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ジェットエンジンのモヤモヤ

 子供のころ、ジェットエンジンの排気ノズルから噴き出る熱気のモヤモヤ(陽炎)を見るのが好きだった。

 いや、これは今も進行形で大好き。いくつになってもジェットエンジン馬鹿です。

 空港の見送りデッキでは双眼鏡でジェットエンジンのお尻や尾翼のお尻にあるAPUのモヤモヤを見て喜んでいる。これは馬鹿というよりも変態に近いかもしれない。

 このモヤモヤが特に良く視える機種はMD-11で、尾翼にくっついている第2エンジンは地上より高い位置にあるためジェット噴射が見やすいのです。でも、日本の航空会社ではとうに退役して見られなくなってしまった。残念。いや、成田などに行けばカーゴ機でまだ見られるかな。着陸でデングリ返ったのは、たしかFedexのMD-11だったと思う。

 戦闘機では、やっぱりF-4ファントムの離陸が見応えがある。排気のモヤモヤと黒煙が特に目立つ戦闘機。子供のころジェットエンジンの排気ノズルから炎が出ることを知ったのはこの戦闘機からで、漫画家の弘兼憲史さんも少年時代に米軍基地の傍に住んでいて、離陸するこの戦闘機のアフターバーナーの炎を友達と一緒に見て驚き「燃えとる、燃えとる!」と叫んだそうだ。

 F-4ファントムのエンジンはGEのJ-79ターボジェットで、ターボファンでないところが気に入っている。これは前から吸い込んだ空気を全部、燃焼室に押し込んでいる構造。単純明快、潔いエンジンなのです。これをまたの名は純ジェットエンジンとも言う。ピュアなのがいい。

 J-79のアフターバーナー・・・・イギリス人はリヒートと言い、エンジニアはオーグメンター(推力増強装置)と言う・・・・は、F-15などのエンジンのような長い派手な炎が出ず、ダクトの奥でチョロチョロと遠慮がちに燃えているのがまた良い。

 このエンジンを昔、名古屋空港博物館でマジマジと眺めたのは幸せな時間であった。バーナーダクトに首を突っ込んだり、また、吸入口のブレードを手で廻すと、なんとかカチカチと音を立てて動き、ひとり悦に入っていたものだった。

↓こちらは映画「戦略空軍命令」のB-36、B-47で登場するJ-47ターボジェットエンジン。タービンが一段しかない、教科書に出てきそうな典型的な純ジェットエンジン。これがまた大好きなんですな。

 B-47では推力2.7トンという小さい非力なこのエンジンが、六つで力を合わせ煙を吹きながら懸命に押している姿を見ると、愛おしくなってしまう。・・・・これがジェットエンジン馬鹿の実態です。

 ゴジラをやっつけたF-86セイバーもこれを積んでいますな。

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巴里よ! これが翼端灯だ」カテゴリの記事

コメント

お早う御座います。
ボチボチとリハビリ中であります。(笑)

昔、敢えて高感度のフィルムを使用して、ブラストの
荒々しさや力感を表現する手法を多用した時期が
ありました。
(両肩からカメラバッグのアザが消えないくらい全国
の基地祭めぐりをしていた頃ですが。お陰で腰が。。)

ジェットエンジンは推力ですが、良く知り合いとかに
”馬力は何馬力?”と聞かれ、”いや、推力と馬力は
単位が~”と説明するのが面倒になり、かなり無理
やり”換算したことがあってですね、昔のジャンボ
に積んでいた、P&W 社の JT-9 シリーズとかで
一発当たり約 25000 馬力という答えをはじき出し
一機当たり約 10 万馬力なので、アトムよりは非力
ですね~なんてネタを話すと、皆さん喜んでくれた
時代もありました。(かなり強引でしたが。。coldsweats01

投稿: 無無無。 | 2013年5月 1日 (水) 07時13分

無無無さんもお好きでしたか。
ジェットブラストは羽田のデッキでDC-8の噴射をモロに浴びたことがあります。油の生臭い匂いがしました。もう33年前の話です。
プリンセス・ジュリアナ空港に行って、もっとジェット噴射浴びたいですね。これ、もう変態ですな。happy01

推力と馬力の話、激しく同意です。分からない人には推力1トンでだいたい1000馬力と説明しています。
上の映像もエンジンを台座に固定しているので、アフターバーナー噴射してフルスラスト状態でも1センチも動いていないので0馬力なんですね。ここんとこが文系には分からないようです。

投稿: アラン・墨 | 2013年5月 1日 (水) 22時54分

はじめましてドリカンといいます。いつも特撮のコラムを拝見させて頂いてます。墨氏さんの特撮に対する深い愛情と科学知識に照らし合わせた考察に目から鱗が落ちます。墨氏さんがそこいらの特撮オタクと異なるのは、特撮を機械工学、航空力学などに照らして批評している点です。だから円谷特撮の弱点や甘い点などを臆する事なくハッキリとダメ出ししているのが清々しいです!!

それもただ単に「チャチだからダメ」で済まさないで「なぜチャチに見えるのか?どうしたら本物らしく見せるのか?」と冷静に合理的に評価するのが特徴ですね。

しかし、それにしてもどうして墨氏さんはこれ程までに特撮知識が豊富なのに特撮監督にならなかったんですか!?スゴく疑問に感じます!!ハッキリ言って墨氏さんは「第2の円谷英二」に相応しい器の方ですよ!!お世辞や冗談で言ってるのではなく、私は本気でそう確信してます!!

機械工学や航空力学、化学分野に精通していて、しかも熱烈な特撮ファンですら見落としがちな特撮のミスも見抜く観察力の高さ...。十分に特撮監督の素質が備わっているじゃないですか!!(未だに日本の特撮監督は物理的知識に乏しい人が多いというのに)

何故、特撮監督にならなかったんですか!?本当に理解できませんよ!!貴方は円谷さん以上に特撮をより深く理解できているのですし、もっと早く特撮監督になっていれば旧態依然な日本の特撮界に革命を起こし、特撮界はより一層発展していたに違いありません!!
ハリウッドにも対抗できる特撮になっていたはずなんですよ!!
そう考えると本当に悔しくてたまりません!!書いててとても腹が立つ思いです!!
何故なのですか!?教えてください!!

投稿: ドリカン | 2013年5月21日 (火) 19時25分

続きです…

ハッキリ申し上げて、墨氏さんが特撮監督にならなかったのは大きな過りと感じてなりません!!歴史にifはないと言われますが、しかし墨氏さんがあと20〜30年早く特撮業界(東宝、円谷プロ、東映あたり)に身を投じていたらば、今頃の特撮界は劇的な変革を起こしていたことは確かだと思います。
「特撮なんて所詮、子供とオタクの物」とは言われなかったはずです。
当然、平成のゴジラシリーズももっとリアルな仕上がりに変化していたでしょうし、ウルトラマンシリーズや仮面ライダー、戦隊、メタルヒーローなんかも大人が堂々と見ても恥ずかしくないクオリティになっていたでしょう!!

日本特撮は世界でも通用するレベルに進歩していたのは必然でしょう!!日本のマンガが世界の「MANGA」となったように特撮も世界の「TOKUSATSU」になっていたかもしれません!!

墨氏さんは「21世紀の円谷英二」と呼ばれていたに違いありません!!墨氏さんのような方がブログで特撮コラムを書いてるだけなんて非常に勿体無いです!!
墨氏さん、今からでも特撮監督を目指されてはいかがでしょうか!?墨氏さん程特撮を知り尽くした方はこの日本にはいません!!墨氏さんなら必ず日本特撮界を立て直せると私は確信してます!!

投稿: ドリカン | 2013年5月21日 (火) 21時02分

ドリカンさん。ようこそ。長文コメント、まことにありがとうございます。
私の特撮に関する記事は子供のころから感じていたことを正直に吐露したものですが、このような書き散らしたものに評価していただき恐縮しています。
王様の耳はロバの耳ではないのですが、日本の特撮はプラスの評価ばかりで、「世界に誇れる日本の特撮」という都市伝説的な自画自賛の言葉に甘やかされてきたところはスバズバと指摘していきたいですね。
でも、日本の特撮スタッフも予算と製作期間のしがらみに悩まされていたはずでして、彼らへの気遣いも必要だと感じています。
特撮監督へのあこがれは、ゴジラ20周年の特別番組が組まれた頃、中学生の時にありましたが、既に大映が倒産するなど、映画界の斜陽が叫ばれていた時代でして、自分もこれはアカンなーと感じて諦めました。
スターウォーズが出現したときも、東宝の便乗映画「惑星大戦争」や「さよならジュピター」を観たときは奮い立ち、再び映画界に目が向きましたが、実現せず今日に至っています。
仰るように、20年、30年若かったら自分はイギリスのデレク・メディングスのスタジオに入りたかったですね。
日本の特撮のその後については、平成ガメラの樋口監督が自分のやりたかったことをほぼ実現してくれています。彼が特撮現場に関わるようになったいきさつは面白くもありうらやましくもありますね。
その樋口監督やパイロスタッフたちが語り合った番組が数か月前にBSでありましたが、その中で彼らはアメリカの特撮・VFXスタッフには物理・工学の博士号を持った者がゴロゴロいる、アメリカの特撮にはかなわないと申しておりました。物理センスに関しては中野特撮のゴジラ、および平成ゴジラは大いに欠けるものがあったと感じています。
これからも正直に延べていきたいと思います。これからも忌憚なくご意見ください。

投稿: アラン・墨 | 2013年5月22日 (水) 23時23分

ご返事、ありがとうございます。正直、ガッカリなご返事だと思いました。墨氏さんがどんなに周りから反対され、攻められても「日本特撮に革命を起こしてやるんだ!!」というド根性が備わっていたら..と思うととても悔しいです。
しかし考えてみたら、当時も今も特撮業界の閉鎖性は一筋縄じゃいかなかったでしょう。偶然、「デジタルSFXの世界」という本を読みました。この本の著者は、元・東宝特撮部に所属して、現在ハリウッドのVFXに勤めている方で、小さい頃から「ゴジラ」などの怪獣特撮に憧れていて、念願の東宝特撮の現場に就きました。しかし、彼がそこで体験した現場は、相変わらずの旧態依然としたローテク特撮に頼りぱなし、スタッフ達も無気力で、いつも愚痴や不満を垂れ流して誇りややる気を微塵も感じず、その癖、過酷なスケジュールを強いられる。アイディアも古臭い案ばかりが通り、特撮シーンで明らかにミスカットを撮って、彼が「このカットは取り直すべきです!」と上司に抗議しても「しょうがないだろ!金がないんだから」と相手にされない。
そんな理想からかけ離れた特撮現場に愛想尽かし、彼は憧れの地ハリウッドのVFX工房に勤めたのでした。それを読んで「たとえ墨氏さんが特撮現場に就いたとしても、彼と同じ境遇になっていたんだろうな」と実感しました。墨氏さんの様な方が特撮を変えようとしても結局は上からの圧力でお払い箱になるのがオチな気がします。円谷さんの書籍でも、円谷さんが「本当はこういうカットを撮りたかったけどスケジュールの都合で実現できなかった」とか「特撮シーンを見て『ああ、このカットは失敗だ!!』と後悔したカットが結構ありまして、取り直せなかったのが未だに未練が残ります」と心境を吐露する発言がありました。円谷さんの時からこんな状態だったんですね。

日本特撮の閉鎖性はやはり根が深いと感じました。

投稿: ドリカン | 2013年5月23日 (木) 14時51分

ドリカンさん。引き続きありがとうございます。
仰るように若い才能のある映画人が日本の現場から愛想つかしてハリウッドで活躍するという例はあるようですね。
日本の特撮現場ではミニチュア担当、証明担当、撮影担当などのナワバリ意識が強く、違う部門に意見を述べると怒鳴られることもあるそうで、そういう特撮を良くしていこうという雰囲気が欠けているかもしれません。
三浦さんのエベレスト登頂は元気づけられました。ドリカンさんのお誘いとともに、この年齢でも考えさせられます。機会があったら特撮現場で意見を言えるような体験をしてみたいですね。
円谷さんのそのエピソードは納得できますね。彼の映像には本人も認めるNGで処理されるべきカットがかなり採用されてしまっているように思います。それには田中友幸さんが口を挟んでいるようにも私は感じています。
それはゴジラから早速見られますね。
昨年の秋ごろからゴジラの記事を書こうとしているのですが、なかなか書き出せません。近々upします。

投稿: アラン・墨 | 2013年5月24日 (金) 10時07分

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