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狂った果実

狂った果実 [DVD] DVD 狂った果実 [DVD]

販売元:日活
発売日:2002/09/27
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邦画メモ、NO,69、NHKBS

1956年、日活、スタンダード、白黒、87分

監督- 中平康、撮影- 峰重義、音楽- 佐藤勝、武満徹

出演- 石原裕次郎、津川雅彦、北原三枝、岡田真澄・・

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 かなり以前にビデオテープで録画したものを観たときは、オープニングのフテクサれた顔した津川雅彦とリアプロジェクション映像とのマッチングが悪く、観る気がしなくなって、ビデオの再生を止め、その後ズッーと捨て置いていたものだ。

 モーターボートを操縦しているのに、津川雅彦の体は揺れもせず、微動だにもせず、そのままつっ立ったままなのがヘンだと感じて、まあ演出でも技術でも日活の映画というのは、こんなもんであろうという偏見があった。

 しかし、今回、ディスクに録画したものを終わりまで鑑賞してみると、中平監督のこの作品が、制作された1956年より少なくとも10年は先取りした映画であるような印象を受けた。

 解説の山本晋也氏に言われてしまったが、スクリーンいっぱいの顔のドアップによる短い会話の切り替えしには、ちょっと驚いた。また、彼等の演技の拙さと、何を言っているのか分からない早口のセリフ回しにも、あれで映画が成立するものだろうかとビックリした。ただし、北原三枝さんはウマかった。

 ヘリコプターによる追っかけ・空撮、ホパリング空撮も1956年当時の映画としては斬新だと思う。1950年代の映画でこういうシーンは自分の記憶にあまりない。

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  また、スチルにしても面白い映像がいくつかあった。

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↑小津映画だったらラジオの代わりに一升瓶が立っている。

 尚、山本晋也氏はトランジスタラジオだと語っているが、1956年当時にはまだこのような手提げ式の大型のものは製品化されていない。あれはバッテリー駆動の真空管式ポータブルラジオ。

(追記:1955年にソニーよりトランジスタラジオTR-55が発売された)

 まあ、金持ちの放蕩息子たちの映画で、同じ時代、「にあんちゃん」は栄養失調の妹を抱え、借りた一升の米代の工面に困っているときに、モーターボートと水上スキー、オープンカーを乗廻し、ナイトクラブ詣でを繰り返している彼らには全く同調できないのだが、津川のラストの行動は、その馬鹿息子どもをブッ飛ばしてしまったような、ある種、爽快な気分にさせてくれた。

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↑裕次郎にブットばされた現・東京都知事。

 この人の口癖は「バカなことやってんじゃない・・」、「バカなこと言ってるんじゃない・・」だ。

 まったく馬鹿な顔してスッコロンでいる。 

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コメント

コメントありがとうございました。
TBさせて頂いた中で、コメント返しをさせて頂きました。

当時のラジオについて、よくご存知ですね。
仰る通りで、私もMT管の5球スーパー・ヘテロダイン・ポータブルを自作して、楽しんでいました。
球の名前も忘れましたが、確か、高周波増幅球は、6E53といったかもしれません。
バッテリーは、B電池は67Vぐらいで、A電池は1.5Vか、3Vだったと思います。
懐かしさのあまり、一言、多くなってしまいました。
ごめんなさい。

投稿: アスカパパ | 2011年11月20日 (日) 16時54分

追伸コメントです。
6E53は完全な間違いで、6BE6だったかもしれないと思って、訂正に参りました。でも、これも定かではありません(汗)
6は6ボルトを意味していたと思いますので、そうするとA電池は、6ボルトだったのかなぁ?。
いい加減なことを書きまして、誠に申し訳ありませんでした。

投稿: アスカパパ | 2011年11月20日 (日) 18時29分

アスカパパさん。こんばんは。
映画の中の彼等と同世代のアスカパパさんでも、彼等の行動には抵抗をお感じになられたようですね。

真空管式ポータブルラジオを自作されたのですか。かなりの技術をお持ちです。
私もキットで再生式・真空管ラジオを組み立てましたが、B電池は40ボルトでヒーター電池は1.5ボルトでした。
スーパーは、とうとう作る機会がありませんでした。
6BE6は現在でも5球スーパーのキットに使われていますが、B電圧は、たしか170ボルト位、ヒーターは6ボルトで動きますので、電池では使えません。

ああ、私はあの当時に戻って真空管の電子工作をやりたいです。現在のチップ部品やICなんてつまらないです。

投稿: アラン・墨 | 2011年11月20日 (日) 20時42分

内容は置いといてsmile 撮影技術は高いように感じました。お洒落なシーンもチラホラありましたしね。ただ、裕次郎さんの、かつ舌が・・・。北原さんと岡田真澄さんの台詞は聞き取れたので、録音技術のせいだけではないような気がします。困った兄弟ですね。

投稿: マーちゃん | 2012年2月15日 (水) 19時20分

そうそう。素敵な北原さんとカッコイイ岡田さんはちゃんとセリフが聴こえました。
裕次郎さんは全く演技の訓練をしていないので、あんなものでしょう。映画に出られたのは慎太郎のご加護です。それに彼は歯並びが悪いですね。ニューフェイスのオーディションを受けたら絶対、落とされます。
おっと、ファンに殺されそうなことを言ってしまいました。

投稿: アラン・墨 | 2012年2月16日 (木) 16時21分

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 ボクシング、ダンス、ヨット、麻雀、果ては肉体折衝、人生全て遊びである。彼ら彼女らには、何の建設的な意志も、健康的な雰囲気もない。退廃的で不健康。主人公は最後に死んだ女の写真に香鉢を投げつけ、大人達に「あんた達は何も判らないんだ」と捨てセリフを残す。  アプレゲ...... [続きを読む]

受信: 2011年11月20日 (日) 16時57分

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