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第14話、「火星ロケットの危機」

サンダーバードの特撮、NO,4

原題- DAY OF DISASTER.

監督- DAVID ELLIOTT.

IRメカ- 4号、牽引クレーン(2号)、腕時計式テレビ電話、コンパクト式テレビ電話

ゲストメカ- 火星ロケット

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 火星ロケットをトレーラーで移送するシーンはいつもの事ながら堂々としていていい。

このシーンの音楽は前作「スティングレイ」で使われた名曲”オイスターマーチ”が流れる。巨大な物体がゆっくり動いている様に実にマッチした選曲。

-- 映像音楽・参照 http://www.youtube.com/watch?v=fahl6Lb0UCg

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 いつも感心するのはミニチュアの表面の「汚し」。サンダーバードのスタッフはモデルの出来立てを撮影に使うようなヤボなことはしない。丁寧に時間をかけて汚す。 この「汚し」-ウェザリングを省くとどういうことになるか。 プラモデルのように照明の光を表面で反射させてしまい、オモチャ然となってしまう。 吊橋の「汚し」も素晴らしい。

 ところでMSPとはなんだろうか。MARS. SURVEY. PROJECTだろうか。

 このエピソードでの特筆すべきは、実際の建築物の剛性をうまく表現していることで、小さいミニチュアで鉄骨構造のひねり、ゆがみ、耐久力を上手に再現し、トレーラーでゆっくり搬送している重量物体がどうなるか、また、それによって吊橋の運命がどうなるかと、ハラハラ・ドキドキさせてくれることだ。(吊橋のワイヤーが次ぎ次ぎに切れていくところでピークに達する)

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 冒頭の俯瞰カットで、強い風雨によりこの吊橋が前後左右にひねり、煽られている状況を見せる。ミニチュアを硬い材質で作成するのではなく、剛性を弱くして実物に近い動きを見せる細かい演出に驚く。 建築物のみならず飛行機、自動車などのミニチュアを柔に制作し、壊れやすくすると実物感が増すということを示している。

 ロケットと橋の崩落も、小さなミニチュアにもかかわらず、適正なハイスピード撮影とともに圧倒的な迫力を演出している。ここでも橋の鉄骨材料や、弱い橋げたの砕け落ちる状況が計算されている。

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コメント

こんばんは。

突然ですが、私の出すコメントは殆ど長文になっていますが、墨さんのご迷惑を考えず纏まりのない内容を寄せている懸念について今更ながら自省しています。

言い訳になりますが、それだけ墨さんの主張に対し深い共感と感銘を受けている私なりの証左でもあります。毎回あれこれ言い連ねてもまだまだ言い足りない程であっても、相手の都合を考えるに越した事はないですよね^^;改めてすみません。

さて、今回の連載物、サンダーバードのコラムもとても面白く拝見させて頂きました。“汚し”の効果はコラムに載せている夫々の画像からも充分に伝わってきますね。リアリティを徹底的にストイックに追求する仕事振りとその表現は最早“芸術”の域にすら差し掛かっていると言って過言ではないですね。「本物」に仕立てられたミニチュアがこれまた精度の高い物理的演出に伴って一層の特撮場面の説得力を与えていく。

ミニチュア特撮の「スペクタクル」の真髄を顕わすこれ以上ない「お手本」とも言うべき魅惑のエッセンスがサンダーバードの“名場面”には綺羅星の如く詰まっているようです。

だからこそ、鋭く深い造詣、観察眼を持つ隅さんのお眼鏡に叶い心を捉えて放さない理由に繋がるのでしょうか。

投稿: ワン | 2010年3月11日 (木) 20時53分

ワンさん。こんばんは。
いつもご共感いただけるコメントにたいへん感謝しています。
サンダーバードの世界はこの世の次元ではない人形の世界であり、特撮は本モノと見間違えることはないのですが、本モノのように見せようとするスタッフの努力に頭が下がります。結局、映像に手をぬいているか、いないかは子供たちがすぐ嗅ぎわけます。子供騙しは通用しないのですね。サンダーバードに手抜きはありません。
使い古したように見せる「汚し」のテクニックは「スターウォーズ」のセットや小道具などでも表現され、その黒澤的リアリズムを追及したことで評判になりましたが、もっと以前の「お手本」サンダーバードを忘れていないかと言いたいですね。
その「汚し」でもっとも素晴らしい演出は、劇場版「サンダーバート」でゼロX号が離陸する滑走路の汚れです。タイヤ痕やジェット排気の汚れは、ワンさんの仰るとおり、もはや芸術です。

投稿: アラン・墨 | 2010年3月11日 (木) 22時44分

 アーリントン橋の崩落と火星ロケットの落下は、サンダーバードのエピソードの中でも上位に位置する名場面ですね。
 「サンダーバード クロスセクション(グラハム・プレスマン/メディアワークス)」によれば、MSPは”MARTIAN SPACE PROBE”(火星探査宇宙船)なのだそうです。
 特撮場面も見ごたえがありますが、橋の管理事務所の人間関係など、ドラマの部分も面白いお話ですね。

投稿: 雷おやじ | 2010年3月13日 (土) 20時17分

雷おやじさん。こんばんは。コメントありがとうございます。
MSPの略はそうでしたか。月はもう通り越して火星へ送り込むゼロX号計画の準備段階なのでしょうね。
管理事務所では上からの圧力に屈服する上司と現実を直視する部下との葛藤が、仰るとおり見ものでした。本当に大人の鑑賞に堪えうる内容でした。
ところでトレーラーの運転手は助かったのでしょうか。2台のパトカーは間に合ったと思いますが。

投稿: アラン・墨 | 2010年3月13日 (土) 22時16分

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