サンダーバード6号
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サンダーバード6号 劇場版 [DVD] 販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン |
特撮メモ、NO,37、DVD
1968年、ユナイテッド・アーティスト、シネスコサイズ、89分
監督- デビット・レイン、 音楽- バリー・グレイ、 特撮- デレク・メディングス
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イギリス風ジョークというのだろうか、内容とオチは粋なものだが、公開当時の子供たちには受けなかった。結局、サンダーバード6号とは「なーんだ」ということで。
DVDへの日本語吹き替えは、恐らく2000年ごろに録音されたと推測するが、ペネロープ役の黒柳徹子さんは、舌のもつれた老いたその声で20歳代の令嬢役は完全にミスキャストだと感じた。ジェフ・トレーシー役の声優も40年前と同じで、まだお元気なのはうれしいが、明らかに老いた声で、これも痛々しい。 テレビ時代の頃のブレインズ役・大泉滉さんなど亡くなった方や引退した方もいるので、オリジナルの声にこだわることはないと思う。
追記: ジェフ・トレーシー役、小沢重雄さんは2008年に故人となられていた。
グレイの音楽とメディングスのミニチュア特撮が相変わらず優れている。
グレイのスカイシップのテーマには、リズムにタンバリンか鈴が使われていて、そのシャン・シャンという音はまるでクリスマスソングみたいで明るく楽しい。
メディングスの特撮はこの時期のものがピークではないだろうか。この映画でも、特に優れているのはミサイル基地のパイロシーンで、私の選んだものではミニチュア特撮の中でも最高傑作と言ってもいい。
また、実写シーンとミニチュア特撮の繋がりが自然で、映像が切り替わった違和感がほとんど感じられない。それはタイガーモス号が高速道路を疾走するシーンで顕著だ。
まずは実写カット。
オープンミニチュアセットでラジコンを使った特撮カット。
ミニチュアのシーンでは、良く見ると道路にセットの繋ぎ目が確認され、ミニチュアと分かってしまうが、それは一瞬のことで、大概の観客は気づくことなく一連の実写シーンだとして観るだろう。
道路をスレスレで飛んだり、タッチ・アンドゴーなどをするシーンは、すべて実写による航空スタントで撮影される予定だったが、特撮になったのは、タイガーモスのパイロットが警察との規定違反を犯して橋の下を浮いて飛行してしまい、以後撮影禁止になったことによる止む終えない手段だったのだ。
それにしても、この映像の繋がりの良さといったらない。結果的に撮影禁止によって、スタッフの優れた特撮が披露されたわけで、怪我の功名ではなかろうか。
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コメント
「サンダーバード6号」をNHKのBS放送で観た時、ペネロープやジェフの吹き替えを聴く度に辛かった覚えがあります。いくら当時のメンバーだとしても、視聴者が痛々しく感じるような声優さんでは興ざめですね。
未来の飛行船スカイシップと複葉機タイガーモスの取り合わせは悪くないのですが、ストーリーがもう少し何とかならなかったのかと思います。
ミサイル基地の爆発シーンは素晴らしい特撮ですが、映画の出来が今一歩なのが残念でなりません。
投稿: 雷おやじ | 2010年3月15日 (月) 21時13分
雷おやじさん。こんばんは。
ミンミンの里見さんとスコットの中田さんの声は今もまだいいのですが、あのお二人は残念ですがミスキャストですね。スタトレの矢島さんも再吹き替えではガレガレの声でしたねー。
最初にこの映画を見たのは子供時代ではありませんでしたが、タイガーモスが延々と飛行しているラストは退屈でした。それにスカイシップ内での銃の撃ち合いも、サンダーバードとしては異質のシーンで違和感を感じました。その殺しのシーンや死体を海に遺棄するシーンも抵抗があります。でもこれらのことはシルビアとレーンも気にしているようでした。結局、グレイの音楽とセットの美術、メディングスの特撮だけが光って見えます。
投稿: アラン・墨 | 2010年3月15日 (月) 22時46分