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二百三高地

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邦画メモ、NO,35、DVDレンタル

1980年、東映、シネスコサイズ、184分、

監督- 舛田利雄、 脚本- 笠原和夫、 撮影- 飯村雅彦

音楽- 山本直純、 特撮- 中野昭慶

出演- 仲代達矢、丹波哲郎、あおい輝彦、三船敏郎、夏目雅子、

森繁久弥、稲葉義男、新沼謙治

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東映カラーが良く出ている映画だと思った。 舛田監督の作品はほとんど観ていないので何とも言えないが、やっぱりアクション、感情の表現がオーバーに感ずる。

これは私が、黒澤、小津、成瀬、溝口・作品に親しんできたからかもしれない。

特に成瀬や小津監督など、ダイレクトな感情表現よりも、その場の空気で心理を描写する演出家だと思うが、私はそういうやり方のほうが好きだし優れた映像表現だと思う。

しかし、この映画や他の東映作品でも、役者が怒り、わめき、ポロポロと落涙するシーンが多々みられ、役者のオーディション演技テストを観ているみたいでクドク感じる。

例えば、仲代が長い時間、明治天皇の前で慟哭し、体をブルブル震わせ、床にかしずいてしまうところや、顔面アップの涙顔など何カットもあったのだが、私がもし監督だったら絶対やらせないだろう。

人それぞれで、こういうシーンに感動する人もいるだろうが、シラケテしまう人も多い。

たぶん休憩時間のロールだと思うが、さだまさしの唄に合わせ、詩や歌詞の文のみが画面いっぱいに映し出されていた。 これは小説家や詩人が、「私の文章はすばらしいでしょう」とカメラに撮ってスライドで文を写してみせているようなもので、映画では無意味なことだ。  私は早送りした。

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有刺鉄線に取れた手首が掛かっているカットがあった。「西部戦線異状なし」からいただいている。

両軍24時間の休戦で、ロシア兵、日本兵がわきあいあいで交流している。これは事実だったのだろうか。

撮影に使われた大砲はもちろんフェィクだが、発射シーンの火薬量が結構多く、日本映画にしてはまずまずの迫力があった。

銃で撃たれたり、銃剣で突かれたときの兵隊のアクションもちょっとオーバーである。

火薬が爆発するパイロシーンは日本映画のレベルであり、特筆することもないが、機関銃の弾の地面での破裂は相変わらず貧弱である。

飛び交う弾の描写では、恐らく東宝ミニチュア特撮で使われたポンポン砲の大型のようなものから発射された火花が飛んでいる。 曳光弾の効果だと思うが、飛んでいく速度が遅いのでねー。

ロシア軍のマキシム機関銃は戦史によると極めて数が少なかったそうだが、この映画では大量に使われている。 映画のウソである。

旅順港や丘の戦闘描写、戦艦の破壊にミニチュア特撮が使われているが、特筆すべきものでもない。東宝でも東映でも日本のミニチュア特撮のレベルはたいして違いがないと感じたが、終わってからエンドロールを観ると特撮監督は中野昭慶氏であった。

私はこの特撮監督のシーンで優れていると感じたものは、円谷監督のものよりはるかに少ない。

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コメント

これは昔、見ました。内容はあまり覚えていないのですが、仲代さんの演技がオーバーだったという印象だけ、くっきりと残っています(笑)。今年「坂の上の雲」と「殉死」を続けて読んで、日露戦争に凄く興味がわいています。この映画は再見したいと思っていたところに、スタンリーさんのレビュー!なんとタイムリーなんでしょう。司馬さんの本によれば、乃木希典という人自身も、劇的なことを好んだみたいです。そういう意味では仲代さんには、打ってつけの役かもしれませんね。私はちょっと前に三船さんが東郷を演じた「日本海大海戦」を観ました。日露戦争は海軍のおかげで勝ったようなものですよね~。
今年もいろいろとありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

投稿: マーちゃん | 2008年12月30日 (火) 21時12分

マーちゃん。こんばんは。
テレビが面白くないので、正月休みは映画をむさぼって観ます。
実は、「日本海大海戦」は何回か観ていますが、改めて円谷特撮を確認しようと思い立ちレンタル店に行ったら貸し出し済みでした。
それで「二百三」を観たのです。
日露戦争のその司馬さんの小説は読んでいませんがこの正月にでも読みたいです。
この頃の日本の戦争は太平洋戦争と比較して紳士的で狂気もありませんね。その戦術に私も興味があります。
「日本海大海戦」では乃木大将は笠置衆さんが演じていたと記憶しています。三船さんは東郷でしたね。この映画ではなんと明治天皇でした。
乃木さんは明治天皇崩御の後を追い自刃していますから確かに劇的な人生ですね。


投稿: スタンリー | 2008年12月30日 (火) 21時40分

レンタルできました。見直してもやはり、仲代さんの演技の印象は変わらず・・・でした。
>両軍24時間の休戦で、ロシア兵、日本兵がわきあいあいで交流している
これは事実みたいですよ。日露戦争写真集に酒盃を交わす日露の将校の写真がありました。日付は明治37年12月3日で屍体収容のための休戦だったそうです。両軍の将校たちは歓談し、酒盃を交わし、肩を叩きあいながらお互いの奮戦ぶりを讃え合った・・・・とあります。

投稿: マーちゃん | 2009年2月23日 (月) 09時27分

マーちゃん。こんばんは。
ご覧になりましたか。
休戦での描写は実際にあったのですね。情報ありがとうございます。「坂の上の雲」では旅順陥落後でも、日露の兵隊が町の酒場にて同じような場面があったと書いてありました。
太平洋戦争では、こういうような一時休戦ということはあったのでしょうか、聞いたことがありません。
乃木さんは私は仲代さんより笠智衆さんのほうが好きです。

投稿: スタンリー | 2009年2月23日 (月) 19時34分

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