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刑務所の中

 山崎努 / 崔洋一/刑務所の中 - 特別版 山崎努 / 崔洋一/刑務所の中 - 特別版
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邦画メモ、NO,55、テレビ朝日-メーテレ

2002年、衛星劇場、ビーワイルド

監督- 崔洋一、 撮影- 浜田毅、 音楽- 佐々木次彦、 原作- 花輪和一

出演- 山崎勉、香川照之、田口トモロヲ、松重豊、村松利史

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 原作の漫画を正確に描写しているという。しかし、原作は見ていない。

 山崎努さんは、たんたんと演技していて良い。彼のナレーションも渋い。ただ、主人公の花輪はナゾのある人物で、年齢と風格からすれば、一流企業の社長か大学教授という感じなのだが、ガンマニアであったり、戦争ごっこをしたり、また彼の言動・精神構造も含めて子供っぽい。山崎努さんでは老け過ぎのような気がするが、あるいはそのミスマッチが面白いか。

 香川照之さんが同室の懲役人を好演していて、賞を貰っているが、たしかに芝居のうまい人である。彼が三代目・市川猿之助の息子とは、今回、彼のプロフィールを見るまで知らなかった。 

 冒頭の河川敷でのバトルゲームのシーンは少し長く感じる。最初、映画のタイトルとどうつながるのか予想できなかったが、それが監督のねらいか。

 刑務所の中の描写は、実際の施設を利用して撮影しているのか、セットなのか判別できず、実にリアルだった。ただ、大分前に阿部譲二さんの私小説やエッセイで、塀の中の概要は知っていたので、それほどビックリすることもなかった。

 映画は各章、タイトルごとに別れ、淡々と進む。血圧が上がるようなシーンは無いが、音楽で言えば、シューベルトの「楽興の時」のスタイルに近いように思う。実に平和的。

 阿部譲二さんの話でもそうだったが、こういう強制的に隔離されたところでは、ただ食べることだけに執念を燃やす。特に甘い物へこだわるシーンでは、こちらも映像を止めて店まで買いに行きたくなるほどだった。

 刑務所生活というのは、旧日本軍の軍隊に近いが、どちらを選べと言われれば、刑務所に行ったほうがマシだ。この映画を見ると、塀の中の人々は刑務所生活を結構エンジョイしているように見えてしまう。刑務所というところは、少なくとも鉄砲を撃たなくても良いし、弾も飛んでこない。

 主人公の花輪は、鉄砲を撃てなくなった代わりに、念願の軍隊に入れたという訳だろう。冒頭に戦争ゴッコを長々と見せたのは、こういうことも意図していたかもしれない。

 懲役の懲と言う字は「懲らしめる」という意味だが、自分より若い刑務官から怒鳴られて、何事も許可と命令により動かされるということが、最大の懲らしめだと感じた。

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コメント

香川さんが浜木綿子さんの息子ということは知ってましたが(あんまり似てませんね)歌舞伎役者の血が流れているとは知りませんでした。香川さんも山崎さんも、上手い役者さんですから、この映画は面白そうですね。
先進国の刑務所は、まだマシなのかもしれませんね。ニュースで見た南米や東南アジアの刑務所は、まさにブタ小屋のようでした。

投稿: マーちゃん | 2010年1月14日 (木) 11時23分

マーちゃん。こんにちは。こちらは雪国になっています。バイクに乗れないので欲求不満です。笑
浜木さんという女優さんの顔が浮かんでこないのです。写真を見れば「ああこの人か」と思い出すでしょう。たぶん香川さんはお父さん似ですね。
南米やアジアの一部の刑務所は一部屋に何十人と詰め込まれていて、ほんとうにひどいですね。まだ「暴力脱獄」←ひどいタイトル・・・の方がまだマシでした。現在のアメリカの務所は甘い感じです。
この映画はどきついシーンもなく、安心して観てられます。

投稿: アラン・墨 | 2010年1月14日 (木) 13時56分

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