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2012年2月

・・山本五十六・・・

邦画メモ、NO,74、シアター

2011年、東映、140分

監督- 成島出、 撮影- 柴主高秀、 音楽- 岩代太郎、

VFX監督- 鹿住朗主、 VFXプロデューサー- 浅野秀二

出演- 役所広司、玉木宏、柄本明、柳葉敏朗、阿部寛・・・

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 山本五十六は、今まで大河内伝次郎、三船敏郎、山村聰、が演じたものを観てきたが、長身の役所広司では実際の本人像からちょっと離れているように感じた。山本五十六の写真や敬礼している実写動画を記憶しているが、役者さんで言えば、殿山泰司が身長・体格、顔が最も山本に似ていると思う。といって、殿山さんが健在だとしても、山本を演じてもらうのはチョイと無理があるが。

 この映画は戦争映画ではなく、山本五十六という人物の映画である。したがって戦闘シーンなどの描写は淡々としている。特撮も一定のレベルであるが、なにか薄味である。

 山本の家庭の描写や、彼が甘党であるという、彼を一市民として扱ったエピソードは過去の映画には無かったもので、山本を軍神として奉りあげようとした当時の人に見せてやりたい。

 VFXと一部ミニチュアを使った特撮は標準的だが、相変わらず物理センスに欠けている部分がある。

 ゼロ戦などプロペラ飛行機の速度が速すぎるのだ。特にゼロ戦が空母から発艦するカットは、まるでゼロ戦をジェット戦闘機にしてしまっている。ゼロ戦の離陸は、対空母速度では時速100キロほどで空中に浮き上がってしまうので、あんなに速い速度は出さない。このシーンは当時の実写映像があるので、参考にして是非リアリズムでやっていただきたい。プロペラ航空機はゆっくり飛行している姿がカッコイイのである。

 地上の飛行場から離陸するカットは良い。

 真珠湾での魚雷投下も速過ぎる。速すぎるが為にアニメに見えてしまった。

 山本を乗せた一式陸上攻機を護衛するゼロ戦が、戦闘態勢に入るため落下増槽を落すシーンは素晴らしい。回転しながら落ちるタンクは実写そのもの。一式陸上攻機が被弾炎上するシーンでは、大型のミニチュアを使った特撮とVFXの特撮の混合になっているが、ミニチュアの火炎とVFXの火炎が一致していない。ちょっと惜しいシーン。

 予告にもある戦艦長門が洋上を手前に進むカットは、映画を観る前のスチル写真では、VFX映像にしてはあまりにも太陽光線の当たり具合と波の動きが自然なので、大型ミニチュアを実際の海で動かし撮影したのではと推測したが、精巧なミニチュアの制作費用が掛かる割りには短いカットでなので、ひょっとしてこういう方法で撮影したのかもしれない。

 つまり、5メートル程度の小船を利用し、喫水線下のみを長門に似せて改造、甲板から上は合成用のブルーシートを、おおまかな長門の形で小船を組み上げ、海上で進ませ撮影。後はスタジオで長門の甲板上CG映像をブルーシート上にはめ込むという方法。

 ま、実際はどうか分からないが、これがすべてCG映像ならばミニチュア特撮にみせかけたVFXということで完全に一本獲られた映像と言える。尚、長門や大和が停泊しているカットは100パーセントVFX映像だと思う。

 荒れた海上を進みながら航空機が発艦している空母・赤城のロングショットもVFXだが、実写感が、まるで当時の記録フィルムのようで素晴らしい。ここはもう脱帽。

 役所による山本の殉死シーンは、過去に東宝で三船敏郎の演じたシーンと、撮影アングル・微動だにしない山本の演出などがほぼ同じ二番煎じで、ちょっとがっかりした。

 山本五十六の死亡原因は、飛行中、機銃弾がコメカミから顎に貫通したためという説があるが、もし、襲って来たロッキードP-38が武装しているブローニング12.7ミリ弾か20ミリ弾が山本の頭部に当たったとすれば、貫通するどころか彼の頭全体か上半身が消滅したはずであり、弾の貫通説は疑わしい。これが、20ミリ炸裂弾の破片が貫通したとすれば納得出来るのであるが。

 別の一説では、山本は不時着時にも死亡しておらず、恐らく内臓破裂などを被るも、数日間は在命していたという。原作の半藤氏もこの情報は得ているはずで、自分はこの映画では、チラッとそういう展開になることを期待したが、戦中・戦後・現在と、日本人というものは、軍人とはカッコイイ死に方をするべきものと思っているようだ。

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愛染かつら・総集編

邦画メモ、NO,73、NHKBS

1938年、松竹、スタンダード、白黒、89分

監督- 野村浩将、音楽- 万条目正、原作- 川口松太郎

出演- 田中絹代、上原謙、吉川満子、桑野通子、佐分利信、岡村文子、河村黎吉

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 四部作品を一本に集約したものなので、説明不足は否めない。特に田中と上原が駅ですれ違うシーンまでのいきさつが分からない。田中と上原は京都に婚前旅行に行く気だったのだろうか。上原は病院を無断欠勤しているが、駆け落ちというわけでもあるまい。田中も一人娘を家に置いていることだし。これは4部作全部観ている人なら、このダイジェスト版でも納得のシーンなのだろう。

 映画を見ていて気が付いたこと。手塚治虫の描く美人というのは、ひょっとして田中絹代がモデルではないだろうか。私は下のカットでそう確信してしまった。

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 また、彼女が涙をためている麗しき瞳の反射光は、後の少女マンガで描かれるとおりである。

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 婦長さんを演じた岡本文子にインパクトがある。病院がつぶれるというのに相変わらず表情一つ変えず看護婦(当時のままの言葉で失礼)たちに威勢のいい号令をかけている。

 この女優さんは、PTAの集まりで教師に詰め寄る豪傑オバハンとか、亭主に煙たがれる社長夫人とかが多いが、清水宏監督「風の中の子供」では現実的ながらも暖かく子供を見守っている叔母さんを演じた。名バイプレイヤーである。

 桑野通子がまた、粋なインテリモダンガールを演じている。役柄としては洋装が似合う知的な女性が多いのかもしれない。この人のちょっと口を開いた表情が艶っぽい。

 この有名な映画の大体の概要が分かった。いままで、なんで看護婦姿の田中と上原があんな場所の木の傍で会話しているのか、ずっとナゾであった。

 かつ枝はアマチュア音楽家でもあったが、家にピアノがあるのには驚いた。当時はアップライトピアノでも家一軒が買えるほどのシロモノだったはずだ。これは当時の婦女子・・・これも現在では不適切な言い方だが・・・も「あっ」と驚いただろう。

 彼女の部屋の壁にマリーネ・ディートリヒの写真が貼ってあった。

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 ↑ ピアノの上に水を入れた花瓶を置いてはいけない。もし倒れて水がこぼれたら、内部に浸み込んで木製のアクションやハンマーのフエルトがダメになってしまう。金属部品も錆びる。

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チョコへの夢叶う

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 子供のころ買えたくとも買えなかったチョコレートを4つ買ってきて、永年の夢を果たした。ただし、バッカスチョコレートだけは単独で買って食べたことはあるが、ほしかったものをすべて4つそろえたのは初めてのこと。

 買えなかったというのは、毎日10円の小遣いでは買えなかったということで、それじゃ貯金すればよいではないかと言われれば、その通りだけれど、要するに何日も待つという堪え性が自分には無かったためである。

 当時、10円で買えるチョコというと、フルタのチューブに入ったソフトタイプのものか、後で発売されたチロルであるが、このチロルはチョコというよりも99パーセント、歯にくっついてしまうキャラメルのようなヌガーであって、子供心にもこれがチョコレートと言えるものかと思った。このチロルは最近の「週間文春」に掲載されているヤツで、現在発売されているチッコイものではない。

 不二家のパラソルチョコレートは20円であったが、チョコの量が少ないので買って食べたいとは思わなかった。20円ではカバヤのものだったか、不二家のルックを小型にしたような5食味のチョコがあり、これはおいしいと思った。たぶんお年玉で買ったのかもしれない。

 明治製菓のマーブルは30円だったので、ここから買って食べた記憶がない。あの丸いカラフルなやつを猛烈に食べたかったという記憶だけがある。これは「鉄腕アトム」のCMで、頭のヘアスタイルがソフトクリームみたいな上原ゆかりが宣伝していたので、インパクトがあった。友達の家に遊びに行くと、部屋の窓ガラスにオマケで付いてきたアトムやウランのシールが貼り付けてあり、うらやましかったものである。当時は、菓子のオマケで付いてくるアニメキャラのシールやワッペンが大流行していた。昭和40年ころである。

 不二家のルックのCMでは、記憶違いかもしれないが、たしか広田三枝子が踊っていたような気がする。後のレナウンのCMのようなサイケな映像だった。フルーツチョコの味とはどんなものかと憧れた。この箱入りチョコから値段は50円クラスになる。私のお年玉はこのくらいであったが、やっぱり買って食べたという記憶がない。

 ロッテのバッカスも九重ゆみ子のCMが強力に印象に残っている。箱のイラストにあるコニャックを蒸留する様子をアニメで見せ、半分にカットされたチョコからはとろけた洋酒が垂れて来て、ほんとうにおいしそうだった。洋酒への淡い憧れもあった。九重ゆみ子さんはガーナチョコのCMもやっていた。角笛を「ポッポポー」と吹いていた。

 アポロはずっと後のことで、1回食べた記憶がある。ずいぶんと美味しかった。発売されたときは月ロケットのアポロ指令船のデザインを安直に真似たなと感じたのだが、どうやらこれは誤解らしい。アポロ計画のロケットとは関係ないと後で知った。

 念願のチョコを4つ揃えたところで、もはやクソ親爺になった自分ではボリボリと喰らう気が起きない。ただ、ひもじかった当時の自分に届けてやりたい。

 

 

 

 

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土地売却・測量振り込め詐欺にご注意

 こういう振り込め詐欺があるとは知らなかった。

 我が家には、母親所有の土地が岐阜県にあるのだが、それは借金返済の代わりに貰った、山の麓の原野といってもよい場所であり、一応道路には面しているが、猫の額よりは大きいゴジラの額くらいの、たいしたことのない荒地である。

 その荒地を買いたいという業者の電話が1ヶ月ほど前にあった。

 「アセ〇ト」という会社名を名乗るのだが、住所は分からなかった。後で聞いた電話番号では東京の会社らしい。電話相手の営業マンはたいそう若い感じで、時々ドモッたり、敬語を使わなかったり、要するに会社員としてのマナー、顧客応対の資質に欠けていた。

 その営業マン曰く、

 「あなたの家で所有している土地を買いたいという会社がある。電線を架設するためである。名〇屋不動産から話が来ている。600万円位で売れる」・・・

 その時点では自分は疑わなかった。その営業マンのマナーは良くないが、新人ならばそういうこともあるだろう。あの荒地が600万で売れるのなら、そんな結構なことはないと思った。それで、正式な見積書を自宅に送れと頼んだ。ただ、なぜ名〇屋不動産から直接話しが来ないのか、ちょっと不審に思った。その不動産屋に問い合わせる手もあるが、まあ、こういうことには、いくつかの会社が介添えして進むものかなと漠然と了解してしまった。

 それから2週間。見積書は送られてこなかった。それで改めてこちらからアセ〇トに電話すると、電話を受けた相手の人物・・・やはり若造・・・は、何回訊ねても会社名をいっさい名乗らず、担当者が外出中なので、改めて電話すると言う。自分の会社名を名乗らないとは、なんてフザケタ会社であろうと怒ったが、ここで自分は20パーセント怪しいというフラグが立った。

 後に電話してきた吉川という名の、若くトッポイ担当者はこうぬかした。

 「見積もりは送ったのですが、届いていませんでしたか。あて先不明で戻って来ているかもしれません。改めてお送りしますが、その前に、荒れた土地ですので、樹木を伐採し、整理し、測量をしなければなりません。あのままでは土地を安く買われてしまいます。その管理費が40万円要ります。今日・明日中にエ〇・メディア・インターナショナルという会社の口座に振り込んでください。口座番号は何々、口座名はパジ〇投資有限会社です。もし、見積もりが気に入らなければ振り込んだ金額はお返しします」。

 ↑赤字は相手が喋ったそのまま。 

 この時点で、私のフラグは90パーセント立った。これは振り込め詐欺である。どこの世界に契約書も無く、電話一本の話でハイそうですかと大金を振り込むバカが居ようか。

 試しに、そのエスなんとかという会社に電話・・・なかなか出ない・・・すると、ようやく木村という担当者が電話に出てきた。「アー・アー、ソウデシタネ・・・ハイハイ・・」、とこれまたいい加減な対応。その声、話しぶりはア〇ットの吉川と同じであった。私は耳が良い。同一人物であると断定した。これで100パーセント振り込め詐欺のフラグが立った。

 翌日の午前11時ごろ、振込みの催促であろう、アセ〇トからの電話が携帯に掛かってきたが無視した。以後、電話はない。

 大金を振り込むバカ・・・と被害に遭われた方には失礼な表現であったが、身内の事故を装った詐欺に遭うよりは、この手の振り込め詐欺は緊急性が無く、ずっと冷静になれるので、私の体験を元に、ぜひ気をつけていただきたい。

 注意点は、

 1、これは振り込め詐欺共通事項だろうが、電話相手がトッポイ(軽薄そうな、という意味で使っています)若造であること。

 2、その電話の話し方、会話マナーが会社員・営業マンとしてナッていないこと。

 3、会社住所を自らスラスラと答えない。

 4、他の有名な会社を引き合いに出し、信用させる。

 5、電話をその会社にかけても、なかなか出ない。出るのに時間がかかる。しっかりとした会社ならベル音5回以内に出るはず。

と、いったところだろうか。

 

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アシモくらいに走れる

 もう10年以上も前になるが、ホンダのアシモの出現には驚いたものである。

 私が中学・高校生のころは、早稲田大学が2足歩行ロボット研究の最先端を行っていて、そこで開発中のワボットと呼ばれる下半身だけの複雑にワイヤーが絡み合ったロボットが、ナマケモノのようにゆっくりと大腿と足の関節を動かし、今にもぶっ倒れそうに、かろうじてジワジワ歩いているのを、NHKの「みんなの科学」で観たものである。

 それを見た当時の私は、あのぶんじゃ鉄腕アトムのようにスタコラ歩く2足歩行ロボットは、50年は経たないと現れないだろうと感じたものだった。

 あれから30年。アシモの登場にはぶっ飛んでしまった。スタコラ歩くどころか、階段までスイスイ昇り降りしていた。私の予想より20年早く現れてしまった。それも一企業のホンダ製である。オイオイ、早稲田大学のワボットは今までどうしていたんだ。・・・

 アシモ発表以来、ロボットに対する興味が失われた。あれだけできればもう結構。それに益々改良され、人間の動きに近くなっていくことは間違いない。だからもうこれでいいのである。今後の予想がつく。私のロボットへの夢はアシモで終わった。

 去年の9月に右足を骨折した私は、その後順調に回復、週に一回の通院によるリハビリで、3ヶ月後の12月中旬には、松葉杖なしで、そのアシモのように歩けるようになった。ただし、その時点では、骨折した2箇所のあたりは全く痛くないのに、骨折箇所より離れた足の裏や側面・中心に傷みを感じ、かかとで地面を強く蹴って歩けず、ほんとうにアシモの扁平足歩行のようにペタペタと歩いた。

 どうして骨折箇所より関係のない所が痛いのか、リハビリ氏に訊ねたら、骨折箇所を他の筋肉がかばって補っているからだという。それが無理をしているから痛いらしい。

 その痛みも、ようやく2月になって解消してきた。だいぶアシモの扁平足歩きのようでなくなった。ただし、ちょっと走ると完全にアシモである。痛みはないけれど、まだ体が右足をかばっている。両手を前に直角に折り曲げて、ヒョコ・ヒョコ走る。

 リハビリルームで、走る自分を横の鏡でチョイ見すると、新型アシモの走りにそっくりで笑ってしまう。ホンダには悪いけれど、あの走り方は何度見ても笑顔になる。これはバカにしている笑いではなく、健気でカワイイという笑いである。但し、アシモ走りの自分の姿はカワイクもなく不器量。

 新型アシモのように右足ジャンプはまだ出来ないが、リハビリは今月で終わるかもしれない。

 

 

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アマ無線の何が面白いのか

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 アマチュア無線家でもあったタモリが、「笑っていいとも」のゲストにアマチュア無線の解説をしたことがある。アマ無線の存在そのものを知らなかったゲスト曰く、「なにそれ、どういうこと?。携帯やネットがあるじゃん。何が面白いの?」・・・

 ま、これが現在のワケーやつらのアマ無線に対する認識であろう。 が、実は自分もアマ無線の何処が面白いのか、いつも自問自答しながら、もう数十年もこの趣味を続けてきた。

 で、自問に対する最終的な自分の答えというのが、・・・「太陽活動や気象に伴う、不安定かつ、突発的に発生する電離層や大気の逆転層の反射、あるいは山岳反射による不確定な電波信号を利用して、世界や国内の不特定な個人と偶然、コンタクトできる楽しみ」ということになる。

 電話やネットというのは、確実に間違いなくコンタクトが出来る。これは趣味というより実務的である。しかし、アマ無線は不確定で偶然性があり、ここが面白いのだ。

 ということで、私のアマ無線のやり方というのは、ひたすら無線機の受信ダイヤルを廻して、偶然聴こえた無線局と交信するという方法である。自分からCQCQと発信することは、めったにやらない。

 一期一会(ボキャブラリーの乏しい人間が良く使う四字熟語)の偶然の出会いでなければならないから、ネットで、何時何時・何処何処で電波を発射すると公開された無線局との交信には全く興味がない。だから、そういう情報をわざわざネットから得てまで、交信することをしない。

 また、多数の無線局から蜂の巣をつついたように呼び出しを受けている無線局への呼び出しに自分も参加しない。行列に並んで待つのが大嫌いである。

 すべての国やエリアの人と交信すると、申請によって賞状が得られるが、これも私の趣味ではない。たまたま送られてきた無線交信証を数えたら、賞状をもらえる状態になっていた。・・・これだけで良い。

 これは自分の趣味の問題なので、誰かから、「それではアマ無線の面白さを100パーセント享受していないな」と説教されても「どうぞ、おかまいなく」と答えるしかない。

 無線室の写真の壁に5B4KHという、めったに聴こえない地中海のキプロス島無線局から届いたカードを貼っている。この局と偶然交信できたときは嬉しかった。それも蜂の巣状態・・・(無線用語でパイルアップという)・・・ではなかった。こういう交信が一番楽しい。

 ちなみにキプロスは英語で「サァイプラス」と発音する。無線をやっていると、耳から英語を覚えられるというメリットもある。

 

 

 

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カサンドラ・クロス

洋画メモ、NO,107、BS朝日?

1976年、イタリア・イギリス・西ドイツ、129分

原題- The Cassandra Crossing.

監督- ジョルジ・パン・コストマス、撮影- エンニオ・ヴァルニエッリ、音楽- ジェリー・ゴールドスミス

出演- ソフィア・ローレン、リチャード・ハリス、イングリット・チューリン、バート・ランカスター、エヴァ・ガードナー、・・・

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 カサンドラ・クロスって、サザン・クロスのように、ずーっと星の形の一つだと思っていた。要するに列車の名前がカサンドラ・クロス号だと。クロスと原題のクロッスィングではニュアンスが違いますがな。 

 面白かったけれど、やっぱり129分の作品を、CM付きの2時間放送というズタズタカットで観たのでは素直に評価できない。

 冒頭のヘリ空撮が素晴らしい。もう既にこの頃、カメラの振動を抑えるメカが完成されていたらしい。実に映像が滑らか。ああいう空撮はキューブリックの「シャイニング」が初めてだと思っていたが。

 この映画は今までさんざんTV放映されていたけれど、観たのは初めて。というのも、私が軍隊に取られていた3年間の間に撮影・公開された映画であり、丁度あの時期の作品ということで、嫌な軍隊生活を思い出しまいと観るのを避けていたからだ。尚、軍隊とは私の通っていたクソ高校のことをいう。あの頃、教室でこの映画が話題になっていたものだ。

 それを今回あえて観たのは、吹き替えなしの字幕スーパーだったのと、デジタル放送ゆえ、画質が鮮明になったためである。

 字幕スーパーで観てよかった。ソフィア・ローレンの喋る英語が、イタリアなまりのない端正な発音だと分かったからだ。 彼女が喋っている唇を観察したが、声と寸分たがわず一致していた。私は別人の吹き替えではなく本人の声だと見た。もし吹き替えだとしたら、その声優さんは天才である。

 ヘリで、感染した犯人と犬を、動く列車から吊り上げるというスリリングなシーンで疑問を感じた。停車できない理由というは、病原菌に感染した恐れのある乗客が、停まった列車から出てしまうからだという。まるで乗客全員をマナーのない民度の低い人物として決め付けてしまっている。脚本で、列車に乗り間違えた何人かのチンピラ風情を乗せ、今にも列車から逃げ出しそうなトラブルを起こさせればよい。

 列車内の描写は、窓外の景色がプロジェクションによるスタジオ撮影だが、やはり実際の走る列車内で撮影すれば、もっと迫力が出ただろう。黒澤「天国と地獄」の列車内シーンのように。

 列車の鉄橋転落シーンはミニチュア特撮。オープン撮影により、そこそこの本モノに見える特撮となっている。ただ、ちょっとハイスピート撮影の回転が遅い。そのため列車の落下速度が速く見え、少しオモチャッぽくなってしまった。

 列車のミニチュアは、バラバラに壊れやすく作られていれば、もっとリアルな落下崩壊シーンになっただろう。実物というのは、ミニチュアモデルより柔でグニャグニャしているものだ。

 鉄橋の崩壊シーンのハイスピート撮影はドン・ピシャリである。ただ、波しぶきが残念なことになっている。これは水を扱うミニチュア撮影では、どうしても付いて廻る問題なのだが、スピルバーグ「1941」で観覧車が海に落下したときのように、火薬の水中爆破による水しぶき効果を追加するという手もある。

 これは無線愛好家だけにしか分からない、どうでもいいこと。ジェネーブの事務所内のコンソールにヤエスの無線機・FT-200がはめ込んであった。

 あの事務所の機器類のデザインもちょっとウソくさいなー。

 

 

 

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