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2009年5月

「サンダーバード」の魅力

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特撮メモ、NO,32

サンダーバードの特撮、NO,1

1966年、4月10日、日曜日、NHKで午後5時40分から始まった「自然のアルバム」のエンディングテーマが終わり、午後6時となった瞬間を今でも覚えている。「サンダーバード」の日本初放映の時間であった。

8歳の少年には、なにもかもショックだった。私のミニチュア特撮の基礎概念は、この番組から確立された。

その魅力を、私のつたない文章力では、とうてい一批評としてまとめて書ききれない。そこで第一話「SOS原子力旅客機」を例に箇条書きでメモする。 この作品は「サンダーバード」のイントロデュースとしての役割を果たしている。全メンバーの紹介と国際救助隊のポリシーを謳っている重要な作品であり、かつ、全作品を代表する優れた作品となっている。

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・ 音楽のすばらしさ

  バリー・グレイ作曲・指揮するアコースティックなフル・オーケストラのマーチには今だ血湧き肉踊るものがある。また劇中の危機が迫った時の音楽、巨大な物体が移動しているときの音楽、解決したときのファンファーレ、それらすべてのシンフォニックなオーケストレーションが完璧で、長編映画音楽のような重厚感、満腹感がある。 

ただし、私は、後に日本の民放で、30分の前・後編番組にされてしまった際、第2テーマにつけて流された日本語歌詞の歌は、せっかくのオーケストラのオリジナルを潰して台無しにしてしまっていると断言したい。 私は子供のときから、このとってつけたような歌には耳をふさいでいた。 

・ ミニチュアの遠近感のすばらしさ。

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  これはミニチュア撮影の基本であろうが、狭いスタジオ内で実にうまくセットを組みつけている。番組の冒頭、「ビデカラー」および「スーパーマリオネーション」というタイトルバックの製油所らしきミニチュアセットは、手前右に立ててある鉄骨タワーと、はるか遠景に見える工場群は、恐らく1メートルも離れていない。それは、遠景の爆発火炎が瞬時に鉄骨タワーに飛火することで確認できる。箱庭のような小さなセットを、いかにうまく遠近法を利用して広大な場所に見せているかが分かる。

・ 地面スレスレの撮影。

Dscf0066_medium Dscf0068_medium ミニチュアセットはスタジオの床に組みつけてあるのではなく、台の上にある。それにより、カメラをセットの台上、ギリギリの高さにセットでき、レンズのマジックも利用して地上の物体や建築物の巨大感を引き出すことに成功している。つまり、ミニチュアに対して地面に立つ人の目の高さにカメラがある。

・ 巨大飛行機メカ、重機メカの動きが物理的に合っている。

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  意外と小さいミニチュアメカなのに、巨大感・重量感があるのは、始動・減速の際の加速度をうまく演出しているから。 サンダーバード2号の離着陸、コンテナギアの上げ下げなどが特にうまい。 これの悪い例としては「ウルトラマン」のビートル機の操演であり、離着陸では、いきなり「ドスン」と動かしてオモチャ感を出し、失敗している。 

・ 照明、ハイスピート撮影のすばらしさ。

  スタジオ内撮影なのに、実写の昼間のような臨場感ある映像になっている。どうやってライトを当てているのだろうか。日本のスタジオ特撮映像では絶対マネできない照明。ハイスピート撮影は恐らく5倍以上で回しているだろう。この撮影が、いかなるシーンでも安定していて、爆発やメカの動きに対して物理的な実写感を盛り上げている。これに対して日本の特撮では、不可思議なことだが、通常の回転で撮影することもあり、チョコマカとしたオモチャ的動きがよく見られる。(情けない話だが、使えるフィルムが乏しいという事情もあるようだ)

・ ウェザリング(汚し)のテクニックのすばらしさ。

  滑走路のタイヤ跡、メカの汚れ、ジェット排気の汚れ、ビル壁汚れなど、「サンダーバード」のスタッフの「汚し」の仕事は私が観てきたものでも最高といってよい。これは特撮監督、デレク・メディングスの指示による。

・ パイロテクニックのすばらしさ。

  爆発・炎上も、この特に小さいセットのミニチュア撮影としては、世界最高のものである。炎と飛び散る破片・土煙は、もはや芸術といってもよい。それは火薬・油の絶妙な調合と破片・土砂のセッティング、そして適切なハイスピード撮影と照明の賜物である。日本のテクニックの比ではない。

・ 音響・効果音のすばらしさ。

  ジェットのタービン音、爆発音、鉄骨材料の砕ける音、等々、すべて手抜きなしで入れてある。アカデミー音響効果賞ものといってもいいだろう。日本の映画、特に東宝映画の効果音の手抜きがひどいので特にそう感じるのかもしれない。

・ ミニチュアメカに見られる油圧的動作の細かい演出。

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  これは物理的動作としても言えるのだが、キャタピラメカなどの車輪の上下動や油圧アームなどのメカ動作がちゃんと演出してあるということ。この第一話では、コンテナから出動するエレベーターカーの車輪や上のステージを支える油圧サスペンションが、まるで実物のようにスムーズに動いており、日本の特撮ミニチュアのようにギクシャクした動きのオモチャに見えないこと。

  円谷英二・特技監督「世界大戦争」における1シーンで、同じように、輸送機格納ドアから搬出されるミサイルを載せたトレーラーのゴトゴトした動きと比較すれば、この違いが分かる。

・ 車輪からの土煙も演出してあること。 細かい演出。

・ 巨大なドアや扉もモーターのように滑らかにゆっくり動作し、実物感を演出していること。

  2号コンテナ格納扉の開き方、サンダーバード基地の2号格納庫、1号発進プールの開き方など、これらの動きも実際にギアードモーターなどを使用しているかのように、スムーズに作動し、巨大感を演出している。これは人の手で糸を引っ張り、動かすという方法がほとんどだが、実際にモーター駆動なのかもしれない。それに、こういうシーンでもハイスピード撮影しているのだろう。ギクシャクしていない。スタッフの操演センスもいい。

・ ロケット噴射の演出のすばらしさ。

  あのロケットの火炎・煙は実際の推力を感じさせる細長いスマートな噴射で、モデルの巨大感と飛行体の存在の演出に貢献している。 この火薬はイギリスの火薬会社に特注したもので、日本の特撮マンもマネができない。

  少年時代の私は、日本の特撮物ロケットの、屁みたいな火炎噴射の情けなさに憤慨し、どうして日本のスタッフはイギリスに行ってこの火薬の秘密を探ってこないのかと嘆いたものである。 尚、この火薬は映画「地球は壊滅する」の核ミサイル、映画「月ロケット・ワイン号」のミニチュアにも利用されている。

・ 飛行機メカのデザインのすばらしさ。

  登場する飛行体の制作にはプラモデルなどの部品を一部使用しているが、そのためか航空力学的にも、実際にありそうなデザインとなっている。サンダーバード2号などは、実際にラジコンにすると飛んでしまうのだ。 この第一話に登場するマッハ6で飛行する素敵なファィヤーフラッシュ号は、当時、アメリカで開発していたXB-70「バルキリー」のデザインの影響を明らかに受けている。

  特撮監督のデレク・メディングスはイギリス空軍でトラックの運転手だったそうだ。またジェリー・アンダーソンの兄も空軍にいたということで、基本的にヒコーキ好きがスタッフに多い。 

  ファンには怒られるかもしれないが、「サンダーバード」の影響を受けたこと大の「ウルトラセブン」に登場する飛行メカは、実際に空を飛べるように見えるだろうか。私にはそうは見えない。

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まだまだ書ききれない魅力がたくさんある。これからも随時メモしていきたい。

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驟雨

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邦画メモ、NO,47、NHKBS

1956年、東宝、スタンダード、白黒、91分

監督- 成瀬巳喜男、原作- 岸田国士、脚本- 水木洋子

撮影- 玉井正夫、音楽- 斎藤一郎

出演- 佐野周二、原節子、香川京子、小林桂樹、根岸明美、加東大介、長岡輝子、堺左千夫、伊豆肇、中北千枝子、塩沢登代路、東郷晴子、村上冬樹、佐田豊、大村千吉、恩田清二郎

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驟雨とは、にわか雨のこと。

この映画制作の前年、成瀬は名作「浮雲」を公開している。あの映画、たいへんシリアスで暗く、ラストシーンは高峰秀子の臨終である。

それで、成瀬も肩の凝る映画を作ってしまったという反動だろうか、この「驟雨」はたいへんコミカルで軽い。

オープニングシーンは夫、佐野周二が妻の原節子にグチグチと小言を発し続ける。これは男性が聞いても嫌なもんだが、妻は言われっぱなしでなく、反論もするのは戦後の民主主義の影響だろう。ただし、ヒスを起こすわけでもなく、当時の女性はたいへん我慢強い。現代だったら夫は問答無用に「ウルセーテメー」とジャガー横田のように噛みつかれ、パンチを食らうかもしれない。

この小言を言い合うシーンは小津が演出していても似合ったかもしれない。例のローアングルで真正面のバストショットにより、短いセリフごとにカットの切り返しとなるだろう。この二人の役者さんも小津の常連である。 若い頃、成瀬監督は松竹に在籍していたが、所長は「松竹に小津は二人いらない」と語っていたそうだ。それが原因かどうかわからないが、後に成瀬は東宝に移った。

新婚ホヤホヤの香川京子が、はやくも夫のグチを叔母の原節子に訴えに来るのだが、彼女の苦言による夫の態度はデリカシーが無く、やはり同じ男性としてもケシカランものであり(こんな美人の妻を娶ったのにという意味で)、これも現代だったら成田離婚ものだろう。

佐野夫婦の隣に引っ越してきた小林桂樹、根岸明美の夫婦も軽い感じで、両家お互い、言いたいことも言うのだが、小林のキャラのせいか角が立たない。観ているこちらも安心する。

その根岸さんの体格のいいこと、ダンサー出身であることが庭の体操シーンで納得できる。

この二軒両隣は借家らいしいのだが、私の幼児のころ、昭和30年代にもそこかしこに存在していた木造平屋の形態であり、なんだか懐かしかった。水道は来ていないのか、家の中の台所に手動ポンプ式の井戸がある。もうこの頃テレビジョンは放送されていたはずだが、もちろんラジオしか置いていない。しかし後のシーンでは、デパート「白木屋」の屋上にテレビアンテナらしきものが見られる。

保育園で行う、町内会の常会シーンは、みんなバラバラの意見を言い合うだけで結論の出ないという傑作シーンで、今井監督「青い山脈」のラブレター事件会議を思い起こさせる。

佐野は化粧品会社に勤めている営業マンだが、ある日、社員全員とともに食堂で社長からリストラによる希望退職の説明を受ける。この社長のはなし方が横柄で、「あー、ええか、わかったか」という言い回しにはムカついた。この社長役の俳優さんが恩田清二郎だろうか。憎々しい。うまい。

結局、佐野家の諸問題も解決せず、佐野と原節子との紙風船の投げ合いで映画は終わる。もうちょっと展開してほしかった。上映時間も「浮雲」よりずっと短い、軽い、もの足らない。

音楽は始終ビアノの独奏演奏のみ、それも即興演奏といってよく、明るい曲調なのはいいのだが、ちょとレベルの低い即興だった。

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醜聞・スキャンダル

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邦画メモ、NO,46、NHKBS

1950年、松竹、スタンダード、105分

監督- 黒澤明、脚本- 黒澤・菊島、撮影- 生方敏雄、音楽- 早坂文雄

出演- 志村喬、三船敏郎、山口淑子、千石規子、小沢榮、桂木洋子、日守新一、三井弘次、清水将夫、北林谷栄、青山杉作、高堂国典、上田吉二郎、左ト全、殿山泰司、神田隆、千秋実

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好きな役者さんもすべてメモした。

黒澤映画への出演では、最初で最後の役者さんが大分いる。 その中でも、北林谷栄さんや殿山泰司氏が出演しているとは記憶になかった。 観るのは2回目なのだが。

さすがにこの時期は、黒澤監督にも役者のより好みなど出来なかったのだろう。

「酔いどれ天使」では主人公である医師・志村喬を、ヤクザの三船が完全に食ってしまっているが、この映画では、三船や山口を、志村が食ってしまっている。つまり、弁護士・蛭田の生き返る話が中心。

山口淑子さんは、中国で活躍していた女優さんだが、またバタくさい人で、画家・青江の西洋風の、これまたバタくさい家に、三船と佇んでいるのは、新劇の翻訳物の舞台を観ているようだった。(実はまともに観たことはないのですが)

志村喬の演技は、「生きる」よりこちらのほうが好きだ。 特に初登場のシーンがいい。この二つの映画の志村は、まるで性格の違う双子のようで、どこか似ているところがある。

桂木洋子という女優さんは、あの当時の女優さんとしては、八千草薫に並ぶ、たいへん顔や容姿のこじんまりした女性で、現代にこのまま出演してもアイドルとして成功できると思う。 「破れ太鼓」と「番場の忠太郎」に出演しているのを見て、ちょっとファンになってしまった。

ラストでは、三船が新聞記者たちを相手に「今日、星が生まれるのを見た」と発言するが、どうも私にはクサく感じる。 三船と山口を、星が写っている小川の道を歩かせ、このセリフをしゃべらせてはどうだろうか。

三船と左ト全が歌っているのは珍しい。 「ズビズバー♪」。

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天井桟敷の人々・第二部「白い男」

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映画の中で披露されるステージ劇が面白い。

最初、3人の無能脚本家による演出に辟易したフレデリックが、脚本に無い、破天荒な楽屋落ちも入れた即興劇を見せてくれる。これが聴衆にも大うけ。楽しかった。

バチストのパントマイム劇も相変わらずうまい。劇は第一部で登場したボロ服売りの男をテーマにしていて、バイプレーヤーの存在をうまく使っている。このボロ服売りの爺さん(うまい俳優さん)は終わりまで疫病神のようにバチストにまとわりつく。

ガランスという女性にバチスト、伯爵、フレデリック、そして悪党・ラスネールが取り巻くが、その中でも、ラスネールの目的や行動がよく分からない。これから何回も鑑賞して理解していこうと思う。彼はなぜ警察にとっつかまらないのだろうか。

でも、まあほんとうによく出来た映画。 もう一度観たいシーンがたくさんある。

第二部では鏡の小道具をうまく使っていた。鏡の前に大きな壷を置き、撮影カメラを隠している。うまい。

ラストシーンはファーストシーンよりもっと人混みのカーニバルの群集の中でバチストが揉まれ、ガランスと別れる。

ガランスという女性がもうちょっと魅力的だったらなあ。どう見ても最初から終わりまで小じわのある40歳の娼婦。戦争中なのでいい女優さんがいなかったのか。

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覆面パトカー体験記

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本日、2009年、5月10日。 我が土肥中より、東海北陸道、東名道を利用し、トヨタ自動車博物館へ行ってきた。

土肥中、飛騨清見ICから入って、名古屋・瀬戸方面へ高速道をひたすら走って2時間20分。意外と早く、博物館のある長久手ICに到着。ここは愛知万博の開かれた場所に極めて近い。インターを降りて直ぐ博物館に入った。

博物館の内容は結構いいものでした。といって、印象にあるものはそれほどないのですが、私はその中でも、いすゞ117クーペが一番カッコヨカッタですね。日産シルビアの初期型もいいです。アレ欲しいなー。

展示車の解説を見て驚いたのは、1930年頃までの欧州車・アメ車の図体はバカでかいのに、車の重量が、せいぜい1.5トン前後だということです。それでいて、エンジンパワーも現代の軽自動車からファミリーカー並みの50馬力から100馬力位しかないのですが、自重も現代の車並なので、パワーウェイト・レシオは結構な数字を出しているのです。つまり、意外と速かったのですね。

博物館に1時間もいたでしょうか。見ごたえがあるので結構疲れました。

帰りは同じ高速道を走るのも面白くないので、東海環状道を瀬戸-赤津インターから入りました。 途中、地上デジタル放送の電波塔、「瀬戸タワー」を横目に見ました。タワーの下まで行こうと逡巡しましたが、疲れているのでパス。

美濃・関ジャンクションを経由し、再び東海北陸道を北へ。これが結構混んでいたのであります。走行車線は団子状態。 ちょっと追い越し車線へ入りました。すると後ろから、ホンダのワゴン車が車間距離も取らず、くっついて来ます。

私は常日頃、車間距離は時間にして2秒間とらねばならない。というポリシーを持っています。 ドイツのアウトバーンでは、これが規則になっています。であるから、このホンダワゴンは私のルールに反します。

ところで、私のオヤジは怒りっぽいキャラでありました。良い言い方をすれば正義感にあふれているのですが、一方、瞬間湯沸かし器タイプと言えるのです。それで、実は私もそのDNAを受けついています。

このホンダワゴンに、「なんだコノヤロー」・・・という訳です。つまりマンガで表現するところの、顔のコメカミに、ドイツ空軍のマークのような血管が浮き出てくるのです。あるいはアントキノ・イノキ状態です。「どーですか皆さん。3・2・1・ダー!!!」、「来いコノヤロー!」。

私はアクセルペダルを思いっきり踏み続けます。「どうだ、ついて来れるかテメー!」。

団子状態の走行車線を脱しました。もちろん、ワゴンも振り切りました。「鈍重なホンダのワゴンごときに、この135馬力、車体重量1.1トンの軽量ターボ車が負けてたまるか」。

すると、はるか後方から、白いクラウンが近づいてきます。

「ん?」・・・・ ひょっとして ・・・・

「やばい」 ・・・ 私は思いっきりブレーキを踏みました。結果的に、 この対処が功を奏したのですね。 赤色灯をつけた新型クラウンにパーキングの入り口で止められ、なんとか34キロオーバーの青キップですみました。もし、ブレーキをかけなかったら、確実に赤キップでした。

初めての覆面パトカーの乗車。 後部座席に水タンクようなものがあり、ゴムチューブがそこから出ている。あれは何なのだろうか。隊員の飲料水か。

追記: たぶん、ポップアップする赤色灯からの水漏れを溜めるものだろう。

乗車経験のない新型クラウンは実に乗りごこち良さそう。室内も新車のようにキレイ。ただし、私はこの過齢臭ただようオッサン車を欲しいとは思わない。

驚いたのはパトカーのポリスマンが、まるでホテルマンのように、言葉と態度がていねいなこと。 後部座席に乗り込むときに「頭をぶつけないように気をつけてください」、「ドアを閉めますので手を挟まないよう気をつけてください」と、こちらが恐縮してしまう。 終わって発進するときも、二人で降りて後続車を確認し、丁寧に誘導してくれた。

と、まあ、ETC1000円の割引をフットバシテしまう、反則金、ン万ン千円の超過出費ドライブとなったが、いい経験をした。

あのまま飛ばしていたら、ひょっとして事故を起こしたかもしれない。私が大怪我をするどころか、他人も巻き込んでいたかもしれない。こんなことはめったにないが、時々私もSTUPIDになる。

反則金も、頭を冷やす冷却水代としては、ちよっと高くついてしまったが、事故による損失を想像するとたいしたものではない。

なんてことを書くと、ポリスマンもうれしいだろうな。

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天井桟敷の人々・第一部

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洋画メモ、NO,63、NHKBS

1945年、パテ社、スタンダード、白黒、全編195分

原題- Les enfants du paradis. 第一部「犯罪大通り」

監督- マルセル・カルネ、 撮影- ロジェ・ユベール、 音楽- モーリス・ティエレ、ジョルジュ・ムーケ

出演- ジャン・ルイ・バロー、アルレッティ、ピエール・ブラッスール

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絶対、観ておくべき作品として、心に留めていたもの。 たいへん有名で、ちょっと文学的な邦題は、原語と意味が合っているのだろうか。フランス語が分からぬ。

英語辞書には、enfants terribles、は無思慮・無責任な人という意味のフランス語であると載っていた。

それでは、paradis、は天国に近いということで天井か。

第二次大戦中、フランスで3年半もかけて制作されたそうで、オープニングの通りのモブシーンで、その手間隙と人材をかけたスケールに圧倒される。

大変カット数が多く、会話のシーンではセリフごとにカメラの位置が変わり、これも撮影に手間をかけているのが分かる。

最初、代書屋を兼務する悪党とガランスが、文学的なセリフを我々観客に向って発し、ちょっとイヤだった。私は、こういうのは映画で説教を聞かされているようで好きではない。 また、劇場主がフランス人特有の、言い訳だらけのセリフをオーバーアクションで演ずるのもイヤで、早くストーリーが展開してくれないかと願ったが、バチストのパントマイムから、しだいに映画に引きこまれていく。

しかし、バチストの恋するガランスという女性が、どう見ても私には年増の娼婦にしか見えず、どうして何人もの男性がマイッテしまうのか理解できかねた。もう少し、若く美しく華麗な女優さんをキャスティングしてほしかった。

バチストも、清純すぎるが、年齢は十代後半の設定だろうか。せっかくのガランスの夜の誘いも無視して、いま流行りの草食男性というキャラクター。まあピエロなんだから弱々しいイメージがつきまとうのはしょうがない。 

バチストを演じたジャン=ルイ・バローという人は、若かりし頃の天本英世さんになんとなく似ている。歯抜け怪優・天本さんはデビュー時は結構二枚目で、高峰秀子さんの夫役などもした。 また、最近、泥酔して警察のごやっかいになったあのタレントにも少し似ている。

ということで、私の鑑賞力がないことも一因だが、こんなことばかり印象にあり、それほどの傑作映画とは思えなかった。ただ、フランス語がさっぱり分からないということにも原因があるかもしれないし、何回も繰り返して観れば味が出てくるだろう。

でも、この俳優さんのバントマイムを観るだけでも一見の価値がある。もともと舞台俳優で、この芸が専門の人なのだろう。

1800年代のフランスでは、セリフを発する芝居は禁じられていたということを知った。オペラはよかったのだろうか。

長い映画で、二部に分かれているが、間をおいて公開上映されたのだろう。これは昔の日本でもあった上映方式で、「青い山脈」なども二部に分かれている。

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