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刑事コロンボ:「殺人処方箋」

刑事コロンボ殺人処方箋 刑事コロンボ殺人処方箋

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洋画メモ、NO,83、NHKBS

1968年、ユニバーサルテレビ

原題- Prescription:Murder. (Prescription:処方箋)

監督- リチャード・アーヴィング、脚本- リチャード・レヴインソン、ウィリアム・リンク

撮影- レイ・レナハン、音楽- ディブ・グルーシン

出演- ピーター・フォーク、ジーン・パリー、キャサリン・ジャスティス

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 刑事コロンボのシリーズは、私が高校生だったころからチョク・チョク観ていたのだが、これといって強烈に印象のある作品は無い。また、私的にどうしても観なければならないという番組でもなかったので、見逃した作品も多い。

 最近になってもNHKBSで時々再見しているが、毎回・毎回、エンディングに納得のゆかないものがあり、脚本に逃げがあると感じたことも多い。このことは前回記した。

 しかし、見逃していた作品の中で、今回初めて観た「殺人処方箋」・・・・ (内容とはあまり関係のない大げさな邦題なので、日本でデッチアゲたタイトルだと思っていたが、ほぼ原題どおりだった。) ・・・ は、パイロットフィルムだけあって緊張感が持続し、見ごたえがあった。

 このパイロット版ですでにコロンボのキャラは設定されていた。ただし、シリーズ化された後半の作品で登場するオトボケのシーンはあまり無いが、メモをする鉛筆を忘れて借りたり、自分のカミサン(my wife)の話を持ち出すなどのアクションがあった。 一度ドアから退出し、容疑者を安心させておきながら、また戻って聞き直すという例の動作はまだ無かったようだ。

 まだ、コートもヨレヨレでないし、ポンコツ・プジョーも登場しない。髪も整えている。

 しかし、葉巻を使って相手を煙に巻き油断させるという心理作戦を、逆に精神科医の犯人から見透かされてしまった。これはコロンボの小道具の紹介になっている。

 撮影がよかった。ちょっとヒチコック風か、彼の作品をリスペクトしているように感じたシーンもある。

 犯人が偽装工作のため、指紋が付かないようにハンカチを電話の受話器に巻きつけていたのだが、外すの忘れて外出してしまう。 我々視聴者はそれを知っている。カメラはカットしないでハンカチの巻きついている受話器にズームする。さあ、完全犯罪が成立しなくなる。どうなるんだ。・・・・ すると犯人がいきなり画面左から現れてハンカチを受話器から取り去る。戻ってきたのだ。視聴者はホッとする。我々を犯人の味方にさせてしまう巧妙なシーン。これなどヒッチのやりそうな手段だ。

 犯人の協力者の女性、キャサリン・ジャスティスも何となくヒッチコック好みの女性に見える。ヘアスタイルや容姿が「鳥」のティッピー・ヘドレンに感じが似ている。その彼女が大型のセダンを運転し、背後から警察の車に追跡されるシーンも「サイコ」を彷彿とさせる。

 犯人のフレミング、ジーン・バリーの吹き替えを若山弦蔵氏がやっているせいか、どうしてもショーン・コネリーを連想する。彼がジェームズ・ボンドに見えてしまう。いや、元々、ジーン・バリーがコネリーに似ているせいでもあるが。

 尚、過去にカットされていたシーンの吹き替えは、犯人フレミングが麦人氏で、コロンボは銀河万丈氏となっている。スタートレックTNGコンビであるが、どうしてコロンボは石田太郎氏でないのだろうか。このリマスター版の制作時期には石田氏も健在ではなかったか。

 コロンボの捜査・尋問はシリーズとなった後の作品よりかなりシツコク、犯人や共犯者に同情さえしてしまうが、それが犯人を絶対許さないという彼の心情としてこの初回から提示されている。 

 普段はトボケていてもヤルときはヤルし、時には犯人前で激情し、怒りを露にする。この均衡のとれたキャラクターがコロンボ刑事の魅力としてシリーズの人気をはくした要因だろう。

 ほんとうにシリーズ化してほしいと思わせる出来のいいパイロットフィルム。

 ラストのどんでん返しは「スパイ大作戦」の影響か。

 そこで、なぜ、コロンボはフレミングが彼女の家にまでやってくると予想できたのだろうか。精神科医が、共犯者である患者の死亡現場にまで駆けつけるという保証は無いはずだが。

 それに、もしフレミングが彼女の水死体まで駆け寄ったとしたら、コロンボの仕掛けた偽装だとバレてしまう訳で、これも説明不足の展開と言わざるを得ない。

 ここがまた引っ掛かってしまう。

 フルートを使った劇中の音楽が「ルパンⅢ世・カリ城」でのファーストシーンのカジノに忍び込む音楽と似ている。

 

 

 

 

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コメント

こんばんは、中々時間が取れずいつも間を空けてしまいますがまた失礼します。

コロンボ、私も小学生高学年辺りに“金曜ロードショー”で鑑賞した記憶がありますけど、「犯人が初めから分かっている」奇抜なアイデアに加え中々緊迫感のあるストーリーに当時ブラウン管に釘付けになった記憶がありますね。実は両親から夜更かしと長時間のテレビ鑑賞を禁じられていたので、目を盗んでこっそり視聴していた次第です(笑)。

ふと、コロンボのリメイク映画を若しも作るのであれば、ピーター・フォークとは真逆の印象のハリソン・フォードを主演させてみたい、と思ってしまいました。

がさつな様子はそのままに、よりスマートなダンディズムと野性味溢れる雰囲気を持つコロンボ像、も案外悪くないような気もしますが、多分そう考えるのは私くらいなものでしょうね(苦笑)。

ハリソン・フォード版のリメイク作品の監督は、スティーブン・スピルバーグが適任でしょうか。「インディ・ジョーンズ」で気心が知れている上に(恐らく)、スピルバーグはご存知の通りコロンボの演出(パイロットフィルム?)を手掛けた経緯もあり、何かと話題に上るかもしれませんね。

以上、私の妄想でした(笑)。

投稿: ワン | 2010年8月20日 (金) 21時26分

ワンさん。おはようございます。
そうでした。コロンボは私が中学生の頃始まったのですが、夜11時台の放送だったので、当時は観ませんでした。私の場合、父親がうるさかったです。でも同級生からはコロンボのウワサを聞いていました。
犯人が最初から分かってしまう手法をサスペンスと言い。犯人がだれかを探偵と一緒にナゾときをしていくのがミステリーだと最近になって知りました。笑。
スピルバーグとフォードのコンビでコロンボはいけそうですね。ダンディなコロンボを私も観たいですね。

投稿: アラン・墨 | 2010年8月21日 (土) 09時22分

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