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カルメン故郷に帰る

邦画メモ、NO,85、NHKBS

1951年、松竹、カラー、スタンダード、86分、デジタルリマスター版

監督・脚本- 木下恵介、 撮影- 楠田浩之、 音楽- 木下忠司、黛敏郎

出演- 高峰秀子、小林トシ子、坂本武、佐野周二、井川邦子、笠智衆、見明凡太郎、佐田啓二、望月美恵子、三井弘次・・・

・・・佐田啓二と佐原健二、両氏の芸名は佐野周二から漢字を二ついただいたことをご存知か。

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 以前、テープに録画したものを二回ほど観ていたが、リマスター版を初めて観た。赤がすごく映える。ピーカン空で銀レフをガンガンに向けられた俳優さんが眩しそう。カラーフィルムの感度は現在なら400くらいで、昭和30年代でも映画用は50くらいあったと聞いたことがあるが、この映画ではたしか10程度だったと記憶している。これは現在のカメラで丁度レンズを32くらいに絞った状態での撮影に近いのではないか。

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 新しい手法を試していく木下監督の作品としては外してしまった作品だと思う。喜劇として観るならば、どうもスベッているような気がしてならない。例えば、運動会で素人の音楽バンドが「ズンチャカ・ドンドン」と外した音を演奏し、しだいにテンポが早くなっていくシーンなどは、監督は「笑うシーンでしょう?」と思っているつもりだろうが、芝居がオーバーな上に長くシツコイので笑うといっても苦笑の方になってしまう。

  また、高峰秀子も四肢を露わにすると、典型的な正座に慣れた日本人女性の体つきで、足などプローポーションが良くなく・・・・天国のデコちゃん、すみません・・・・高峰ファンもちょっとガッカリさせられたかもしれない。スタイルの良さでは元ダンサーの相棒、小林トシ子に軍配が上がる。

 音楽では、佐野周二が歌う陰気な短調の唄は木下忠司だが、ワザと素人くさい曲にしたのは佐野の演じる視力を亡くした人物がアマチュアだからだろう。初見したときは、オープニングタイトルで清水こんの愉快なイラストをバックにこの陰気な歌が流れていて、喜劇なのにどうしてこんな暗い音楽でスタートするのだろうと、これから観るのが不安な気持ちになったものだが、今回はイラストとの対比が面白いと思った。

 シューベルトの名曲が随所で挟まれるが、アレンジは黛敏郎かもしれない。

 父親役の坂本武のナマリが気になった。浅間山周辺の人々は「がまんするしかねーだ」なんて言葉使いなのだろうか。当時の映画では、全国のどの地方でも農民などはこういう喋り方がステレオタイプになっていて、…例えば「七人の侍」の農民たちなども・・・ これは地方に住んでいる人々にとっては感じが悪い。それどころか、外国映画の貧しい黒人などもこんな字幕・フキカエだったので、脚本家は取材不足だし、字幕担当者の品位を疑う。

 最近、「二十四の瞳」、「遠い雲」、そしてこの映画と木下作品を続けて観たが、どの作品にも高峰を除き井川邦子と小林トシ子が出演しているのに気が付き、この二人の女優の顔を覚えた。木下組の役者さんである。

 この映画の白黒テーク版はブルーレイを購入すると特典として付いてくる。こちらのほうが演技の出来が良いということなので、観てみたいものだが、どうしようかな。買おうかな。

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受信: 2013年1月14日 (月) 09時54分

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