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ラザール・ベルマンの思い出

 2005年に74歳でに亡くなっているロシアのピアニスト、ラザール・ベルマン(NHKは原音に近い「ラーザリ・ベルマン」と発音する。)の録音した演奏、リストの「巡礼の年」が村上春樹の新刊「色彩を持たないナントカ・カントカ」に出で来るそうで、それがきっかけとなり、その音楽ソフトの売り上げがアップしているという。

 自分はトレンディーなもの、ベストセラーは避けるので、カフェでカッコつけて読むような村上春樹の小説など興味がないが・・・・彼のファンの方、スミマセン・・・・、その小説に書かれているらしいベルマンというピアニストには、ちょっとした思い入れがある。

 それは、私がピアノという楽器をちょっと弾いてみようかなと思ったきっかけは、彼のレコードを聴いたからにほかならないからである。それにはホロヴィッツの演奏もからんでいたけれど。

 そのベルマンのレコードというのが左のこれ。

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 リストの「超絶技巧練習曲」。今、こうやって棚からレコードを引っ張り出してみると、既に35年以上も経過しているのにもかかわらず、レコード店で購入したときやレコードに針を乗せた瞬間を昨日のように想い出させてくれて、本当に懐かしくもあり、ちょっとだけ青春の血が湧いてくるのを感じる。

 このリストの全12曲ある練習曲は、レコードを聴くまえから楽譜が我が家にあり、「マゼッパ」や「鬼火」などは、実際の演奏ではどうやって弾くのだろうか、どれくらいの速さのテンポで弾くのかと実に興味深々で楽譜のページをめくっていたものだったが、初めて彼の演奏を鑑賞したときは、意外と遅いテンポの弾き方だなと感じた。

 当時はまだ、自分はこの練習曲集の演奏困難さがあまり理解できていなかった。というのもリストの曲というのは、楽譜で見てみると意外と単純構造で、なんとか弾けそうに見えるからである。・・・・実際にスローテンポな3番「風景」は自分も発表会で弾いた・・・。

 ところで、この「超絶技巧練習曲」というモノモノしいタイトル名。原題には超絶という単語はあっても、技巧という意味の単語は入っていなかったと記憶している。ちょっと大げさにし過ぎた誤訳だと理解したほうがいい。ほんとうに超絶技巧といえる練習曲はショパンのエチュードだろう。

 ベルマンのこのレコードはソ連・メロディアの古い録音・・・・ピアノの高音部の音が、まるで乾燥しきって響板が割れてしまったピアノで弾いたようなごとく「パリン・パリン」といふうに聴こえた・・・・にも関わらず、アメリカの一発大当屋、興行師の大宣伝のおかげで世界的に大ヒット。ベルマンは演奏会、レコード録音で引く手あまたとなった。

 その宣伝文句・・・・「彼の演奏は全盛期のホロヴィッツに匹敵する。」

 自分はこの言葉に引っ掛かってピアノにのめりこんでしまった。ホロヴィッツの演奏とはどんなもんじゃい・・・と。 18歳のときでありました。

ベルマンのこと、もうちょっと次回で・・・

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