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敬愛なるベートーベン

敬愛なるベートーヴェン [DVD] DVD 敬愛なるベートーヴェン [DVD]

販売元:video maker(VC/DAS)(D)
発売日:2007/11/07
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洋画メモ、NO、89、NHKBS

2006年、アメリカ・ハンガリー合作、104分

原題: Copying  Beethoven.

監督- アニエスカ・ホランド、撮影- アシュレイ・ロウ

出演- エド・ハリス、ダイアン・クルーガー、マシュー・グッド、ラルフ・ライアック、ジョー・アンダースン

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 数年前、映画館で観て、また再見。 

 原題を直訳すると、「写譜・ベートーベン」というところか。コピーィングとは作曲家の書いた原稿に朱を入れ、清書して印刷のための原本を作るということで、これがテーマらしい。

 なお、敬愛なる・・という日本語は文法的におかしいと、どこかのサイトに書いてあった。敬愛する・・なら合っているという。なるほど。

 ベートーベンは小男だったらしく、エド・ハリスでは筋骨隆々の大男に見え似合わない感じだが、熱演ではある。 彼のクリッとした目玉があのヘアスタイルと似合っていて、正直で誠実そうに見え、無骨で傍若無人だった芸術家の性格をカバーしている。

 ほとんど変態的・悪役一筋のゲーリー・オールドマンも、以前、別の映画「不滅の恋・ベートーベン」でこの作曲家を演じていて、あの小顔と細身の体つきも似合っていたものだ。

 交響曲9番を作曲している頃は、彼の耳は完全に聴こえていなかったが、映画では話し相手の顔と面と向かっているときは、補聴器なしでスラスラ会話をしている。読唇術をマスターしているという設定なのだろう。ちょっと苦しい演出。

 その9番の初演シーンは、映画のウソと分かっていても感動してジーンときた。ダイナミックなカット割撮影とロウソクを思わせる照明がよろしい。

 撮影といえば、映画の冒頭に戻ると、当時の田園風景での農民・町民のスタイルがかなりリアリズム・・・要するに小汚い顔と格好で演出してあり、実際にあの通りだったと伺えた。その田園風景も美しい撮影。

 自分はベートーベンの音楽は、数曲のピアノソナタと、数曲の交響曲と、数曲のピアノ協奏曲しか知らないが、この映画では交響曲7番の第二楽章が一部シーンに流れていて、そのメロディーが今だ耳に残っている。このシンフォニーの第一楽章のテーマはテレビドラマの「のだめ・・なんとか」でよく知られるようになったが、第二楽章のほうがずっとよろしい。

 映画の制作方法としては、「アマデウス」の影響を感じられる。

 重態でベットに横たわるべートーベンより、口答で音符を書き取るシーン、女性写譜屋の作曲をベートーベンがピアノで弾き、「オナラのようだ」と下品な言葉で小ばかにするシーンなど。

 エンディングは田園の自然描写となるが、これも満天の星空で終わる「不滅の恋・ベートーベン」に似ている。

 あっけなく終わる感じでちょっと物足りない。

 ベートーベンが森や川辺を散策し自然と戯れ、曲想を練っているシーンが好きだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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コメント

こんにちは!偶然私も、先日録画したものを鑑賞しました。演出面での「アマデウス」との共通点は私も感じました。でも・・・どぉ~も・・・偏屈爺さんベートーベンに感情移入できず、ちょっと辛めの評価をしてしまいました。^^;

投稿: ぴろQ | 2011年1月12日 (水) 00時12分

ピロQさん。こんばんは。
この映画の評価はピロQさんの採点のとおり、
あまりよくないですね。
もうちょっとベートーベンと彼女、彼女の恋人との関係、カールのことなどツッこんでほしかったです。
ベートーベンの偏屈さはあんな感じだったみたいです。友人や大事な人物を罵倒しておいて、後で素直に謝るのです。扱いにくい人間ですね。

投稿: アラン・墨 | 2011年1月12日 (水) 21時07分

こんばんは。時々顔を出すワンです(笑)。いえどうもご無沙汰していましたが、相変わらず深く鋭い視点観点を込めた映画(シーン)批評ですね。何れも大変面白く拝見させて頂きました。

さて、今偶然にもベートーヴェン第七番、(カラヤン指揮、ベルリンフィル演奏)を聴きつつ、こちらの記事のコメントを綴っています。何度耳にしても、飽きるどころか、彼、ベートーヴェンの完成された高度に洗練された表現性に驚きを禁じ得ません。「天才」なれば寧ろ当然とも言える話でしょうか。

この映画は墨さんの紹介で今、初めて知りましたけどエド・ハリス、と言うと確かにベートーヴェンのイメージとは些か印象が異なりますよね。

「ライトスタッフ」や「アポロ13」に夫々出演されていた俳優、ですよね?片や音速機、片や有人ロケットを題材にした何れも墨さん好み、の内容の作品ですね。

そういう意味でも、エド・ハリスは興味のわく俳優なのでしょうか?

余談ながら少し前の墨さんご自身の綴られた「ライトスタッフ」のミニチュア撮影の批評、今更ながら墨さんのミニチュアとミニチュアを絡めた撮影に対する並ならない「熱意」を強く感じられたことを思い出しましたけど^^

またコメント出しますね。

投稿: ワン | 2011年2月12日 (土) 21時28分

ワンさん。こんばんは。お久しぶりです。
最近ベートーベンの交響曲全集を手に入れて7番を聴き始めました。以前から第二楽章が気に入っていたのです。
第一楽章ではイントロダクションがいいですね。でも「のだめ」のテーマのところはたいしたことありません。笑
第二楽章は初演でもアンコールされたそうです。第三楽章のトランペットが鳴りっぱなしのところはちょっとクレイジーな感じで面白いですね。
というところで最近、ちょっとベンさんにはまっています。
特に第五番の2.3.4楽章がまたいいですね。あれは「田園」のサイドストーリーという感じがします。
エド・ハリスはこの映画ではカツラをかぶっているので、大分印象が違います。アポロ13号の彼とは思えないほどです。ここがまた意外で面白いですね。ぜひご覧ください。
この映画の監督さんはベンさんの「フーガ」をとりあげたかったようです。
奇怪な曲で、これもちょっとクレイジーな描写となっています。

投稿: アラン・墨 | 2011年2月12日 (土) 22時53分

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受信: 2011年1月12日 (水) 11時10分

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