« 「決死圏SOS宇宙船」の特撮、その3 | トップページ | 「フレンジー」のカメラトリック、その1 »

「決死圏SOS宇宙船」の特撮、その4

「2001年宇宙の旅」と比較してしまう。

 が、それは今回忘れよう。 私が高校生の時、この映画をテレビで観たが、キューブリックのその映画は未見であった。 

 宇宙空間の描写は当時の特撮レベルとしては上々ではないだろうか。 ドッペルゲンガー号が大気圏を抜けて宇宙空間に到達し、地球周回軌道で慣性飛行するシーンでは、バックの星が動いていない。 これは極めて正確な描写であって、実際に星がスイスイと後ろに流れて見えたのではオカシイのだ。キュープリック的リアリズムと言ってもよい。↓

Dscf0004_medium

 周回軌道上から見える、ゆっくり回転する地球の姿は球体の縁に大気の霞みも描写してあり、素晴らしい。決してカキワリの絵だけで済ましていない。この視覚効果は「謎の円盤UFO」の監視衛星シドの登場カットでも使われている。↓

Dscf0001_medium

 ただ、残念なのはミニチュア宇宙船との合成がイマイチしっくり合っていないこと。 宇宙空間での滑らかな動きが見られず、宇宙船本体がバックと比較してブルブル震えてしまった。これは当時の合成技術としては限界だったかもしれない。

 宇宙空間でのコントラストのはっきりした光・影の演出は素晴らしい。↓

Dscf0003_medium

 特撮スタッフのミニチュアビルダーの一人は「2001年宇宙の旅」に参加しているので、その現場経験がこの映画にも生かされている。

 その「2001・・・」には各企業が参加していて、映像にもパンナム、IBM、ベル電話会社、BBC、などの会社ロゴが見えているが、この映画にも1カット、企業名が写っていた。↓

Dscf0007_medium

 それはオービターのドッキングポート内で発見したロールス・ロイスのマーク。 

これは「サンダーバード」のF.A.B・・・(ロールスロイス・ペネロープ号)からのお付き合いで、ということだろう。

 最後に、デレク・メディングスの素晴らしいミニチュア制作でのコダワリを感じるカットを紹介。↓

Dscf0001_medium_2

 このユーロセク・ポルトガルのビルの造詣には驚く。窓の中の部屋の造り、室内照明の様子など、実写そのものと言ってよい。このカットの前には警備員が窓のシルエットとして動いていて、これもミニチュアである。本モノと疑わなかった人がほとんどではないだろうか。

 尚、このような素晴らしい出来のミニチュアビルは「劇場版サンダーバード」の冒頭でも観ることが出来る。

 如何に、彼らが手を抜かず、本モノらしく見せるかに心血を注いでいるかが分かる。

 ミニチュアのビル窓すべてに同じスリガラス状の板をはめ、中から一つのランプで照らすだけという、どこかの国のミニチュア特撮とは違うのだ。

『サンダーバード』『謎の円盤UFO』のG・アンダーソンによる劇場用SF大作、初DVD化!【DVD】決死圏SOS宇宙船(9/24発売) 『サンダーバード』『謎の円盤UFO』のG・アンダーソンによる劇場用SF大作、初DVD化!【DVD】決死圏SOS宇宙船(9/24発売)

販売元:allcinema SELECTION 楽天市場店
楽天市場で詳細を確認する

 

 

 

|

« 「決死圏SOS宇宙船」の特撮、その3 | トップページ | 「フレンジー」のカメラトリック、その1 »

墨氏の愛した特撮」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/412224/38711873

この記事へのトラックバック一覧です: 「決死圏SOS宇宙船」の特撮、その4:

« 「決死圏SOS宇宙船」の特撮、その3 | トップページ | 「フレンジー」のカメラトリック、その1 »