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2008年12月

蒲田行進曲

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邦画メモ、NO,36、DVDレンタル

1982年、松竹、ビスタサイズとシネスコサイズの中間、109分

監督- 深作欣二、 脚本- つかこうへい、 

撮影- 北坂清、 音楽- 甲斐正人

出演- 松坂慶子、 平田満、 風間杜夫、 蟹江敬三、 清川虹子

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映画が始まった当初、風間杜夫の演技についていけなくて、観るのを止めようと思った。

なぜ、ついていけないか。 非現実的でオーバーな演技がいやなのだ。 これは最近のトレンディードラマでもよく観られる演技なのだが、私はこういう演出のものをチャラチャラ・ドラマと名づける。

このチャラチャラ・ドラマはいつごろから始まったかというと、どうやら1970年ごろの「サインはV」や「アテンションプリーズ」ぐらいからではないかと私は推測する。 まあ、どっちかというと子供向けドラマである。

その後、山口百恵や宇津井健が出演する「赤い」シリーズへとつながり、堀ちえみの「スチュワーデス物語」などでも踏襲され、現在のフジテレビが企画する、若い女性社員がテーマのドラマなどに、今だその影響が残っている。 これらも視聴者は二十歳未満が対象というものだろう。

このチャラチャラ・ドラマの脚本・演出は、当時は主に大映系の映画人によった。

深作監督は東映の人だが、この「蒲田行進曲」もまるっきしその系統の演出だ。

しかしちょっとマテ、と自分に言い聞かせた。 この映画はつかこうへい氏の演劇を元にしている。 演劇とはそもそも観客席の人、全員に芝居が分かるようにオーバーアクションである。

ひょっとして深作監督は舞台演劇のノリを、映画というスクリーン上で見せているのではないかと気が付いた。

そうなると映像は分かりやすい。 単純に楽しめた。 いつのまにか結婚式のシーンになっているのもファンタジーでミュージカルのようだ。 

平田満がアパートで暴れるシーンが見ものだった。 さすがに何回もテークできないシーンなので一部のカットはマルチカメラで撮影されていたが、へたをすると、ほんとうに怪我をしかねない熱演だった。

九州の実家に帰って清川虹子がいるときだけ、チャラチャラ・ドラマから離れ、多少現実的な演出になっている。

特典映像によると、深作監督は自分の作品の出来にたいして、めったに自己満足しない人らしいが、この作品だけは完成ラッシュを観た後、ニッコリと笑ってOKマークを作ったという。

ラストは出演者全員で記念撮影をしているが、深作監督も並んでほしかった。それともどこかにコッソリ写っているだろうか。

追記:

 平田満の安アパートで平田、松坂との入籍を風間が頼み込むランチキ騒ぎでは、窓の外がやがて雷雨となるが、これは黒澤映画「野良犬」のシーンへのオマージュと思われる。 深作監督は黒澤映画に感銘を受け、映画の道を選んだと聞いている。

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二百三高地

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邦画メモ、NO,35、DVDレンタル

1980年、東映、シネスコサイズ、184分、

監督- 舛田利雄、 脚本- 笠原和夫、 撮影- 飯村雅彦

音楽- 山本直純、 特撮- 中野昭慶

出演- 仲代達矢、丹波哲郎、あおい輝彦、三船敏郎、夏目雅子、

森繁久弥、稲葉義男、新沼謙治

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東映カラーが良く出ている映画だと思った。 舛田監督の作品はほとんど観ていないので何とも言えないが、やっぱりアクション、感情の表現がオーバーに感ずる。

これは私が、黒澤、小津、成瀬、溝口・作品に親しんできたからかもしれない。

特に成瀬や小津監督など、ダイレクトな感情表現よりも、その場の空気で心理を描写する演出家だと思うが、私はそういうやり方のほうが好きだし優れた映像表現だと思う。

しかし、この映画や他の東映作品でも、役者が怒り、わめき、ポロポロと落涙するシーンが多々みられ、役者のオーディション演技テストを観ているみたいでクドク感じる。

例えば、仲代が長い時間、明治天皇の前で慟哭し、体をブルブル震わせ、床にかしずいてしまうところや、顔面アップの涙顔など何カットもあったのだが、私がもし監督だったら絶対やらせないだろう。

人それぞれで、こういうシーンに感動する人もいるだろうが、シラケテしまう人も多い。

たぶん休憩時間のロールだと思うが、さだまさしの唄に合わせ、詩や歌詞の文のみが画面いっぱいに映し出されていた。 これは小説家や詩人が、「私の文章はすばらしいでしょう」とカメラに撮ってスライドで文を写してみせているようなもので、映画では無意味なことだ。  私は早送りした。

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有刺鉄線に取れた手首が掛かっているカットがあった。「西部戦線異状なし」からいただいている。

両軍24時間の休戦で、ロシア兵、日本兵がわきあいあいで交流している。これは事実だったのだろうか。

撮影に使われた大砲はもちろんフェィクだが、発射シーンの火薬量が結構多く、日本映画にしてはまずまずの迫力があった。

銃で撃たれたり、銃剣で突かれたときの兵隊のアクションもちょっとオーバーである。

火薬が爆発するパイロシーンは日本映画のレベルであり、特筆することもないが、機関銃の弾の地面での破裂は相変わらず貧弱である。

飛び交う弾の描写では、恐らく東宝ミニチュア特撮で使われたポンポン砲の大型のようなものから発射された火花が飛んでいる。 曳光弾の効果だと思うが、飛んでいく速度が遅いのでねー。

ロシア軍のマキシム機関銃は戦史によると極めて数が少なかったそうだが、この映画では大量に使われている。 映画のウソである。

旅順港や丘の戦闘描写、戦艦の破壊にミニチュア特撮が使われているが、特筆すべきものでもない。東宝でも東映でも日本のミニチュア特撮のレベルはたいして違いがないと感じたが、終わってからエンドロールを観ると特撮監督は中野昭慶氏であった。

私はこの特撮監督のシーンで優れていると感じたものは、円谷監督のものよりはるかに少ない。

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仁義なき戦い・代理戦争

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邦画メモ、NO,34、DVDレンタル

1973年、東映、シネスコサイズ、99分

監督- 深作欣二、 撮影- 吉田貞二、 音楽- 津島利章

出演- 菅原文太、成田三樹夫、加藤武、川谷拓三、渡瀬恒彦、

金子信男、内田朝雄、小林旭、山城新伍、遠藤辰男、室田日出夫

梅宮辰夫、丹波哲郎

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ほんとうは第一作目を見たかったのだが、レンタル店で間違えて第三作目を借りてしまった。

深作の映画は「宇宙からのメッセージ」から、これが二本目の鑑賞となる。

カット割が多く、テンポがいい。ところどころスチル写真とナレーションで説明、これも時間圧縮効果でリズム感がいい。 ただし、スチルでも実際のムービー撮影が行われたようで、静止画となってしまったそのシーンの俳優さんはガッカリしただろう。 丹波哲郎の出演はすべてスチルだった。

人間関係、組織関係が複雑で一作目から観ないとよく分からない。実話をもとにしているがよく取材したものだ。

相変わらず、東映に出る俳優さんの演技がオーバーに見える。特に加藤武氏。 この俳優さんは黒澤監督にはよく怒鳴られたそうである。

ヤクザのメークが面白い。みんな日焼けしたように顔が黒い。ワルに見せるためか。ちょっと単純なやり方だと思う。 梅宮辰夫は実際に眉毛を剃ってのワル顔。

路上でのロケは予想したとおり手持ちカメラの「貧乏ユスリ」。 商店街での撮影は休日に行われたらしく、店のシャターが降りている。無許可のゲリラ撮影ではないようだ。

その殺しのシーンでは見物人が人だかりで、場違いな映像となっている。 こういう状況では、一般人は蜘蛛の子を散らしたように逃げるはずだ。 これはエキストラを雇う予算が無かったためかもしれない。現在ならフィルム・コミッションの協力があり撮影は楽だと思う。

夜の繁華街ロケでは照明が使われていないようで、増感現像されている。画調が変わるので少し色づけ処理してあった。

そこで一人のヤクザが拳銃の弾を連続して8発撃っている。自動拳銃のマガジンはたいてい7発入りだが。

相変わらすビストルの発射音がウソくさい。拳銃の反動や発射ガスの描写も日本の撮影用ガンでは迫力に欠けるが、「貧乏ユスリ」映像では画面がブレブレでそれも目立たない。この撮影方法にはこういうメリットがある。

内田朝雄と遠藤辰男、私の好きな俳優。 いつもうまい。

川谷拓三が責任をとって左手を切断するが、手に包帯を巻いただけの処置。 直ぐ病院に行かないと出血多量で死ぬと思う。また半年くらいは入院のはずだが、その後すぐ元気に歩きまわっている。

ラストシーン。文太が「若いヤツが真っ先に死ぬ」と発し、広島の原爆ドームへとカットを繋げる。 戦争の本質を訴える。

 

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633爆撃隊

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販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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特撮メモ、NO,25、DVDレンタル

1964年、MGMイングランド、シネスコサイズ、カラー、95分

原題- 633 Squadron.    squadronとは大隊、飛行隊のこと。

監督- ウォルター・グローマン、 撮影- エドワード・スケイフ

音楽- ロン・グッドウィン、 特撮- トム・ハワード

出演- クリフ・ロバートソン、 ジョージ・チャキリス、 マリア・ペルシー

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トム・ハワードというイギリスの特撮マンは「2001年宇宙の旅」にクレジットされている。 やはりミニチュア特撮のスペシャリストであろう。詳しくはわからない。

この映画もイギリスのモスキート爆撃機の実写映像が見られて、ヒコーキファンにはうれしい。あの飛行機は機体のほとんどが木製というのがファンの間では有名である。

大変軽快な飛行機で、映画の中では295ノットの速度を出しているが、時速にすれば530キロというところだ。これはゼロ戦21型の最大速度に近い。

話の内容はフィクションではなかろうか。爆弾10発で岩盤を崩し、ドイツ軍燃料工場を破壊するというもの。 狭いフィヨルドを低空飛行して目標を攻撃するというのは「スターウォーズ」のデススター破壊攻撃の原型かもしれない。 またこの手のフライトシュミレーションゲームがたくさんある。

その攻撃シーンは実写もあるが、飛行模擬訓練と実際の攻撃シーンはミニチュア特撮が使われている。

ミニチュア飛行機はワイヤーワークによるが、岩山につけられたバッテン印に爆弾を命中させる模擬訓練は実写映像と見間違えるほどだ。2秒程度の飛行機がターンする僅かなカットなのでボロが出ていない。 うまいシーンである。

フィヨルドの飛行シーンと岩盤の攻撃シーンではハイスピート撮影されておらず、爆弾が破裂したり、モスキートが自爆するカットはチョコマカしていてミニチュア然としている。スピード感をねらったものだろうが、まるで円谷特撮のようであっけなく、オモチャ然だ。

ただしどのミニチュア撮影のシーンもオープンで撮影されていて、太陽光による撮影が実写に近い効果をあげ、それをカバーしている

岩盤が崩れ、工場が破壊されるシーンはちゃんとハイスピード撮影。 ミニチュアが小さいがまずまずの映像。

こうしてふりかえると、全体的に円谷特撮に近い。ただ円谷特撮ではこういうシーンでもオープンでなくスタジオでやってしまうので、人工照明がミニチュアモデルに反射して質感をプラモデルのようにさせてしまう。

やっぱりミニチュア特撮は、昼のシーンにおいては、出来る限りオープンで自然光で撮影するに限る。 露出がやっかいかもしれないが。

この映画、脚本がすべて不完全燃焼の気がする。ジョージ・チャキリス卒いる対空放火破壊メンバーが、なぜドイツ軍の待ち伏せ攻撃を受けたのかが全く説明がなされていない。

「大脱走」でマックイーンと組んだアイリッシュのちっさいオッサンが出演している。やっぱり英語がなまっている。 日本だと由利徹だろうか。

テーマ音楽がすばらしい。 

どこかで聞いた有名なテーマ。

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深く静かに潜航せよ

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販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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特撮メモ、NO,24、DVD、レンタル

1958年、MGM、スタンダード、白黒、93分、画質良

原題- Run Silent Run Deep.

監督- ロバート・ワイズ、 撮影- ラッセル・ハーマン

音楽- フランツ・ワックスマン、 特撮- ハワード・ライデッカー

出演- クラーク・ゲーブル、バート・ランカスター、ジャック・ウォーデン

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特撮マンのハワード・ライデッカーという名前を知ったのはアーウィン・アレン作品からであり、1960年代後半からの「原子力潜水艦シービュー号」や「宇宙族ロビンソン」などで、L.B・アボットと共に特撮に係っているということを中学生時代に何かの資料で憶えた。

この人の詳しい資料が見つからないが、ワイヤーワークが得意らしい。得に水中におけるミニチュアの操演、例えば魚雷の走行などは彼によるものだろう。

さて、この映画、潜水艦の実写映像はもちろんあるが、バトルシーン、水中シーンはすべてミニチュアワークである。

これがまた見事につきる。ミニチュアはかなり小さく、2メートル前後のものであるが、例によってアメリカのミニチュア特撮のハイスピード撮影が適切で、すべてのカットは恐らく5倍ほどの高速度撮影で、大変、実際のスケール感がともない迫力がある。

また魚雷攻撃による船の爆破のパイロが素晴らしく、炎と煙と飛び散る破片の演出は私の観た映画の中では「トラ・トラ・トラ」に匹敵するかそれ以上だ。

日本の輸送船が爆破されるミニチュアのクローズアップが特に見事だが、駆逐艦の後方を進む輸送船のカットは、白波の演出がなされていて、それはなにか洗剤の細かい泡のようなものだった。水の表現というのは特撮マンにとって悩みの種なのだが、このシーンは特撮ファンでなければ実写だと思うだろう。すばらしい効果をあげている。

追記: 再度見直しての分析では、輸送船と駆逐艦の爆発カットでのミニチュアは5メートルから10メートルくらいのラージスケールのものが使われている。

海上における魚雷の軌跡の演出には、ドライアイスかエアの入ったボックスをワイヤーで引っ張っているように見えた。

カメラアングルは海上スレスレであり、潜望鏡目線である。大変実写感をともなう。これが飛行機目線になるとミニチュア感が出てしまう。日本の特撮がよくやる間違いのひとつである。

海上のバックの空はカキワリであり、プールを使っているが恐らく東宝のプールより大きく奥行き感がある。あるいは撮影がいいので大きく感じるのかもしれない。船の煙突の煙がなびく演出も良い。

カキワリの空の絵はうまいと思う。いつも感じるのだが、日本の映画、特に東宝のカキワリバックやマット画の絵があまりにもお粗末なので。

水中撮影における爆雷の炸裂がいつも変わらず迫力がある。あの爆雷はどうなっているのだろうか。大きさは単一乾電池くらいのものだろうが、中に水と反応すると爆発するナトリウムでも入っているのだろうか。

いつも思うのだが、どうして1940年代からの今日までのアメリカのミニチュア特撮はあんなにウマイのだろうか。

当時の円谷英二はこれらの映画を観てどう思っていたか知りたいものだが、恐らく、ハイスピート撮影のために、潤沢にフィルムが使用できるアメリカの撮影環境には羨望していたかもしれない。

映画の中身はゲーブル艦長が、かって攻撃され沈められた、宿敵の日本の駆逐艦を「白鯨」のごとく追いかける話。 展開にメリハリがなく物足りない。

東洋人が何人か出演していて、例のようにおかしな日本語をしゃべっているが、日本の潜水艦の艦長だけがしっかりした日本語で演技もうまかった。

劇中聴こえるモールス符号はいったい何だったのだろうか。

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トイ・ストーリー2

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洋画メモ、NO,52、NHKBS

2000年、ディズニー、ピクサー、92分

監督- ジョン・ラセター

声出演- トム・ハンクス-唐沢寿明、ティム・アレン-所ジョージ、

ジョーン・キューザック-日下由美

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CGで出来た映画をまともに観たのはこれが初めて。

面白かったが録画保存しておこうとは思わない。もう一度観ようとは思わない。

よくできているもんだ。

一番すごいと感じたのは昔の白黒番組をテレビの中で再現しているシーンで、糸で動くマリオネットの人形は、実写映像だと思わせたが、後でこれもCGだと分かる。 脱帽してしまう。

「スターウォーズ」のダースベイダーとルークの関係が暴かれるパロディーでは単純に大笑いしたが、理由性がなく唐突すぎる。 ま、堅いこと言うな、という訳か。

アメリカ人の人物演技にいつも関心してしまう。もともと日本人より手振りや顔の表情の変化が豊かだが、人形のCGではそれが強調される。

NHKの特集で「未来少年コナン」の裏話を放送したが、出演した大塚康生氏が、アメリカの演技では仕草が重要であり、それをビジネスと言い、アニメーションでも必要だ。と語っていた。 

そのビジネスが「トイ・ストーリー2」ではすばらしい。どうも日本人にはこういうことは敵わないと思う。

所詮CGであり、動いているものに比べて背景などが時間が止まっているように見えてしまう。しかし、木の葉が微妙に揺れているという工夫はしてあった。どうせなら地面に生えている草も風で揺らせてほしかった。

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デルス・ウザーラ

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洋画メモ、NO,51、NHKBS

1975年、モスフィルム、カラー、70ミリ、画質不良、141分

原題- Derusu Uzala

製作- ニコライ・シゾフ、松江陽一

脚本- 黒澤明、ユーリー・ナギービン

監督- 黒澤明、 撮影- 中井朝一、ユーリー・ガントマン、フョードル・ドプロヌラーボフ

音楽- イサーク・シュワルツ

出演- ユーリー・サローミン、マキシム・ムンズク、スベトラーナ・ダニエルチェンコ

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久しぶりにいい映画を観ました。これからも繰り返し・繰り返し観るでしょう。

黒澤映画で唯一観ていなかったもの。

1980年ごろの黒澤ブームでも、一切、東京の映画館で上映していなかった。これはたぶんソ連映画だったためだろう。おいそれと配給できなかったようだ。

というわけで、永年の憧れの映画をついに観ることができた。なんと三十数年の夢が果たせたという訳。

「カピターン」の声が耳に残っています。

私の高校生のころ、この映画の製作が行われていた。当時、テレビで見た撮影現場のレポートからは、黒澤やスタッフの疲れた表情が窺がわれた。 ロケの昼食でのスナップでも彼らに笑顔がなかった。

大変困難な撮影であることが画面から解る。 凍てついた大地での、めまいがするような魅力的な望遠ショットの撮影では、風はエンジンのついた大型扇風機を使っているだろう。70ミリの大型カメラを廻すにしても発電機が必要である。わずか1カットのためそれらを何日間も待機させ、キャンプを張って夕日待ちと天気待ちをしなければならない。 黒澤の妥協を許さぬネバリが画面からヒシヒシと伝わってくる。

その丹精こめた魅力的なシーンがいっぱいありすぎる。書ききれない。

ただ、カメラはいっさい人物のクローズアップをしない。人物は常に引いていて自然の中の人間として淡々と表現している。

しかし黒澤的、骨太のダイナミズムもしっかりある。

デルスが河に流され、隊員が救出するシーンは「七人の侍」の村の合戦や、「天国と地獄」の列車内のシーンのような一発勝負の緊張感があった。

ただ、デルスが町暮らしに戸惑うところは、もう少しエピソードがあってもよかったと思う。早く森に帰りすぎた感じがする。

ソ連時代のカラーフィルムの色合いが面白い。あの色はアグファ系である。

ただし、フィルムのコンディションが良くない。所々、色むらがあり、サウンドトラックにノイズが入っている部分がある。この映画もデジタル・リマスターしてほしい。

ユーリー隊長の家で息子がピアノを弾いているが、これがバイエルの59番だった。懐かしい。

この教則本はドイツからロシア、日本へと伝わったと聞いているので間違いではない。 その他の国ではほとんど使われていない。

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「ゴーストシップ」・日曜洋画劇場のやり方

ゴーストシップ 特別版 [DVD] DVD ゴーストシップ 特別版 [DVD]

販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日:2008/07/09
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2008年12月7日に放送された映画「ゴーストシップ」を例に、民放がいかに映画をないがしろにしているか、視聴者を小バカにしているか摘発したい。

テレビ朝日の「日曜洋画劇場」の放送開始時間は夜9時である。新聞で調べてみても9時ジャストとなっている。 この点はハッキリしていて気持ちがいい。それは、最近の民放の放送開始時間を見ると、6時55分だの7時56分だのと少し早めて他局をだしぬこうとフライイングをする傾向にあり、この姑息な手段をニガニガしく思っていたからだ。

ところがだ。 この日の「日曜洋画劇場」の本編開始時間は9時7分だった。その開始時間まで、7分間、延々とコマーシャルと映画の予告編を放送していた。ぶさけているので観るのを止めようかと思ったほどだ。

だからリアルタイムで民放の映画など観ると不愉快な目にあう。やっぱり録画しておいて、こういう部分を早送りでスットバシテ観るべきだ。 さらに録画時間のセットは9時5分ごろにしたほうがよい。

その本編が始まるとこれまたコマーシャルがすぐやってきて、そのコマーシャルの後に例のCM前のシーンをクドクドと流す、「CMまたぎ」がある。

とうとう映画まで、この少しでも本編の放送時間を延長させるという卑怯な手法が始まったかと以前嘆いたものだが、「CMまたぎ」というヤツは例えれば、昔のバラエティー番組でやっていたゴム紐の押し売りコントのゴムの計り方と同じであり、90センチのゴム紐をちょっと引き伸ばして1メートルにして売りつけるのと同じである。つまり90分の映画を「100分放送しましたよ」と言っていることと等しい。

これが「ゴーストシップ」ではどうだったか、ちょっと調べたので、本編とCMの時間も入れてメモしたい。

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・本編1 ・・・・ 7分10秒。

  CM - 3分25秒、  CMまたぎ - 30秒。

・本編2 ・・・・ 5分50秒。

  CM - 2分46秒、  CMまたぎ - 39秒。

・本編3 ・・・・ 13分40秒。

  CM - 3分30秒、  CMまたぎ - 40秒。

・本編4 ・・・・ 23分。

  CM - 3分14秒、  CMまたぎ - なし。

・本編5 ・・・・ 8分48秒。

  CM - 2分20秒、  CMまたぎ - 25秒。

・本編6 ・・・・ 21分45秒、終了。   終了時間、午後10時50分。

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ということで本編の放送時間は合計80分13秒であるが、重複している伸ばしたゴムひもの「CMまたぎ」分、 2分14秒をさっぴけば約78分の放送時間ということになる。

たかが2分14秒と言うなかれ。その時間は損をしているという心理的逆効果で、大変長く感じられるものだ。

尚、この映画は、ウィキペディアによれば91分である。つまりこの放送では約13分カットされている。

恐るべし。1時間54分くらいの放送枠で1時間18分しか映画が流されていない。昔は1時間30分くらいあったと思うが。

つまり正味2時間の映画だとすると約40分カットされ、ズタズタの映画になってしまうことになる。

「ゴーストシップ」の映画の内容については13分といえども、カットされているのでなんともコメントできないのだが、支離滅裂の脚本という印象を受けた。幽霊船のセットだけすばらしい。

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離陸中止

CA STORY in ハッピーフライト (キネ旬ムック) Book CA STORY in ハッピーフライト (キネ旬ムック)

販売元:キネマ旬報社
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ユーチュブで、まるで映画のシーンのような素晴らしい映像があったのでメモします。

http://jp.youtube.com/watch?v=Ogb69OBceRI&feature=related

イリューシンの4発ターボプロップライナーが離陸決定速度・V1直前で、パイロットが何らかの異常を感知し、フル制動をかけてなんとか停止する実写映像。

プロペラ機の場合、制動はプロペラの角度を逆にしてジェット旅客機の逆噴射と同じ効果で減速をかけられるが、減速の主役はあくまでもメインギアのブレーキである。

どんな異常があったかは記録されていないが、かなりオーバーランしてしまった危機一髪の停止だ。

ギアは折れなかったので大事に至らなかった。

メインギアのブレーキが加熱してタイヤに燃え移っているが、旅客機のギアのフル制動試験でもディスクブレーキが過熱して光輝いている映像が観られる。下記がその映像。

http://jp.youtube.com/watch?v=m1dv_y_3EK0&feature=related

こうなると停止しても安心していられない。タイヤが燃え出し、機体に燃え移る危険があるからだ。いち早く脱出シュートで機体から離れる必要がある。

もう一つとんでもない映像。

アメリカの輸送機に逆向きのロケットエンジンを取り付け、その逆噴射で無理やり機体を停止させようとして失敗してしまう映像。

http://jp.youtube.com/watch?v=2VnSfPh3yt8&feature=related

これは、かつて、どこかの国に人質にされたアメリカ人を救出するため、無理やり輸送機をスタジアムに短距離着陸されるための作戦で考えだされた手法のテスト映像らしい。

逆噴射ロケットの威力が強すぎて翼がブッコワレテしまっている。エライことを考えるものだ。

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ユーチューブ中毒

ジェットエンジン Book ジェットエンジン

著者:中村 佳朗,鈴木 弘一
販売元:森北出版
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最近は映画を観る機会が少なくなってしまった。ユーチューブの映像ばかり漁って観ているからだ。これが止められなくて気が付くと深夜まで観続けていることもある。

特に好きな映像は旅客機の離陸シーンで、客席から撮影されたものではエンジンが写っている映像がいい。

離陸中というのは、アナウンスにあるとおり電磁波を発生しているビデオ機器の使用はひかえなければならないが、最近の新型機はコックピットにもコンピューターが多用されており、当然、電波障害を防ぐ対策がなされているから、それほど神経質にならなくてもいいと思う。

第一、パイロット自身がそのコックピットにビデオカメラを設置して、離着陸の模様を撮影した映像すらある。

ジェットエンジン馬鹿の私としては、クリアティクオフの瞬間からエンジンの推力を少し上げ、スタビライズ(複数のエンジンの回転がすべて安定すること)まで一呼吸待ち、さらにパワーアップ、最大推力となる瞬間がたまらない。

あのエンジンのスプール音がいい。エンジンナセルの共鳴音がたまらない。

最大パワーのエンジンはブルブルと振るえ、顔を真っ赤にしてエアを後方に吹き突けている。 ガンバレ!、GO,GO。 

V2速度・・・(安定して上昇する速度)までは壊れてはアカンゼヨ。

ちなみに、ここで一つのエンジンが壊れても残りのエンジンで上昇することになるが、この状況は、バイロットは訓練で散々経験済みであり、客の我々がパニクル必要はない。

ジェットエンジンの中でも素敵なのはボーイング777に搭載されているGE90で、この世界最大のファンジェットエンジンは機種によっては50トンの推力を発生するものもあり、これはDC-8や727についていたエンジンのほぼ6発分に相当するものすごい馬鹿力のヤツだ。

こいつの音がまたいいんですな。スタビライズ時のヒューンという巨竜が目を覚ますような魅惑的な声、そして最大パワー時の、がなっているようなワイルドな音。 たまりません。

エンジンの吸い込み口を見ていると、大気の湿度によっては吸引の猛烈な気圧低下でベイパー(霧)が発生したり、地上から小さな竜巻が見えたりしてなかなか面白い。

***** ナイスサウンドとベイパーの映像

http://jp.youtube.com/watch?v=P7vxj327Eg4&feature=related

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