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ニュー・シネマ・パラダイス

ニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版 スペシャル・エディション [DVD] DVD ニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版 スペシャル・エディション [DVD]

販売元:角川エンタテインメント
発売日:2006/03/03
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洋画メモ、NO,62、NHKBS

1989年、イタリア・フランス合作、ビスタサイズ、173分

ディレクターズ・カット版、原題- Nuovo Cinema Paradiso

監督- ジョゼッペ・トルナトーレ、 撮影- ブラスコ・ジェラート、 音楽- エンニオ・モリコーネ、アンドレア・モリコーネ、

主演- フィリップ・ノアレ、ジャック・ペラン、サルヴァトーレ・カシオ、マリオ・レオナルディ、アニョーゼ・ナーノ、ブリジット・フォッセー

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子供時代のトト役、サルヴァトーレ・カシオが、たいそう日本でかわいがられ、20年ほど前に大塚のカルシウムの入ったウエハースのCMに出演していたのを思い出す。ものおじしない演技がいい。 今はいいオッサンだろうな。

感動大作であり、良い映画であるが、多少、喉に引っ掛かるところがあり、満点はやれない。

サルヴァトーレがトトに、駆け落ちを止めさせ、工作までして、愛する人と故郷を離れさせようとするが、理由がどうも希薄に感ずる。 つまリ、人生の伴侶たらんとする女性を引き離してまで、彼に映画の道で成功するという確信があったのだろうか。 そこの描写があいまいに感じる。 それとも、こんな田舎に居てはだめだから、とにかく、映画でなくとも他の分野でも成功させたいという望があったのか。

もうひとつ、喉に引っ掛かる大きなトゲは、映写室の描写である。映写機が一台しかないということだ。 このことは、たしか、和田誠氏か井上ひさし氏が指摘していたことでもあるが、今回、私自身、確認した。

イタリアの当時の田舎の映画館では、一台の映写機だけで上映し、フィルム1巻(30分くらいだろうか)が終了すると、観客を少し待たせ、次の巻の掛替をしていたのだろうか。 映画館が焼ける前の古い設備では、そういうケースもあるだろうと、良心的に解釈できるが、新設された近代的設備の映写室でも、相変わらず映写機は1台のみだった。

これはちょっと、我々観客をナメているのではないだろうか。映画館というのは、2台の映写機を備え、1本の映画では数巻必要とするフィルムを、2台で交互に切り替え上映している。この仕組みを気づかない人もいるだろうが、大半の映画ファンは知っていることだ。それをぞんざいにするのは納得できない。 

それに、映写技師の操作による、2台の映写機のフィルムの連携と掛替えという、映写室のメカ的操作の楽しみを省略してしまっている。

こういうことでも、トトとサルヴァトーレとの交流を盛り上げるシナリオが出来たはずだ。

・・・ 「トト、そこのフィルムを取ってくれ、左の映写機に掛けるぞ」

「いいか、もうじき右の映写機のフィルムにエンドマークが出てくる、そのタイミングで、次の巻の左を動かすぞ、トト、やってみるか」

「よーし、来たぞ、・・・ スタート」、

「そらうまくいった。出来た。うまいじゃないか」 ・・・

昔のイタリアでは、映画を掛ける映画館ごとに検閲し、キワドイ場面をカットしていたことを知った。 さすがクリスチャンの国である。その基準が時代とともにゆるくなっていき、ラブシーンにウットリしているのが面白い。

イタリア映画は基本的に、音声の収録はアフレコで、フィリップ・ノアレのしゃべっているイタリア語は他の声優の吹き替えだと思う。

モリコーネの音楽がいい。 CMなどで聞いた事がある曲。

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コメント

これは公開時に映画館で観ました。たしか単館上映作だったと思うのですが、その時は大感動して、良い映画にめぐり逢えたと喜んでおりました。その後、ビデオ化されTV放送されDVD化されて多くの人が観るようになり、皆が大絶賛するのを聞いて「万人に受け入れられる名作」というのが、なんとなく気に入らず・・・アラを探していたのですけれど、名作だけになかなか見つからなくて(笑)。そうですかぁ、映写機の数が足らないのですか!映画愛を描いた作品なのに、それって大きなミスですよね。
あと、劇場版とオリジナル版では内容が違うというのは知っているのですけれど、オリジナル版の方は未見です。私の記憶違いかもしれませんが、トトの駆け落ちの部分は劇場版にはなかったような気がします。

投稿: マーちゃん | 2009年4月15日 (水) 23時55分

マーちゃん。おはようございます。
>「万人に受け入れられる名作」というのが、なんとなく気に入らず・・
そうなんですよ。私もテレビなどで仰々しい形容詞の宣伝で放送されたときは、反発して観なかったのですよ。チラッと観たときはけっこうキワドイ場面もありまたし。

このディレクターズ版は、駆け落ちしようと待ち合わせする部分と、監督なったトトと別れた恋人との再会があります。昔の彼女は、今はもう家庭をもっているのに、まだトトには未練があるのですね。その、もうオバハンになってしまった彼女役には「禁じられた遊び」のブリジット・フォッセーがなっています。
でも、長いですね。 劇場公開版のほうがテンポがいいと思います。
映写機のミスは決定的です。映写室には2台必要なことは「刑事コロンボ」のエピソードでもありましたね。

投稿: スタンリー | 2009年4月16日 (木) 10時17分

コメントありがとうございました。
スタンリーさんならではの目の付け所、恐れ入りました。
この映画は数回観ていますが、その都度感情移入してしまう私は“1台のみの映写機”には気が付きませんでした。
そういえば確かに変ですね。
昔、近接する二つの映画館で同じ映画を時間をずらして上映していて、終わったフィルムを自転車でA館からB館へ運んでいた。という話を聞いたことを思い出しました。これは映写機が2台ないと出来得ない技だなぁ。

投稿: アスカパパ | 2009年4月18日 (土) 18時50分

アスカパパさん。こんばんは。
この映画を何回もご覧になってらっしゃるのですね。私もそうですが、映画を愛する人には、胸に込み上げるものがあります。
それゆえ、映写室のミスは残念なことです。
一本の映画は上映時間によって違いますが、フィルム4巻くらいになっていますね。それを2台の映写機で交互にフィルムを掛替えて上映していくのですが、今は全自動でやっているようです。昔はその映写機のバトンタッチをうまくやるのが映写技師の腕のみせどころだったようです。
「ニユー・シネマ・バラダイス」にも同じようなシーンがありましたが、昔の超人気映画のフィルムが間に合わず、1巻ごとに映画館から映画館へ、ハシゴしていたという、そのエピソードは納得できますね。裕次郎の映画などがそうだったのではないでしょうか。映写技師もハラハラしどうしだったでしょう。

投稿: スタンリー | 2009年4月18日 (土) 21時20分

はじめまして
愛のテーマ演奏してみたので
よかったら観て下さい。

http://www.youtube.com/watch?v=K5Ax6OAvTSw

投稿: きよ | 2009年5月18日 (月) 00時32分

きよさん。ブラボー!、グラツィエ。
完璧な演奏ですね。転調がまたすばらしい。
また別の演奏も聴かせてください。
チャオ・チャオ。

投稿: スタンリー | 2009年5月18日 (月) 19時55分

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 この映画を語る時、恐らく10人中9人は触れられると思うあの有名なラストシーン。今改めて述べる言葉を私は持たない。此処では何故あの感動を呼んだのかということについて、足りない頭脳を絞って考えてみた。  一つは「映画という産物に対する限り無き情熱」を、簡略に集大成した見事さではないだろうか。だが映画への賛美だけでは、あれ程の感涙は出ない。その裏に、人の人生をじっくり眺める眼が存在しているからだろう。  映画愛という絆で結ばれた、あの愛すべきトトと、アルフレードとの赤い糸は強かった。火事。失明。跡継... [続きを読む]

受信: 2009年4月18日 (土) 19時28分

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