« 楽器を弾けない人が大騒ぎ | トップページ | 「ナニコレ珍百景」でビックリしたこと »

老人と海

 Movie/老人と海 Movie/老人と海
販売元:HMVジャパン
HMVジャパンで詳細を確認する

洋画メモ、NO,68、NHKBS

1958年、WB、ビスタサイズ?、カラー、87分

監督- ジョン・スタージェス、撮影- ジェームス・ウォン・ホウ、音楽- ディミトリ・ティオムキン

出演- スペンサー・トレイシー、フェリペ・パソ゜ス

----------------------------------------------

古いアルバム写真のページをめくるような、あるいは、いつか観た景色を望遠鏡で逆に覗くような、シミジミとした映画。

ヘミングウェイの原作は高校時代に読んだのだが、あまり印象になかった。ただ、老人が船の上で生の魚を食べるところだけ記憶している。

映画は老人扮するトレイシー自身のナレーションが続く。これは文学が原作の映画には、しばしば使われる手法。まして、孤独な老人が主役となっては、独り言のようにナレーションが続く。

これに良く似た手法のものでは、市川監督の「太平洋ひとりぼっち」がある。やはり、一人の人間だけが画面に出てくると、映像表現としては、本人のナレーションによる一人芝居とするしかない。

スペンサー・トレイシーがいい芝居を見せてくれる。疲れきった表情がいい。また英語がよく分からないので悔しいが、彼の喋る英語のセリフも詩の朗読ようで、聞いていて心地よい。

撮影は現地のロケや、実際の海原でのロケもあるが、海上のシーンの大半はプールでの撮影である。あるいは、スタジオ撮影で、バックはブルースクリーンでの合成が使われている。プールでのホリゾントのカキワリの空や雲の絵が実写と見間違えるほど素晴らしい。 それに比べて、過去の東宝映画のホリゾントのカキワリは、繰り返し述べるが、銭湯のペンキ絵のレベルである。

少年の存在がナゾだが、これは原作が文学なので、説明不足の脚本だと言うのはヤボかもしれない。

ところで、あんなでっかいカジキを釣竿も使わず格闘し、たぐり寄せることができるのだろうか、釣りの専門家に可否を聞いてみたい。

本モノのカジキが暴れるカットはフィッシングクラブが撮影したフィルムを使っている。故に、この部分だけちょっと画質が違う。サメがカジキを喰らう水中撮影は映画スタッフによるが、これがまた迫力がある。

私が高校生のころだったか、テレビでこの映画・原作をパロディーにしたCMがあった。老人が頭だけになったカジキがくくり付けられた船を岸に寄せ、「疲れた。休みたい」と語る。ようやくたどりついた掘っ立て小屋に入ると、中には素晴らしいオーディオセットがあり、老人はスピーカーから流れる音楽(ジャズ?)に癒されるという内容。 東芝のステレオのCMだったと思う。

なにをやってもうまくいかないという中高年の絶望感も、少年がいることにより、救われている。ラストのトレイシーのナレーションの口調も明るい。獲物が骨だけになったとはいえ、老人の快挙をみんなが認めている。爽やかなエンディング。

|

« 楽器を弾けない人が大騒ぎ | トップページ | 「ナニコレ珍百景」でビックリしたこと »

洋画メモ」カテゴリの記事

コメント

始めと終わりの陸上シーン以外は、老人と海しか出てきませんね。タイトル通りの映画です。そうそう、「太平洋ひとりぼっち」と同じような手法ですね。あれは陸上のシーンが、ところどころに挿入されてましたが。
主演のトレイシーの演技は素晴らしいですね。もうひとつの主役である海も美しかったです。特に夜明けと日暮れの海と空は絶景でした。
東芝のステレオのCM・・・いつもながら、スタンリーさんの記憶力には感心するばかりです。

投稿: マーちゃん | 2009年6月20日 (土) 14時05分

マーちゃん。こんばんは。
放送をご覧になったのでしょうか。そうでなけれは、マーちゃんのこの映画の記憶もすばらしいですね。そうでした。夜明けと夕焼けは美しかったですね。なかなかああうまく撮れないものなんですよ。
映画の手法としては、やはり過去のカットバックが間に挟まれますね。
ところでこの映画の公開時、ヘミングウェイは在命していましたね。彼のこの映画の評はいかがなものだったのでしょうか。知りたいものです。
あの当時のCMではこういうのもありましたね。「近頃気になることがある。シソーノーローの予防には、ガードハロー♪」。

投稿: スタンリー | 2009年6月20日 (土) 19時57分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/412224/30184565

この記事へのトラックバック一覧です: 老人と海:

« 楽器を弾けない人が大騒ぎ | トップページ | 「ナニコレ珍百景」でビックリしたこと »