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日本海大海戦・海ゆかば

日本海大海戦・海ゆかば [DVD] DVD 日本海大海戦・海ゆかば [DVD]

販売元:東映ビデオ
発売日:2004/08/06
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邦画メモ、NO,38、DVDレンタル

1983年、東映、シネスコサイズ、131分、画質普通

監督- 舛田利雄、 撮影- 飯村雅彦、 音楽- 伊部晴美

特技監督- 中野昭慶

出演- 三船敏郎、沖田浩之、三原順子、宅麻伸、佐藤浩市、伊東四郎、伊豆肇、

稲葉義男、ガッツ石松、丹波哲郎、平幹二郎、横内正(秋山真之)

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東映の日露戦争シリーズ第二作目作品。 この以前に「二百三高地」が同じ監督、脚本、撮影同スタッフで製作されている。

その「二百三高地」で児玉源太郎を演じた丹波哲郎は、この映画で山本権兵衛、同じく伊地知陸軍参謀を演じた稲葉義男は海軍の上村中将を演じている。

東郷は三船敏郎で、1969年の東宝「日本海大海戦」からそのままのシフト。しかし「二百三高地」で彼は明治天皇だった。 シリーズとすれば俳優の役柄を統一したほうがいいのでは。今回は明治天皇は平幹二郎だった。

横須賀に展示されている戦艦三笠を撮影に使うのは定石になっているが、東映のパイロテクニックは東宝より火薬量が多く感じ、三笠主砲の発射の迫力は結構なものだが、セットでなく本モノの砲身に火薬を点火させいていて、よく撮影が許可されたものだ。

その三笠の撮影ではカメラに写ると都合の悪いものがシーツやテントでカバーしてある。たぶん公園の一部や展示説明板などが入ってしまうからだろう。

佐藤浩市の部下のツラの悪い砲兵は、東映の大部屋俳優さんたちだが、これが東映カラーのオーバーな演技で、またまた閉口した。 20世紀フォックス「トラ・トラ・トラ」でも空母の中で調子の悪いラジオを叩いているシーンや源田実を出迎えるシーンなどで、彼らがオーバーな演技をしているが、アメリカ側監督のフライシャーも、これらのオーバーアクションがアメリカ側のドキュメンタリータッチの演出とマッチせず、再三、東映側に直すようアドバイスしたとコメンタリーで語っていた。

司馬遼太郎の「坂の上の雲」はこの映画製作以前に発表されているが、小説中の三笠の出撃準備や戦闘中の描写がそのまま演出されていた。 それが以下のシーン。

・ 重すぎる燃料分の石炭を海に投棄する。

・ 艦内をくまなく掃除し、ビカビカに磨き上げる。 戦闘時の流れる血糊で滑らないよう甲板に砂(灰?)をまく。

・ 入浴し体を清める。

・ 戦闘服をすべて新調品であつらえる。

・ 酒保の菓子類を無料で食べほうだいにさせる。 ただしこれは小説では三笠艦内ではなく他の戦艦での話だった。

・ 秋山参謀が戦闘中の艦内を見回り、阿鼻叫喚の状況に呆然とする。

・ 風呂が死体置き場になる。

・ 艦橋の東郷がズブ濡れになっても、破片が飛んできても身動一つしない。

水兵の沖田が東郷長官に向って彼だと分からず、「じゃまだからどけ」と言っているシーンがあるが、厳しい海軍の規律から考えると、たとえ戦闘時でも、彼の将校服と帽子で瞬時に上官と見分けが付くはずだ。 笑いをさそうシーンだが、不真面目な脚本の部分といっていい。 黒澤監督ならビリビリと脚本のこのぺージを引き裂くだろう。

ガッツ石松が好演。彼は結構芝居がうまい。また殴り合いなどの擬斗の演出が東映は良い。

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・ 特撮監督は前の「二百三高地」でもメガホンをとっていた中野昭慶氏だが、彼はこの時分、東宝からフリーとなったのだろうか。 

・ 特記すべき特撮シーンはなく標準的なものだが、爆発水柱の描写は火薬を使っていて1969年、東宝「日本海大海戦」の高圧エアの噴出ではなかった。

・ 東郷らの三笠の艦橋にいるシーンのバック映像はフロントプロジェクションによるが、ロングショットの顔のアップでは背後に本人の影がぼんやりと映りこんでしまっている。  このシカケがよく分るが、ロングでは撮影に注意が必要だと思った。

・ 佐藤浩市らが発射している15センチ砲が重量感たっぷりで存在感がある。三笠のものを使ったのかセットなのか判別できない。セットだとすれば東映の美術さんに脱帽。

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コメント

これは未見ですが、ぜひ観たいです!単純な私は「坂の上の雲」の影響で、東郷提督のファンになってしまいましたから(笑)。秋山真之は横内正さんですか・・・・う~ん、どうなんでしょ?どうでした?もうちょっと知的な感じの人の方が(汗)。三船さんは東郷とか山本五十六が似合いますよね。
去年、三笠を見に行った時は、犬を連れていたので艦内に入れなかったのですが、犬を飼う前に館内に入ったことがあります。意外と狭かったですよ。
小説の中の「艦内をくまなく掃除し、ビカビカに磨き上げる」は戦争に臨む心構えに感服しました。たしかロシア側はボロボロの服でしたよね。海軍は「月月火水木金金」という精神でしょうかね~。

投稿: マーちゃん | 2009年1月21日 (水) 16時22分

マーちゃん。こんばんは。
「二百三高地」とこの映画の制作順序を間違えていて、修正しました。
東郷元帥はカッコイイですよね。 九州男児の無口さ、男は3年に二口しゃべればいい、というのが彼は似合っていますね。
横内正さんの秋山は、私は?でした。 体格も良く、老けているんです。
図書館から当時の戦艦の資料を借りてきましたが、仰るとおり当時1級の戦艦なのに小さいもんですね。 太平洋戦争の軽巡洋艦よりずっと劣ります。
脅威だった中国の鎮遠なんて駆逐艦と変わりありません。
でも三笠観たいですね。
水兵生活は陸軍よりつらそうです。ハンモックなんかで寝られるのでしょうか。 イジメやシゴキもひどいですね。
でも停泊中はちゃんと休みがあったようです。

投稿: スタンリー | 2009年1月21日 (水) 20時18分

1年半ぶりぐらいにレンタル店まで行きました。「二百三高地」と「海ゆかば」を借りようと思ったのですが「二百三高地」はレンタル中になっていていました(汗)。
初めの方の沖田浩之と三原順子の恋愛部分は必要だったのでしょうかね~。戦争映画にああいうシーンは入れないでほしいのですが・・・。しかし、ラスト30分、合戦準備に入ってからが、メチャクチャ面白かったです!迫力がありました。入浴し体を清めフンドシを締め直してましたね(笑)。沖田くんは「じゃまだからどけ」だの、東郷提督に「ラッパを吹かせて下さい」と直訴までしていてましたね~。
大砲は映画だからでしょうか、日本軍は下瀬火薬、ロシア軍が黒色火薬を使っていたと思うのですが、日本側の砲煙が黒過ぎるような気がしました。
バルチック艦隊が水平線に姿を現した時の東郷提督の顔が良かったです。感激で涙が出てきました。

投稿: マーちゃん | 2009年2月14日 (土) 18時18分

マーちゃん。こんばんは。
ご覧になりましたか。
あの二人の部分は私も余計に感じました。それで結構早送りで飛ばしています。三原順子は芝居がうまいとは感じましたが。
戦闘シーンでは血糊ブシューがありましたが、多少オーバーにも思いました。でも実際あのとおりかもしれませんね。
東郷さんは丁度、三船の年齢と合っているでしょう。まさにベストキャストでした。そうですか。涙が湧いてきましたか。
黒煙の描写は両軍とも同じ感じでしたね。もう少し差をつけてほしいと私も思いました。ミニチュア特撮はやはり円谷英二より劣ります。
またロシア側の描写がほとんどなく、物足りないですね。
私は「坂の上の雲」の中にあったロシア人造船技術者の手記を読んでみたいです。
バルチック艦隊には彼らなりのドラマがあったのですね。
ロジェストベンスキーにも彼なりの言い分があったと思います。
ロシア側からアプローチした小説があればいいのですが。

投稿: スタンリー | 2009年2月14日 (土) 21時38分

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