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2010年7月

CB1100インプレ

CB1100、NO,2
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 2010年7月28日午後3時、雨も治まってきたので、バイク店で進水式を終え発進。 3ヶ月前、教習車のナナハン乗車以来の大型二輪乗りだが、動かしてまったく不安が無い。低速でも超安定している。身長171センチの人間が跨った感想は他のインプレで散々書かれている通りなので省略。 数十メートル走ったところで一時停止の標識がある。

・エンジン、ミッション

 停止したところで、3速に入れてトロトロ走っていたギアのシフトダウンが出来ない。ニュートラルにも入らない。これはエイプ100の納車時でも経験したことであり、この現象はホンダ車特有のものなのだろうか。カワサキKLX125の納車では最初からスコスコとギアが入りニュートラルも楽に出せたものだが。

 他の試乗インプレを見ると気持ちがいいくらいギアが入ると記載されているが、あれは慣らしこまれた車輌での話ではないだろうか。 まあ、恐らく300キロくらい走り慣らせば、しだいに入るようになると思う。 しばらくは停止前にダブルクラッチでシフトダウンしなければならない。

 エンジンの回転数は5速トップギアでは時速60キロで2000回転ピッタリ。約90キロでは3000回転。 500キロ走行まではこのくらいに抑えて走ったほうがよさそうだが、この範囲の走行でも実に気持ちがいい。

 法定速度60キロの国道を65キロで走行中、トラックに煽られたが、トップギアのままアクセル一ひねりであっという間に後方に追いやった。これがリッターバイクの醍醐味。 ただし、基本的に私は、家が道端に建っている道路やレーダーのありそうな道では制限速度か、せいぜいブラス10キロまでしかスピードを出さない。

 そのトップギアでは時速35キロくらい、約1200回転からでもスナッチせず十分加速ができる。たいへんラクチン。オートマのようにズボラ運転も可能。 もし9000回転まで廻せば200キロを越すのだろうか。それはカウルが無いので実現性は乏しいが恐ろしいことだ。私の場合、恐らく5000回転までで十分だろう。

・エンジン音。

 ホンダ氏はFIエンジンであっても、キャブレター式のフィーリングを出したと語っていたが、自分には中型以上のマルチエンジンのバイクを乗りこなしてきた経験が無いので比較しようがない。ただ、1500回転から2500回転までのエンジン音はどこかで聞いた記憶がある。

 それはセスナ・軽飛行機のエンジン音。

 こんな感じの音だと思っていただければよい。私は良い音だとも悪い音だとも思わないが、ホンダ氏(テストライダー)がビデオで語っているようにシリンダーの一つ一つが爆発している感じというのは言いえて妙だ。 尚、セスナの小型機も空冷エンジンだ。

・放熱

 夏真っ盛りということもあり、両膝が暑い。ただし、我慢できないほどではない。私の感覚では左ひざが右より暑く感じた。これはひざ下より前方にあるエンジン下廻り部分の表面積が右側より多い?・・・ためではないだろうか。

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 厚手のパンツにニーシン・プロテクターを着けていても暑い。ということは晩秋のツーリングではヒーター代わりになるということか。

 尚、トラックの後方を走ると、走行風がスポイルされる為か、特に暑く感じる。信号待ちなどで暑いのは、どの水冷・空冷バイクでも同じだろう。

・シート

 一時間乗りっぱなしでの感覚では尻が痛いということはなかった。可も無く不可も無いというところ。ただし、このシート。店で外して見せてもらったところ、随分と薄く安っぽく感じた。昔のCBナナハンのようなモコモコ・フカフカのにしてもらいたい。これはデザイン上の問題や個人差もあるのでなんとも言えないが。

 私が乗ってきたバイクは今回のCBに加えてホンダ・ゴリラ、エイプ100、カワサキKLX125だが、その中で最も乗り心地が良く、長時間疲れないシートのバイクはゴリラだった。あれもモコモコ・フカフカしたシートである。

・ハンドリング

 コーナーは良く廻る。KLX125と比較して。

 初めての18インチタイヤのオンロード・バイクであり、しかも17インチタイヤのバイクに乗ったことがないので比較しようがない。

・ブレーキ

 普通。 ブレーキパッドが慣れていないうちは効きが悪いとの評価を耳にしたが、60キロから70キロで流している分には必要十分だった。車校のCB750と変わらぬ。

・ABS

 コンバインドABSの説明が渡された取り説には一切無かった。

 ターマックの広場で時速50キロからの急制動を試した。 聞きかじった知識では、リアブレーキのみをフル制動すれば前輪のブレーキも同時に作動するという。試してみたが、マズマズの制動距離で停止した。しかし、これはスゴイという感がしない。

 次ぎに、フロントブレーキを7割くらい、リアはフル制動というやり方。これがバツグンに効いた。リアタイヤも全くロックしない。これがコンバインドABSの性能と、やり方と理解した。

 つまり、直線路でのパニックでは後輪ブレーキを思いっきりフル制動し、前輪ブレーキもセオリーどおりにかければよい訳だ。(障害物回避操作でのフロントブレーキ操作はマズイが)

 これを知っているのといないのでは大きな違いがあるが、取り扱い説明書にはこういう大事なことが一切、記載されていなかった。これでは私のようなアワテ者はリアブレーキのみですべて事足りると勘違いする恐れがあると思う。

 尚、ホンダのホームページには丁寧な説明がある。それによると、リアブレーキのみ・フル制動では、停止直前にフロントにも僅かに制動がかかるということだ。これはABS仕様のみにある3つのピストンキャリパーのうち一つだけ働かせるということらしい。

 納車早々、フル制動の実験をして良かった。このシカケを頭に叩き込んだほうがいいのだが、イザというとき、ちゃんと右足が働くだろか。

 この実験は低ミューの砂地や濡れた路面でも経験してみたい。

 他の部分、燃費など細かい感想については次回。

 それにしても、納車から160キロ走行して、実に楽しかった。

ホンダ氏の言っているとおり、私の顔は走行中、スマイル・スマイル。

オートバイから降りてもスマイル。

しかも疲れていない。

 

 

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CB1100、納車

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2010年、7月28日、午後。 ホンダCB1100を納車した(納車された)。

オプションはABS、スキッドパッド、エンジンガード、グリップヒーター。乗り出し価格はプラス10万というもの。

 注文した時期は5月中旬だったので2ヶ月チョイで来たのだが、これは予想していた通りだった。ネットでのウワサでは雪が降るころになるというのもあったのだが。

 しかし、このクソ暑い時期に納車というのもイカガナモノカ。KLX125の納車も、クソが付くほどではないけれど寒い12月末だった。どちらもオートバイを手に入れる時期ではないな。

 納車の日は朝からソワソワ・ドキドキ。

 ビートたけしのコントに少年時代をネタにした「あこがれのテレビが我が家にやって来た日」というのがある。 ・・・ 子供は大喜びでテレビを買ったんだと近所に言い触らし、オヤジは朝から興奮して、ただ黙って酒を飲んで待っているだけ・・・という私の好きな話だが、そのオヤジの心境に近い。 ようやく少年の頃からの夢だった大型オートバイを手に入れることができた。 感慨無量。私も真昼間からビールを飲みたかったがさすがにそれは出来なかった。

 ・・・ たけしのコントでは「昔のテレビは偉そうに足が生えてやがった」というのも大好きだ。・・・

 閑話休題。

 オートバイの引き取りはバイク店で行った。 自宅で納車し、家の前でザワザワ音を立てていると、近所のオバハンが何事かとゾロゾロ出て来て嫌だからだ。ただ、どうやって250キロの物体をトラックの荷台から降ろすのか見てみたいものだ。

 車に、CBに合わせて新調したアライの白いヘルメットとプロテクターを載せ、バイク店に向っている途中、ポツリ・ポツリと雨が降り出した。せっかくの日にツイテいないなー。オレはいつもこういう目に合うなー、と思ったが、他のブログにはドシャ降の中でバイクを納車したというのがあり、それに比べればまだマシだなと前向きに考えた。

 バイク店では一応、CB1100の取り扱い説明を受ける。解説本や雑誌で、さんざん概要を知りつくしていたが、丁寧に説明されると「そんなこと知ってるよー」なんて言えない。日本人は優しい市民なんである。

 しばし、進水式まで店の中で雨宿り。ヒマにまかせて見回すと、展示されているオートバイの中でも我がCBイレブンは実にコンパクトなボディと感じた。私の嫌いなハーレーは背は低いけれどカヌーのように長いし、ヤマハのビッグオフロードマシンはまるで馬のように見える。

 CB1100のインプレッションは次回に。 

 この店にはレストアされた1969年のCB750fourも展示されている。コイツを買うには宝くじに当たらなければムリだ。

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 CB750よ。・・・ もし、お前がこの世に生まれてなかったらCB1100も存在しないし、オレの免許証から大自二の文字は消えてるぜ。

追記:こちらはCB750にゾッコン惚れこんでいるイギリスのジーサン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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飛べ!フェニックス

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洋画メモ、NO,84、NHKBS

1965年、20世紀フォックス、カラー、シネスコ、142分

原題- The flight of the  Phoenix.

監督- ロバート・アルドリッチ、撮影- ジョセフ・バイロック、音楽- フランク・デヴォール

出演- ジェームズ・スチュアート、リチャード・アッテンボロー、ピーター・フィンチ、ハーディ・クリューガー、アーネスト・ボーグナイン、クリスチャン・マルカン、ジョージ・ケネディ

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 高校時代に荻昌宏さんの月曜ロードショーで観たきりだった作品で、再見したかったもの。ヒコーキファンには必見の映画。

 当時は私の部屋の白黒テレビで観たもので、傑作映画だと感じたものだ。特に、飛行機を改造するエンジニアが模型飛行機の設計技師だったことが発覚し、バイロットが茫然自失するシーンが印象にあった。

 今、ノーカット版を見直してみると、余計なシーンが多く、冗長に感じた。思うにテレビ版はうまくカットされていたようだ。

 軍曹が白昼夢で、ベリーダンスを踊る女性の幻を長々と見せるシーン(女性が出てくる唯一のシーン)などは必要あるのだろうか。 またその軍曹が上官の大尉の命令に逆らったり、彼を嫌っている理由が曖昧であり、説明不足。二人にどのような確執があったのか述べられていない。

 ほとんど男性だけの映画であり、黒澤明が好みそうな「暴走機関車」のような題材。しかし、彼が演出したらもっと緊張感の持続する傑作になっただろう。

 ラスト、泉に飛び込むシーンもいらないなー。黒澤ならカットするだろうな。

 今回のパイロット役・ジェームズ・スチュアートは芝居が上手いのか下手なのか私には判断できないが、エンジニアのハーディ・クリューガーと精神を病んでいるアーネスト・ボーグナインの演技が良かった。

 飛び上がるフェニックス号は実際に輸送機C-82を分解して組み立てたものと、永年、思っていたが、どうやら別の飛行機を改造したものらしい。

 エンドロールに、撮影中に殉職したスタントパイロットの追悼文が寄せられている。

 その事故の映像を観ると、剛性不足のせいか、着陸の際、胴体が二つに分解し、でんぐり返った。合掌。  

追記: 不時着シーンの特撮はL.B.アボットとハワード・ライデッカーのコンビが担当。相変わらず実写と見間違える優れた映像。

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刑事コロンボ:「殺人処方箋」

刑事コロンボ殺人処方箋 刑事コロンボ殺人処方箋

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洋画メモ、NO,83、NHKBS

1968年、ユニバーサルテレビ

原題- Prescription:Murder. (Prescription:処方箋)

監督- リチャード・アーヴィング、脚本- リチャード・レヴインソン、ウィリアム・リンク

撮影- レイ・レナハン、音楽- ディブ・グルーシン

出演- ピーター・フォーク、ジーン・パリー、キャサリン・ジャスティス

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 刑事コロンボのシリーズは、私が高校生だったころからチョク・チョク観ていたのだが、これといって強烈に印象のある作品は無い。また、私的にどうしても観なければならないという番組でもなかったので、見逃した作品も多い。

 最近になってもNHKBSで時々再見しているが、毎回・毎回、エンディングに納得のゆかないものがあり、脚本に逃げがあると感じたことも多い。このことは前回記した。

 しかし、見逃していた作品の中で、今回初めて観た「殺人処方箋」・・・・ (内容とはあまり関係のない大げさな邦題なので、日本でデッチアゲたタイトルだと思っていたが、ほぼ原題どおりだった。) ・・・ は、パイロットフィルムだけあって緊張感が持続し、見ごたえがあった。

 このパイロット版ですでにコロンボのキャラは設定されていた。ただし、シリーズ化された後半の作品で登場するオトボケのシーンはあまり無いが、メモをする鉛筆を忘れて借りたり、自分のカミサン(my wife)の話を持ち出すなどのアクションがあった。 一度ドアから退出し、容疑者を安心させておきながら、また戻って聞き直すという例の動作はまだ無かったようだ。

 まだ、コートもヨレヨレでないし、ポンコツ・プジョーも登場しない。髪も整えている。

 しかし、葉巻を使って相手を煙に巻き油断させるという心理作戦を、逆に精神科医の犯人から見透かされてしまった。これはコロンボの小道具の紹介になっている。

 撮影がよかった。ちょっとヒチコック風か、彼の作品をリスペクトしているように感じたシーンもある。

 犯人が偽装工作のため、指紋が付かないようにハンカチを電話の受話器に巻きつけていたのだが、外すの忘れて外出してしまう。 我々視聴者はそれを知っている。カメラはカットしないでハンカチの巻きついている受話器にズームする。さあ、完全犯罪が成立しなくなる。どうなるんだ。・・・・ すると犯人がいきなり画面左から現れてハンカチを受話器から取り去る。戻ってきたのだ。視聴者はホッとする。我々を犯人の味方にさせてしまう巧妙なシーン。これなどヒッチのやりそうな手段だ。

 犯人の協力者の女性、キャサリン・ジャスティスも何となくヒッチコック好みの女性に見える。ヘアスタイルや容姿が「鳥」のティッピー・ヘドレンに感じが似ている。その彼女が大型のセダンを運転し、背後から警察の車に追跡されるシーンも「サイコ」を彷彿とさせる。

 犯人のフレミング、ジーン・バリーの吹き替えを若山弦蔵氏がやっているせいか、どうしてもショーン・コネリーを連想する。彼がジェームズ・ボンドに見えてしまう。いや、元々、ジーン・バリーがコネリーに似ているせいでもあるが。

 尚、過去にカットされていたシーンの吹き替えは、犯人フレミングが麦人氏で、コロンボは銀河万丈氏となっている。スタートレックTNGコンビであるが、どうしてコロンボは石田太郎氏でないのだろうか。このリマスター版の制作時期には石田氏も健在ではなかったか。

 コロンボの捜査・尋問はシリーズとなった後の作品よりかなりシツコク、犯人や共犯者に同情さえしてしまうが、それが犯人を絶対許さないという彼の心情としてこの初回から提示されている。 

 普段はトボケていてもヤルときはヤルし、時には犯人前で激情し、怒りを露にする。この均衡のとれたキャラクターがコロンボ刑事の魅力としてシリーズの人気をはくした要因だろう。

 ほんとうにシリーズ化してほしいと思わせる出来のいいパイロットフィルム。

 ラストのどんでん返しは「スパイ大作戦」の影響か。

 そこで、なぜ、コロンボはフレミングが彼女の家にまでやってくると予想できたのだろうか。精神科医が、共犯者である患者の死亡現場にまで駆けつけるという保証は無いはずだが。

 それに、もしフレミングが彼女の水死体まで駆け寄ったとしたら、コロンボの仕掛けた偽装だとバレてしまう訳で、これも説明不足の展開と言わざるを得ない。

 ここがまた引っ掛かってしまう。

 フルートを使った劇中の音楽が「ルパンⅢ世・カリ城」でのファーストシーンのカジノに忍び込む音楽と似ている。

 

 

 

 

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第15話、「大ワニの襲撃」

サンダーバードの特撮、NO,5

原題- ATTACK OF THE ALLIGATORS!.

監督- デヴィット・レーン

登場メカ- 1号、2号、ホバースクーター

-------- シリーズ中、最も困難を極めた撮影? 

 実際に生きている小型ワニが使われているが、もちろん調教師が付いて来たという。このワニのサイズは、本モノがラストシーンでバスタブの中で泳いでいるので、だいたいの見当がつく。身長は50センチから1メーター位のようだ。

 実際の生き物をミニチュア特撮の中で巨大生物として動かした例としては、アーウィン・アレン作品でのトカゲや東宝「キングコング対ゴジラ」でのタコ(「ウルトラQ」でも流用)がある。

 私はこのやり方に特に批判するものでもない。本モノなので圧倒的リアル感がある。なまじっかゴム長靴のような出来の悪い着グルミや、ギクシャクしたフィギュアを動かした下手なストップモーション撮影よりよっぽど迫力がある。

 サンダーバードのこのエピソードは、生き物を使ったミニチュア特撮の中では最も成功したものの一つだと思う。

 ただし、撮影の困難さは想像してあまりある。一般の映画の撮影でも、動物と子供に関しては思い通りにいかず時間を食い、フィルムを浪費して泣かされるようだが、相手が爬虫類ときてはサンダーバードのスタッフにも当初絶望感が発生したのではないだろうか。 なぜなら、ワニというのは動物園で見るかぎり、剥製のようにジッとしていて、めったに動かないからだ。

 調教師がいるとしても、どうやってワニを動かしたのだろうか。電気ショックという手もあるが、外に知られたら虐待だのと騒がれる。

 特に驚いたのは、ワニ君の横移動撮影があるカットだ。

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 元気なワニ君が左に向って突進しているところをレールに乗せたカメラで横移動撮影。ワニの後ろからツッツイたのか、前方でエサをちらつかせたか不明だが、レールと平行に走らせたスタッフに脱帽。恐らく何テークもの撮影の中の1本。相当フィルムを使っただろう。

 さて、研究所の建物をワニが襲撃する場面はどうしただろうか。ワニの尻尾が壁や窓を破壊するカットは、ラバーかなにかで制作した尻尾だけのニセ物を、クローズアップしてスッタフがぶつけて撮影している。

 しかし、明らかに生きたワニ自体が暴れて建物を破壊しているシーンがあり、このカットを凝視すると、カメラに入らないワニの頭の後ろあたりに、人の指らしきものが写っているのが見えた。つまり、どうやら頭を手でつかんで押さえ込み、ワニの胴体を振り回して撮影していたらしいのだ。

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--- 画面、右端がスタッフの指(左手の人差し指)と思われる。

 これはちょっとした動物虐待であるが、事実、ジェリー・アンダーソンによると、このエピソードは動物愛護団体から問題視されたようである。たしかに麻酔?・・・でワニが腹を向けて引っ繰り返るシーンもかわいそうな気がしないでもない。

 さて、今回は2号の装備ではたいしたものが登場しないが、湿地帯を進むのにホバースクーターが活躍する。(第5話、「CITY OF FIRE」などでも登場)

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 このスクーターはアンダーソン作品では、「宇宙船XL-5」から同様の物が見られるが、これはマリオネットでは人の歩くシーンが不自然に見えるので、極力、移動はパペットが座っている姿にしたいための手段として用いられている。つまりパペットはスタコラ歩いてはいけないのだ。

 アンダーソン作品の他のスーパーマリオネーションでも、人は歩かず、ただ操作卓のイスにすわっているだけで自動的に移動したり、電動の車椅子に座って移動するシーンなどが多々見られる。これは操り人形での一つのテクニックなのだ。ゴマカシと言えばミもフタもないのだけれど。

 しかし、このスクーター。当然、強力なジェットを下向きに噴射しなけれは宙に浮かないはずだが、廻りの草木が風で揺れたり、ホコリが舞い上がるなどのジェット描写がいっさい無く、ただ、無重力状態のように浮いている。この演出には私は不満を持っている。

・・・ 追記: それとも「サンダーバード6号」のスカイシップ1のような反重力エンジンが搭載されているのだろうか。

 ワニの鳴き声はどの動物から採ったのだろうか、なかなか迫力のある声。またジャングルの鳥たちの鳴き声もステレオ録音で素晴らしくいい音。

 全作品の中でも、特にこのエピソードはデジタル・リマスターの画質・音が優れている。

そのため、撮影中のカメラとオペレーターの手が写りこんでしまったカットがあった。

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--- 左の窓ガラスに、ズーミングしていくカメラとオペレーターの動く手が反射して写っている。(実際の動いているDVD画面でないと確認できない)

 ナゾの夫人は、原語ではペネロープ役のシルヴィア・アンダーソンが吹き替えているようだ。

追記: 「サンダーバードを作った男」- 著・ジェリー・アンダーソン・・・に、このエピソードの裏話が載っていて、ワニを動かすには実際に12ボルトの電気ショックを使ったことがあると記載されていた。 又、サンダーバードの撮影とは知らず、うわさを聞いた動物愛護協会の査察官がスタジオに抜き打ち検査に来たが、たまたまサンダーバードの大ファンだったので、逆に協力を受けたということだ。

 

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