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2010年6月

安城家の舞踏会

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邦画メモ、NO,58、レンタルDVD

1947年、松竹、白黒、スタンダード、89分

監督- 吉村公三郎、 音楽- 木下忠司、 脚本- 新藤兼人

出演- 原節子、滝沢修、森雅之、逢初夢子、神田隆、殿山泰司、津島恵子、日守新一、村田知映子、清水将夫

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 オープニングの音楽、松竹管弦楽団の演奏がひどい。特にバイオリンのパートは素人レベルだと思う。 同時代、東宝の楽団の演奏も同じようなものだった。楽士たちも戦中・終戦と、楽器の演奏で食べていけるものでもなく、技術も落ちたのだろう。

 音楽は木下忠司氏が担当だが、この人の作る歌というのはどれも感じが似ていて面白い。

(破れ太鼓)・・・「♪だーれが捨てたか大太鼓」、

(喜びも悲しみも幾歳月)・・・「♪おーいら岬のー」、

(水戸黄門のテーマ)・・・「♪じーんせい楽ありゃ」、

などがフレーズ、曲の流れがソックリ。いずれもリズムがしっかりして歌い易い。ただし、今回の映画には歌はない。

 脚本は新藤兼人氏。たしか今年、御年98歳で映画を監督するという。脱帽。

 その新藤氏の63年前の台本内容は、終戦によって旧華族が没落。借金65万円も払えず、家が抵当に入っているというのに、自宅の洋館で最期の舞踏会を開く話。 

 付き合いのあった上流階級の人々を招待し、舞踏会を開催するには楽士を呼んだり、高級な料理や洋酒をふるまうために2.3万円のお金が要るというセリフがあるのだが、それをどうやって工面したかは説明が無い。

 この旧華族、伯爵だった主を演じるのは滝沢修だが、ただただ、絵を描いて過ごしてきた道楽者。 映画のセットがウソくさい洋館なので、彼が出るシーンは本当に新劇のような雰囲気がある。彼の演技がうまいのかどうかは私には判断できない。

 その息子はグランドピアノを奏で、使用人の女に手を付けてきたボンボン・森雅之。・・・ 彼はショバンのエチュード・作品25の1、作品10の12と24の前奏曲・24番を弾きこなすのでかなりの腕前。例によって物事や運命をすべて掌握しているニヒルな人物。

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 原節子は次女だが、彼女だけは、ちゃんと働いて暮らしていこうと前向き姿勢。撮影は彼女の美しさを十分捉えていない気がする。

 一方、長女、逢初夢子は結婚に失敗した出戻り娘で、運命を享受するデカダンなキャラクター。前回観た「となりの八重ちゃん」から13年ほど経つので初々しさはもう無く、熟女を好演しているが、なんとなく木暮実千代にソックリ。

 その長女を慕っていた元・運転手が神田隆氏で、テレビの時代劇では悪役一本だった彼が、若かりし頃はシッカリした顔つきで、まあまあの二枚目を演じていたことを知った。彼、東大・フランス文学課程卒なんですな。 あの悪代官が。

 彼が酒に酔って洋館のホールで喚くシーンは本当に新劇の芝居のようにダイナミックである。ただし、演劇のように芝居がくどいという感じはしない。

 殿山泰司氏が使用人の執事として出演。本人の実年齢は30歳くらいだか、映画では70歳近い設定の老け役。彼は新藤兼人氏が係る映画の常連であるが、いい味を出している。

 津島恵子さんが、ポッチャリしていてかわいいが恐らくデビューしたばかりだろう。演技はまだ素人。 酔いつぶれて寝込んだ彼女が、婚約者の森雅之に操をからくも奪われそうになるが、このシーンの後では彼女のプラウスの背中のジッパーが少し下がっているのが見える後姿のカットがあり、これらの映像は、当時では結構センセーショナルだったらしい。

 この映画の主人公は誰に設定すればよいか判断に悩むが、私は神田隆役の人物が一番印象にある。彼はこの映画唯一、努力し裸一貫でお金を稼いできた人物だ。

 公開当時、キネマ旬報1位だったそうだが、当時の市民が華族の没落をいい気味だと思いながらも、同情できる話にもっていった新藤氏の脚本と吉村監督の演出、豪華キャストのおかげかもしれない。結局、彼等のその後は何とかなりそうだとのハッピーエンド的な終わり方をしている。

 バタくさい映画なので、GHQの検閲官もスンナリ理解したことだろう。

 

 

 

 

 

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「はやぶさ」のことなど

 

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スズキ・ハヤブサ・・・・ 

  ・・・・ お前は砕け散るな。 ただしサーキットで走れ。

 「はやぶさ」のカプセルが無事回収されたが、今の所、メディアでの動画映像としてはカプセルを梱包した容器を運んでいる様子のものしか観ていない。

 地上で最初にカプセルを発見するドラマチックな動画映像を観たかったのだが、どうやらそれは無いようで残念だ。同じようにみんな期待していたと思うがJAXAも気が利かないね。

 「はやぶさ」のリエントリーの映像は和歌山大学のライブ中継をネットで見たが、オーストラリアとは時差が無いので、小さな画面でもなかなか臨場感があった。

 その時間、日本のテレビはどの局も「はやぶさ」の中継をしておらず、また、どの局もサッカーだけにうつつをぬかしていた(サッカーファンの方には失礼)ので、ネットの中ではライブ映像をテレビで観られると期待した「はやぶさ」・ファンは憤慨していた。

 私はサッカーにサッパリ興味が無く、その時間帯テレビを観ていないが、私も、せめてNHK・BSだけでも中継してほしいと感じた。 なぜなら、翌日放送されたリエントリーの映像で一番素晴らしいものはNHKで流したものだったからだ。あれをライブで観たかったものだ。

 NASAがDC-8を飛ばして撮影したものも美しいが、いまいちカプセルから発する光跡が見えづらかった。

 生中継しなかったNHKには非難が殺到したという。

 「はやぶさ」を擬人化したり、歌を作ったり、アニメ化するのはいかにも日本人らしいと思う。また、苦難の末、「玉砕」する姿も日本人の琴線に触れるようで、ネットでのコメントでは涙を流したという人が多い。また、外国からのコメントでも「ファルコン」が「フェニックス」に生まれ変わったというのが結構あった。

 私も涙腺を緩ませながら観つつ、同じように砕けて燃えていったスペースシャトル・「コロンビア」の乗員のことをチラッと想った。

 「はやぶさ」の宇宙空間での推進に使われた四つのイオン・エンジンはCGの映像で見ると、なかなか強力なロケット噴射をしているように感じるが、実際は一つのエンジンでわずか1グラム前後の推力しかない。つまり小指の先で一円玉をそっと押すくらいの力であり、噴射したからといって、いきなり探査機が目に見えるほどの加速をすることはない。この辺のメカ情報はまた雑誌「ニュートン」などで紹介されるだろう。

追記:調べたところ、エンジン3基同時稼動の総推力は2.1×10-2N、で、1円玉の2枚分を持ち上げる程度。

 推力が極めて弱くても、何百時間・何千時間と噴射すれば、最終的には強力な推力を短時間に発生したのと同等の速度を達成でき、しかも効率(比推力)は通常の化学ロケットエンジンよりはるかに良いのがイオン・エンジンである。

 ハリウッド映画や日本映画のCG担当のオニイチャンは、ろくすっぽ取材・調査もせず、コンピューター・ディスプレイの中だけで飛行体や宇宙船の映像を造り、物理的・工学的にありえない可笑しな映画のシーンを展開させてしまうが、恐らく、彼らはイオン・エンジンというものをVFXで表現すると、噴射したとたん、宇宙船がものすごい速度で急加速してしまうような、ロケットファンやJAXA職員には爆笑させられる映像にしてしまうだろうな。

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