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KLX125、隕石孔の調査に行く

原付2種ツーリングメモ

 今から30年ほど前、バイク雑誌「ヤングマシン」の担当記者は長野県の大滝村の林道をオフロードバイクで疾走中、ある場所で奇怪な池を発見した。

 おそらく記者は若干、理系の人物だったかもしれない。この池が極端に正確な円形を保っていることに彼は好奇心を抱いた。 さらに記者は林業が主体のこの地域で、農業用の人工溜池がこんな山奥にあることは不自然だと気が付いた。記者は隕石のクレーターに違いないと判断した。

 その顛末が「問題のアーナー(穴)」というタイトルで当時、早稲田大学の大槻教授まで巻き込んで「ヤングマシン」の記事として紹介されていたのだ。

 当時の学者先生の見解では、池をボーリング調査して隕石が衝突した際に出来る高温で融けたガラス質の石が発見されれば隕石クレーターに間違いないということだったが、状況判断としては、ほぼ隕石クレーターであろうという結論に至ったようだ。

 30年前、この記事を読んで以来、是非、当地に赴いて何千年前か何万年前かで起こった隕石の爆撃を想像したいとツーリング計画をしばしば温めたものだが、この地への私のイメージは、その後発生した当地での大地震以降、土砂崩れによる通行困難、通行止めゲートだらけの不毛地帯という思いがつきまとい、クレーター行きは頭の隅に追いやられてしまっていた。

 ところが最近、ネットで調べると、この池まではカーブミラーのある舗装された道路が整備されていることをが分かった。現場は白巣峠のすぐ手前というこれまた分かりやすい場所である。 

http://www.s-yamaga.jp/nanimono/uchu/shingahatanoike.htm

 永年の夢を実現すべく、行かずにおれりょか。過ぎ去った青春の血が騒ぐ。

 2011年5月15日、快晴、午前9時半出発

 王滝村へはクルマ、CB1100と過去2回来ているので道順は慣れたもの。

 丁度昼前にはダム湖の下の集落に着いてしまった。早めに昼食をと、以前入った牧尾ダムの下にあるそば屋を覗くとまだ準備中なのでそのまま通過。ダムの下の二股に分かれた道を左に向い、ダム湖沿いの素敵な道を爆走する。この道路は以前CBでも走ったが、ほんとうに気持ちがいい2車線の道。

 KLX125の速度は60キロほどだが、アイポイントが高いので速度感はクルマの40キロ位しかなく、余裕をもって走れる。つまりそれだけ景色が目に入りやすい。湖面のさざ波や新緑の木立を眺めながらゴキゲンに走れた。行き交うクルマやバイクはほとんど無い。

 10分ほどで御嶽山登山道路の麓にある集落に着くが、町内には一膳メシ屋のような食堂が一軒のみ。バイクを置けそうな場所も無く、パスして王滝川の上流へと走った。

 クレーターのある白巣峠の登り口まで舗装された1車線の道が続く。私の大好きな道。小さなコーナーをこなしていく楽しさは格別。左には王滝川の清流と湖に沈んでなお佇立している枯れ木が見える。

 20分ほどで滝越という小さな集落に到着。ここは林業に従事する人の住まいや臨時の宿などが10件ほどあるが、峠へと向う橋の手前には1件のバーベキューハウスがあった。地図では「水交園」となっている。丁度一組の客がいるようでいい匂いがしたが、昼間に一人でビールも無しで焼肉を食べる気にはならず、ここでの昼食もパス。

 ↓BBQハウスの後方、白巣峠に向う林道の橋。

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 ここからはクレーターのあるところまで、これまたゴキゲンな舗装路を上昇していく。道路の状態は簡易舗装より良い。ダートを予想してKLXにしたのだが、これならCB1100でも来れた。20分ほど走り、峠が近くなったところでカーブミラーが目印というあたりを過ぎると・・・左の林の中にあったあった「問題のアーナー」が。

 到着時間は12時丁度。走行距離は100キロ。思ったより早く到着した。

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↑案内板は何も無し。もったいない。

 これだけはっきりとマールイ形の隕石クレーターが観られるのは、日本でもここだけだろう。もっとアピールすべき。(追記:地元では伝説の池なのでそっとしておきたい意向らしい)

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 ↑道からはこのようにしか見えないので、クレーターを知らない人はまず気が付かないだろう。

 ↓カープミラーの下からは簡単な小道が作ってあり、結局ぐるりと湖面を廻ることができる。

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↑うーん。やはり見事なサークルを形成している。30年前の雑誌の写真では木立が無く、展望が良く開けてもっとマールク見えたものだ。

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 湖面は凛とした静けさが漂い、もし泳いだりしたら得たいの知れない何かに足を引きずりこまれそうな雰囲気がある。湖の直径は150メートルくらいだろうか。(追記:実際には直径50メートル) ちょっと向こう岸までの距離感がつかめない。

 湖を一周するにもなにか恐々した感じで落ち着かない。なにか湧き上がってきそうだ。

 資料によると今から何千年か前に直径2.5メートルの隕石が衝突したらしい。隕石というのは鉄を含むものなら相当重い。10トン位はあるだろう。10トン掛ける秒速10キロ(仮定)の速度の運動エネルギーが瞬時に熱エネルギーへと変わったのがこの現場。ちょっと理系の人はこういうことを考える。当時の人たちは衝撃音を聞いたのだろうか。もしこの場所から100メートル離れていても衝撃波で吹き飛ばされただろう。

 自分は今、時間がずれているだけで、空間は共有している。

 隕石の破片は数十メートル地下に眠っているかもしれない。

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 現場には20分いただろうか。このまま長居してはまずいようなものを感じた。

 スピルバーグの「宇宙戦争」に出てきた3本脚のロボットが埋まっていて、自分を感知し、人類を滅亡させる時がきたと目覚めさせてはマズイ。さっさとKLX125のエンジンをかけ、せっかく来たのだからついでにと白巣峠へと昇った。

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 峠はクレーターから10分程度で着く。岐阜県がわはダートで、すぐに通行止めのゲートが待ち構える。脇からはバイクでも抜け出せない。岐阜県側のダートも面白そうな道なのだが、この峠に限らずほとんどの峠より下りは通行禁止である。ギフケンはケチだね。

 クレーターからの下りでは7.8台の爆走ゴリラ軍団とすれ違った。あいつらハエーなー。たぶん黄色ナンバーだろう。結局、遅い昼飯は20号線、黒沢という場所のエネオス近くのそば屋でたいしてうまからぬ天重を食べたのであった。

 このあたり、スタンドは2軒、そば屋が2軒、コンビニなし、道の駅・ドライブイン無しなので、ツーリング計画の方はご留意を。

 帰宅は午後4時。走行210キロ、燃費45キロ・リッター。

 KLX125で初めての1dayツーリングであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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