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2009年4月

ゼロ戦の20ミリ機関砲について

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著者:坂井 三郎
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太平洋戦争初期では、圧倒的強さを誇った日本海軍の零式艦上戦闘機に関する、巷で発売されている解説書のページをめくってみると、搭載された20ミリ機関砲の活躍が記載されている。

曰く、1,2発、敵機に当たるだけで、翼がもげて、空中分解する。緒戦におけるゼロ戦の勝利は、太平洋戦争当時、唯一この戦闘機に搭載された、画期的な20ミリ機関砲のおかげであり、空中戦では絶大な威力を発揮した。

しかし、これは事実だったのだろうか。

20ミリ機関砲の弾はどういうものかというと、直径は2センチ、長さは、後期の99式2号では発射薬の部分も含めると17センチ、飛んでいく砲弾は8センチ近くあり、昔の小説家が使うようなブットイ万年筆みたいな形である。弾の中には炸薬が入っていて、これは小さな大砲の弾と言ってよい。 つまり、当たると爆発する弾なのである。(弾の種類には焼夷弾や徹甲弾などもある)

その破壊力を知るエピソードとして、地上で整備中に誤射してしまい、コンクリートの壁に直径20センチの穴が開いたというのがある。 これはもう、飛行機の軽いジュラルミンで造られた機体では致命的な大穴が開くか、翼なら分解してしまうものだろう。

ところが、この重量が123グラムもある砲弾は、発射速度が遅かった。毎秒8発という間隔である。発射リズムは

 ♪  ♪  ♪  ♪  ♪  ♪  ♪  ♪  、毎秒

という感じであろうか。 映画「太平洋の嵐」などの東宝映画特撮シーンでの機関砲発射音は「カン・カン・カン・・・・」という効果音であるが、 これは少し遅すぎる。しかし、実際にこの速度では、両翼2丁あるとしても、一瞬で捕らえた敵機には、なかなか当たりそうにない。

それに、弾数が両翼銃合わせ、初期型では約100発、後期型でも250発しかなかった。 もたもたしていると、あっと言う間に撃ちつくしてしまう。

さらに、弾の重量が多いため、旋回時ではGの影響で弾道が曲線を描き、命中精度が落ちたという。

ところが、胴体に装備されている、7.7ミリ機銃の弾(鉛筆に取り付けるキャップくらいの大きさ)は2丁合わせて1400発もあった。そして一丁で、毎秒15発の発射速度である。

   ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 、 毎秒

という間隔になる。

この7.7ミリは、威力は、なるほど20ミリ砲弾よりはるか小さいが、弾道性能が良く、命中率がよかった。因みに、陸軍の「隼」戦闘機の初期型はこの7.7ミリ機銃2丁のみで、大活躍したのである。

ここで、エース、坂井三郎氏の著、「続・大空のサムライ」から、抜粋してみよう。

氏はこう記述している。

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「零戦が世界に先駆けて採用した20ミリ機関砲については、・・・・ 私ははじめから、終わりまで大きな疑問を持ち続けていた。・・・・ 命中すれば、素晴らしい効果をあげたが、機銃弾はあっという間になくなってしまうのである。弾丸の無くなった機銃は、単なる重量物であって、・・・・ さぴしさと不安を覚える。」

「20ミリの命中率は7.7ミリに比べると格段に落ちたのである。・・・ 弾道が放物線を描いて墜落してしまう。私たちはこれを小便弾といったが、なかなか命中してくれない」

「私が撃墜した戦闘機の70パーセントは7.7ミリの集中射撃によるものである。・・・ どんな敵機でも7.7ミリの弾丸で蜂の巣のようにすれば必ず落ちる」

「航空隊の意見の中に、・・・・初速の遅い20ミリ機銃は「百害あって一利なし」という思い切った要望が出されていた・・・ その後の実戦の戦果により、この意見が間違っているように考えている人が多いようである。これは零戦のあげた撃墜戦果の大半が、20ミリによるものであると考えた上での判断であろうと思われるが、事実はそうではない。」

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と、結んでいる。 それに、別の著書では、20ミリの弾倉に敵の弾が当たると、弾倉が誘爆し、翼が吹き飛ぶ恐れがあるので、当たろうが外れようが、早めに20ミリ弾を全弾撃ちつくして、7.7ミリ機銃で闘ったと述べている。また、7.7ミリ機銃は、まるで名刀・正宗のようにするどいものであり、絶大な信頼をしていた。とも述べてあった。

さらに氏は、アメリカ軍戦闘機の6連装13ミリ弾(ブローニングライフル)がうらやましかった。とも述べている。

繰り返すが、ほとんどのゼロ戦の解説書は、この20ミリ機関砲の活躍を記述してあるが、私はどちらかというと坂井氏の言葉を信じる。 

私が思うに、20ミリ機関砲は、格闘戦には不向きで、インターセプターとしての用法に向いていたのではないだろうか。つまり、敵機の後ろから、知られないようにゆっくり接近し、一撃を与えるという戦法である。あるいは地上攻撃用にである。

もし、ゼロ戦が20ミリ機関砲の代わりに、恐らく翼内に400発は搭載できるであろう7.7ミリ機銃、あるいは250発入りの弾道性の良く、7.7ミリより破壊力のある13ミリ機銃を両翼に搭載し、胴体の7.7ミリ機銃2丁と組み合わせて格闘戦を展開していたら、坂井氏の撃墜数は、もっと増えたかもしれない。

なお、ゼロ戦後期の52型ではこの13ミリ機銃を、20ミリ機関砲とともに搭載しているが、機体の重量が増し、格闘性能が落ちてしまっている。この頃になると、もうアメリカ軍のP-51ムスタングや、F6Fの対ゼロ戦法などには、太刀打ちできなくなっていた。

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日本沈没・2006年版

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邦画メモ、NO,45、DVDレンタル

2006年、東宝、超シネスコサイズ、135分

監督- 樋口真嗣、 撮影- 河津太郎、 音楽- 岩代太郎、

VFX- 佐藤敦紀、 特技監督- 神谷誠

出演- 草彅剛、柴咲コウ、豊川悦司、大地真央、及川光博、石坂浩二、長山藍子、吉田日出子、柄本明

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この映画を昨夜観たのだが、本日、2009年4月23日、主人公、小野寺を演じた人物も沈没してしまった。

「平成ガメラ」の特撮を担当した樋口監督なので、実写感をともなった迫力ある都市の崩壊シーンを期待したが、特に印象にない。

全体に薄味の映画となってしまった。人物にエネルギーがない。小野寺は、今、ハヤリの「草食タイプ」の男性で、熱いモノを感じられない。もっとも、あの役者さんがそうなんであるが。

でも、全体的に人物のアクションが、フジテレビ系列のドラマや、昔の東映映画のように、大げさでなかったのは好感がもてる。

ただ、豊川悦司という俳優さんが、どの映画に出てもトンガッタ人物像で、なんとかならないか、と思った。

VFX映像も、特に関心するものはない。都心ビル群がゆっくり崩壊するのは、なかなか実写感があり、いいのだが、そのシーンが僅かしかなく残念だった。 もっと観たいのである。東京タワーがゆっくり傾いていくのを観たいんである。

津波の描写も、昔の東宝特撮のままの大波がかぶさってくるもので、演出に進歩がみられない。スマトラ沖地震・津波のように、海から河が逆流してくるような描写をすれば、現実感の伴う恐怖が演出できたと思う。

それにしても、日本のこういう映画のシナリオというのは、どうして必ず、両親と死に別れた子供や人物が出でくるのだろうか。それに、離婚した元夫婦が偶然出会い、お互い、けなしあいあいながらもプロジェクトを進めるというシチュエーションもよくある。こんな話は怪獣映画などでもおなじみの、使い古しの展開である。

N爆弾というものがよくわからぬ。核兵器に匹敵する破壊力だと説明している。どういうシカケなんでしょうか。 デイジーカッターと呼ばれる気化爆弾は1キロトン位の威力はあるのだが、深海では使えないだろうし。

また、海底各所にセットしたその爆弾の点火装置が、どうして一箇所しかなく、その設置に深海まで潜らなければならないのか、まったく説明不足。脚本を逃げてしまっている。 自己犠牲もワンパターン。

ミニチュア特撮は熊本城の破壊と、崩落する橋の部分に認められた。他にもあっただろうが、CGとの組み合わせでよく確認できない。

監督が、どうも構図や撮影に凝ってしまっているように見える。 しかし、色が美しい。 

私がこの映画で好きなシーンは元・夫の豊川が元・妻の大地に「ありがとう」と感謝するところで、偶然鳴った船の霧笛の音が重なり、元・妻にその言葉が聞こえなかったというところ。

DVD化での問題だろうか、画面サイズがシネスコよりもっとペッタンコになっていて、ほんとうに溝口監督言うところのトイレットペーパーのようになっていた。これは観やすいものではない。

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ゼロ・ファイター大空戦

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特撮メモ、NO,31、DVDレンタル

1966年、東宝、白黒、シネスコサイズ、92分

監督- 森谷司郎、撮影- 山田一夫、音楽- 佐藤勝、

特技監督- 円谷英二

出演- 加山雄三、佐藤允、土屋嘉男、千秋実、谷幹一、久保明、中丸忠雄、藤田進、東野英彦

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冒頭はモールス電鍵を叩くクローズアップ映像。 戦争映画ではこういうシーンが時たまあるが、たいてい、キーの接点の隙間がものすごく空いていて笑ってしまう。 実際のモールス・キーの接点はコンマ、ミリ単位と、極狭く調整してあり、遊園地のシーソーのように、電鍵をバタバタと動かさない

この映画もゼロ戦レプリカのプロペラ部分のアップ映像があり、やはりスピナーがブヨブヨと、いびつに回転していて、このカットは観るに耐えない。

おそらく、この飛べない実物大ゼロ戦は、過去の東宝映画「太平洋の嵐」などで作られたものを流用している。倉庫に分解して保管され、以後、組み立て、使用されているようだ。

円谷特撮については、良いシーンもあり、駄目なシーンもある。いつも思うのだが、特撮の出来にムラがある。NGとなるカットも本編に入れてしまう傾向にある。

本編のコクピットシーンでは、盛んに、マイクも使わず無線電話を使用しているが、のどに取り付けるマイクでしゃべっているのだろうか、当時の日本軍にそういう物があったかどうか資料がないが、あんなに簡単に会話できたのか疑わしい。 エース、坂井三郎氏の手記によると、無線は性能が悪くて使い物にならず、ほとんど手の合図で連絡をとった、とあるが。

音楽は佐藤勝氏であると、オープニングですぐ分かった。「天国と地獄」や「椿三十郎」に似たフレーズがあり、楽器にシロホンを使うなどの共通点がある。

自慢ではないが、私はオープニングの音楽で、作曲者が、團伊久磨、芥川也寸志、佐藤勝、伊福部昭、のだれであるか、ほぼ当てることが出来る。

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・ ゼロ戦ミニチュアの低空エルロンロールを見事に見せてくれた。これはスピルバーグ「1941」でも使われたテクニック。 ミニチュア特撮では、恐らく世界初ではないだろうか。拍手。

ただし、実際のエルロンロールは機体を中心にして廻るのではなく、ひらがなの「の」の字のように回転する。 それが特撮で出来れば文句なし。

・ 被弾したゼロ戦の翼がもげ、キリモミで墜落するカット。高速度のハイスピード撮影でなく、オモチャ同然の特撮映像。 フイルムの使用に制限があるのだろうか。

・ ハイスピード撮影でないのは、チョコマカとしてオモチャ然とさせてしまうが、特に飛行機映画では、プロペラ飛行機がジェット飛行機の速度になってしまい、実写感に欠ける。

・ アメリカ軍飛行場への機銃掃射映像もオモチャ然。空港ミニチュアが小さい。

・ 白黒撮影なので、特撮のアラが出にくいが、やはりミニチュアモデルに反射するスタジオ照明が、ミニチュアっぽくさせている。

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零戦燃ゆ

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特撮メモ、NO,30、DVDレンタル

1984年、東宝、ビスタサイズ、128分

原作- 柳田邦男

監督- 舛田利雄、 撮影- 西垣六郎、 音楽- 伊部晴美

特技監督- 川北紘一

出演- 丹波哲郎、加山雄三、あおい輝彦、目黒裕樹、堤大二郎、橋爪淳、早見優、南田洋子、北大路欣也

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ゼロ戦レプリカのスピナーの回転が我慢ならぬ。

センターのとれていない、凸凹だらけのプロペラスピナーが、ブヨブヨと回転しているのを見るのは、ヒコーキファンとして悲しい。

この映画は零式艦上戦闘機が主役の映画だ。あんなことが許されるだろうか。監督は何も感じないのか。撮影・美術監督は何も感じないのか。 酷すぎる。 観客をナメている。 零戦を侮辱している。

このスピナーのブヨブヨ回転は過去の東宝、戦記物映画の撮影でも見られる。

スピナーだけは精密に作っていただきたい。モーターへの取り付けもしっかりしていただきたい。

特技監督は川北氏、この人の演出は明らかに円谷英二氏を超えている部分がある。

ミニチュア撮影はカット数も多く、特にドッグファィトのシーンは大人が観るのに耐えられる。ただし、過去の円谷氏によるフィルムの流用シーンが随所あり、その場面はフィルムの質感が違うので違和感がある。

東宝のミニチュア特撮で特に気になるのは、ミニチュアモデルに反射するスタジオの照明が良くないことで、モデルプレーンのエッジで光るライトの反射光が、ことさらミニチュア然とさせてしまう。 できれば野外の太陽光で撮影したい。(ラジコンによる撮影は野外)

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・ ゼロ戦のミニチュア離陸シーンは土ボコリの描写が良い。サンダーバード的テクニック。

・ ゼロ戦のギアの閉じ方が間違っている。実際は片方ずつ閉じる。

・ 加山雄三がセリフで、世界初の引き込み足の戦闘機と説明しているが間違い。ゼロより前のソ連のI-16戦闘機は引き込み足である。また馬力も1000馬力と言ってるが初期型は940馬力だった。

・ ラジコンによる撮影はもう少しハイスピート撮影したい。まだ動きが速く、チョコマカすぎる。

・ ミニチュア飛行シーン、およびコクピットシーンではカメラに振動を与えるべき。実写感が増す。(例)「ライトスタッフ」。

・ ゼロ戦の7.7ミリ機銃と20ミリ機関砲の発射音を区別させるべき。同じ音では興ザメ。

・ B-29の爆弾投下がオモチャ然としている。 一番ひどい撮影。

・ ゼロ戦の現地飛行場に、日産の昭和40年代のサニートラックやダットサントラックが走っている。こういうインチキはやめていただきたい。

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ラストシーン。ゼロ戦の炎上は、私が監督だったら、プロペラの回転をしだいに落とし、停止させたい。 

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ニュー・シネマ・パラダイス

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洋画メモ、NO,62、NHKBS

1989年、イタリア・フランス合作、ビスタサイズ、173分

ディレクターズ・カット版、原題- Nuovo Cinema Paradiso

監督- ジョゼッペ・トルナトーレ、 撮影- ブラスコ・ジェラート、 音楽- エンニオ・モリコーネ、アンドレア・モリコーネ、

主演- フィリップ・ノアレ、ジャック・ペラン、サルヴァトーレ・カシオ、マリオ・レオナルディ、アニョーゼ・ナーノ、ブリジット・フォッセー

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子供時代のトト役、サルヴァトーレ・カシオが、たいそう日本でかわいがられ、20年ほど前に大塚のカルシウムの入ったウエハースのCMに出演していたのを思い出す。ものおじしない演技がいい。 今はいいオッサンだろうな。

感動大作であり、良い映画であるが、多少、喉に引っ掛かるところがあり、満点はやれない。

サルヴァトーレがトトに、駆け落ちを止めさせ、工作までして、愛する人と故郷を離れさせようとするが、理由がどうも希薄に感ずる。 つまリ、人生の伴侶たらんとする女性を引き離してまで、彼に映画の道で成功するという確信があったのだろうか。 そこの描写があいまいに感じる。 それとも、こんな田舎に居てはだめだから、とにかく、映画でなくとも他の分野でも成功させたいという望があったのか。

もうひとつ、喉に引っ掛かる大きなトゲは、映写室の描写である。映写機が一台しかないということだ。 このことは、たしか、和田誠氏か井上ひさし氏が指摘していたことでもあるが、今回、私自身、確認した。

イタリアの当時の田舎の映画館では、一台の映写機だけで上映し、フィルム1巻(30分くらいだろうか)が終了すると、観客を少し待たせ、次の巻の掛替をしていたのだろうか。 映画館が焼ける前の古い設備では、そういうケースもあるだろうと、良心的に解釈できるが、新設された近代的設備の映写室でも、相変わらず映写機は1台のみだった。

これはちょっと、我々観客をナメているのではないだろうか。映画館というのは、2台の映写機を備え、1本の映画では数巻必要とするフィルムを、2台で交互に切り替え上映している。この仕組みを気づかない人もいるだろうが、大半の映画ファンは知っていることだ。それをぞんざいにするのは納得できない。 

それに、映写技師の操作による、2台の映写機のフィルムの連携と掛替えという、映写室のメカ的操作の楽しみを省略してしまっている。

こういうことでも、トトとサルヴァトーレとの交流を盛り上げるシナリオが出来たはずだ。

・・・ 「トト、そこのフィルムを取ってくれ、左の映写機に掛けるぞ」

「いいか、もうじき右の映写機のフィルムにエンドマークが出てくる、そのタイミングで、次の巻の左を動かすぞ、トト、やってみるか」

「よーし、来たぞ、・・・ スタート」、

「そらうまくいった。出来た。うまいじゃないか」 ・・・

昔のイタリアでは、映画を掛ける映画館ごとに検閲し、キワドイ場面をカットしていたことを知った。 さすがクリスチャンの国である。その基準が時代とともにゆるくなっていき、ラブシーンにウットリしているのが面白い。

イタリア映画は基本的に、音声の収録はアフレコで、フィリップ・ノアレのしゃべっているイタリア語は他の声優の吹き替えだと思う。

モリコーネの音楽がいい。 CMなどで聞いた事がある曲。

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ETC1000円・高速道ドライブ記

東海・北陸 ひとりで泊まれるやすらぎの宿 Book 東海・北陸 ひとりで泊まれるやすらぎの宿

著者:レブン
販売元:メイツ出版
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拙ブログの記事が300本になった。 始めてからほぼ2年、まあ、よくショーモナイ記事を書いてきたものだ。過去の記事を再読すると、語彙のなさ、文法間違いで顔が赤くなる。 原稿料をもらっているわけではないので、相変わらず無責任でやっているし、これからもそうだと思うが。ただし明らかな間違いは直しております。

ということで、なんの関連もないが、300本記念ということで、本日長距離ドライブを敢行した。 休日のETC・高速料金が、どこまで行っても1000円だということなので、料金所の掲示板で「1000円」とディスプレイされるのが見たくて実験してみた。

ただし、目的地がない。 どこかで出て、観光し、同じ道を引き返すのではなく、繋がっている道を選び、ぐるっと廻ってきて、再び同じ料金所に帰ってくる方法。

ただ、走るのみ。なんという酔狂。 つまり、通行料金は、1000円しか使わないというわけ。

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・ 本日2009年4月12日、午前10時、我が土田舎の東海北陸道・飛騨清見ICに入る。郡上八幡まで時速90キロ走行。以後100キロ。一部、対面交通なので怖い。居眠り運転が突っ込んできたら一巻の終わり。その対向車線の高山・白川村・富山方面は凄い交通量。ただし渋滞なし。

・ 午前10時50分、関SAで一服、タダのお茶を飲む。フロントガラスの虫の激突した跡を掃除する。混んでいない。普通。

・ 午前11時30分、一宮JCTより名神高速に入り大阪方面へ。 養老SAまでは混雑、時速80キロ。関が原に合戦の幟が立ててある。腹がへっているが、ここのSAは込むのでパスする。

・ 午後0時、米原JCTより北陸自動車道へ。 すいている。 100キロ走行。ほとんどの車が抜いていく。 恐らく130キロくらい出している。 STUPID。 車は100キロ超えてから空気抵抗が一段と増し、燃料をガブ飲みする。危険性も増す。運転ストレスも増す。取り締まりに合う確立も増す。どうせどこかのSAで休み、時間を費やす。 結局、移動時間はたいして変わらないのにリスクの多い行為。 日本人の大半は高速道に入ると頭が悪くなる。

高速道を得意がってスポーツ車でメッチャ飛ばすヤツもSTUPID。高速道でスピートを出すには、なんらドライブテクニックは必要ない。 日産GT-Rを使い、アクセルペタルを踏み続ければ、70の婆ちゃんでも300キロ出せる。(リミッターが外してあれば)

・ 長浜を過ぎ、琵琶湖の横を北上する。ここからは初めての道、湖は全く見えぬ。結構トンネル多し。

・ 午後2時30分、磯の香りがしてくる。ようやく日本海の見える尼御前SAでメシ。ここは石川県か。てんぷらソバ定食945円。時間がずれているためか混んでいない。普通。

・ 午後3時30分、金沢を通過し、富山県に入る。観光バスが追い越していく。最近はバスも結構飛ばす。小矢部・砺波JCTより東海北陸道へ南下。もう自分の庭。

・ 午後4時ごろ、城端SAで一服。広大なエリア。ソフトクリーム300円。自販機コーヒー200円。フリークライミングの施設がある。

・ 午後4時30分、白川村通過、全長10.7キロのトンネルに入る。時速80キロ、全国で2番目に長いトンネル。 トンネルを出ると300メートルばかで、また長いトンネルに入る。そういうトンネルと隙間がいくつもあり、いっそのこと、空いている部分も土で盛って繋げてしまえば日本一のトンネルになるのに。

・ 午後5時、飛騨清見ICに戻った。全長約500キロ、休息時間をぬいて、約6時間の走行であった。たいして疲れなし。

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ということで、一筆書き走行が無事完了した。

高速道を一度も出ず、再び、入ったのと同じ料金所に来ることは、ひょっとしてETCのシステムにエラーが発生し、ゲートが開かないのではと心配したが、その通りになった。

係員にカードを渡し、しばし別の場所で待たされた。こういうことは特別割引が効かず、全行程の通常料金を請求されたらどうしようと危惧したが、戻ってきた係員は1000円でよいという。ほっとした。 

・ 距離: 498キロ(自動車道内)

・ 燃費: 12.25キロ/リッター、 一般道の最良燃費は18キロ。

・ 燃料代: 約4500円

・ 飲み食い: 約1500円

・ 通行料: 1000円

ただ、料金1000円という表示が見たいがために、高速道を一日かけてひとりで走り、貴重な資源をムダ使いし、CO2を撒き散らすという、こういうバカけた酔狂をしでかす私こそ、日本人の中で一番STUPID。しかも、結局、表示は見られなかった。

追記: 酔狂というのは飲酒運転という意味ではありません。同じルートの周回走行で、掲示板が0円になったというトラブルがあったそうです。

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あにいもうと

 あにいもうと あにいもうと
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邦画メモ、NO,44、NHKBS

1953年、大映、スタンダード、白黒、86分

監督- 成瀬巳喜男、 原作- 室生犀星、 脚本- 水木洋子、

撮影- 峰重義、 音楽- 斎藤一郎、

出演- 京マチ子、森雅之、久我美子、山本礼三郎、浦辺粂子、潮万太郎、船越英二、本間文子

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恐らく私の10代のころ、テレビで観た映像の記憶断片で、なんという映画か長い年月不明だったものが、本日、この映画であると判明した。

その記憶の断片は、船越英二が揺れるバスの中で饅頭をパクついているシーン。 あんなに揺れるバスで饅頭を食うなんて、乗り物酔いしないかと当時思ったものだ。 私の記憶では船越は進行方向に向って左の位置に座っていたが、実際は右側だった。記憶がネガティブになっていた。

もう一つは夏の茶店でオヤジがカキ氷を客に出しているシーン。匙をぞんざいに洗って客に渡しているのが印象にある。

あとの筋書きやらシーンは全く記憶になかった。ひょっして当時、途中で観るのを断念したのだろう。 成瀬の映画はティーンエイジャーには退屈だったのかもしれない。

この映画は成瀬監督が東宝争議のゴタゴタから脱出して大映で撮ったもの。したがって、脚本の水木、音楽の斎藤を除き、成瀬にとっては馴染みのスタッフではない。心なしか録音が良くなかった。最初の部分はセリフが良く聞き取れなかった。

映画のクライマックスは兄の森雅之と妹の京マチ子が大喧嘩をするところで、成瀬の映画でも、私が観たものでは、カット割も多く、怒りのテンションを維持した一番ダイナミックなシーンだった。

着物姿の京マチ子さんが粋で、そのスタイルや顔は、昔の富山の薬の包装に描かれている女性の絵のようだ。(富山の薬の包装は今でも昔のままだが)

森雅之は珍しくインテリではなく、荒くれ男の役。妹を見れば始終、罵倒を繰り返すが、内面では妹想いである二面性をうまく演じている。

久我美子は姉の正反対ともいえる実直な性格。 男で不幸になった姉の姿を見ているので、恋人との駆け落ちを断念してしまう。 5.6年前の映画の彼女の姿というと、セーラー服が似合うあどけないものだったが、もうこの映画では大人びていて、落ち着いた女性を演じている。

成瀬の演出はセリフのないシーンでの顔の表情が秀逸。 

溝口監督は成瀬映画を「あの人の映画にはキン〇〇がありませんね」と評したそうだが、その意味については、私はなんとなく判ったような、そうでもないような。 

この映画では、兄弟の大喧嘩のシーンと、森と船越が相まみえるシーンが二つのキン〇〇のような気がする。

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ショパンのワルツ

celeste 仲道郁代愛奏曲集 Music celeste 仲道郁代愛奏曲集

アーティスト:仲道郁代
販売元:BMG JAPAN
発売日:2007/09/26
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       ↑  BSリサイタルで、アンコールにショパンのエチュード作品10の3「別れの曲」を、何か想いいれがあるのでしょう、感極まって泣きながら弾いていました。 こちらも思わずモライ泣きしました。 

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本日、なにげなしにテレビジョンをつけて、台所で昼メシのチャーハンなど作っていたら、ショパンのワルツのメロディーが耳に入り、ピクッと背筋が伸びた。

その旋律は、つけていたテレビジョンからのものであったが、これがトイレか何かの芳香剤のCMの音楽だった。

ショパンの曲、特にワルツやマズルカ、ノクターンなどの小品は、映画などでは喫茶店での待ち合わせなどのシーンに店内で流れていることが多い。また、作品69の2、ロ短調のワルツがテレビドラマのテーマ音楽になっていたことがあったし、他のワルツもCMでもよく使われるが、このBGMとして聞くショパンが、なぜか、ソファにふんぞり返ってステレオで聴くよりも断然、気持ちよく聴こえるので不思議だ。

これらの小品は、たとえば見知らぬ街を歩いていて、どこからか邸宅から流れてくるピアノ曲の調べの哀愁があり、奏でているのはひょっとして、病弱で学校にも行けない、か弱い令嬢ではないかという想像や、クラシカルなロマンスの筋書きを想い描いて、歳がいもなくあこがれるものだ。

コマーシャルに使われるショパンのワルツというと「子犬のワルツ」が多いだろう。これは外国では「一分間のワルツ」と呼ばれる。演奏時間が短いがためだ。

また題名に「華麗なる・・・」とついたワルツもよく使われる。

しかし、今日聞いたワルツ、作品70の3、変ニ長調は珍しい。テレビで流れるのを聞いたのは初めて。

この曲はショパンが初恋の人を想って書いたオノロケの曲で、躁病的に明るい。 たとえば、安っぽい恋愛物ドラマのシーンでは、白樺林などで恋人同士がふざけて追いかけっこなどをしているが、その情景のような、幸せいっぱいのワルツである。

実はこのワルツ、15年ほど前に練習したことがある。しかし、中間部のシンブルなメロディー部分が意外に難しく、その後、捨て置いていた。

この曲の面白いところは、最初の右手が2声になっていることで、その対位法的な進行は弾いていても楽しい。ただし、下声部は最初、強い力の親指を使うので、その音を抑えるのがちょっと難しい。

しばらく進むと、右手の4度の和音のレガート進行が現れるが、これもハノンなどで指を鍛錬しておかないと、ちょっと難しい。

この際、コマーシャルを聞いたきっかけに、終わりまで弾いて完成させようと思う。中年オヤジが弾くには、ちょっとばかし、恥ずかしい曲なんではあるが。

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