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2013年9月

アッと驚くショパンの転調

 ショパンの即興曲2番は私のお気に入りの曲の一つで、特にコルトーが演奏したものを愛聴してきたけれど、彼の奏でるピアノの音というのは、ちょっとアクがあって、そこが気になる方もいると思う。

 私の勝手な推測では、ショパンが愛用したプレイエルというメーカーのピアノ音はコルトーの弾く音に近いのではないか。コルトーがプレイエルを使って録音したかどうかは分からないけれど。

 が、アクがあっても彼の弾くピアノの音というのは、どうして、ああ暖かく感じるのだろうか。

 ショパンの即興曲2番も、雪がしんしんと降る田舎の一軒家、おじいさんが暖炉の傍で子供に昔話を語っているような、ほのぼのとした暖かさを自分は感じる。

 子供はお話を聴いているうちに眠りに落ち、話の中の主人公となって空を駆け巡り、再び目が覚めると、おじいさんの顔と暖炉の炎を見て安心する。と、いうような絵コンテを書きたくなる。

 昔話を聞いている子供がウトウトし、ついに眠りへの誘惑にかられ夢の世界にいざなうのはこの部分。

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 恐らく、楽譜が出版された当時も現代も、ショパン研究家や演奏家がアッと驚く大胆なニ長調からヘ長調への転調を、ショパンは、たった2小節で処理してしまっている。

 それは、突如、時間の進行がゆっくりとなり、自分の体が地面からフワッと浮いたような。

 勢いよく行進している進軍中の兵隊たちの列の中でフッと意識が無くなり、その瞬間、子供のころ体験した、なつかしい、陽光そそぐ早春の小川の岸へいきなりタイムスリップしたような。

 ショパン曰く、「めんどくせーな、即興曲なんだから転調なんてコレでいいだろう」・・・・ってか?。

↓アシュケナージの名演。大胆・転調部分は3分5秒あたりから。

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イプシロンロケットは垂直発射

 JAXAのみなさん、森田先生。

イプシロンロケット打ち上げ・衛星軌道投入成功、

 おめでとうございます。

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 発射延期はあったけど、こんなことは想定内。スペースシャトルもカウントダウンでメインエンジンに点火後、数秒で発射中止になったことが何度もある。気にしない、気にしない。

 ところで、今のところ、このロケットの特徴について、日本の固体燃料ロケットとしては初の垂直発射であることを説明した報道が一切見られないのはどうしたもんだ。日本のジャーナリストたちは気が付かないのかね。

 前回まで使用されていた、イプシロンより大きいM-Vロケットですら、垂直ではなくランチャーにぶら下がった斜め発射だったのだ。

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 このことが、ラムダロケットから打ち上げを見てきた自分は、小学校時代からズーッと気になって仕方がなかった。アメリカの垂直に堂々と上昇するロケットと比較すると、正直言って引け目を感じていた。

 「どうしてガントリーから離れた場所から垂直にスッと上っていかないのか・・・斜めじゃカッコ悪いなー」。

 こう言うと開発者たちに怒られそうだが、これは子供の思った素直な感想です。ゴメンナサイ。

 これには事情があって、まず当時、日本のロケットは、ミサイルへの転用を危惧したある政党の圧力により無誘導で打ち上げることを強いられた為、やむをえず軌道方向に有利に飛行するように傾けたという事と、失敗時の安全確保で出来るだけ海側に落とす為による。・・・・だったと記憶してる。

 日本のロケットが垂直に優雅に打ち上がり・上昇していったのは、宇宙開発事業団のN-1ロケットからで、当時、ああ、やっとでロケットらしくなったなと思ったけれど、1段目はアメリカのデルタロケットを使っていて、100パーセント日本製でなく、複雑な気持ちだったが、その後、日本独自開発のH-2が打ち上げられ、ようやくカッコイイ打ち上げのメードイン・ジャパン・ロケットが出来たと喜んだものだった。

 そして、昨日。固体ロケットとしては日本で初めてのカッコイイ垂直発射のイプシロンロケットが成功した。ほんとうに感慨無量です。

 垂直発射の利点は、発射時、ランチャーからの振動がロケット本体や衛星に影響しないということだそうです。

 イプシロン打ち上げより感動したのは、ロケットの発射中止を残念がって涙し、打ち上げ成功を喜ぶ子供たちの顔と澄んだ瞳の美しさ。みんな第二の糸川先生になれよ。

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ショパン「別れの曲」の難しさ

 ショパンの「別れの曲」・・・いや単に「別れ」だったけな。あ、あれはワルツのほうか。

 こう言うと、すぐ、ムキになって「元々、この練習曲にはこんなタイトルはついていない。これは昔の日本で配給されたショパンを扱った映画の邦題から採った題名で、日本だけでしか通用しない」とか、なんとか主張されるお方が出てくる。

 まあ、そう言いなさんな。外国ではこの曲に「TRISTEESE」…フランス語??、「憂鬱・哀しみ」という叙情的タイトルが堂々と付けられている。私は日本で呼ばれているタイトルの方がむしろ叙事的でアッサリしていて良いと思うのだが。

 これだけではない。同じ練習曲集の1番も外国では「WATERFALL」と呼ばれている。・・・・あの上ったり下がったりの曲が、滝なんだってね、ヘー。

 外国では、ショパンのその他の練習曲、ノクターン、ワルツなどにも日本人の思いもよらないタイトルがけっこうネーミングされている。だから、あまり、「日本だけだ、日本人だけだ」と自虐的になることもないと思う。24の前奏曲集・7番、日本人なら必ず知っている、あの小さな美しいマヅルカは「胃薬」なんて呼んだら面白いすね。

 さて、この、練習曲集の1番、2番と超難曲が続いた後のホット一息する美しいメロディーの曲。ピアノ愛好家ならいつかは弾きたいと目標にしている曲。やっぱり、どっしょっぱなからムズイんです。

↓それはこの赤丸印のところ。

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 5指の小指でメロディーラインの一番上を強調して弾かねばならないのですが、4指・5指で3度の和音として、まとめてバーンと弾いてしまうのです。私のようなチェルニー40番癇癪放棄アマは・・・・。

 つまり、このパートは指の押す圧力を5指>4指、そして1指・2指の伴奏部とコントロールして弾くべきなのですが、初心者はこれが上手く出来ない。こういうところに難しさが隠れている曲です。

 ここは、プロのピアニストは4指で弾く音をほとんど気が付かないほどの弱音にして上のメロディーを強調しているので、3度の和音であることを知らないクラシックファンもいるのではないだろうか。

 同じような難ずかしさはベートーベンの「月光ソナタ」でのメロディー奏法でも感じる。

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 小指で弾くメロディーより下の三連符は弱く弾くべきなのに、小指と親指を同じ圧力で叩いて単なるオクターブ音にしてしまい、これまた美しい曲が台無しになります。私が弾くと。

 さて、この問題。どうすれば良いでしょうか。やはりバッハのフーガなどの対位法による3声・4声の曲で指を独立させる訓練をするべきなのでしょうか。私、フーガは音のパズルみたいで嫌いなんですけど。

↓「別れの曲」中間部も同じパターンが続くので暗譜しにくく、ムズいです。

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