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お嬢さん乾杯!

邦画メモ、NO、81、NHKBS

1949年、松竹、白黒、スタンダード、89分

脚本-新藤兼人、 監督- 木下恵介、 撮影- 楠田浩之、 音楽- 木下忠司

出演- 佐野周二、原節子、佐田啓二、村瀬幸子、東山千栄子、坂本武、永田靖、青山杉作

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 アー面白かった。今年観た邦画では今のところ一番の作品。

 最初から自分は佐野周二は原節子に振られるだろうと予想していたが、そこは私のような映画ドシロウトが考える展開であって、さすが新藤兼人の脚本は一捻りしてある。

 山本監督が解説していたとおり、木下監督は只者ではなかった。

 コップに残ったビールの泡のカットの表現など、山本監督に言われてしまったが、他にも佐野が原からの交際承諾の電話を受けるところも、サスガと思った。

そのシーンというのは・・・

movie アパートの管理人が佐野を呼び出す代表電話に応対する。管理人は佐野は部屋にいるだろうから、彼の部屋の電話に繋ぐという。

movie カメラは受話器を置いた管理人を写したアパートの一階からカットせず、クレーンを使って次第に上の階段へと移動する。

movie 一旦カメラは佐野の居る部屋の階の踊り場で上昇を停止、次に廊下を左に横移動。

movie 佐野の部屋がある奥行の廊下でカメラは停止し、数秒間待機する。

movie 佐野が部屋からドアを蹴散らして「やったー!!」と大喜びで飛び出してくる。

・・・ この電話の内容がどんなものだったかを、ノーカットのカメラワークで描写しているのだ。

 これがもし、私などやボンクラ監督が演出したとすると、管理人のアップから部屋の佐野に繋いでしまい、電話を受けた佐野のアップで「えー?、又お会いしたいってー?、ヤッター」というセリフを言わせて終わりである。いかに木下演出が粋で優れているかがこのシーンで分かる。

 黒澤「八月の狂詩曲」に主演していたバッちゃん、村瀬幸子がバーのマダムとして出演、ウマイねこの人。終盤、彼女が原節子に説教するところなど映画で重要な役目をこなしている。

 没落した斜陽族の令嬢、原節子が「ファンタジー・アン・・アンプロムチュ」、ショパンの幻想即興曲を弾くところなど、元々このショパンの出版されなかった遺作曲がデカダンな雰囲気を持っているので、彼女一家の実情にマッチしている。

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↓映画で使われるワイプが面白かった。

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↑このワイプの他に縦2分割で上下に閉じるものもあった。

あ、せっかくの原さんの顔を切ってしまった。お詫びに・・・

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 ふつくしい・・・・おなか空いてる?

 

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コメント

こんばんは。楽しまれたようで何よりです^^

この映画作品ではアパートの外側から移動撮影したようですけど、切り替えなしの長回しのカメラワーク、と言うと以前こちらでも触れていた(と言うかこちらでその内容を知った)例の「フレンジー」を思い出してしまいました。

カット割りも勿論作品の質を左右する重要な編集作業には違いありませんが、このようにライブ感覚、臨場感を引き出す演出も監督の腕の見せ所ですよね。性急に過ぎず、間延びせず。テンポの按配を常に念頭に置いておく。

どちらにしても登場人物の心理描写に巧妙に繋げていく場面構成が肝心と言えるのでしょうか。

原節子、ホントに綺麗ですね。円らな瞳に彫りの深い顔立ち、色白な素肌はまるで欧米のモデルのようです。このような素敵な方から交際を承諾されたら、佐野周二でなくとも「ヤッター!」と喜び勇んで部屋から飛び出すでしょう。なるほど確かに名場面です^^

投稿: ワン | 2012年9月30日 (日) 22時23分

ワンさん。こんばんは。
そうですね。「フレンジー」を連想しますね。
もしステディカムが当時あったら、絶対、両監督も使っていたでしょう。

カメラが動いて止まり、「やったー」と喜んで飛び出してくるところは、サスペンスやホラーなどでも使えます。犯人が刃物をつかんで出てくるシーンでもいいですね。殺すカットは見せなくてもいいんです。

原節子さんはロシアの血が入っているそうですね。この人の前にも後にも該当者がいない稀有な美人ですな。

投稿: アラン・墨 | 2012年10月 1日 (月) 21時55分

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