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ハドソン川の奇跡と不運

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著者:内田 幹樹
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ラガーディア空港を離陸した直後のUSエアウェイズのA320が、バードストライクによってエンジン2機停止となったのは全くの不運であり、恐らく離陸上昇中としては航空機史上初めての事故ではないだろうか。

エンジンが二つともダメになるという確率は天文学的なものだろう。それがとうとう起きてしまった。

バードストライクの実写映像。http://jp.youtube.com/watch?v=uYNpB-8_BSo&feature=related

航行中のジャンボ旅客機の4発のエンジンすべてが火山灰の影響で停止し、グライダー状態となって降下するという事故もあったが、幸い高高度であったため、懸命なエンジンの再起動を試みて、なんとか空港に着陸している。

旅客機はエンジンが二つ以上なければならないが、機体が地上から離れてしまえば、双発機ならば一つのエンジンでも上昇と飛行は可能な設計になっている。

それがもし、離陸直後に2発エンジントラブルとなるともうお手上げだろう。その場合、民家への激突を最小限に食い止めるため、空いている土地へ落とさなければならないが、まだ速度のエネルギーが低いため、急旋回でもしようものなら失速してストンとそのまま落ちてしまう。 そのストンと落ちてしまった事故が「衝撃映像特集」でさんざん流される有名なB52の墜落事故。

・B-52の失速事故映像。http://jp.youtube.com/watch?v=E_L5MEHVnQ0&feature=related

ただし、この事故はパイロットがエアショーで自分の腕をみせびらかそうと、無理な急旋回をしてやってしまったことだ。 民家や観客の場所でなくて幸いだった。

今回のハドソン川の事故ではパイロットの冷静な判断で不時着水できたが、まず川の幅が1キロもあったこと、フェリーに激突しなかったことが幸いというか奇跡だった。もし海に着水するとすれば、着水するときでも旅客機の速度は時速250キロ程度出ているので、三角波でもあろうものなら、翼や胴体は波に当たった衝撃でコナゴナになってしまう。 飛行機の機体なんてモロイものである。

・ボーイング767が海に不時着水した映像。http://jp.youtube.com/watch?v=wRgHp-Q7SY4

たぶんUSエアウェイズの機長はフラップを最大に出し、失速ギリキリまで迎角をつけて速度を最大限に落とし、尾翼からじょじょに着水させ運動エネルギーを減衰させつつ、両エンジンとも同時に着水、エンジンの抵抗で減速させたのだと思う。

もし機体が傾いた姿勢で、どちらかの翼が水面に接触したならば、翼がもげてしまい、上記の映像のB767の不時着水に近い状態になったかもしれない。

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コメント

少し前にバードストライクのことを話題になさってましたよね。両エンジンに鳥が吸い込まれ、2機とも停止なるのは、それほど珍しいことなのですか。
失速事故映像はびっくりです!飛行機が失速すると垂直に落下するのですね。B-52のような飛行機は航空ショーには不向きなのでしょうね。
今回の事故機の機長の腕前は素晴らしいです!元空軍戦闘機のパイロットだそうですから、急降下の経験が生きたのでしょうか?

投稿: マーちゃん | 2009年1月17日 (土) 17時25分

マーちゃん。こんばんは。
B-52のこのパイロットは以前から超低空飛行や、ビックリ飛行で有名だったのですが、とうとう図に乗って無茶をやらかしたのですね。飛行機は速度が遅いと、バンクするだけで失速します。
離陸中に全エンジン停止というのは恐らく何万年も乗り続けて一回あるかないかという確率かもしれません。
乗客が旅客機の事故にあう確率も、毎日乗ったとして200年に一回くらいだったと思います。
今回のパイロットはすばらしいですね。
A320という飛行機もよかったかもしれません。操縦が安定しているのでしょう。
ただし、名古屋空港で着陸寸前に、コンピューターと人間との連携ミスで墜落した事故はこの旅客機でしたが。

投稿: スタンリー | 2009年1月17日 (土) 21時26分

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