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「フレンジー」のカメラトリック、その1

洋画メモ、NO,90、DVD 

  ヒッチコックの映画「フレンジー」には、制作された1971年当時にはまだ存在していないステディカムでも使って撮影したような長廻しの不思議な1カットがある。

それは犯人のラスクが女性をアパートの2階に連れ込むシーン。

 アパートの入り口に二人が入ってからカメラのトリックが始る。このトリックはちょっと映画好きな方なら「アレッ?どうやっているの」とつぶやいてしまうような不思議なものであり、それは、スピルバーグの映画「宇宙戦争」に出てきた宇宙人のニシキ蛇のような機械でも使ったのではないかと思うほどトリッキーだ。

 この部分の撮影について、映画のメーキングでは犯人役の俳優がU字型のレールにカメラを設置して移動撮影したと語っているのだが、どうも解せない。私の頭ではレール撮影の方法がどうしても浮かんでこない。

 どう考えてもこういう方法しか考えつかないのだ。

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・ 階段踊り場の窓付き外壁は取り外しておき、まずAクレーンに乗せたカメラで入り口から階段の踊り場まで後退しながら二人を撮影。もちろんカメラマンを載せている。

・ 踊り場で停止後、カメラを2階入り口に向け、下階段が死角になった瞬間から待機していた、カメラを載せていないBクレーンが即座にAクレーンカメラ位置まで接近。

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・↑ 2階の二人を撮影している間にAクレーンの台座からBクレーンの台座にカメラを移設する・・・

 ・・・ 振動しないように極めてソーッと。(カメラ用電源も遮断しないように交換)

・ 移し終えカメラをロックしたら速やかにAクレーンを後方に退避させ、速やかに壁を取り付ける。以上、この間、2階の二人をフィックスで撮影している約10秒でこの処理を終えなければならない。

・ その後、Bクレーンを使って踊り場でカメラをチルト、そのままアパート入り口まで後退。

人がカメラの前を横切ったところでテイク終了。

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 と、想像したのだが実際はどうだったのか。こんな大仕掛け、今ならステディカムで一発なのだが。

 尚、アパートのドアの前で人物が横切るカットで、映画スタジオのアパートのセットから実際に存在するアパートへと巧妙に画面が切り替えられる。

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