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2009年3月

ようやく出来た「空飛ぶ自動車」、テラフュギィア

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アメリカのベンチャー企業が「空飛ぶ自動車」を作って公開した。名をテラフュギィアという。

「テラフュギィア」の映像 ・・・ 

http://www.youtube.com/watch?v=EHXnLCIgNug&feature=related

エンジンのパワーは100馬力だが、飛行機と自動車走行ではドライブシャフトを切り替えて同一のエンジンを使用する。主翼は折りたためることが出来、道路を走っても他の交通の邪魔にならない。

ようやく「空飛ぶ自動車」らしきものが出現した。

今まで、この手のものは数多出てきたものだか、みんな失望するものばかりだった。日本でもこのプロジェクトは進行しているようだが、構想のモデルを拝見した限り、「道路を走れる飛行機」という程度ものだった。 そう、道路事情を鑑みると、とても容認できるものではない。パトカーに先導してもらって走るようなシロモノで道路では邪魔なのだ。あんなものがチンタラ走っては困る。

だがテラフュギィアは車としてはスリムだし4輪の構造もしっかりしている。道路でも問題なく実用できるだろう。ただし折り畳む主翼の剛性が飛行中ちょっと心配ではあるが。

この空飛ぶインディビデュアル・ビーグルでは4つのダクトファンにより垂直上昇、飛行するタイプの「スカイカー」が同じくベンチャー企業により開発中である。ただし、これは道路をスイスイ走る機能は付いていないので厳密には「空飛ぶ自動車」ではない。

私はこのタイプには疑問を持っている。VTOLというのは大変魅力的だが、技術的に安全面で不安がある。4つのダクトのパワーを制御するのは難しく、また、一つでも故障すれば即、墜落にいたる。これには乗りたくない。それに燃費も良くないだろう。

「スカイカー」の映像 ・・・

http://www.youtube.com/watch?v=ElS9BKSsezw

夢の中では「スーパージェッター」の流星号がよく出てくる。これは空飛ぶどころか、宇宙、水中を行き、冗談じゃないが地中まで進み、知能まで有する凄い乗り物。30世紀には出来ているのだろうか。

因みに流星号のように、大気圏内をマッハ15で飛ぶ事など不可能であり、出来たとしてもエネルギーが無駄である。 ギリギリ宇宙の高度100キロあたりまで上昇してマッハ15で飛ぶほうが実現的で効率が良い。

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戦国合戦映画の間違い

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NHKの「その時歴史が動いた」の最終回を観た。

この番組は特に毎回観ているものでもないし、この大げさな題名や内容にも時々、マユツバ的ウサンクササを感じ、それにかってスタジオでスタッフに鉛筆を投げつけた、あのアナウンサーのパワハラ的行為が嫌で、一歩距離を置いて観ていたものだが、分かりやすく解説してくれた功績は大きい。

その映像解説の手段として再現ドラマを見せてくれるが、歴史的合戦シーンでは必ず大砲の発射場面があり、映画のようなダイナミックな映像を展開する。

そこでは毎回あきれるというか、笑ってしまうことがある。大砲の描写にである。

大砲のクローズアップの砲口から「ボン」と火煙が出て発射される。この火煙がまるで屁のように弱々しいもので笑ってしまうが、日本のパイロテクニックなんてこんなもの、我慢、我慢。

次のカット。 なんと弾着した砲弾が地面で火を噴いて爆発、土煙(大概セメントや灰)が天に向ってはじけ飛ぶのだ。

この最終回でも関が原の合戦シーンで、やはりその描写があった。

そこで私はこの大砲の発射シーンでおもわず「バカ」とつぶやいてしまう。言った相手は番組のディレクターにである。

オメーサン、(ディレクターのこと)、嘘をついちゃいけねーよ。

あの当時の大砲の砲弾というのは単なる鉄の球(あるいは鉛球)だよ。中に火薬なんか入っていないんだよ。当たっても爆発しないんだよ。 わかってんのかなー・・・・・。

NHKの戦国の合戦シーンというと必ずこの爆発シーンがある。インチキもいいところだ。 鉄の球が飛んでいって盛り土に当たれば「ブスッ」とめり込むだけであろう。ただ月に隕石が衝突したときのように多少の土は飛び散るかもしれない。 水平に飛んで行き、地面に当たれば高速でバウンドしてころがって行くだろう。

思うに、あの当時の大砲の使い方というのは、城内に突入するためが第一戦術であり、鉄球の運動エネルギーで城の門や塀を破壊するのが用法ではないだろうか。 あるいは戦艦の舷側に穴を開けるというのもあるだろう。

だから、合戦で将兵に向けて発射するというのは、ドラマや映画のように戦術として実際にあったのかどうかは知らないが、爆発による爆風や破片で殺傷することは絶対ありえないので、効果があるとすれば、大きな発射音などの精神的ダメージを与えるものだけではないだろうか。

大きな鉄の球が飛んできても、たまたまその向きにいた2.3人が死ぬだけのことだ。これでは鉄砲2.3丁ほどの効果しかない。

追記: ふどう弾という散弾で複数の将兵を殺傷する方法が当時存在していた。

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ヒコーキ映画の間違い

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ヒコーキ映画というよりは、戦争映画では戦闘機が地上を機銃掃射するシーンをよく見かける。

すると地上のシーンではたいがい、画面の向こう側からこちらに向って、順番に弾着の火花と土ぼこりがやってくる。それも実に正確に2本の平行線を保ってやってくる。 

あんなに正確にまっすぐ撃ってくるならば、地上の兵士も横に逃げればいいものを同じ方向に逃げるのでやられてしまう。 

こういうシーンを観るといつも思わず「バカ」と言ってしまうが、言った相手はこういうワンパターンの安直なバイロテクニックを仕掛けてしまう特殊効果マンとそれを容認する監督に対してである。

あんなことはほとんどありえないのだ。 

戦闘機の機銃掃射は一箇所を狙い撃ちする。すると弾着は一定の狭い範囲内でバラバラと弾けるのである。あるいは反対に機首を上下左右に動かし、広範囲をめくら撃ちをする。

だから弾着が映画のように移動して来るとすれば、戦闘機が退避するため、操縦桿を引き起こして機首が上がる時に、たまたま発射桿も押しているその僅かな瞬間だけだ。つまり、ああなるのはせいぜい弾数にして10発くらいのものだろう。

それに弾丸というのは発射時の振動や空力の影響で正確に飛んでいかない。したがって映画のようにきれいな直線の弾着痕などありえない。

ドイツの戦車を機銃掃射しているガンカメラ実写映像があるのでメモしておく。

http://www.youtube.com/watch?v=6f9cqhuARrM&feature=related

このように一箇所を集中して狙い撃ちする。

尚、映像で見える弾は曳航弾であり、その間に見えない弾、つまり徹甲弾、炸裂弾、焼夷弾も一緒に飛んでいる。ガンベルトにはその4種類の弾が交互に並んでいる。

アメリカ軍の飛行機の機銃はほとんどブローニングM2だが、その50口径の12.7ミリ弾では、映像のようにドイツのタイガータンクを撃ってもビクともしない。

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パットン大戦車軍団

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洋画メモ、NO,61、DVDレンタル

1970年、パラマウント、シネスコサイズ、173分

監督- フランクリン・J・シャフナー、 撮影- フレッド・コーネカンプ、

音楽- ジェリー・ゴールドスミス

出演- ジョージ・C・スコット、カール・マルデン、マイケル・ストロング、カール・ミカエル・フォーグラー、

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同じ年に20世紀フォックスにて「トラ!トラ!トラ!」が公開されているが、なんだかそれに対抗してパラマウントで制作された感がする。

戦車バトル実写シーン、特にパイロテクニックやスタントは真珠湾攻撃シーンに比肩する迫力がある。どちらの映画にも特撮監督のL.B.アボットが参加しているが、この映画では特にミニチュア特撮などは無かったので、合成などで仕事をしたのかもしれない。(破壊される戦車に、一部ミニチュアが使われているとのこと)

尚、アメリカの戦車にパットンというネームのものがあるが、この映画の撮影で使われたのがそれだったかは、私はマニアではないので分からない。タミヤのプラモデルの戦車カタログでは「パットン」と「ブルドック」のキャタピラ部分のデザインが良く似ている。どちらかが撮影に使われたのだろう。あるいは戦後作られた別のタンクかもしれない。

ドイツ軍側の戦車はティーゲル(英語読みではタイガー)戦車ではなくガッカリした。明らかにアメリカ軍の戦車を使っている。「プライベートライアン」ではロシアの戦車を改造してティーゲルらしくしてあったものだが、車輪が重なっているタイプのものはなかなか手に入らないのかもしれない。

パットンという軍人がよく分かった。もうまるで日本陸軍の精神主義ガチガチの参謀と同じタイプのキャラである。映画中のエピソードは作り話かと思ったが、調べるとすべて事実だった。コッポラが脚本を書いているが、こういうアクの強い人物の話は筆が進んだことだろう。彼はこれでアカデミー脚本賞をとっている。

スコットの老け役演技が素晴らしい。役年齢は60代だろうが、本人は当時43歳でまだ若いのに貫禄たっぷり。もっとも向こうの人は日本人より老けて見えるものだが。 彼はこの映画でアカデミー主演男優賞を得たが、受け取りを辞退している。その行為もなんだかパットンがやりそうなことだ。「サナバビッチ!、あんな糞スターリンの銅像みたいな物もらってたまるか」。と言ったかどうか。

スタントシーンで気になるカットがあった。 ジープがドイツ攻撃機の爆撃を受けて上下逆さまにひっくり返るのだが、運転しているスタントマンは明らかに下敷きになっている。絶対に首の骨を折っているはずだ。それともとっさに助手席側に伏せたのだろうか。極めて危険なスタントで私が監督だったら許可しない。

普通、屋根のあるセダンがひっくり返るスタントでも、車内には補強バーをつけてつぶれないようにしてあるし、スタントマンもヘルメットをしている。それが屋根のないジープでノーヘルなのだ。 彼はどうなっただろうか。それともラジコン操縦でダミー人形だったのか。明らかにハンドルを動かしていたが。

「トラ!トラ!トラ!」でも、ひっくり返る寸前、危機一髪のジープスタントがあった。

アフリカの荒野に流れるジェリー・ゴールドスミスの音楽、トランペットの「バラパ・バラパ・パラパ・・・・」というけだるい響きが印象的。 彼はどんな作品でも記憶に残る音楽を作る。

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ゲゾラ・ガニメ・カメーバ、決戦!南海の大怪獣

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特撮メモ、NO,29、DVDレンタル

1970年、東宝、シネスコサイズ、84分

監督- 本多猪四郎、 撮影- 完倉泰一、 音楽- 伊福部昭

特技監督- 有川貞昌

出演- 久保明、高橋厚子、土屋嘉男、佐原健二、中村哲、藤木悠、堺左千夫

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完全な子供向け怪獣映画。 尺が短いのは他の子供向けアニメなどと同時上映されるためだろう。

この頃になると怪獣映画もマンネリ化して低予算ものが渋々つくられるようになった。 

まず、予算を抑えるため、怪獣が暴れる場所は都会ではなく孤島となる。ビルや橋などのミニチュアを作らなくてすむ。 しかも遠島なので自衛隊も出動しない。戦車や戦闘機なども必要ない。 

いずれ怪獣たちはクタバッテもらわなければならないが、バトルさせても最後には一匹残るので、これも始末するとなると面倒だ。いっぺんに火山の噴火口に放り込んで片付ける。

南海の孤島には未開人が住んでいるのだが、なぜか日本語を話せる。

その孤島に向う日本人には必ず博士がいる。 開発の利権に絡んだ企業エージェントとジャーナリストの存在も必須。

怪獣は海の生物が大きくなったものだが、昔はその原因として原水爆による放射能の影響を引っ張ってきた。しかし、さすが使い古しの感がするので、宇宙生命体のしわざにする。

まあ、脚本はこんなものとなる。 私でもなんとか書けそうだ。

怪獣の名前。蟹と亀はそのままとして、イカはどうしようか、イカラでは変だ。イカの足はゲソだからゲゾラにしよう。 おい笑うな。・・・・・

この映画がクランクインする前に円谷英二氏が亡くなった。 したがって特技監督は円谷氏のもとで撮影を担当していた有川貞昌氏がメガホンを握っている。

私はこの人が特撮監督したものでは「北京原人の逆襲」を観ている。 香港のあの無秩序なビル群の描写は良かったが、空港でのペキンコングの格闘は相変わらずのスタジオ見学しているようなカメラアングルと、回転が遅いハイスピード撮影で観るに耐えなかったものだ。

しかし、この映画。私はゲゾラの撮影は結構気に入っている。撮影を確認するため2回観てしまった。イカが立って歩いているのは異様だが、なかなか様になっている。足の造形と動きがうまい。(中島春雄氏)。 それに珍しくカメラはローアングルで人間目線からの迫力を出していて成功している。 さらに何と言ってもハイスピード撮影が適切だ。チョコマカとしていない。

ところが、カニと亀のほうの撮影は、再びハイスピート撮影を不自然な回転に落とし、チョコマカと動かしている。 回すフィルムが乏しくなったからだろうか。 意図が不明。

伊福部氏の音楽は「キングコング対ゴジラ」のものをアレンジしている。あまりやる気を感じない。

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・ サターン型を模した大型ロケットの打ち上げシーン。 ミニチュア撮影にスモークが足らずスタジオ然としている。 ただし、点火燃焼ガスの描写は円谷特撮より良い。

・ 宇宙空間でのロケット噴射はハメコミ合成だが、火薬を使ったものより遥かに良い。過去の例のように花火然の弱々しい炎と、煙が上昇して見える仕掛けは止めて正解。

・ 旅客機DC-8の飛行ミニチュアは過去のフィルムからの流用だろう。巨大感なし。「キーン」という飛行音は昭和30年代から使用しているお馴染みの陳腐な音。

・ オープンでの火山噴火シーンの特撮は迫力がある。 この映画では最もすぐれた特撮。ただし過去の映画からの流用かもしれない。 噴火の爆発音は昭和30年代から使用しているお馴染みの陳腐な音。

・ 森の中から聴こえる「ケケー」という鳥の鳴き声は、昭和30年代から使用しているお馴染みの陳腐な音。

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マタンゴ

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特撮メモ、NO,28、DVDレンタル

1963年、東宝、シネスコサイズ、カラー、89分

監督- 本多猪四郎、撮影- 小泉一、音楽- 別宮貞雄、

美術- 育野重一、造型- 利光貞三、 特技監督- 円谷英二

出演- 久保明、水野久美、土屋嘉男、小泉博、太刀川寛、佐原健二、八代美紀、天本英世

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水野久美さんの存在が大きい。キノコを食べた後の妖艶な姿は彼女の出演暦に残るものだ。

デジタル修正された画面はセットの色彩の素晴らしさを再現してくれている。水野久美さんの緑色の衣装と赤い口紅の艶やかなこと。そして難破船にこびりついているカビやコケの毒々しい色、大きなキノコの造型なども良く出来ていて、胞子がこちらまで漂ってきそうで咽せてきそうだ。 この美術・プロダクションデザインはアカデミー賞ものだと思う。

出演している俳優さんでは、水野さんや土屋さん、佐原さんなどはこの映画に思いいれが特にあるようだ。インタビューや記述などで昨日のように思い出を語ってくれる。

土屋さんによると、あの食べているキノコは米粉で作った和菓子に近く、けっこう美味かったそうで、スタッフもつまみ食いしたという。

佐原健二さんは、「モスラ対ゴジラ」で珍しく悪党を演じたが、この映画でも憎々しい人物を好演している。 尚、同時期作品の「海底軍艦」でもムー帝国のスパイ役で悪そうなツラをしている。 彼の前歯が一本欠けているが、この映画のために抜いたという。脱帽。 役作りのため自分の歯を抜いた俳優さんというと、田中絹代、三国連太郎、田中春男などもそうだ。

天本英世さんは怪人として出演しているが、あの恰好で撮影所の食堂に行ったという。マスクをかぶっているが、そうするとウドンくらいしか食えぬ。

この映画の恐怖シーンは、現在のホラー物を見慣れた我々には失礼だがちょっとトロクサイ。 例えばユックリ人物が後退して、いきなり振り向くと怪人が立っているという基本的なショックのカットもまだ無く、江戸川乱歩や昭和20年代の探偵小説的なノンビリした展開だが、古典の手法として観れば懐かしさを感じて良い。

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・ 冒頭の病院の窓より街のネオンの夜景はミニチュアで、よくできているが、ひとつ縦型の電光掲示板がぎくしゃく動いていて惜しい。あれが無ければミニチュアと気づかない人もいるだろう。

・ ヨットが嵐にもまれるシーンなど、ミニチュア特撮は標準的。

・ この映画では東宝で初めてフロント・プロジェクションがヨットのスタジオ撮影で行われているが、一部、スクリーンが明滅していて何かトラブルが起こっていた。投影されたバックの景色も暗く、成功しているとは言いがたい。

・ 円谷英二氏が衝動買いでアメリカから購入したというオプチカルプリンターが合成シーンに使われている。合成は自然である。この映画の後、「ウルトラQ」で多用された。

・ キノコがムクムクと生長しているところは発砲スチロールの製造過程と同じ化学変化を応用している。デンジロウの実験と同じ理屈。 熱が発生しているようで湯気が見える。

・ ラストシーンでの久保明の振り向くアクションはちょっとわざとらしい。本人もコメンタリーでもう少しうまく演技したかったと語っていた。

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ゴッドファーザー・パートⅢ

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洋画メモ、NO,60、NHKBS

1990年、パラマウント、ビスタサイズ、162分

監督- フランシス・F・コッポラ、 撮影- ゴードン・ウィリス、 音楽- ニーノ・ロータ、カーマイン・コッポラ

出演- アル・パチーノ、ダイアン・キートン、アンディ・ガルシア、タリア・シャイア、ソフィア・コッポラ、フランク・ダンブロシオ

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アル・パチーノは何歳という設定なのだろうか。調べてみると、なんと彼の実年齢は今年69歳だ。すると1990年の撮影当時は50歳というところだが、それ以上の老け役メークをしている。

喋り方も老けたもので、ザワザワとした声はビト役のマーロン・ブランドの息子役だから彼の声をマネたものだと思ったが、最近の彼のインタビューを観ると、やっぱりあの喋り方であり、晩年の彼本来のエロキューションだった。

この映画を検索すると、批判が多いが、そんな中では、ロバート・デュバルやマイケルの娘役の出演辞退などのアクシデントがあった中で、これだけの映画を作ってしまうコッポラを評価する声もあり、私もそう感じる。

ただ、日本人には、いや頭の悪い私には、ローマ法王がからむ箇所は分かりにくいものだった。それに2時間40分の尺は長すぎる。 

ソフィア・コッポラは素人俳優なので、彼女を批判するのは酷なことで、たしかにセリフのカツゼツは悪く、表情に乏しいが全く視られないものでもない。

オペラ劇場での暗殺シーンはちょっとヒッチコック的でドキドキする。実際のオペラと客席側、暗殺側とのショット切り替え編集が良い。

ただ、いきなりの、イタリア企業幹部や大司教への報復は、成り行き部分をカットしすぎで説明不足が否めない。

この映画、ヨーロッパでは不振だったというが、向こうの人々にとって、ローマ法王界にメスをいれることは、日本では宮内庁内の話に係るのと同じかもしれない。

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黄色いリボン

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洋画メモ、NO,59、ワンコインDVD

1949年、RKO、スタンダード、テクニカラー、104分

原題- SHE WORE A YELLOW RIBBON.

監督- ジョン・フォード、 撮影- ウィントン・C・ホック、チャールズ・P・ボイル、

音楽- ルシアン・カイレエ

出演- ジョン・ウェイン、ジョアン・ドルー、ジョン・エイガー、ベン・ジョンソン、ハリー・ケィリー・ジュニア

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ジョン・フォード監督で観たものはこれで3作目。 

黒澤監督が彼に傾倒していたことがよく分かる。 「七人の侍」とこの映画との制作順をよく知らない人は、部分的に黒澤映画のシーンをパクッたのではないかと思うかもしれない。

騎兵隊がネイティブの集落で馬を暴走させ、襲撃を阻止させるシーンは「七人」の村の攻防戦を彷彿とさせる。

また極めて危険な岩場での乗馬疾走シーンは黒澤アクション的だ。(黒澤アクションがフォード的なのであるが)

西部荒野の撮影のすばらしいこと。スタンダードサイズなのに横幅が狭く感じられない。騎兵隊やネイティブたちの集団が画面を横切ったり、去ったりする撮影は映画技法のセオリーに従っているものだろうが、まったく自然であり観やすい。

それも大ロケーション撮影なので、スタッフの苦労がしのばれる。

酒場でのぶんなぐり合いは西部劇のお馴染みシーンであり、わざわざ騎兵隊での物語りに取り入れたのはフォード監督のサービスだろう。

老いたジョン・ウェインが亡き妻の墓に語っているシーンはシミジミするものだ。また隊員から銀時計を送られ感激にむせるシーンも、抑えた演技でいい。その時計を後々まで使うのは脚本のうまさ。(あの当時、どうやって標準時を知るのだろうか)

二人の隊員と娘との三角関係の描写は、もう少し突っ込んでもよかったのではないか、ここも女性を描くのが苦手だった黒澤監督に似ている。

「黄色いリボン」のあの歌は、この映画のオリジナルだと永年思っていたが、アメリカの民謡だった。

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大河ドラマはどうしてデジタルシネマカメラを使わないのか

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   ↑ デジタルシネマカメラで撮影された篠田監督の映画。

先日、NHKで白州次郎氏の生涯を扱ったドラマがあった。

私は白州氏という人物にさして興味もなく、親からもらったDNAと財産で自由奔放に生きたエートコのボンボンという評価しかできない。

ということで、ドラマは観なかったが、ほんの1カットだけチャンネル切り替えの途中で目に入ってしまった。

さて、ちょっと観たところ、このドラマ、撮影にデジタルシネマカメラが使われているように見えた。画質はまったくフィルムライクで、深みのある映像であった。そして画面サイズはビスタサイズに近い。これは今の横長テレビではピッタリのサイズということになる。

このデジタルシネマカメラは現代のほとんどの時代劇の撮影に使われている。理由は光と色と影、そして奥行きの調子が、ほぼフィルム撮影に近い効果に仕上げることができるからだ。それが時代劇にマッチしているにほかならない。

たとえば、TBSの「水戸黄門」にはスポンサーの関係からか、パナソニックのVARICAMというデジタルシネマカメラが使われ収録されている。 

このドラマを観ると、VTR収録なのか、フィルム撮影なのか判断しにくい微妙な画質となっていて面白いが、どういう意図でそうしているのか不明だ。これは調整すればもっとフィルム調の画質にできるはずだ。

10年ほど前だったろうか。この「水戸黄門」を観ていて驚いた。なんと永年観てきたフィルム撮影の映像が、いきなりVTR収録になっていたからだ。

いや、酷い番組になっていた。今までの味のある画質の時代劇がまるで、ロケ現場か、撮影所で見学しているようなウスッペラな画面になってしまっていた。

VTR映像の、ほとんど肉眼に近い生映像では、チャンチャンという刀の効果音やバサッという人が切られる効果音がものすごくウソクサク、シラケテ聞こえた。

おまけにセットがひどくチープに見えることはなはだしかった。(つまり太秦撮影所を歩いて、セットを見学しているようなときの「なーんだこんな簡単なものだったの」という感じに近い)

私はよっぽど、この番組のプロデューサーに抗議しようかと思ったが、ほどなくして番組はVTR収録を止め、デジタルシネマカメラで収録されるようになり、画質はフィルム撮影とはいかないまでも、ある程度改善された。たぶん、私と同じ思いの人がいて、だいぶ抗議が来たからに違いない。

ということで、私は時代劇をVTRで収録することには以前から反対しているし、そういう番組は嫌悪しているが、NHKはなぜか、頑なに大河ドラマでは生のVTR映像を使い続けている。

これはたぶん、NHK内部で制作される番組であるか、下請けの制作会社で作られるかの違いによるものだろう。そして大河ドラマはNHK局内での制作なのではないだろうか。

つまりデジタルシネマカメラという高価なシステムは、シブチンのNHK内部ではまだ導入できないのかもしれない。

もちろん、VTR映像嫌いの私は、大河ドラマなど、中学生時代に「勝海舟」を観たきり、今まで一回たりとも、まともに観たことが無い。

もしデジタルシネマカメラで収録され、かつ、昔の「市川昆劇場」や「木下恵介劇場」のように著名監督が替わりばんこで演出するのであれば観てもよいと思っている。

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民放「衝撃映像特集」のやり方

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 季節の変わり目や年度替りの時期に、民放テレビ各社では世界の衝撃映像を編集して放送する。

ついこの2・3日前にも2社の民放で流していた。

 最近の小型ビデオカムやスマホの普及のおかげで、プロやアマチュアなどが撮影した事件の映像は、実に臨場感タップリでスリルがあるが、こいうものが始まった当初、20年くらい前は、映像を矢島正明さんなどの声優さんによる解説で、次ぎ次ぎにテンポ良く流してくれて、ほんとうに見ごたえがあったものだ。

 ところが最近のこの手の番組は、映像の合間に、スタジオのひな壇に並ばせたタレントの天然ボケ話でお茶を濁し、時間を稼ぐという手法になってきている。それだけ流す実写テープの本数が少なくて済むからだろう。おまけに相変わらず例のCMまたぎで放送時間を引き延ばす。 番組の上げ底化である。

 さらにもっと酷いのは、「未公開映像!」、「こんなの見たことない」なとど大ウソツキで宣伝していることだ。

 私の観たところ、こういう番組の映像の50パーセントから70パーセントは、既に他局やその局で、過去に放送されたものばかりである。 

 完全に視聴者を小ばかにしている。それとも番組のスタッフはよっぽどテレビを見ていないのだろうか。いやそんなことはあるまい。

 何だか、番組制作のプロデューサーとディレクターとスタッフとの編集打ち合わせの会話が聞こえてきそうだ。・・・・・・・

-- 映画「デス・ノート後編」に出ていたサクラテレビのディレクターのような連中を想像。

 「先輩、ネットの投稿動画から衝撃映像ひろって集めてきました。でも、一部を除いて、みんな他局やうちの局で流れたものばかりですよ。みんな見たことあるなー。」

 

 「バカ、だからお前は要領が悪いってんだよ。こんなもの視聴者はいちいち覚えていねーんだよ。何回流したって分かりっこねーよ。」

 

 「そんなもんですかねー。ま、仮に知られていてもスタジオの天然ボケタレントのトークや自分の体験談で笑ってもらってゴマカシましょう。」

 

 「お、わかってんじゃねーか、少しは民放のやり方が身についてきたな。 ただし、いいか、スタジオの馬鹿タレントにはあらかじめ、初めて観た映像だと言うようにと打ち合わせしとけ。大げさに「スゲー」とか「驚いた」とか言わせろ。」

 

 「それからCMの前には肝心のところでカットして、ひな壇タレントの「えー!」という驚いた顔を挟め、CM済んだら同じシーンをまた10秒流せ、それだけで本編を5分間短くできるぞ、忘れるな。 たったこんなもんでゴールデンアワーの視聴率20パーセントは稼げるぞー。」

 ・・・・・・・・・ 私はいまだにビデオテープを使っていて、こういう番組は3倍モードで録画して観ているが、2時間編成のこの手の番組では、既に観た映像や、CM、ムダなスタジオシーンを早送りすると、実質、30分で終わってしまう。

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プラトーン

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洋画メモ、NO,58、NHKBS

1987年、WB、ビスタサイズ、120分

監督・脚本- オリバー・ストーン、 撮影- ロバート・リチャードソン、

音楽- ジョルジュ・ドリリュー、 

出演- チャーリー・シーン、ウィレム・デフォー、トム・ベレンジャー、

フォレスト・ウィテカー、ジュニー・デップ

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この映画が公開されていた頃、コマーシャルで流れる音楽が気が滅入るほど暗いものだったので、ずっと遠慮していた映画。

サミュエル・バーバーという作曲家の名前は、ホロヴィッツが彼のピアノ曲を何曲か弾いているので知っていたが、この映画のテーマ曲が彼のものによるとは当時知らなかった。

バーバーは、この曲が、葬式や鎮魂のためにしょっちゅう使われることに嫌気がさしていたという。そういう目的で作曲したのではないということだ。

この映画、当時、戦場をリアリズムに描いて評判になったそうで、たしかにスタローンやシュワのように、一発も敵の弾が自分に当たらないというスーパーヒーロー登場のいいかげんなハリウッド映画ではない。

しかし、壮絶なシーンも今の感覚では、私にはもう免疫になっている。 スピルバーグの「プライベートライアン」の凄惨な上陸シーンを観ているからだ。 だがスピルバーグも「プラトーン」を参考にしているだろう。 元はこれである。

ただし、第二次大戦のヨーロッパ戦のような乾いた土地ではなく、熱帯雨林のアジア戦はほんとうに地獄に見える。 

個性的で達者な俳優さんがいっぱい出てくる。 今は大活躍しているスターも、ちょい役で出演しているが、その中のジョニー・デップは主演候補だったが彼のほうで拒否したという。

私がうまいと感じたのはベトナムの村人で、恐らくフィリッピンの俳優さんたち(障害者の役者までいる)であろう彼らの演技は、本気でこ突かれたりビンタを食わされたり、実写記録を観ているような気合が入った芝居だった。 エンドロールには主要な彼らの名前がクレジットされていてホッとした。

ベトナム兵が、相変わらずアメリカ人が描いた太平洋戦争の映画の中の日本兵のように、不気味な得たいの知れない動物(戦争になると、西洋人からは日本人は猿に見えるようである)かのように描かれていて、同じアジア人として不快だった。 これを打破し、人間扱いされた映画といえばイーストウッドの「硫黄島からの手紙」くらいだろうか。

アメリカ兵の使っているライフルをなんというのか忘れたが、フルオートだと弾があっというまになくなるので、実戦ではほとんど3発バーストで使われたようだ。しかしこの映画ではセミオートの一発撃ち場面が多かった。

ゴルゴ13も愛用しているこの銃は5.5ミリの小口径で、第二次大戦でアメリカ兵が用いていた7.7ミリ口径の小銃と比較するとずっと豆鉄砲。 敵兵を殺すのではなく、負傷させるのが目的だという。 これは敵に大量の負傷兵を抱え込ませ、そのケアのため戦闘力を漸減、撤退を余儀なくさせるという戦法がベトナム戦争から始められたことによる。

映画では、ベトナム兵は即死し、逆にアメリカ兵が負傷兵にてこずる場面が多かったが、そういうところも正確に描写すればもっとリアリズムになっただろう。

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