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ニュールンベルグ裁判

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洋画メモ、NO,57、NHKBS

1961年、ユナイト、ビスタサイズ、白黒、194分

監督- スタンリー・クレイマー、脚本- アピー・マン

撮影- アーネスト・ラズロ、音楽- アーネスト・ゴールド

出演- スペンサー・トレイシー、バート・ランカスター、リチャード・ウィドマーク、モンゴメリー・クリフト、マクシミリアン・シェル、マレーネ・デートリッヒ、ジュディー・ガーラント、ウィリアム・シャトナー

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東京裁判のような大法廷かと予想していたが、案外、こじんまりした法廷だった。

画面をビスタサイズにし、白黒映画としたのは記録映画的にさせるためだろう。ビスタビジョンのシャープな映像がいい。

ビスタビジョンの撮影は通常の35ミリフィルムを使用するが、われわれが普段使っているフィルムカメラのように横方向に巻き取ってコマを送り撮影する。

ビスタサイズのフィルムの1コマの横幅は、ライカ判より狭くなるがスタンダードの2倍近い面積となる。この撮影カメラを観たことがないが、マガジンはカメラ本体の右と左に突き出しているのだろう。

オヤ?、と思ったのは最初、被告人はドイツ語で罪状認否に答えていたのに、以後はすべて英語で会話が始まったこと。しかし、同時通訳のレシーバーを頭にかけるので、あくまでドイツ語を話しているという設定で映画は進む。 まあドイツ人の俳優さんではないし、通訳を介するとアクションが手間取り、会話のテンポが台無しになるので致し方ないこと。

ウィドマークの最初の検察論告では、壇上の彼の周りをぐるりとカメラがサテライト撮影する。 カメラは移動中、ほとんど振動しないので、恐らく円形のレールを敷いてカメラを乗っけているだろう。 現在だとステディカムを使うところだ。

映画とはいえ、アメリカの検察と弁護側のやりとりの激しいこと。日本の裁判を見たことがないが、絶対にあんなダイナミックなものではないだろう。ウィドマークも弁護のシェルも口から泡を飛ばして激論していた。

他のサイトの情報では、最初のキャスティングはランカスターが判事で、トレイシーはヤニング司法大臣だったという。役が逆になったのはランカスターの強い要望だそうだ。

私にはランカスターはそんな名演技とは見えなかったが、トレイシーはさすが老判事にふさわしい演技だった。

一番の名演技は証人として、少し知恵遅れのパン職人を演じたモンゴメリー・クリフト。 同じ証人として呼ばれたジュディー・ガーラントもうまい。 

デートリッヒは堅い裁判シーンの合間登場し、見ている観客の肩をほぐしてくれた。(といっても心がすさんでいる未亡人役なので冷たく見える)、街の通りで「リリーマルレーン」の歌が流れるシーンは微笑ましい。しかしサービスとしてもちょっとやりすぎの感もある。

アウシュビッツの記録フィルムの映写は長すぎやしないか。 なにか劇映画の手段としてルール違反のようなものを感じる。 私がプロデューサーだったらカットしてセリフで表現するか、流すとしても、もっと短くさせたい。

ラストシーンで刑の決まったヤニング司法大臣に老判事は問いかける。

「なぜ少年を無実と知りながら死刑にさせたのか。 そもそも原因(ホロコースト)の元はそこにある。」

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コメント

白黒映画なのでランカスターの髪の毛の色が不思議な発色をしていますよね。あれは白髪なのでしょうかねぇ。昔の映画はドイツ人も日本人もフランス人も皆、英語をしゃべっていますよね(笑)。
>映画とはいえ、アメリカの検察と弁護側のやりとりの激しいこと
実録のニュルンベルグ裁判を見ると、ナチのゲーリングが激しく無罪を主張しています。それに対し裁判長は「言いたいことがあるなら後で聞くから座れ!」と注意していました。発言を許されると「こんな裁判は茶番だ」と言った挙句、高笑いしたとか、しないとか。日本のA級戦犯とは態度が違いますね。
アウシュビッツの記録フィルムの映写は、ジョン・フォード監督が撮影した実写フィルムだったかと思うのですが(実際のニュルンベルグ裁判で流されたもの)再見し、確認してみます。あれはショッキングな映像ですよね。
ドイツ人が認めない彼らの罪をあぶりだした、テーマも役者さんの演技も素晴らしい映画ですね。

投稿: マーちゃん | 2009年2月25日 (水) 23時17分

マーちゃん。こんばんは。
ランカスターは初めての老け役だそうですがジーッと前の方を凝視しているだけのシーンが多かったです。ワンシーンだけ弁護士を叱り飛ばしていました。地味な出演ですね。
とにかくアチラの裁判では演技力や訴えるパワーがいるようです。
アウシュビッツのフィルムは過去に観たことがありますがジョン・フォードの撮影とは知りませんでした。太平洋戦争のフィルムでは彼やフランク・キャプラが仕事をしていますね。
ニュールンベルグの記録はまだ観ていませんが東京裁判のものでは東條英機の頭を叩いた人物がいたのがはっきり記録されていますね。日本人は最後の悪あがきはしないので暴言を吐くこともなく地味な裁判だったと思います。
忘れていましたが、ウィドマークの演技では酔っ払っているクラブのシーンが印象にあります。

投稿: スタンリー | 2009年2月26日 (木) 20時27分

こんにちは。
スタンリーさんのレビューを拝読して、ビスタビジョンの撮影について理解出来ました。
>フィルムカメラのように横方向に巻き取ってコマを送り撮影する
のですね。
ありがとうございました。

>ステディカム
体にカメラを装着して撮影する装置のことですね?。
なんでも、ぶれないように設計されているとか聞いていますが。

投稿: アスカパパ | 2009年3月 1日 (日) 11時53分

アスカパパさん。こんばんは。
私のビスタビジョンの方式についての知識はこれくらいのものでして、それもウィキペディアを斜め読みしたものです。笑
ステディカムは以前の手持ちカメラのブレを無くしてくれましたね。これは人間の腰につけたギプスから自由に動くアームでカメラを空中に固定し、振動を消し去ります。 つまり自動車のタイヤの独立サスペンションのようなものです。タイヤは上下に動いても、クルマのボディは地面からの振動を受けずに停まっている様子に似ています。
ステディカムで撮影された映像は私の大好きなものの一つです。あの映像は超小型飛行機で空中をフワフワ飛んでいるようで、夢を観ているようですね。

投稿: スタンリー | 2009年3月 1日 (日) 21時26分

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