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2013年5月

ラザール・ベルマンの演奏

 ベルマンの語録をちょっと思い出すと・・・

・「私の演奏をホロヴィッツと比較するなんて、教会のキリスト像に唾をひっかけるようなものだ」。

 ・「学生のころはショパンの1分間のワルツ(子犬のワルツ)をどれだけ速く弾けるか友達と競い合い、ピアノ演奏をフットボールかなにかと勘違いしていた」。

 ・「私は19世紀のヴィルトオーソタイプのピアニストだ」。

 ・「ベル・カント奏法を目指した」。

・・・ピアノテクニックとしては安定感を感じた。どんな難曲でも汗ひとつかかず涼しい顔で弾いてるように見えた。ヒグマみたいな大きな背中と肩、太い腕はどんな速いパッセージのオクターブでも難なく受け止めて見える。リストのソナタやベートーベンの「熱情」の演奏は誰よりも速く弾いた。

 リストの「スペイン狂詩曲」。このはっきりいって音楽的には三流の曲も、彼の演奏にかかるとスポットライトを浴びた一流女優になった。特にキラキラ輝くようなこの部分の演奏はすばらしかった。

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ベルマン演奏、リスト・スペイン狂詩曲、↑の楽譜ページは10分20秒あたりです。

 ベル・カント・・・歌わせる演奏というと、ラフマニノフのモマン・ミュージコーでそれを感じた。しかし音がほの暗い。なにか地の底に沈殿していく感じ。

 プロコフィエフのソナタ8番、「どこに向かっていくのかわからない、ちょっと暗いですね」・・・・と吉田秀和さんもラジオで語っていたのを記憶している。

 もっもロマンチズムあふれる演奏だと感じたのはシューマン・ソナタ2番、第2楽章。ロベルトとクララが月灯りのバルコニーで語り合っているうちに眠りに落ちフェードアウトするような。

 2年前、彼の輸入盤CDを購入し、昨日、やっとリストの「巡礼の年、スイス、オーベルマンの谷」を聴いてみた。

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ホロヴィッツ演奏、リスト・オーベルマンの谷

 この曲、私と同じ年代でクラシックファンなら昔、NHKFM「大作曲家の時間」のオープニングテーマだったことをご記憶だと思う。

 リストは最初、左手部分をチェロのように弾けと楽譜で指示していているが、ベルマンのこの演奏がまたいい。多少速いテンポでレガートで下降する骨太のピアノの低音部はチェロの音色を思わせる。オーボヘのように弾けという次のフレーズもよく歌っている。この曲はホロヴィッツの演奏でなじんでいるが、それは峡谷の深い奈落の底を覗き込むような鋭さを感じたものだ。しかし、ベルマンの演奏だとそれは感じない。やはり、ほの暗くジワジワと谷底に落ちていく。

 フィニッシュではホロヴィッツは和音の連続打部分を強調し、まるでチェルニーの練習曲のようにしてしまっているが・・・・それはそれで迫力満点・・・・、ベルマンはそこは押さえて表現し、大曲感を出すのに成功している。

 晩年、ベルマンはイタリアの最新鋭ピアノ、ファツィオリを愛用していたが、自分は全くその録音演奏を聴いたことが無い。どんなものだろうか。

 自分は学生時代、東京でベルマンの演奏会に行った。「熱情」はレコード録音のように速いテンポでミスタッチ無くガッチリと安定していた。アンコールにベートーベンの「トルコ行進曲」・・・たぶんリスト編・・・を弾いた。なぜかこれが最も印象にある。

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ラザール・ベルマンの思い出

 2005年に74歳でに亡くなっているロシアのピアニスト、ラザール・ベルマン(NHKは原音に近い「ラーザリ・ベルマン」と発音する。)の録音した演奏、リストの「巡礼の年」が村上春樹の新刊「色彩を持たないナントカ・カントカ」に出で来るそうで、それがきっかけとなり、その音楽ソフトの売り上げがアップしているという。

 自分はトレンディーなもの、ベストセラーは避けるので、カフェでカッコつけて読むような村上春樹の小説など興味がないが・・・・彼のファンの方、スミマセン・・・・、その小説に書かれているらしいベルマンというピアニストには、ちょっとした思い入れがある。

 それは、私がピアノという楽器をちょっと弾いてみようかなと思ったきっかけは、彼のレコードを聴いたからにほかならないからである。それにはホロヴィッツの演奏もからんでいたけれど。

 そのベルマンのレコードというのが左のこれ。

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 リストの「超絶技巧練習曲」。今、こうやって棚からレコードを引っ張り出してみると、既に35年以上も経過しているのにもかかわらず、レコード店で購入したときやレコードに針を乗せた瞬間を昨日のように想い出させてくれて、本当に懐かしくもあり、ちょっとだけ青春の血が湧いてくるのを感じる。

 このリストの全12曲ある練習曲は、レコードを聴くまえから楽譜が我が家にあり、「マゼッパ」や「鬼火」などは、実際の演奏ではどうやって弾くのだろうか、どれくらいの速さのテンポで弾くのかと実に興味深々で楽譜のページをめくっていたものだったが、初めて彼の演奏を鑑賞したときは、意外と遅いテンポの弾き方だなと感じた。

 当時はまだ、自分はこの練習曲集の演奏困難さがあまり理解できていなかった。というのもリストの曲というのは、楽譜で見てみると意外と単純構造で、なんとか弾けそうに見えるからである。・・・・実際にスローテンポな3番「風景」は自分も発表会で弾いた・・・。

 ところで、この「超絶技巧練習曲」というモノモノしいタイトル名。原題には超絶という単語はあっても、技巧という意味の単語は入っていなかったと記憶している。ちょっと大げさにし過ぎた誤訳だと理解したほうがいい。ほんとうに超絶技巧といえる練習曲はショパンのエチュードだろう。

 ベルマンのこのレコードはソ連・メロディアの古い録音・・・・ピアノの高音部の音が、まるで乾燥しきって響板が割れてしまったピアノで弾いたようなごとく「パリン・パリン」といふうに聴こえた・・・・にも関わらず、アメリカの一発大当屋、興行師の大宣伝のおかげで世界的に大ヒット。ベルマンは演奏会、レコード録音で引く手あまたとなった。

 その宣伝文句・・・・「彼の演奏は全盛期のホロヴィッツに匹敵する。」

 自分はこの言葉に引っ掛かってピアノにのめりこんでしまった。ホロヴィッツの演奏とはどんなもんじゃい・・・と。 18歳のときでありました。

ベルマンのこと、もうちょっと次回で・・・

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KLX125でマターリ走る

原付2種ツーリングメモ

 2013年5月、KLX125でちょくちょくとマッタリ走っています。

↓残雪の乗鞍岳をバックに。

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 このマシンも今年12月で4年目に突入。それでも走行距離は13500キロでなので、おとなしい乗り方だと思う。点検でブレーキパットの減りを診てもらったが、まだ問題ないという。他のブログを見ると7500キロで交換し、ディスクも3ミリに減っていたなんて記事がありましたが。

 おとなしい走りになっている原因は、このバイクでは時速62くらいからの振動が激しいためで、必然的に50キロから60キロで走れる下道を選んでしまうから。交通の激しい国道で4輪車やトラックにいじめられながら70キロ以上をキープしようすると、バイブレーションと心労でこの歳では大変疲れるのです。それにオフロードもめったにキバッて走らない。汚れるからです。コカしたくないからです。クマちゃんが怖いからです。なんという軟弱さ。

 やっぱり、原付2種バイクは法定速度で走るノリモノだと感じる。KLX125だと慣らし運転の5000回転、時速55キロ付近がもっともコンフォータブル。エンジン音もサラサラと耳に心地よい。新緑の景色の中の田舎道を土の匂いを感じながらノンビリ走るのは至福の時間。おっと、そういう道で出会う例のマークがついた軽自動車には注意、注意。

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↑昨年秋に取り付けたシールチェーンは大変調子がいいです。交換後、もう10回以上ツーリングに行っていますが、今だ特に伸びた感じがしない。お勧めします。

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三本和彦さん、GGIになったな

 不躾ですが、三本さん、GGIにおなりですな。御年82歳って、うちのBBAとおない年でんがな。銭形のトッツァンと同じ昭和ひとけた。

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↑「おぎやはぎの愛車遍歴」・・・再放送・・・を観て感じました。

 考えてみれば、「新車情報」も自分が就職したころから見始めたわけで、もう32年前ということになる。番組が終了しても三本さんの御姿はずっとあの頃のイメージのままだった。

 当時のオープニング音楽のエレキの音、耳にはっきりと残っています。歴代アシスタントのオネーサマの顔も全員覚えております。

 このお方の江戸っ子辛口トークは楽しみでした。

「バカって言っちゃいけないんですよね」。・・・

「近頃のガキって言っちゃいけないんですね」。・・・

「ディーゼル車の排気ガス、見てるとイカ墨ミテーナ煙吐きやがって」。・・・

 特にVTR映像を再生したように記憶しているのは・・・

「このエアインテークは便所の換気扇みたいですね。もうちょっとドアのほうからフェラーリのようにカッコよくできませんか」・・・

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 この「便所の換気扇」発言はちょっとした事件になったのではないですか。

追記:このお方、ヘビースモーカーなのか、ラム圧による自然換気や、三角窓を利用した換気にこだわっていましたね。

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