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決死圏SOS宇宙船

洋画メモ、NO,88、DVD

『サンダーバード』『謎の円盤UFO』のG・アンダーソンによる劇場用SF大作、初DVD化!【DVD】決死圏SOS宇宙船(9/24発売) 『サンダーバード』『謎の円盤UFO』のG・アンダーソンによる劇場用SF大作、初DVD化!【DVD】決死圏SOS宇宙船(9/24発売)

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1969年、イギリス、ユニバーサル、102分

米国原題- JOURNEY TO THE FAR SIDE OF THE SUN.

英国原題- Doppelganger.

監督- ロバート・パリッシュ、撮影- ジョン・リード、音楽- バリー・グレイ

出演- ロイ・シネス、イアン・ヘンドリー、パトリック・ワイマール

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 アンダーソン作品ファンにとって、そして私にとって待望のDVD化。

 この映画のソフトはアメリカでVHSのみのリリースだったが、そのテープも入手が困難だった。

 付録の解説によると、この劇場未公開作品は1972年に、このトンデモないタイトルをつけられてテレビ朝日の「日曜洋画劇場」で本邦初放映された。

 私はこの時の放送を親爺と一緒に観ている。 ただし、宇宙飛行士ロイ・シネスと彼の妻とのいさかいのシーン(2人に子供が出来ないのはピルを飲んでいるからドーシタ・コーシタというシーン)で、テレビのある部屋からクソ親爺に追い出されてしまった。

この中学生時代に観ていれば、インパクトはより一層強かったと思う。おしいことをした。

 1976年にも「日曜洋画劇場」で放映されたそうで、もう親爺はこの世にいなかったので、安心して観たのかもしれないが、なぜか記憶がなく、同じ頃の高校時代に深夜放送で観た印象だけが残っている。

 その印象というのは、再びデレク・メディングスのすばらしいミニチュア特撮が観れたということ。「謎の円盤UFO」以来だ。そのUFOの役者も出演しているので愉快だった。

 特撮では、まず、ミニチュアのディテールや汚しのテクニック、そしてローアングルの撮影は相変わらず素晴らしいと感じた。また、度肝を抜かれたのはロケット発射台の作りこみ。実写そのものの発射シーン。そしてパイロテクニック。 当時私はこの発射シーンはオープンの太陽光下で撮影しただろうと判断していたが、今、解説を読むと間違っていなかった。

 シルヴィア・アンダーソンに、メディングスの最高傑作と言わしめたミニチュア特撮は、35年あまり経って観ても「感嘆」の一言。 この特撮については改めてメモしたい。

 さて、いい大人になって改めて観た本編の印象。 はっきりいって失敗作。

 冒頭、007ばりのスパイアクションでは、義眼を巧妙に使った緊迫ある映像で期待を持てるのだが、そのスパイはあっけなく殺されてしまうし、サイドストーリーである宇宙飛行士の家庭不和の描写も中途半端。 

 宇宙機構の局長とロケット設計士との確執ありげな関係も説明不足で終わる。

 それに脚本自体、観客が「オヤッ?」と感じてしまうエラーがあり、破綻している。

 それは、反対の鏡の世界で生還したロイ・シネスが、左右逆転していることに自宅の部屋に着くまで気が付かないということ。

 これはありえない。少なくとも宇宙局の建物内で、反対の世界であると気づくチャンスはいくらでもあるはずだ。また、心臓などの内臓の位置が反対であることも、身体検査の聴診器を当てる時点でドクターに発見され大ごとになるのではないか。

 一歩ゆずって、それが事も無く進んだとして、ロイ・シネスが妻の車に乗る時点で気が付かないとはどういうことだ。 走行車線も運転席も助手席も反対なのに、この鈍いデクノボーは対向車がぶつかってくると勘違いしてもまだ分かっていない。こんなシチュエーションはありえない。

追記: これは、観客にも左右反転の世界であることを、しばらくは気づかせないとする演出なのであるが、明らかに不自然である。 宇宙飛行士が、着陸の衝撃で一時失明し、自宅で視力が回復後、反転世界に気が付くという脚本にすれば、ほぼ解決するのではないか。

・目が見えない宇宙飛行士が妻の車に乗り込もうとして驚く 

  -- 「アレ、助手席が反対だ。車をイギリス車に換えたのか」

・彼の妻は不機嫌に

  -- 「何おかしなこと言っているの」

・宇宙飛行士は疲れているし、妻とも不仲なので、これ以上突っ込まない。 

・家に着いた直後も彼は宇宙滞在中、妻が家を転居したのだと思い込む。

 劇場公開も控えられた、全体的に暗いこの映画は、1968年の制作であるが、この冷たい雰囲気は同じく、1970年、アンダーソン作品の次の人間ライブ・テレビ作品「謎の円盤UFO」にも引き継がれる。

 左右反対のシーンは、美術スタッフも大変だったろうと永年思っていたが、真相は撮影したフィルムを裏焼きしたという事だ。納得。 ただ、ポジとネガの構図をイメージしての撮影は難しかったそうだ。

 バリー・グレイの音楽はメロドラマ調で、せつないメロディーが印象的。宇宙空間での孤独感のある音楽は素晴らしい。

 全体的に「2001年宇宙の旅」の影響はまぬがれない。

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 「謎の円盤UFO」にも共演している役者は以下の通り。

・ エド・ビショップ -- ボールソン(NASAの派遣職員)、

   ・・・・ 残念ながら吹き替えはストレーカー・広川太一郎さんではない。

・ ジョージ・シーウェル -- ニューマン(諜報部員)

   ・・・・ 残念ながら吹き替えはフリーマン大佐・小林昭二さんではない。

・ ヴラデク・シェイバル -- ドクター

   ・・・・ 残念ながら吹き替えはドクタージャクソン・穂積隆信さんではない。

・ 発射コントロール・オペレーター、

   ・・・・ 同じ男優。

・ 局長秘書、

   ・・・・ ストレーカー司令官の映画撮影所秘書と同じ女優。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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コメント

このDVD、5000円もするのですね。高っ!
10代の頃と今では、印象が違う映画ってありますよね。
>クソ親爺って・・・smile クソがつきますか(笑)。

失敗といえば、『あかつき』は残念でした。再チャレンジしてほしいですね。

投稿: マーちゃん | 2010年12月12日 (日) 13時13分

マーちゃん。こんばんは。
そうなんです。高いですよねー。でも何十年も観たかったものですので奮発しました。たぶんレンタルにはならないと思います。
私の親爺、今夜、化けて出るかもしれませんsweat01
この映画、なんか不思議な映画ですね。タイトルは多分、淀川さんがつけたかもしれません。

「あかつき」、ガックリでしたね。でもまだ6年後に可能性を信じましょう。「イカロス」は成功していますしね。

投稿: アラン・墨 | 2010年12月12日 (日) 20時17分

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