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マタンゴ

 マタンゴ マタンゴ
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特撮メモ、NO,28、DVDレンタル

1963年、東宝、シネスコサイズ、カラー、89分

監督- 本多猪四郎、撮影- 小泉一、音楽- 別宮貞雄、

美術- 育野重一、造型- 利光貞三、 特技監督- 円谷英二

出演- 久保明、水野久美、土屋嘉男、小泉博、太刀川寛、佐原健二、八代美紀、天本英世

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水野久美さんの存在が大きい。キノコを食べた後の妖艶な姿は彼女の出演暦に残るものだ。

デジタル修正された画面はセットの色彩の素晴らしさを再現してくれている。水野久美さんの緑色の衣装と赤い口紅の艶やかなこと。そして難破船にこびりついているカビやコケの毒々しい色、大きなキノコの造型なども良く出来ていて、胞子がこちらまで漂ってきそうで咽せてきそうだ。 この美術・プロダクションデザインはアカデミー賞ものだと思う。

出演している俳優さんでは、水野さんや土屋さん、佐原さんなどはこの映画に思いいれが特にあるようだ。インタビューや記述などで昨日のように思い出を語ってくれる。

土屋さんによると、あの食べているキノコは米粉で作った和菓子に近く、けっこう美味かったそうで、スタッフもつまみ食いしたという。

佐原健二さんは、「モスラ対ゴジラ」で珍しく悪党を演じたが、この映画でも憎々しい人物を好演している。 尚、同時期作品の「海底軍艦」でもムー帝国のスパイ役で悪そうなツラをしている。 彼の前歯が一本欠けているが、この映画のために抜いたという。脱帽。 役作りのため自分の歯を抜いた俳優さんというと、田中絹代、三国連太郎、田中春男などもそうだ。

天本英世さんは怪人として出演しているが、あの恰好で撮影所の食堂に行ったという。マスクをかぶっているが、そうするとウドンくらいしか食えぬ。

この映画の恐怖シーンは、現在のホラー物を見慣れた我々には失礼だがちょっとトロクサイ。 例えばユックリ人物が後退して、いきなり振り向くと怪人が立っているという基本的なショックのカットもまだ無く、江戸川乱歩や昭和20年代の探偵小説的なノンビリした展開だが、古典の手法として観れば懐かしさを感じて良い。

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・ 冒頭の病院の窓より街のネオンの夜景はミニチュアで、よくできているが、ひとつ縦型の電光掲示板がぎくしゃく動いていて惜しい。あれが無ければミニチュアと気づかない人もいるだろう。

・ ヨットが嵐にもまれるシーンなど、ミニチュア特撮は標準的。

・ この映画では東宝で初めてフロント・プロジェクションがヨットのスタジオ撮影で行われているが、一部、スクリーンが明滅していて何かトラブルが起こっていた。投影されたバックの景色も暗く、成功しているとは言いがたい。

・ 円谷英二氏が衝動買いでアメリカから購入したというオプチカルプリンターが合成シーンに使われている。合成は自然である。この映画の後、「ウルトラQ」で多用された。

・ キノコがムクムクと生長しているところは発砲スチロールの製造過程と同じ化学変化を応用している。デンジロウの実験と同じ理屈。 熱が発生しているようで湯気が見える。

・ ラストシーンでの久保明の振り向くアクションはちょっとわざとらしい。本人もコメンタリーでもう少しうまく演技したかったと語っていた。

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コメント

DVDのジャケット写真で、この映画の色彩が伝わってきますね。
1963年制作ですか・・・この年代の邦画の色彩はもっと地味な感じが多いですか?デジタル修正された画面は、ほんと、きれいですよね~。
ん?「海底軍艦」???面白そうな映画ですね!潜水艦ではないのでしょ?海底に軍艦が沈んでいるのですか?
役作りで歯を抜いた俳優さんだと、「楢山節考」の坂本スミ子さんも有名ですね。

投稿: マーちゃん | 2009年3月18日 (水) 20時53分

マーちゃん。こんばんは。野球も負けたし、テレビも面白くないのでパソコンに向っています。
「マタンゴ」のデジタルリマスターはほんとうにすばらしいです。技術賞をあげたいくらいです。今年撮影した映画のよう。古い邦画ではでは一番ですね。
「海底軍艦」はいわゆる敗戦を信じない「勝ち組」の旧軍人たちが、空飛ぶ潜水艦を作って再び大日本帝国を復興させようとする話なのですが、そこは戦後の映画のこと、ムー帝国という幻の海底国が介入して、この戦争バカたちが改心するという話です。
戦争バカの首領は田崎潤がやっています。
面白いですよ。

投稿: スタンリー | 2009年3月18日 (水) 21時22分

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