴァン・クリフ

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 原題のFathoms には「測り知れないほど深い」、「不可解」という意味もあるが、Fathom だと水深測定単位で2ヤードという単位になる。2万ヤード深海の不可解というダブルで用いられているのだろうか。

 怪獣映画の原点と呼ばれている作品だが、東宝「ゴジラ」はこの映画の影響を受けているのだろうか。調べると「ゴジラ」の制作は1954年春からであり、公開は1954年11月3日であるが、この映画の日本公開は1954年12月22日である。こちらの映画のほうが後だ。

 東宝のスタッフがアメリカで1953年公開のこの映画を既に観ていたかどうかは分からないが、「ゴジラ」との類似点がいくつか見られる。それは・・・。

1、怪獣(恐竜)は核実験で蘇り、水中も進むためサルベージによる調査シーンがある。

2、怪獣の目撃者に、ちょっとしたインテリと船舶・漁業従事者がいる。当初、彼らの目撃証言を関係者に信じてもらえない。そのハンサムなインテリには美女がつく。

3、怪獣を分析する古代生物学の博士がいて、怪獣を貴重な学術資料だとして退治することを惜しむ。

4、怪獣は都会にまで現れる。

5、高い塔(灯台)の先で人が怪獣に襲われてしまう。

6、街角で怪獣を仰ぎ見ながら人々が逃げまとう。ゴジラの放射能に匹敵する何か得体の知れない汚染物質をまき散らしている。

7、怪獣を退治するのに高圧電流を使い、後に秘密兵器が登場する。

と、ざっとこんなところか。

 ハリーハウゼンのストップモーションアニメは、動くバックの実写と合成されているカットがある。この映画から試みられたようだ。予算20万ドルでカツカツの制作費用だったとハウゼンは特典映像で語っている。

 冒頭の氷山の崩壊(一部実写あり)とラストのローラーコースター炎上崩壊のミニチュア特撮は上質の出来。ハイスピード撮影が適切。

 本編、氷上基地周辺での俳優の演技や構図、セリフ回しがエド・ウッド的凡作演出で退屈だったが、後に登場する生物学博士が芝居の上手い人で、ここから映画が引き締まった。

 怪獣の正体・姿を映画の始まった早い段階で観客に曝している。これはもうこの手の映画の反面教師といっていい凡作脚本。

 若いリー・ヴァン・クリフが狙撃手として発射する放射性同位元素が、どういう理屈で怪獣を退治するのかは省略してしまっている。尺が短く低予算ということもあるだろうが、1954年東宝「ゴジラ」のほうが、これよりはるかに優れた怪獣映画だと思う。

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