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ミニチュアの剛性を弱くする。

 ダイハード2、旅客機激突シーンのミニチュア特撮

 この映画は航空関係者や航空ファンには笑ってしまうシーンがいくつか登場するが、少なくともミニチュア特撮スタッフは航空機の構造をよく理解してミニチュアを制作している。

 航空機は重くなってはいけないのに、風圧や翼の揚力、過酷なGに耐えなければならない。そのため重からず、弱からずのギリギリの線で設計してある。つまり「柳に風」の理屈で部分的にはワザと柔な構造になっている。実際に旅客機に搭乗して窓から翼を観察すると、旋回や気流の乱れでは、翼のエンジンから先端にかけてグニャグニャと捻っているのを確認することができる。つまり、柔らかくして力を逃がす構造になっている。

 映像を観ると「ダイハード2」のミニチュアビルダーは、旅客機を実際の航空機のように、そのグニャグニャに剛性を弱くして柔に制作し、滑走路への激突では主翼や尾翼が上下にしなって実写感・実機感を出すことに成功している。特撮用航空機のミニチュアはプラモデルやラジコン機のように硬く造くるとオモチャ然に見えてしまう。彼らはそれを計算している。

 滑走路に激突した旅客機は、燃料の搭載されている翼付近から炎上し爆発、これも極めて実際の構造に従ったもので、実写感がある。

 その後の機体全体の大爆発は、恐らく20倍程度の超ハイスピード撮影で、実際とはトンデモなく、スローモーな映像であり、また爆発・炎上も誇張してあるが、これは迫力を増す演出なので問題ない。これを、もし3倍程度のハイスピード撮影にすれば、動きもオモチャ然になり、たとえミニチュアの出来が良くても台無しの特撮になるだろう。そういうミスは、今もって日本の特撮にありがちなことだ。

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