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プラトーン

プラトーン (特別編) [DVD] DVD プラトーン (特別編) [DVD]

販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
発売日:2008/10/16
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洋画メモ、NO,58、NHKBS

1987年、WB、ビスタサイズ、120分

監督・脚本- オリバー・ストーン、 撮影- ロバート・リチャードソン、

音楽- ジョルジュ・ドリリュー、 

出演- チャーリー・シーン、ウィレム・デフォー、トム・ベレンジャー、

フォレスト・ウィテカー、ジュニー・デップ

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この映画が公開されていた頃、コマーシャルで流れる音楽が気が滅入るほど暗いものだったので、ずっと遠慮していた映画。

サミュエル・バーバーという作曲家の名前は、ホロヴィッツが彼のピアノ曲を何曲か弾いているので知っていたが、この映画のテーマ曲が彼のものによるとは当時知らなかった。

バーバーは、この曲が、葬式や鎮魂のためにしょっちゅう使われることに嫌気がさしていたという。そういう目的で作曲したのではないということだ。

この映画、当時、戦場をリアリズムに描いて評判になったそうで、たしかにスタローンやシュワのように、一発も敵の弾が自分に当たらないというスーパーヒーロー登場のいいかげんなハリウッド映画ではない。

しかし、壮絶なシーンも今の感覚では、私にはもう免疫になっている。 スピルバーグの「プライベートライアン」の凄惨な上陸シーンを観ているからだ。 だがスピルバーグも「プラトーン」を参考にしているだろう。 元はこれである。

ただし、第二次大戦のヨーロッパ戦のような乾いた土地ではなく、熱帯雨林のアジア戦はほんとうに地獄に見える。 

個性的で達者な俳優さんがいっぱい出てくる。 今は大活躍しているスターも、ちょい役で出演しているが、その中のジョニー・デップは主演候補だったが彼のほうで拒否したという。

私がうまいと感じたのはベトナムの村人で、恐らくフィリッピンの俳優さんたち(障害者の役者までいる)であろう彼らの演技は、本気でこ突かれたりビンタを食わされたり、実写記録を観ているような気合が入った芝居だった。 エンドロールには主要な彼らの名前がクレジットされていてホッとした。

ベトナム兵が、相変わらずアメリカ人が描いた太平洋戦争の映画の中の日本兵のように、不気味な得たいの知れない動物(戦争になると、西洋人からは日本人は猿に見えるようである)かのように描かれていて、同じアジア人として不快だった。 これを打破し、人間扱いされた映画といえばイーストウッドの「硫黄島からの手紙」くらいだろうか。

アメリカ兵の使っているライフルをなんというのか忘れたが、フルオートだと弾があっというまになくなるので、実戦ではほとんど3発バーストで使われたようだ。しかしこの映画ではセミオートの一発撃ち場面が多かった。

ゴルゴ13も愛用しているこの銃は5.5ミリの小口径で、第二次大戦でアメリカ兵が用いていた7.7ミリ口径の小銃と比較するとずっと豆鉄砲。 敵兵を殺すのではなく、負傷させるのが目的だという。 これは敵に大量の負傷兵を抱え込ませ、そのケアのため戦闘力を漸減、撤退を余儀なくさせるという戦法がベトナム戦争から始められたことによる。

映画では、ベトナム兵は即死し、逆にアメリカ兵が負傷兵にてこずる場面が多かったが、そういうところも正確に描写すればもっとリアリズムになっただろう。

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コメント

結構、悲惨な映画ですよね。これと『ハンバーガー・ヒル』が同じころに公開されて話題になりましたね。この映画は5度くらい観ました。(別に悲惨な映画が好きな訳ではありませんよ~)DVDのジャケットはウィレム・デフォーがトム・ベレンジャーに撃たれる有名なシーンですね。ジョニー・デップが通訳として出ていますね。端役でしたが、主演を断ってたのですか・・・・。公開時はジョニー・デップなんて知らなかったので、彼が出ていると気づいたのは最近です。
「硫黄島からの手紙」の上陸シーンは「プライベートライアン」にそっくりだと思うのですが(滝汗)。アメリカは乃木さんじゃないけれど、正面攻撃を好みますね。
PS:教えていただいた本をさっそく注文しました。到着が待ち遠しいです♪

投稿: マーちゃん | 2009年3月 2日 (月) 11時07分

マーちゃん。こんにちは。
イーストウッドの映画の題名を間違えていましね。修正しました。
この映画での俳優さんはウィテカーとデップとシーンしか知りませんでした。憎みあう二人の兵士はどこかで見たかなと言う程度。笑。 私の知識はこんなもんです。
「プラトーン」はかなり製作予算が少なかったそうですが、それであれほどの描写ができたのは監督の手腕ですね。当時ロケのフィリッピンでは革命が起きていて撮影もややこしかったみたいです。
「ライアン」と「硫黄島」のバトルは良く似ていますね。ただ、イーストウッドはスピルバーグより凝り性ではないようです。
本を注文されたそうですね。恐縮です。私は図書館から借りています。まだ斜め読みで最後まで読んでいません。ユダヤ人迫害の件まで係っていてちょっと私には難しそうです。

投稿: スタンリー | 2009年3月 2日 (月) 13時14分

例の本、読み終えました。著者は典型的な右翼思想の持ち主ですね。ナチのことを擁護するような論調にもしや・・・と思ったら、案の定でした。「坂の上の・・・・」に関係のないユダヤ人迫害とノモハン事件をタラタラと書いた後で、精神論を展開していますもの。海軍否定、陸軍称賛、徹底抗戦、ソ連と中国への憎悪、天皇賛歌・・・・絵にかいたような右翼です(汗)。普通、こういう類の本には参考文献を多い人では100冊ぐらい挙げてあるのに、Fさんは「ノモハン事件の真相と戦果」「名将乃木希典」のみというのもなんだか妙です。(私がこないだ乃木神社で買った本ですよ・笑)
経歴はT大の法学部卒となっていますから、お勉強は出来たのでしょう。しかし専攻が史学ではありませんし、大学院で専門的な研究をした風でもありませんね。それで内容がメチャクチャなのでしょうね。この年代のインテリは左よりになる人が多いのに、なかなかユニークですね。

投稿: マーちゃん | 2009年3月 6日 (金) 10時20分

マーちゃん。こんにちは。こちらでは雨がザーザー降っています。
お読みになった感想、参考になります。
私はそもそもこの福井氏の言いたいことが良く分かりません。
最後の章の部分では、ほんとうに右翼の展開ですね。日本は言論自由の国なので、どうぞご勝手にというところです。
それにこの人の参考としている資料も信頼できるものなのでしょうか。ノモンハンの事件ではソ連政府発表の数字を根拠にしていますが、あの国のことですからそれも正確かどうか。
なるほど、2冊しか参考資料の提示がありませんね。そうですか、他の歴史学者の著述だと100冊近く出すものですか。結局、仰るとおり、史学が専門ではなく、この人もアマチュアなのですね。 半藤一利さんはこの本に対してどう反論しているか知りたいものですが、あるいは一笑にふしているかもしれません。

なんだか、あまり実のある本ではありませんでした、勧めて申し訳ありませんでした。

投稿: スタンリー | 2009年3月 6日 (金) 14時01分

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