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黒い画集・あるサラリーマンの証言

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販売元:東宝ビデオ
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邦画メモ、NO,52、NHKBS

1960年、東宝、シネスコサイズ、白黒、95分

監督- 堀川弘通、撮影- 中井朝一、音楽- 池野成

出演- 小林桂樹、中北千枝子、原知佐子、織田政雄、西村晃、菅井きん、江原達治、児玉清、中村伸郎、小池朝雄

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堀川監督は「七人の侍」ではチーフ助監督を務め、黒澤監督から「デコスケ!」と怒鳴られ鍛えられた人だけあって、実に緻密でぬかりのない作品に見えた。

撮影では黒澤監督のように、納得のいくまでネバルので、やはり撮影期間や予算をオーバーしてしまうこと(たしか「あすなろ物語」でのエピソード)があったようで、一時、サッサと撮影をこなしてしまう成瀬監督の助監督につけられ、その要領を学ばされたようである。

この映画では脚本は橋本忍であり、スタッフにも黒澤組がいて、黒澤作品のように妥協のない展開と映像で見ごたえがあった。

毛織物会社の管財課長を勤めるサラリーマンである42歳の小林桂樹の月給は、昭和35年当時、5万7000円、ボーナスが年40万円。今なら年収1000万というところだろうか。同じ時代のサラリーマンを小林桂樹は「江分利満氏の優雅な生活」で演じているが、その時の月給は4万円であったので、大分恵まれている。

そう。この映画はサラリーマン江分利氏の別次元、ダークサイドのお話。

小林桂樹さんのキスシーンを初めて見た。私の好きな俳優さんであるが、いつまでもお元気でいてほしい。

織田政雄という俳優さんも地味だが、セリフのカツゼツもよく、声がよく響き、芝居のうまい俳優さん。

若かりし頃の小池朝雄さんも存在感あり。あのコロンボの声でチンピラを演じている。

追記: 劇中、淡々と流れる、ギターかリュートを使ったバロック調の音楽は、池野氏のオリジナルだろうか。それとも有名作曲家のものだろうか。たいへん印象に残っている。

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コメント

この映画、私も何となく潜在意識の中に黒沢作品がありました。堀川監督が「七人の侍」の助監督だったことは記憶にありますが、そんなに怒鳴られて鍛えられた人でしたか。なるほど、偉人の薫陶が発露されるのですね。
ところで、昭和35年の時の私の月給は2万3000円でした。当時はまだ20才代半ばの青二才。もちろん、平社員でしたから、課長クラスの小林桂樹は、そのくらいであろうと、想像がつきます。でも課長クラスでも上位の月給でしょう。小林桂樹さんは、最近も老人役で頑張って居られて、私も嬉しい限りです。
織田政雄という俳優さんは、私も印象に残りました。
最近また、刑事コロンボが放映されていますので、小池朝雄さんのあの声に接しています。そうですか、あのチンピラ役で出て居られたのですか。それは気がつきませんでした。

投稿: アスカパパ | 2009年12月13日 (日) 10時04分

アスカパパさん。おはようございます。
黒澤関連番組での堀川さんの発言には必ずこの「デコスケ」の話が出てきます。今だ忘れられない(根にもっている?)のでしょう。堀川監督作品では「裸の大将」を観ていて、この作品での小林桂樹さんの山下清は絶品でした。再見したいのですが、ソフト化されていません。残念です。「あすなろ物語」も観たいです。
当時のアスカパパさんの月給額もおおいに参考になりますね。江分利氏(作者の山口瞳氏)がサントリーに勤務のころ、35歳で4万円の月給でしたので、やはり今の十分の一のようですね。私のオヤジは中学の教頭でしたが、手取り3万円くらいだったようです。先生の給料は安いです。
織田さんはインパクトのある名バイプレーヤーですね。いつも生活苦か借金に追われています。
小池さんの声はコロンボから約10年前でも、やっぱりあの声です。悪役ばかりで、堅気役はコロンボだけかもしれませんね。

投稿: アラン・墨 | 2009年12月13日 (日) 11時15分

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 松本清張原作の黒い画集シリーズは、かってA週刊誌に長く連載された。1週間が待ち遠しかった。貪り読んだ「ALWAYS 三丁目の夕日」の時代だった。 一流企業に勤めて居れば、一課長でも妻子に秘密の女性と深い関係を持てるなんて!。そんな高度経済成長時代は音を立てて崩れ去り、今や深く静かにデフレが進行中の現在から見れば、多少の違和感あるやも?と思いつつ再鑑賞。些細な内容を忘れて居たこともあり、その面白さを再び満喫した。 石野貞一郎は、部下、梅谷千恵子と情事の帰途に、近所の保険外交員、杉山と遭遇、会釈を交わ... [続きを読む]

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