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風の中の子供

邦画メモ、NO,66、NHKBS

1937年、松竹、白黒、スタンダード、87分

監督- 清水宏、撮影- 斎藤正夫、音楽- 伊藤宣二、

出演- 河村黎吉、吉川満子、坂本武、爆弾小僧、アメリカ小僧、突貫小僧、笠智衆

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↑次男・三平の1学期通知表。修身、国語、算数、歴史、地理、図画と続く。丙は体操だろうか。

 登場する子供たちは10歳未満のようだが、昭和20年ごろにはみんな志願して兵隊になったのだろうか。映画の中では彼等に軍国少年のかけらも感じられず、のびのびと普通の子供たちの遊びに興じている。それがいずれ、彼等がファンだったターザン、ジョニー・ワイズミューラーの国民を鬼畜と呼び、「撃ちてしやまん」を叫ぶ姿になるのかと思うと哀しい。

 戦争のキナ臭いものは感じなかったが、やっぱり当時の私服刑事や巡査が出てくると、問答無用にヒッパラレテいかれるようで嫌だった。

 河村黎吉は私の大好きな俳優さんで、ほんとうに自然でうまい演技をする人。壮年のころの彼を初めて見た。子供が大好きで物分りの良いインテリお父さんを好演。またお母さん、吉川満子も和服姿の良妻賢母を自然に演じている。

 二人の息子たちもお父さんが大好き。会社にお弁当を届けに行った次男は、オフィスで考え込む父親を心配する。固まったままの父親の煙草の灰を、指で落としてやるところなどは、ユーモアを伴った愛情を感じるシーン。

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 清水宏監督の作品を観るのは「ありがたうさん」に続いて2作目で、この人の演出法がなんとなく分かった。ただ、巷で聴くドキュメンタリータッチという言い方には抵抗を感じる。みんなしっかり演技しているし、カメラも演出されている。

 移動する台車にカメラを載せて、後ろ向き・前向きに撮影するシーンが2作品にたびたびある。監督はこの撮影方法が気に入っているようだ。

 当時のカメラのレンズがひどい。パンフォーカスのカットでは画面のほぼ右半分がボケボケ。少し寄りのレンズでは相変わらず、ぐるぐると渦を巻いている。玩具カメラのように単球レンズでもあるまいに。

 笠智衆は警察の受付巡査役で2カットほどセリフ付きで出演。制服姿が凛々しい。

 

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